「がんばろう!岩手」意見交換会(平成29年10月24日 二戸地区)
日時
平成29年10月24日(火曜日)10時30分から11時50分まで
場所
二戸地区合同庁舎 2階 2AB会議室
出席者(敬称略)
- 参加者(敬称略)
長谷 則之(二戸市地域おこし協力隊 隊員)
長島 まどか(二戸市地域おこし協力隊 隊員)
山井 真帆(二戸演劇協会「The雲人」 劇団員)
細谷地 涼太(細谷地牧場 畜産農家)
下斗米 佑太(九戸村商工会青年部 副部長)
古舘 航太(岩手県立大学総合政策学部 学生) - 県側
知事、県北広域振興局副局長、秘書広報室長
開会
保室長
それでは、皆さんおはようございます。ただいまから県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を開催いたします。
本日は、皆様には大変お忙しいところ、朝早くからお集まりいただきましてどうもありがとうございます。
今日は、「地域産業・文化を活かすふるさとカシオペア連邦」ということをテーマといたしまして、この二戸地区で様々な活動をされている皆様にお集まりをいただいております。
私は、今日の司会進行を務めさせていただきます県の秘書広報室長の保でございます。どうぞよろしくお願いします。
知事あいさつ
保室長
では、開会に当たりまして知事から一言お願いします。
達増知事
皆様、おはようございます。県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会ということで御参加をいただき、誠にありがとうございます。また、県議会議員の皆さんもお忙しい中、ありがとうございます。
今年度の県政懇談会では、復興や地方創生ふるさと振興、そして未来を切り拓く取組などをテーマにそれぞれの取組に関わる方々と意見交換をさせていただいておりますが、今日のテーマでありますふるさと振興は、東日本大震災津波からの復興と並ぶ県政の重要なテーマであり、地方において誰もが希望を持って生きていくことができるようにするために暮らし方、働き方、また、結婚や子育てのあり方などこれまでの地方における社会、経済、行政の仕組みを改革していこうということでもあります。
今日は、「地域産業・文化を活かすふるさとカシオペア連邦」を懇談テーマというふうにしまして、二戸地区で様々な活動を通じてふるさと振興に取り組んでいる方々にお集まりをいただきました。御出席の皆さんが日々の活動で取り組んでいることや活動上の課題、今後の取組、また、夢などについてお話を伺って、県政の参考にしていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
保室長
それでは、今日の懇談の進め方でございますけれども、この後、私から御出席の皆様方の御紹介をしたいと思います。その後、今日のテーマに沿ったお話をお二方ずつ区切りながら知事のコメントも差し挟みながら進めたいと思います。後半には、自由懇談の時間も設けたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、私のほうから名簿に従いまして御紹介をしたいと思います。
二戸市の地域おこし協力隊隊員の長谷則之さんでございます。
長谷 則之
長谷です。よろしくお願いします。
保室長
同じく二戸市の地域おこし協力隊隊員の長島まどかさんでございます。
長島 まどか
長島です。よろしくお願いします。
保室長
二戸の二戸演劇協会「The雲人」劇団員の山井真帆さんでございます。
山井 真帆
山井です。よろしくお願いします。
保室長
畜産経営をやられております細谷地牧場の細谷地涼太さんでございます。
細谷地 涼太
細谷地です。よろしくお願いします。
保室長
九戸村商工会の青年部副部長ということですが、御自身は、土地家屋調査士事務所にお勤めということです。下斗米佑太さんでございます。
下斗米 佑太
下斗米です。よろしくお願いします。
保室長
そして、一戸町にお住まいの岩手県立大学総合政策学部の学生さんで、3年生ということです。古舘航太さんでございます。
古舘 航太
古舘です。よろしくお願いします。
保室長
県からは達増知事、そして私の隣には県北広域振興局の千葉副局長が出席しております。よろしくお願いいたします。
千葉副局長
よろしくお願いします。
保室長
また、本日は、皆様からは後ろのほうになってしまいますけれども、このエリアの県議会の選挙区から県議会議員の皆様にもお越しいただいております。御着席の順で恐縮でございますけれども、工藤大輔議員、五日市王議員、工藤誠議員でございます。
保室長
よろしくお願いいたします。
それでは、まずはお菓子について、御紹介を副局長からお願いします。
千葉副局長
お菓子は、2品御準備してございます。1品目は、軽米町特産のさるなしを使用したクリームをクッキーでサンドしました「さるなしクリームサンド」でございます。今年3月に町内の菓子店千本松本舗さんから発売された人気商品ということになってございます。
それから、もう一品が南部せんべいでおなじみの巖手屋さんから今月新発売されたばかりのスターピーナッツです。フランス産のブロンドチョコレートと、巖手屋製のまめごろうという南部せんべいを砕いて、それをごっちゃにしてミックスして、星型のお菓子にしたものでございます。
以上でございます。
長島 まどか
これすっごくおいしい。もう食べてしまって。
達増知事
早いな。
長島 まどか
この前、小松製菓のイベントやったので。
千葉副局長
南部せんべいを砕くところがみそなのです。
保室長
これは盛岡駅でもお土産用にかなり出ているという話ですね。
千葉副局長
そうですね。
長谷 則之
本当に星の形をしている。
長島 まどか
そうなのですよ、かわいいし、おいしいし。
達増知事
星の形をしていますね。
保室長
それでは、皆様方には随時お召し上がりながら進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
懇談
保室長
それでは、時間もございますので、懇談ということで最初に自己紹介をお願いしたいと思います。
着席の順番ということで、長谷さんからお願いいたします。
長谷 則之
二戸市地域おこし協力隊の長谷則之です。協力隊になってから3年目を迎えました。
出身地は、埼玉県の越生町というところで、埼玉の中でもすごく小さい町で、人口で言うと1万2,000人ぐらいだったと思います。今だと「ハイキングのまち宣言」というのをやりまして、東武越生線沿線なのですけれども、鉄道旅行で来た方がハイキングを楽しめるようなまちづくりというのを進めているところです。今すごく観光に力を入れている町です。
私自身は、二戸に来る前は東京で会社員をしていました。仕事内容としては、公共交通のコンサルティングをやっていまして、コミュニティーバスの運行計画の見直しですとか、利用促進の施策ですとか、そういったことを行政の方と一緒にやっていました。
協力隊になったきっかけとしては、もともとまちづくりですとか、観光をきっかけに町を元気にするということに興味がありまして、ぜひチャレンジしてみたいなという思いがあって、それまで縁はなかったのですけれども、二戸市さんのほうにお世話になることになりました。
今は、地域の宝を活かしたエコツーリズムということで、地域の皆さんと一緒になりながら地域資源を活かした旅行商品の企画ですとか、実施のほうをやらせてもらっています。
保室長
ありがとうございます。
それでは、長島まどかさんお願いいたします。
長島 まどか
私も同じように地域おこし協力隊ではあるのですけれども、ちょっと独特なうるしびとという枠でして、漆掻きなど漆に関することをやる地域おこし協力隊の隊員として2年目を迎えています。
出身は埼玉県上尾市というところで、こちらに来る前は広島県の熊野町というところで化粧筆の職人をしておりました。座りっ放しの仕事ではあったのですけれども、たまたまテレビで漆掻きの人数が足りないというニュースですとか、あと文化財修復に国産漆を使いたいけれども、生産量が追いついていないという状況を聞いて、これはおもしろいと思って、やってみたいなというのがちょうどありまして、30歳手前だったのもあったので、思い切って本州縦断するような形でこちらに移住してきました。
分かりやすいように、今日は仕事着で来たのですけれども、ここに付いているのは漆でして、本来はこんな道具を持って、腕カバーもして、軍手もして山に入って、朝5時ぐらいに起きて、7時ぐらいには山に入るという形で仕事しているので、人にも会わないぐらいの家と山を往復するような生活をしているので、何ていうか、野生動物は発見するけれども、人と喋ってないなというぐらいの生活を今しています。
それ以外にも漆産業が注目されておりまして、結構あちこちから取材を受けることもありましたので、そういう取材の対応なんかもさせてもらっています。
保室長
ありがとうございます。
それでは、山井真帆さんお願いいたします。
山井 真帆
二戸演劇協会「The雲人」の山井と申します。一戸町出身で二戸市在住です。
高校生のときに演劇部に入ったことをきっかけに就職後も演劇に携わるようになりました。今は二戸演劇協会「The雲人」に所属しながら、ボイストレーナーやダンスの振付などをして定期公演とか、地域のイベントに出演したりしています。
平成26年から二戸市民文士劇というものが始まったのですけれども、そこでは出演のほかに演出助手等をしています。
二戸市民文士劇をきっかけに、昨年からは盛岡でお芝居公演させてもらったり、震災詩の朗読に出演したりと活動の場が広がってきています。
あと今年は、お芝居の題材として相馬大作や、石川啄木の作品に出たり、あとは宮沢賢治の作品の公演に向かって今稽古しているのですけれども、そういう岩手の偉人の作品に今年は結構たくさん出演する機会があるので、改めて岩手ってこんなすごい人たちがいたのだなという魅力に気づくことができました。
本日はよろしくお願いします。
保室長
ありがとうございます。
では、次に細谷地涼太さんお願いいたします。
細谷地 涼太
軽米町で和牛の繁殖と肥育、そして馬ですね、馬産地でもある軽米の馬の繁殖をやっております。その他に自分のところの牧場以外にも、軽米町内の若手の後継者が帰ってきて農業をやるとか、勤めながら週末農業をやるという若手の仲間たちを集めてモーモークラブというものを結成して、5年ほど前から活動しております。
モーモークラブというのは何をやっているかというと、もともと何をやるでもなく、地域の同じ職業をやっている人たちと交流を持って、せっかく同じ仕事をしているのだから、楽しくみんなで仲よく盛り上げてやろうというのがまずきっかけで始まったのですけれども、今は、そのメンバーで農業の受託ですね、困っている農家さんの仕事を請け負ったりだとか、年に1回、モーモーフェスティバルというお祭りを4年ほど前から開催して続けております。
今日は、そういったところをお話ししながら、紹介していきたいなと思っていますので、よろしくお願いいたします。
保室長
ありがとうございます。
下斗米佑太さんお願いいたします。
下斗米 佑太
九戸村商工会青年部副部長をしております下斗米佑太と申します。私は九戸村の出身で、高校は盛岡第一高等学校、早稲田大学に行きまして、現在は家業の測量会社と土地家屋調査士事務所を経営しております。
地元の事業主ということで、商工会青年部に入部しまして、地域のにぎわい創出のための活動を毎年行っており、九戸まつり、産業・芸術文化まつりなどの活動を行っております。
商工会青年部の特色としましては、様々な職種の若い事業者の団体ということで、部員それぞれの得意分野、専門知識があるというところかと思っています。私の商売は、御紹介いただきました土地家屋調査士で、その観点からもふるさと振興についてお話しする機会があればなと思いますので、本日はよろしくお願いいたします。
保室長
では、古舘航太さんお願いいたします。
古舘 航太
岩手県立大学総合政策学部3年の古舘航太と申します。
今一戸に住んでいまして、大学がある滝沢市まではIGRで通っています。大学では、社会学系のゼミに所属をしていて、地域住民の方とお話をしたり、地域環境で何か困っていることがないかとか、そういった社会調査を主にしております。
また、地域活動では、小学校のときから一戸町にある根反鹿踊りという県の指定無形民俗文化財をやっておりまして、現在も保存会で活動しております。
さらに、皆さんの前にお配りしたチラシにもあるのですけれども、昨年からぶっとべ料理というのがあるのですけれども、これを作っている二戸若手料理人の会という方々を支援するということで、二戸わけえもんグルメ隊というのを二戸地域出身の人たちで構成をして、イベントでぶっとべを出店するときのお手伝いとか、あとはSNSで二戸地域の料理とかいいところを紹介したり、そういった活動をしております。
今日はよろしくお願いします。
保室長
どうもありがとうございました。
それでは、ここからは今日のテーマ「地域産業・文化を活かすふるさとカシオペア連邦」ということでございます。それに沿ってお一人、すみませんが4分程度で現在の取組あるいは今後の期待あるいは御自身の抱負、行政への要望、様々あると思いますけれども、そういったお話を伺いたいと思います。
ここからはお二方ずつ区切りまして、知事のコメントも挟みながら進めていきたいと思います。
それでは、恐縮ですが、また最初に戻りまして、長谷さんのほうからお願いいたします。
長谷 則之
地域の資源を活かした旅行商品を作っていまして、今までですと地域の中で活動している地域団体さんですとか、協議会さんですとか、あるいは一般の市民や、市民団体さんたちがそれまで自分たちの食べてきた郷土料理ですとか、伝統行事だとかを外の人に体験してもらう、食べてもらうという内容で旅行商品を組み立ててきていたのですが、やはり同じことを何度もやっていると飽きられるというのですか、リピーターがついてくるところはあるのですけれども、やっぱり段々集客が落ちてくるという部分もありまして、新しいネタというのですか、観光資源を発掘するというのが今、一つの課題になっています。
私もよそ者なので、その目線からいうと、やっぱり旅行先に行ったら、その場所で採れる地場産の食材だとか、その場所独自の文化というのを体験したいなという思いがありますので、その視点から新しい観光資源の発掘ということに力を入れています。
今、二戸に来て3年目で改めて思うのは、南部せんべいですね。この間、市内を資源探しに走っていたら、一人で南部せんべいを作っているお母さんに出会いまして、そのお母さんは63歳なのです。地元の今80歳ぐらいのおばあちゃんに、20年ぐらい前にどうしても自分で手づくりで南部せんべいをやりたいから教えてほしいというふうに弟子入りして、技を教えてもらって、今は自分一人でやっているというお母さんに出会いました。そのお母さんは本当に全部手づくりで南部せんべいを作っているのです。それを何とか旅行商品として企画できたらいいなと。それと今は国産の食材だと価格的に難しいので海外産の材料ですね、小麦だとか、クルミだとかを使っているのですけれども、岩手県内の食材を使って全部オール岩手の南部せんべいを作れる体験ツアーなんていうのを作れたらいいなと思っていまして、これからはそういう食材を提供してくれる先を段々と見つけて、オール岩手の南部せんべい作りツアーができたらいいなと思っています。
保室長
ありがとうございます。
それでは、長島さんお願いいたします。
長島 まどか
私は、地域振興とかというよりも、まず漆掻きの技術を学ぶことが一番ですので、今年から漆の苗を植えて育てたりもしながら、今漆を掻いている最中なのですけれども、漆掻きの技術を学びながら、周りの漆に携わっている人たちの意見を聞いたりする機会は多いのですけれども、なかなか漆器そのものが高いというのと、あまり今身近なものではなくなってしまっていて、まず使ってもらいたい。使ってもらったら、良さは絶対分かってもらえるはずなのですけれども、使ってもらえるまでに結構ハードルが高いような感じがしていて、この前の土日に南部せんべいとかチョコ南部とかを取り扱っている巖手屋さんのツードアで漆のイベント、うるしまつりをさせてもらって、できれば地元の人たち、もしくは周辺地域の人たちに漆というものを身近に感じてもらえるようにという感じでイベントをしたのですけれども、南部せんべい汁の振る舞いがあって、そのときに漆器に入れて提供してくださったのですけれども、せんべい汁がすごく熱々でも漆の器に入っていると、手で持ったときにすごく熱くはならないのです。陶器だったら「熱っ」となるのですけれども、それがないというのがやっぱり漆器の魅力でもあるので、そういうのが周りに少しずつでも伝わっていったらなというのがあります。漆掻き自体は、漆掻きの人数が減っているのと、漆の原木数が減っていて、急いで育てたいのですが、木が育つまでに10年から15年かかるというのもありますし、植える土地がないという問題もありますし、一番困っているのは土地の持ち主さんが分からない。空き家問題とかとも一緒なのですけれども、誰が相続しているのか分からない場所があって、せっかく木はすごく育って掻きどきなのに管理している人が分からないので、そこから買うことができない。
達増知事
それはもったいないですね。
長島 まどか
という問題があるので、それについては、こっちではどうにもできないので、どうにかする方法があればなというのがあります。
あと、さっきもちょっと話したのですけれども、結構取材とかも来ていますので、漆に関しては注目されているタイミングではあるので、できれば今のブームみたいなものが一時的なものではなくて、継続的に漆というものに魅力を感じて、身近に感じてもらえるようになったらなと思っているところです。今度、県の漆のイベントが来月ですかね。
千葉副局長
そうですね。
達増知事
そうです、ええ。
長島 まどか
そちらでもおそらく漆掻きを私が実演することになるのではないかと思っているので、よろしくお願いします。
保室長
ありがとうございました。
では、知事のほうからコメントお願いします。
達増知事
お二人とも二戸市の地域おこし協力隊員ということで来ていただいて、ありがとうございます。私からも御礼をさせていただきます。
地域の食とか、文化とか活かした観光振興と、それから漆振興というのは、県としても力を入れている分野で、二戸市さんや関係者の皆さんと一緒に取り組んでいっているところなのですけれども、南部せんべいというのは結構全国的に知名度があるもので、誰でも一回ぐらいは食べたことがあるのではないかなというものではあるのですけれども、ただ深くは知らない人が多いのでありましょうから、そこをこだわりの岩手の材料を使って作るとか、そういうのはいいのではないかなと思います。
チョコ南部みたいな方向に発展もしているし、あとはツードアでせんべい汁を漆器に入れて出すというのもグッドアイデアですよね。
漆器は、やっぱり使って見るとすごく良さが分かるけれども、買って使うということへのハードルは高いわけなので、そういうイベントは非常にグッドアイデアだと思います。お汁物がまずおいしいですし、茶碗ではなくて漆器に御飯を入れて食べると、お米の重さを手で直接感じられるような感じでまたいいですし、そしてアイスクリームとか、そういうのでもいいし、あとお酒というのでもいいのですよね。フランスに行って、フランス人に漆器の器で日本酒を飲んでもらうとかやったことありますけれども、いろいろ関係者みんなで力を合わせてやっていくといいと思います。
人が足りない、漆が足りないということで、せっかく日本中、国宝とか、そういう文化財の修復には国産漆を使いましょうというときにどんどん出せないのはもったいないのですが、そうですね、土地所有者が不明で、せっかく育ってきたのに使えないというのはもったいないですよね。ルールをちょっと工夫して、法律が壁になっているのであれば、法改正できればそれにこしたことはないですし、何か特別措置法ですよね、漆振興特別措置法みたいな…。
保室長
あとは特区かな。
達増知事
ええ、放置しておくと育ち過ぎてしまって、もう旬を過ぎるというのですか、漆掻くのに育ち過ぎみたいになると…。
長島 まどか
あまり太いと、御高齢の職人さんたちは、皮が厚くなるので大変でやりたがらないというのもあって、私も今年大きいのをやらせてもらったのですけれども、たしかに体力とかかる時間が倍ぐらいになるので、大変なのです。
達増知事
そうなる前に掻くほうが漆の価値としてもいいのでしょうから、そして後で所有者が名乗りを上げてきたら適切な補償を後からでもすればいいことでありましょうからね。利害関係の整理というのはそう難しくないことのような感じで、ただ法律なり条例なりの手続を今の日本の中でやっていく手間というところがネックかもしれないのですが、そのくらいのことをやって、試みているうちに所有者が名乗りを上げてくるかもしれないので、県のほうでもちょっといろいろ動いてみせるということが大事かもしれません。
また、観光のほうに戻りますと、二戸市、さらにこのカシオペアエリアにはいろんな意外なびっくりするような、宝物発掘とか、結構実績もありますからね、どんどんそういうのを活用して観光に結び付けていってもらうといいと思いますので、よろしくお願いします。
保室長
ありがとうございました。
それでは、次に山井さんお願いします。
山井 真帆
私は、演劇を通してのことになるのですけれども、平成26年から始まった二戸市民文士劇というものでは、郷土の偉人を題材に取り上げて、その人の人生だったり、思いを舞台にしています。ちなみに、今回は相馬大作、その前が九戸政実と二戸の偉人を題材として取り上げているのですけれども、演じている人を含め感想を聞くと、地元にいてそれぞれの名前は知っているのですけれども、舞台を見て、あと出演してみて、初めてその人がどんなことをした人なのか、どんな人物であったかということを知ることができたという人が結構多く見られました。
ちょっと驚いたのが、県南とか県外からのお客さんというのも結構多くいて、自分が思っていたよりも郷土の偉人の人たちの知名度があるなということを知ることができました。
あと二戸市民文士劇のもう一つの魅力として、二戸広域の郷土芸能の皆さんに出演していただき、舞台を盛り上げてもらったりもしています。今回ですと九戸の江刺家神楽保存会とか一戸高校の薙刀部、二戸だと大作太鼓愛好会とか、吹奏楽団で活動している社会人の皆さんや吹奏楽部の高校生、編成した吹奏楽団の人たちに生演奏をしてもらったりということがあります。
今後も舞台を通じて地域の偉人の人生や思いを伝えたり、地域で活動している様々な団体の魅力を発信していけたらいいなと思っています。
もう一つの演劇の活動として、私が所属している二戸演劇協会「The雲人」というのは、「The雲人」というのは社会人、大人の人たちが「The雲人」と呼ばれていて、小学生から高校生も所属していて、その子たちは「アイキッズ」という子ども組と2つあります。こちらのほうでは地域に元気を届けることができるようにミュージカル活動やイベント、ダンス、合唱を披露したり、施設訪問したりしています。
子どもたちと関わりながら、子どもたちの秘めた力とか輝きというのは無限大だなと思ったり、1年ごとの成長にすごく驚かされたりします。
私個人の活動が盛岡であったりというふうにちょっと場が広がってきているので、そこで体験したことをこちらに戻ってきたときに一緒に活動することによって、さらに還元することができたらと思います。あとは地域で演劇活動をしている子どもたちが自分に自信だったり、楽しさを持って活動していってほしいなという思いがあります。なので、自分が携わっている二戸演劇協会「The雲人」、「アイキッズ」と市民文士劇、それぞれに魅力があるものなので、その魅力をどのようにこれから発信していくか考えながら活動していきたいと思います。
保室長
ありがとうございます。
それでは、続いて細谷地さん、お願いいたします。
細谷地 涼太
先ほど紹介したモーモークラブでの活動について紹介したいのですけれども、今現在、若手農家8人で結成して、私が今代表でやらせてもらっているのですけれども、軽米で何ができるかなといったときに、高齢化が進んできている農家さんが多い。牛は置きたいけれども、餌を作れない。でも、1頭でもぼけ防止に置きたいとか、やっぱり土地を持っている人がその土地で餌作ったりとか、そういうので置きたいけれども、作業ができなくなっている農家さんたちが増えているというのもあって、では自分たちで餌をつくることを始めようというので、耕作放棄地等を借りて、そこに自分たちで作付けして、デントコーンを植えて、それを販売したり、あとは農家さんで機械が古くなったりとか、そうやって年を取ってできなくなった人たちの代わりに私たちが機械を持ち込みして、作業を請け負って、そういった農家さんを助けるというのを連携しながら今5年間活動してきています。最初は、やっぱり定着が少なくて、自分たちがまず餌作るのがメインだったのですけれども、段々に最近では自分たちが作るよりも、周りから委託を受けるほうが多くなってきて、餌の生産も最低限ちゃんと作って、その他に委託を請け負ってやるというのがメインになってきています。
そういった中で、今でも餌を作って、宮古のほうだとか、あとは盛岡市とか、そういったほうにまで足りないというので応援して出したりしてお付き合いしているのですけれども、岩手県内どこでも餌は足りているわけではなく、輸入飼料がメインだったりとか、そういったのが多くて、あと軽米以外にも若い農家さんで交流しているのですけれども、自分たちで作れるのには限度がある。でも、そうやってモーモークラブみたいに何かやりたいとなったときに資金源がない。機械1台買うのにも何千万円で、そのリスクを一緒に負ってやれる仲間がいないという課題があって、なかなか活動できていない人たちが多いので、私たちを含め、そういう活動をしたい人たちを後押しできる事業だとか、そういったのをいろいろ検討していただきたいなというのが一つ私たちからのお願いで、あとはまず自分たちの仕事だけではなくて、住んでいる地域を盛り上げていきたいというので、笹渡地区小中学校というところが4年前に廃校になりまして、その廃校になった学校を何かに生かしたい。では、自分たちで何ができるというので、モーモーフェスティバルという自分たちの農業を紹介しながら、自分たちができるもので人を呼んで、なくなった学校をみんなで考えてもらいながら、ここに毎年1回集まってもらいたいというので、自分たちが育てた牛を2頭丸々販売したり、来場者に食べ振る舞いという形で丸焼きにして振る舞ったり、クラブ員の中には酪農家さんもいるので乳搾り体験をさせたり、あとは馬産地である軽米の馬の乗馬体験というのをやらせたり、普段自分たちが使っている機械の乗車コーナーみたいなものを設けて、広いグラウンドで遊ばせたりだとか農業体験を通じて今年で600人ぐらい来場客がありました。
これは、やっていくのが8人ベースでは結構いっぱいいっぱいになってきて、地域のボランティアの方々の協力も得ながら今現在、地元で活動しているのですけれども、後継者として活動していたうちは時間があったのですけれども、今はみんな経営者へシフトされて来ていて、みんなで餌を作ったりだとか、請負やるのになかなか時間取りづらくなったりとか、人を確保するのが大変だというのが今の課題なのですけれども、これからは、こういった地域を含め会社に移行していけるような取組もしていきたいなと思っています。
保室長
ありがとうございました。
では、知事のほうからお願いします。
達増知事
山井さんの演劇活動でありますけれども、まず二戸市民文士劇は九戸政実というのも名前こそ高橋克彦さんの小説で結構全国的に知っている人も出てきてはいるけれども、どんなふうだったかという中身については、あまり知られていない人を演劇で紹介するというのは非常にいいことですし、また相馬大作という人も江戸時代から明治、大正あたりかな、非常に全国的に人気があって、日本で映画が作られるようになって、まだ無声映画とか、白黒で音声がない映画とかの時代に相馬大作を主人公にした映画が結構作られていて、実は非常に全国的にも人気があって知られていたヒーローではあるのですよね。ただ、最近はあまり映画化もされず、名前は聞いたことがあるけれども、何をした人かよく分からない人状態になっているわけですけれども、特に来年が明治維新150周年ということで、結構薩摩藩とか、長州藩だとか、土佐藩だったようなあたりは、もう今年あたりから大政奉還150周年とか言っていろんなイベントをやっていて、でもこっちはこっちでやらなければならないなとか思っていたところ、相馬大作文士劇というのはこちらのほうから、岩手とか東北のほうから見た幕末の歴史でもあるので、こっちのほうにもあれだけ開明的で、先進的でいろいろ分かっていた人がいたというのは明治維新150周年的にもちょうどよくて、良かったと思います。
あと子どもたちが演劇で、またミュージカルもやったりすると歌ったり、踊ったり、お芝居をしたり、本当にいろんな可能性が掘り起こされて、すごくいいのではないかなと思います。そういう子どもたちが元気でいるというのは地域全体の活性化に非常にいいことなので、その調子でやっていただきたいなというふうに思います。
そして、細谷地さんのモーモーフェスティバルで600人ぐらい集まるということはすごいことですよね。
細谷地 涼太
そうですね、年々増えていって、今現在で600人ぐらいですね。
達増知事
そこは、やっぱり牛とか、馬とか、それを飼うということが人間にとってすごく昔から、人間の歴史が始まる頃からやってきたことで、やっぱりそこに懐かしさを感じたりとか、生きていてよかったみたいな感覚を感じる人が多いから来てくれるのではないかなと思いますよね。
二戸文士劇は県外からもたくさん来る人がいたということで、歴史ファンというのは結構熱心な歴史ファンが全国にいますし、やはり熱心な畜産ファンというのもいるのだと思いますね。何か旗を立てるとそこに集まってくると。旗を立てるという意味では、餌作りとか、機械の請負とか、そういう農作業面でも若者が力を合わせて高齢者の皆さんにも商品やサービスを提供、販売するという旗を立てて、多分地域外にもぽつぽつそういうのをやりたいけれども、1人とか2人ではやれないというような人もいるという、そういう人たちとも段々ネットワーク作っていける可能性もあるのかなと思いました。
沿岸のほうにもたしか畜産ではなくて、農業の米とか、畑作とかのほうで高齢者の土地の、あるいは作物の仕事を請け負うというのを若者何人かでやっていて、二、三十キロ離れたところまで行って、仕事場所がすごく離れていて、何十キロも離れたところを転々と、1日に何箇所かしか行けなくて効率が悪いとか言いつつ、そういうニーズはあるからやっているのですという人たちがいましたよね。でも、やっぱり人数少なくて大変だということを言っていて、岩手の場合、特にそういうニーズはかなりあちこちにあって、そこに応えていく仕組みとか、体制づくりというのを工夫すると、これは非常にうまくいくのではないかなと思いましたので、いろいろ県のほうでもそういう情報とか、事例とか、共有する感じにして、そういう取組がうまくいくようにしていきましょう。
保室長
それでは、次の方にまいりたいと思います。
下斗米さんお願いいたします。
下斗米 佑太
まず、今回のテーマについてですが、地域産業、文化を活かす、そのために私はまず地域の人たちが自分たちの地域のことを誇りに思う必要があると考えています。シンプルに言うと、ふるさとを好きだと言えることだと思いますが、そのために九戸村のことを、まず自分たちがもっと知ろうということで、商工会青年部、商工会と、それから他にも九戸村のために活動しているいろいろな団体がありますので、昨年そういう団体の人たちと交流会を開きました。
その団体の一部を挙げさせていただきますと、先ほど山井さんの話にもありました江刺家神楽を継承している郷土芸能委員会、伊保内高校を勝手に応援する会、地元の山登りや山菜料理を振る舞ってくださる山友会、九戸村の甘茶を全国に発信したり、販売しているふるさと振興公社などそういった団体がございます。
情報交換をしていて、それぞれの団体が熱意を持って地域のために活動しているということを改めて感じましたし、私の知らない九戸村の魅力を皆さんそれぞれが生き生きと話をしてくれました。誰しもそうだと思いますが、自分の好きな話をするときというのはいくらでも話せるものだと思いますし、今日この場にいる皆さんも本当にいっぱいお話ししたいことがある中で、限られた時間にまとめて今日はお話をしてくださっていると思います。これは私個人の勝手な話ですが、機会があれば時間が許す限り、今ここにいる皆さんともゆっくりお酒を飲みながらでもお話をする機会があれば非常に楽しいだろうなというふうにも思っています。そういった時間を、昨年、各団体の皆さんと取って話を聞いていく中で、お互いが協力をすればもっとおもしろいことができるだろうと実感もしました。
その実感の一つというのが今年の7月に九戸村で行われましたジャズライブ、題名が「世界のデビッド・マシューズを九戸・江刺家神楽が迎え撃つ」というイベントです。こちらは、世界的なミュージシャンをただ呼ぶということではなくて、九戸村の魅力を世界にぶつけようということで、会場に120年以上経つ蔵を活用したステージ作成をしまして、自然の豊かな九戸村の木にこだわった装飾を施し、伊保内高校の生徒たちが江刺家神楽を披露して、世界的ミュージシャンのデビッド・マシューズさんにその魅力をぶつけて圧倒させて、最終的にはこの九戸の魅力をニューヨークに持っていき、江刺家神楽をニューヨーク公演してもらおうというストーリーを立てて取り組んできました。そういった活動を青年部と、先ほど挙げた団体の皆さんと一丸となって行ったところ、大盛況に終えることができましたし、出演者の皆さんにもデビッド・マシューズさんにも非常に喜んでいただきました。
江刺家神楽を舞った高校生たちは、今年初めて高文祭の全国大会のほうに出場したわけですが、その勢いもあってなのか、当然実力もあって全国の3位という評価ももらっていますので、そういった相乗効果もあったなと思っています。
基本的には、それぞれの団体がそれぞれの活動を頑張っていくことが重要だと考えていますが、その目的としてあるのは、地域の活気づくりや魅力発信で、これは皆さん同じ思いなわけですので、今後も情報交換をしてコラボできるところはコラボしていくとまた非常にいいなと感じました。
そんな中で、どれだけ素晴らしいイベント活動したとしても、それを大勢の人に知ってもらって評価をしてもらわないと、初めに話をしました村の誇り、自慢や自信につなげていくのはちょっと難しいのかなとも思っています。
今はSNSがあって、情報発信する方法というのはたくさんありますが、しっかりと認識してもらえるような発信をするためには、情報の出し方を考えていかなければならないと、なおかつ体験してもらうのが一番かなとも思うので、知事をはじめとして岩手県の職員の皆さんも実際に見て内容を知って、できれば体験をしてもらって、それを伝えていってもらうということが非常に私たちとしてはありがたいなというふうに感じています。
九戸村の地域産業の話を少しさせてもらうと、岩手県では若鳥の生産量の一番の地域でもありますし、甘茶の生産が日本一のところでもありますので、ぜひ外部に発信する魅力あるふるさとだと若い世代にも感じてもらえるように私たちも頑張りますし、いろいろと発信していただいて、九戸村に住み続けたい人がもっと増えてくれることを期待しておりますので、よろしくお願いします。
保室長
ありがとうございます。
それでは、お待たせしました、古舘さんお願いいたします。
古舘 航太
まず、二戸わけえもんグルメ隊という活動をやっているのですけれども、皆さんの前にあるチラシもそのメンバーの一人の学生が作ったものです。こういった活動をして、県北の人は結構静かなイメージというか、実際静かなほうかもしれないのですけれども、地域のことに対してすごく熱い思いを持っているというのをこの活動で再確認をしました。二戸地域の豚と鳥と牛を使ったぶっとべ料理というのを料理人の会の方が作っているのですけれども、今も新しいメニューを考えたりして、より多くの人に知ってもらいたい、食べてもらいたいということで活動しております。そういった中で、この二戸わけえもんグルメ隊という若者がそういった活動を支援したり、若い人にも伝えていこうということで活動をやっております。
具体的にいえば、あるイベントがあったのですけれども、そこで新しいメニューを作りたいということで、実際に私たちも料理人の方と一緒にどういった味がいいかというのを比べて食べながら新しいメニューを販売したということもあります。また、メンバーの一人が岩手大学に在学しているのですけれども、大学祭でこのぶっとべ料理を出店しまして、実際に学生が自分たちだけでPRをすることができたので、自信もついたと思っていて、これからの活動にもつながるのではないかなと思っております。
今後は、この活動でもっと食に関して学んでいる学生とか、あとは情報分野を学んでいる学生などいろんな分野の学生とも協力をしていくことで、より幅の広い活動ができるのかなと思っています。
もう一つ、私がやっている郷土芸能の話なのですけれども、小学校の一戸南小学校というところで伝承クラブがありまして、そこで小学生たちが踊りを練習して覚えているのですけれども、私自身もその伝承クラブで覚えて、中学校に行くときに保存会に入ったのですけれども、自分の同級生は11人ほどその伝承クラブにいたのですけれども、保存会に上がったのが5人で、今も活動しているのが私を入れて2人だけになって、大学進学とか、就職で離れていってしまうので、せっかく踊りを覚えても踊る機会がなくなってしまうという人たちが多いので、少し残念だなという思いもあるのですけれども、でも少ないメンバーでも今は地域の宝を守っていきたいという思いを持って小学生の伝承クラブでの指導とか、あとは公演情報を町内の人だけではなくて、もっと外の人にも知ってもらいたいということで情報発信とか、そういったところにも挑戦をしたいと思っております。踊りだけではなくて、踊りで使う道具だとか、そういった昔の人が語り継いできたものもしっかりと受け継いでいかなければならないなと考えております。
先ほどのお話の中にもあったのですけれども、県北にも素晴らしい郷土芸能がいっぱいあるということで、やはり県南の鹿踊りとか鬼剣舞はすごく知られていると思うのですけれども、県北の郷土芸能というものをさらに県内外の人に発信していきたいと考えております。
保室長
どうもありがとうございました。
では、知事お願いします。
達増知事
下斗米さんの活動ですけれども、そのジャズライブはすごいですね、マシューズさんという人が来て演奏していったのですね。
下斗米 佑太
はい。
達増知事
岩手県の経済同友会で毎年岩手経済戦略会議というイベントをやって、東京のほうから経営の達人みたいな人に来てもらって地元の経済同友会会員といろいろシンポジウムとかやるというような企画なのですが、今年は若者、女性の活躍というのがテーマで、そこで東京から来た経営の達人がいて、私が印象に残ったのが、地方から東京をすっ飛ばして世界と直接つながっていくようなことをどんどんすべきだという話をした人がいて、それは若い人向けに言っているわけなのですけれども、そういうことが可能な時代なのだから、どんどん遠慮せずグローバルに活動してほしいという話を思い出しました。非常に素晴らしいと思います。
そして、江刺家神楽とのジョイントというのがまた良くて、ジャズの側でも参考になったのではないかなと思いますし、また神楽としても、やはりそういう経験が自信にもつながって、また高文祭のほうの活躍もあって非常にいいなと思います。
九戸村は甘茶もそうですし、全国有数、世界に通用するようなものがある地域だと思うので、ぜひその調子で頑張ってほしいなと思います。県職員もそういうのを実際に体験するのがいいのですよね。
そして、古舘さんですけれども、ぶっとべは、私はつくね串を何回か食べたことありますけれども、これはおいしいですよね。つくね串以外に、ここに例もありますけれども、何がおいしいですか、つくね串以外で。
古舘 航太
市内の料理人の会の方のお店ではいろいろなオリジナルのものがあったりして、イベントではいつもぶっとべをウインナーにしたものを入れた焼きそばを売ったりしていまして、この間の大学祭では初めてうどんをやったということでした。
達増知事
なるほど、そうですね、つくね串だけではなく、何か他の、ここにもメンチカツとかワンタンめんとかありますけれども、そういうめん類とかの中でぶっとべに活躍してもらうというのがまたいいのでしょうね。
そして、根反鹿踊りということで、県北の郷土芸能というのもやはり県南のほうのとも違うし、沿岸のほうとも違うし、特徴があって、守り伝えていく価値があると思いますので、江刺家神楽もそうですけれども、根反鹿踊りもだし、大事にしていきたいと思います。
それこそ九戸政実時代には青森、秋田との県境を越えて、この辺が北東北の中心で、そういう武士の勢力からしても、またいろんな生産力からしても、そして文化にしても、この辺が中心で、その繁栄の名残というのはあちこちにあるので、そういう歴史、文化を岩手県としても大切にしていきたいと思います。
保室長
ありがとうございました。
ここまではテーマに沿ったお話ということで、一通り皆様方からお話をいただいたところですけれども、まだ時間も十分にございますので、皆様もともと前からお知り合いだった方もいらっしゃるでしょうし、今日初めてという方もいらっしゃるかもしれませんけれども、他の皆さんのお話を伺い、聞いていて、何かこういうふうなことを思ったというのがもしあれば、ぜひここで一つ、二つお話しいただければと思いますけれども、どうですか。といって首を左右に振るとですね、私がさっきお話を聞いている中で、下斗米さんから、今日はこういう少しオフィシャルな場ですけれども、もう少し皆さんと一緒にいろんなお話をする機会があればというお話があって、この話というのはどの会場でも結構意外と皆さんから上がるお話なのですけれども、例えば今いろんなお話があって、皆さんから話があったことを観光に携わっておられる長谷さんから御覧になってみると、これは使えるみたいなものというのは結構あるのではないですか。
長谷 則之
たくさんあると思います。
達増知事
郷土芸能見せたり、ぶっとべを食べさせて。
長谷 則之
ですね。実際に郷土芸能を見るツアーというのを作ったこともありますし、今度11月には、漆をテーマにしたツアーというのをやりますし、あとまだ畜産のほうはやったことはないですけれども、雑穀畑を見に行くような内容で作ったこともありますし、何でも素材になると思います。
保室長
そういうときに来ていただければ、それが良い情報発信になるのですけれども、そういうときに受け入れる側のほうですね、こちらとしては、この地域の皆さんが受け入れる側ですけれども、そういうときの課題だとか、もしいくつかありましたら。
長谷 則之
そうですね、外からお客様が来るというと、どうしても頑張り過ぎてしまうところが一番課題かなと思っています。そのままでいいのですよ、素の様子を体験してもらいたいですし、県北なら県北ならではののどかな雰囲気だとか、人の温かみというのが一番県北の魅力だと思うので、それをお客様に知ってもらいたい、体験してもらいたいという気持ちがあります。
あまり頑張り過ぎると、最初の1回目で疲れ切ってしまって、もう二回目、三回目はちょっと勘弁してくれという話に結構なるのです。
保室長
なるかもしれませんね。
長谷 則之
ええ、最初はやっぱり頑張り過ぎてしまうので、そうすると終わった後に、最初に盛り上がった分だけメンタルの落ち幅が大きいのです。ですから、最初はあまり頑張り過ぎずに、普段食べているものだとか、普段当たり前に体験している文化だとか、見ている風景、それがそのままでも外から来た人には喜ばれるのだという成功体験みたいなのを持ってもらえると無理のない範囲で徐々に上がっていけるのではないかなというのは常に感じていますね。
達増知事
無理せず儲かり、また長続きするみたいにしなければならないものですね。
長谷 則之
そうですね、はい。
保室長
そういうところは、下斗米さんとか細谷地さんが実際にイベントをやられてみて。
細谷地 涼太
やっているほうはつらいですよね。
保室長
細谷地さんから、地元で何かをやるために若い人たちの数が足りなかったりとか、そういうスタッフがなかなか手に負えなくなったりという問題というのはどうですか。
細谷地 涼太
全然足りないですよね、準備から何から。予算も結局自分たちが普段働いて収益を上げているのをベースにしてイベントを打っているので、牛自体も今高いですし、今年のイベントだけでも1日イベントやるのに300万円超えていますし、リスクが高いというのもあるし、何人来てくれるかも分からないので、足りないよりはあまるぐらい肉も用意しなければならないなというのもあるので。
毎年8月14日にやっているのですけれども、帰省客の方が多いので、その帰省客が牛肉を買って帰って。毎年、軽米で生まれ軽米で育った牛に限定してやっているのですけれども、その肉を食べたいという人たちが年々増えてきているので、足りないよりはと思っていっぱい用意するのも大変ですね。
保室長
学生さんのぶっとべのようなものがこれからもう少し広がっていくと、このエリア全体のみんなでお助け部隊みたいな感じで融通していくみたいなことというのは。
細谷地 涼太
イベントに露店的な感じで出してもらって宣伝したり、同じ肉がほしくて来ている人たちも多いと思うので、あとはステージ発表的なことで文士劇やっていただいたりとか、お盆期間中なのでなかなかみんな都合つかないと思うのですけれどもね、そういった交流をしながらタッグを組めれば、またすごく発展できますよね。
保室長
漆の話もございましたけれども、最終的にお買い求めいただいて、手にとってもらうまでが非常にハードルが高い、それは良さを分かってもらって、それなりのお値段を払ってもらうという必要があるのですけれども、そこに行く前の触れてもらうというようなことからすると、もう少し値段のことも考えながらの商品開発みたいなものというのは、そういう方向性というのはどうなのでしょうか。
長島 まどか
私は、製造のほうにいるわけではないので、そこに詳しい部分までは分からないのですけれども、漆の値段自体もかかっている手間暇から見たら、ちょっと安いのではないかとなっていて、漆の値段をちょっと上げたいという話はあるのですけれども、そうするとまた職人さんたちが買う値段がとなってしまうので、また製品の値段が上がってしまうというループになってしまうので、ちょっと値段を上げたいけれども、上げられないという状態にいるのです。そこを何とかできないかみたいな話を今している最中で、製品も、元の木地、元の木の器の時点の木の値段も上がっている、いろいろ値段が全体的にかなり上がっているのです。ですので、パッと値段を下げろと言われて下げられるものではないので。修理しても使えますし、長い目で見たら高い買い物ではないのだけれども…という周知がうまくいけば全体的にはいいのかなと。
達増知事
ウェッジウッドとかロイヤルコペンハーゲンとか、それは瀬戸物ですけれども、そういう世界有数のブランド食器と同じジャンルだと思っているのですよね、岩手の浄法寺塗とか秀衡塗とかというのは。だから、高いお金を出してもらえるようなところは維持しつつ、ニューヨークのティファニーに学生で買い物に行って、ティファニーの本格的なものは何十万もするから買えないけれども、トランプなら日本円にして500円ぐらいだから買えるみたいな話があって、そういうちょっと漆がついていて500円とか、そういうものとかがいいかもしれないですね、まず一滴ぐらいのそういう商品とか。
長島 まどか
ストラップとかは結構あったりするので。
達増知事
ストラップ、ストラップ、はい。
長島 まどか
お箸とかだとちょっと廉価なので、それがよく売れるというのはあるそうです。
千葉副局長
これですね。
長島 まどか
あっ、それこの前のイベントの…。
千葉副局長
この前のイベントのもの、500円です。
達増知事
500円というと…。
千葉副局長
自分で塗った…。
長島 まどか
自分で塗って、磨いてツヤを出してという体験が。
保室長
自分でやるのですね。
あと子どもたちが大きな可能性を秘めているということで、演劇を通じて子どもたちの活動ということなのですけれども、それについての将来の夢みたいなものがもしございましたら。
山井 真帆
そうですね、12月24日のクリスマスイヴに公演があって、今まではミュージカル作品をやってきたのですけれども、今回、子どもたちが大きくなって中学生ぐらいの子たちが多くなってきたこともあって、今回はストレートプレイに挑戦します。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」という作品で長い台詞がたくさんあるのですけれども、今それに子どもたちが挑戦しているので、一緒に頑張って公演を成功させたいなと思っております。
保室長
皆さんからいろいろお話を伺いましたけれども、今日せっかく知事がいるので何か一言言わなくちゃみたいなのがもしあったら。
長島 まどか
そういうのとはちょっと違うのですけれども、私は5月から11月の雪が降るまでは、雨が降ったら休みなのですけれども、晴れたら山に行くという感じで、食のイベントはやっぱり屋外とかでやるから夏場が多いじゃないですか。食べたいのだけれども行けないみたいな、もやもやすることが結構あるので、冬場にイベントを増やしてください。
達増知事
そうですね、冬の過ごし方大事ですよね。
保室長
それは一つヒントになるかもしれませんね。
長島 まどか
ラジオとか結構仕事中に聞いていて、おいしそうと思うときがすごくあるのですけれども、行けないのです。
保室長
確かにちょっと冬は元気がないかもしれませんね。
長島 まどか
そうなのですよ。
保室長
そうですね。
ありがとうございました。ここまで皆様からいろいろお話を伺ってまいりましたけれども、いくつか、例えば持ち主不在の山の土地の問題ですとか、いろいろ活動するための資金源の問題とか、そういうお話もございましたし、あとこういう交流の場があったらいいのではないかとか、いろいろお話いただいたことについては、県のほうで引き取って、宿題にしたいと思いますので、よろしくお願いします。
知事所感
保室長
最後に、知事からまとめということでお願いします。
達増知事
大変参考になるお話を伺えたと思いますし、皆さん地域でそれぞれの分野で非常にいい活躍をされているなと改めて感じて大変心強く思いました。県のほうも頑張っていかなければならないなと改めて思いましたので、一緒に頑張っていきましょう。今日は本当にありがとうございました。
保室長
大変どうもありがとうございました。
閉会
保室長
それでは、以上を持ちまして、懇談会を終了させていただきたいと思います。皆さんありがとうございました。
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