草の根地域訪問「こんにちは知事です」(平成21年6月16日)生出 懇談記録

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ページ番号1001012  更新日 平成31年2月20日

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  • 訪問団体 生出地区コミュニティ推進協議会
  • 日時 平成21年6月16日(火曜日)10時40分から11時50分
  • 場所 陸前高田市交流センター(ホロタイの郷「炭の家」)

開会

高橋局長
それでは、ただいまから県政懇談会「草の根地域訪問『こんにちは知事です』」を開催させていただきます。
本日は、私どもの訪問を快く受けていただきまして、本当にありがとうございます。それから、菅原先生にはご多忙の中お越しいただきまして、本当にありがとうございます。
私は、本日の進行を務めさせていただきます大船渡地方振興局長の高橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1

高橋局長
それでは、開会に当たりまして知事から一言ごあいさつを申し上げます。

達増知事
皆様、おはようございます。「こんにちは知事です」という企画でございますけれども、草の根地域訪問ということで町内会、自治会あるいは地域の独自の企画に取り組んでいる団体など、そうした先進事例を訪ねて、そしてその成果をお話しを伺って、岩手全体のコミュニティ振興の参考にさせていただきたいということと、またその地域のさらなる発展に県としてどういうことをすればいいかを学ばせていただくという企画でございまして、一昨年から始めております。
国のほうでもちょうど増田前知事が総務大臣になったころからコミュニティというのが地方自治で大事だということで、コミュニティの研究やさまざまな諸施策を国のほうでも取り組み始めたところでありますけれども、やはりコミュニティが元気でないと岩手全体が元気にならない、暮らしや仕事の現場はコミュニティにございますので、どうすればそこがしっかり暮らせて働けるかということを県としてもしっかり取り組んでいかなければならないということでやっておりますので、今日はよろしくお願いいたします。

高橋局長
本日ご出席の皆様については追々自己紹介がてらにコメントいただくこととして進めさせていただきたい思います。
この生出地域のコミュニティ推進協議会は、当県で平成19年度に創設しました元気なコミュニティ100選の団体として選定させていただいております。今日はそういうことで元気な活動などを紹介していただきながら意見交換をさせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

懇談

写真:懇談会の様子2

高橋局長
それでは、懇談を進めてまいりたいと思います。
生出地区コミュニティの皆さんのほうから自己紹介を兼ねながらこのコミュニティの活動についての紹介等々、あるいはご自分の活動のご紹介をお願いしたいと思います。
まず最初に、このコミュニティ会長さんのほうからお願いいたします。そうですね、5分ぐらいでやっていただければ。

団体員
どうもおはようございます。遠いところをおいでいただきまして、最初10分ぐらいというところを5分と言われて、ちょっと肩の荷が軽くなりました。
手短に説明を申し上げますが、私たちのコミュニティは活動の主流をなしているものは貧乏からの脱却ということです、地域全体が。その貧乏からの脱却というのは、地域全体が互助の精神をもって何とか地域を良くしようと、そして終極の目的は死にがいのあるまちをつくっていこうということでございます。
死にがいのあるまちづくりというのは、裏を返せば生きがいの、おれたちここに骨を埋めたいんだぞという生きがいのまちということなわけです。それをやるためにはやはり1次産業というか、産業との共生がなければコミュニティが成り立ちませんので、それはできればここは山のコミュニティでございますから、山が元気でなければならないということでございます。そういう意味で、今は大変山は厳しい時代でございますけれども、1次産業の中で何とか暮らしが立てるような、今はそんなことを希望してもちょっと無理ですけれども、そういう社会になればいいなということで先ほど見ていただきました水車なども雑穀の里づくりをまず始めようということで水車をつくったわけでございます。それらいろいろ組み合わせながら交流を直視しながら、例えば雑穀をつくるために今荒れ果てている休耕地などをいわゆる貸し農園としてやれないかと。そして、交流の中で、ここで泊まっていただいて、土日が来て、その雑穀の手入れをしてやるというふうな形のものもいいのではないかなと、まだ構想の段階ですけれども、そういうものをねらっております。
それから、今ご覧いただきました炭焼きと木炭発電の関連でございますけれども、まだまだ広葉樹が生出には豊富でございますから、人工林率54%ぐらいで、陸前高田市は62%、県下一ですけれども。54%ですから、岩手県の平均よりはちょっと高いというようなことで広葉樹がいっぱい残っていて、ここはかつて炭で暮らしていた地域でございますから、炭を何とか使えないかということで、この「炭の家」というのもガット・ウルグアイ・ラウンドでそのために建てていただいたわけですけれども、それらをやっていきたいなということで、たんたん号に始まって、今木炭発電車ということでございます。
夢みたいな話ですけれども、今、木炭発電を完成させまして、できるものであれば生出部落全体を自家発電で、太陽光でない生出の雑木で何とかやりたいなという、そんな夢を持っています。それと申しますのは、現代社会には電気が基本ということになりますから、縄文エネルギーを近代エネルギーに変換をして地域の活力をつけていこうという、そういう取り組みを今始めたばかりです。
東北大学の大学院農学研究科の支援を得まして、また22日にもその研究員の方々がお見えになりますけれども、資源の調査と発電所の技術的な面、それから先ほど知事さんにご説明申し上げましたが、木炭をいかにコスト安くできるか。それというのは、今の段階では大量窯であれば何とかコストも安くできるのですが、今ご覧いただいた窯というのはせいぜい15キロで30俵ですから、最低でも1窯100俵出るような窯をつくれればなと思っております。
それから、もう一つは、今は過疎ですけれども、まだ限界集落にはなっておりません。東北大学の両角先生が不思議なところだなとおっしゃっていましたけれども、過疎、限界集落の条件が全部そろっているのだけれども、まだ限界集落になっていないというのはどういうことなのかなということで大変興味を持たれまして、学生の方々が卒論の研究をしたり、さまざま地域センターとしての活動の一端としてそれを今研究していただいているところです。
それから、もう一つは、今流行りなわけですけれども、交流のまちづくりということで立教大学が毎年夏休みの後期に、8月の下旬から9月の上旬まで5泊6日でここの地域に入りまして、林業体験ということでやってもらっています。20名内外ですけれども、大変元気のいい子供たちが来まして、素直な元気のいい子供たちが来て1泊は民泊をしていただいて、地域との交流を深めながら地域の暮らしを知っていただくということでやっています。これはワンスパン5年間ということでしたけれども、今年はその7回になるわけですけれども、大学のほうでは5年間で切り上げるのはもったいないからあと5年間延長してくれないかということで、あと5年間延長することにしまして、今年は7回目を秋にまた実施しようとしています。
そういうことでいろいろの方々が交流の中で地域に刺激を与える、そして特に立教大学の学生などはほとんど首都圏の出身ですから、田舎の暮らしというのを実体験の中でわかってもらう。それから、山の仕事などを彼らがあと10年後、20年後に社会の第一線に立ったとき、生出の暮らし、林業を基本とした生出の暮らしが君たちのこれからの将来を占うための大事な産業なのだということを認識していただきたいということで、そういうことで教育と体験と両立で今進めているというところでございます。それらがどう実っていくかはこれからの楽しみですけれども、そういうことでございまして、さまざまの地域内のコミュニティの中には、今コミュニティ推進協議会というのは専門部制というのをとっていまして、7つの専門部がございます。いろいろの分野を分担しながらさまざまの活動をやっているわけですけれども、その主体はやはり専門部が主体になってやっていると。木炭まつりというのも昭和62年から始めて22回去年で実施させていただきました。今年は23回目を企画しているわけですけれども、まず手づくりの木炭まつり、地域イベントということで全国的にも珍しいのかなと思っています、23回も継続しているということは。それらを継続しながら活力のあるものに……。実は当初考えたのは、ここでは実は長い歴史の中で先人たちが輝かしい産業の歴史、地域づくりの歴史をつくったところでございます。それというのは炯屋製鉄から始まりまして養蚕の歴史、それから馬産、炭焼きということで、特に養蚕などは自分たちが協同組合を組織しまして、93名ですけれども、その協同組合で製糸場まで持ちまして、その生糸を生産して横浜からアメリカに直接貿易したという、そういう歴史のある素晴らしい先祖の方々がありますから、そういうことで、先ほど申し上げましたとおり、互助の精神の中でそうしたものが再現できればなと思っています。産業そのものがそっくりそのままということではございませんけれども、そういう精神がよみがえることをコミュニティの活動の柱にしていきたいと思っております。
そういうことでございますので、木炭まつりというのが一つのイベントとして、あるいは地域がどれほど元気を出していくのかなという、そういうパラメーターとしても大変な役割を果たしています。
それから、もう一つですけれども、第1回目、第2回目、第3回目と、今で言えば普通のことですけれども、環境に優しい炭の生産ということでシンポジウムをやりました。第1回目は、下のほうにコミュニティ推進協議会の事務所がありますけれども、100名ぐらい入って真剣にその討議を聞いていただきましたけれども、外ではお祭りやったり、さまざまなことやっているわけで、販売なんかやっているわけで、第2回目は50人ぐらい入りまして、そして外のほうにだけ気が向いて気もそぞろということで、第3回目にはわずか四、五人しか入らないということで、これはとってもお祭りと、こんなようなカルチャー行事なんていうのは両立できないなということで、やめたわけではございませんけれども、時期が来るまでそっととっておこうということでやっています。
ですから、今から23年前に実はこんな山奥で地球環境を守っていこうという運動を実践としてやっていたという、私たちにはそういうプライドもございます。そんなことを繰り返しながら、これからも生出のコミュニティが続けられていくのではないかと思っております。
まだまだいっぱいあるのですけれども、時間もありますので、以上をもちまして私からのあいさつを兼ねましての報告といたしたいと思います。どうも。

高橋局長
ありがとうございました。またご発言いただく機会もありますので、よろしくお願いいたします。
それでは、次の方、よろしくお願いいたします。座ったままでどうぞ。

団体員
初めまして。私は、ここで民生児童委員をさせていただいております。うちの会長さんと違って不慣れなものですから、原稿棒読みのような形で説明させていただきたいと思います。よろしくお願いします。では、座ったままで。
私は、生業を持っていますので、主に休日に民生児童委員の活動をやっております。福祉や健康の分野で感じていることを少し話してみたいと思います。
1つ目は、高齢者関係についてです。この地域は市内でも高齢化率の高い地域だと思います。しかし、高齢で月に一、二回は病院通いしても畑仕事をしたり、老人クラブ活動をしたりして元気に暮らしています。草取りや野菜づくりなど自分の役割、居場所があることが元気の源と思います。しかし、年齢を重ねると認知症が出たりして心配な状況が見えています。同居の家族がいればいいのですが、一人世帯はいろいろ不都合なことが出てきます。最終的には子供が都会へ連れて行くことになります。家族と生活できるのは幸せなことですが、友達もいない慣れない環境で認知症が急激に進んでしまうのではと心配しています。この地域でできるだけ長く生活してほしいと思います。隣近所、親戚、その関係者が役割分担をしながら見守り支援を行うネットワークづくりが私の仕事と思っています。
また、この地域で既存の施設や住宅を改造して数人の高齢者が助け合いながら一つ屋根の下で暮らし、日中は自分の家の野菜畑を耕して生活できれば今ある介護保険サービスなどが活用できるのかもしれません。お年寄りの支援については、各地域それぞれ課題があると思います。お年寄りが暮らしやすい地域づくりのモデル事業を各振興局単位で実施したらどうでしょうか。もし具体化したら、気仙地区は同地域を指定くださるようお願いいたします。
もう一つは、地域医療についてです。知事さんは県立病院の運営について非常に苦労なさっているようで、新聞やテレビ報道を見ております。当地区は、県立高田病院と国保二又診療所があります。県立高田病院の院長先生の石木先生は大変地域の医療に熱心で、この地区でも年一回健康講演会を開催しています。病院を良くするには皆さん方なので、いろいろな意見を言ってほしいとも話していただいています。県立病院という名称ですが、私は市民病院と感じています。また、二又診療所の先生には内科、外科を診ながら往診や訪問診療も行っています。患者輸送車も出ており、戸口からの送迎で大変助かっています。ただ、気になっているところがあります。地域の人口が少ないので、病院運営が大変だと思います。
そこで知事さんにお願いがあります。僻地診療の運営について県からの支援の幅を少し広げていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。終わります。

高橋局長
ありがとうございました。
それでは、続きまして次の方、お願いいたします。

団体員
愛知県の出身で、5年前にこちらにIターンしてきました。現在はふるさと部副部長なのですが、名ばかりの副部長で、特に活動しているわけではないので、主にこちらに来た経緯についてお話しさせていただきたいと思います。
会社員時代、首都圏で働いていたのですが、その暮らしを続けていく中で、お金だけが頼りの足元の不確かさや、環境問題を考えるに当たって、自分自身の将来を考えるにすごい不安を感じていました。その原因というのがやっぱり自分自身が日々どっぷり浸かって生活している大量生産、大量消費、大量廃棄の経済効率利便性最優先の社会システムにあるのですけれども、その中で自分がそのシステムの中の歯車の一つで動いているということにすごく一番心地悪さを感じまして、このままではいけないということで、後悔しないためにも自分から変わっていくしかないということで福島県にあるちょっと先進的な取り組みをしている農家に研修に入りまして、そこで食の自給だけでなくて暮らし全体を見直すということを学びました。
また、そんな新しい生活スタイルを実現するためには最も必要な大切なものというのは、やっぱり豊かな自然なのですけれども、社会人時代の趣味の渓流釣りを通して私も岩手各地を回らせてもらっていたのですけれども、その中の各地を回った経験からは、人というのは血液を見ると大体の病気がわかるのですけれども、それと同じように地域の川とか水を見るとその地域の健康とか、自然の豊かさとかの度合いがわかるのではないかというような持論もあって……

達増知事
血液さらさら。

団体員
はい。それでこちらを昔訪れた思い出がすごく印象深くて、そういう新しい生活スタイルを実現していくためにはすごくふさわしい舞台になるのではないかなと思ってIターンを思い立っていろいろアプローチさせてもらったのですが、何とかご縁に恵まれて無事移住することができました。
こちらに来て「いたごち自然農園」という名前を勝手につけましてやっているのですけれども、それから田畑の恵みだけではなくて、ここ気仙ならではの山や海の恵みにもいろいろおいしい思いをさせてもらって、何よりもこういった地域の人たちとそういうつながりが増えて日々さまざまな恵みや厚意に感謝しながら暮らしているところです。
中でもメンバーに加えてもらった生出の鹿踊りという郷土芸能があるのですけれども、こちらとか消防団とか、生まれてこのかた経験したこともないこともいろいろ経験させてもらってすごく刺激的な暮らしをさせてもらっています。
あとこれからは農園の名前にもありますようないたごちな暮らしというのを基本的な心がけにして、不便な地域なのですけれども、その不便さを楽しむぐらいのつもりで創意工夫しながら暮らしていきたいと思っています。
そんな自分自身の暮らしもコミュニティあってのものなので、外から来た者として風の視点と地元に住みながら土の視点という、両方の視点を持っている利点を生かしてこのコミュニティ、皆さんとふるさとづくりのお手伝いをできればなと思っています。
あと先ほど会長さんがおっしゃったのですけれども、大学の研究とかもあって、循環型社会システム構築という素晴らしいことがこの小さなコミュニティから実現できたら、本当にこれ素晴らしい成果になると思うので、その辺に少しでも携われたら楽しいのではないかなと思っています。本日はよろしくお願いします。

達増知事
定住交流だかポスターだったかパンフレットに登場していただいた。

高橋局長
そうです。
ありがとうございました。それでは、続きまして次の方、よろしくお願いいたします。座ったままでどうぞ。

団体員
いわて環境の森整備事業についてお話ししたいと思います。生出地区コミュニティ推進協議会の地域振興部の役員をしております。そして、森林組合に勤めている立場から、日頃感じていることを率直に申し上げたいと思います。地球温暖化対策、とりわけCO2関連で山に対する関心が一段と高まっている中、森林の整備が叫ばれ、国も県もさまざまな予算を確保し、森林整備の推進をしていただいていることに感謝を申し上げます。しかしながら、木価の低迷、担い手不足からその恩恵が森林所有者まで届いていないのが現状であります。所有者にとっては公共事業であれ、非公共事業であれ、何の事業であれ補助金には変わりはないわけで、所有者負担がなければやってみようかということであります。このご時世、お金を出してまで山の手入れをしようという奇特な方はほとんどいないと言っても過言ではありません。森林組合にとってもいろんな事業が出てきて山に予算がつくことは大変ありがたいわけですが、次々に新しい事業が出てきて、前からあった事業が置き去りになるというか、そういう状況でございます。
「国破れて山河あり」、国家の大計は百年と昔から言われておりますが、長い年月を要する山のことです。どっしりした基本があって、目先の動向に左右されない長い目で見た施策が必要と考えます。従来の事業の拡充でできることは拡充して新たな事業はなるべくつくらないようにする。そのほうが森林組合にとっても事業が組みやすいし、所有者にとってもわかりやすいことだと思います。事業採択条件はなるべく簡素にし、事業によって事業費に余り差の出ない工夫が必要と思います。
そろそろ本題に入りますが、いわて森林づくり県民税、いわて環境の森整備事業ですが、昨年から地域提案型補助事業が導入され、本組合でも幾らか実施しておりますが、本市のように所有規模の小さい所有者の多いところではなかなか対象地が見つからないのが現状です。
旧財産区の分収林、現在は市の分収林ですが、2,500ヘクタールほどあります。これを対象地にしていただければ相当の面積が確保できます。できないとは聞いておりますが、事業は従来の森林整備補助事業で行い、補助残について県民税から支出するということはできないものでしょうか。
それから、生出の12区という地域がありますが、私の家も構成員になっていますが、区内林というのがあります。44人の共有林ですが、登記をした人もあればしない人もありで、権利関係が複雑になっています。これは共有林ですので、毎年4万1,000円の固定資産税を支払っております。3年前には固定資産税が払えなくなり、一部を皆伐してお金の工面をしました。現在は登記上は誰であれ、世帯主が税金を払わなければならない税の仕組みになっています。そういうことからいえば、登記上はどうであれ今の人たちが良ければ、例えば全員から同意書をもらえれば事業の対象にしていただけないものかということでございます。昨年も振興局に相談いたしましたが、「複雑で」ということでございました。このままでは売買はもちろん、手入れもできず、荒れ放題です。将来誰が相続しようと県民の共有財産である岩手の森林を良好な状態で次の世代に引き継いでいく、森林環境を保全するための事業を推進し、森林が持っている公益的機能の増進を図っていくことこそがいわて森林づくり県民税の導入の趣旨であります。さまざまな協力は惜しみませんので、ご検討の上、ご英断をお願い申し上げます。
以上でございます。

高橋局長
ありがとうございました。
それでは続きまして、次の方よろしくお願いいたします。

団体員
私は、陸前高田市立生出小学校のPTA会長をしております。今日は生出コミュニティと生出小学校が協働で取り組んでいる県民参加の森林づくり推進事業に関連してお話ししたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
我がふるさと生出地区は、古くから林業をなりわいとし、県の模範林もある自然環境豊かな地域です。現在は炭の里として循環型のエネルギーを取り入れた地域づくりに力を入れているところです。
さて、近年は環境の悪化や地球温暖化を防止するために森林の持つ働きが見直され、重視されてきています。しかし、林業従事者の高齢化により林業が衰退の一途をたどり、あちらこちらに荒れた森林が広がっていることも確かです。今ある森林を守り、整備していくための政策が大事なことはもちろんですが、これからの地域社会の貢献者として小学生に対して森林を守り、育てていくことの大切さを学習してもらうことが長い目で見たときに重要になってくると思います。そういう観点で小学生、我々PTA、そしてコミュニティが連携、協働し、森林について学習を進め、森林体験をしていくことが地域や地球全体の森林や環境に対する関心を高め、理解を深めていくことにつながっていくことと思い、岩手県からのいわて森林づくり県民税を活用しての森林学習に取り組んでいます。
これまでに「森は海の恋人」の畠山重篤さんの舞根湾を訪ね、森と川と海の関係や森を守ることが海を守ることにつながっていることや森を育てることの大事さを学んできました。そして、あした、ナラの苗木を生出森林公園に植える活動を行うことにしています。
また、シイタケの植菌体験学習や炭焼きの窯入れ作業、窯出し作業を体験し、ナラの木の活用法を学ぶこととともに森林体験も行っています。子供たちはこれからの学習の中で森林の持つすばらしい役割を学んでくれることと思います。そのためにコミュニティとPTAも応援していきたいと考えています。
このように森林税を活用させていただいていることをお話ししました。しかし、子供たちが森林の大切な役割を理解し、将来林業にかかわろうとしたとき、親として心配なのは果たして林業で生活していけるのかということです。不景気で雇用が少なくなっている現在、また将来的に地球環境を考えていかなければならないとき、岩手の林業が力強く復活できるような県の方針なり、国への働きかけが必要になってくると思います。現在の課題とともに将来的な林業のあるべき姿を県として描いていただきたいと思います。地元で生活し、地元のコミュニティを守っていくことができるような県のビジョンを示していただければと思っています。
以上です。

高橋局長
ありがとうございました。
それでは、最後になりますが、よろしくお願いします。

団体員
コミュニティ推進協議会事務局長をやっています。皆さんがいろんなことを話したので、私が話すことは特にないのですけれども、私は地域づくり後継者育成問題についてお話しいたします。
生出地区は今日のような元気な地域を育て上げたのは、先ほど会長が申し上げたとおり、コミュニティ活動の努力のたまものだと思っております。地区内は過疎化、高齢化が進んでいる現在、これからのコミュニティ活動の推進役の人材育成が急務とされているところでございます。
そこで、昨年地域づくりの担い手を育成することを目的に「おいで・生出プラン実行協議会」を立ち上げ、8月から9月にかけて生出コミュニティセンターで延べ4回地域おこしと各分野で活躍されている講師を9名招きまして車座研修会を開催しました。地域を中心に幅広い世代の人たち延べ270人が聴講し、いかに地元に誇りを持って地域おこしを行うかを学び、また県内の先進地視察等も実施しました。また、地域リーダー研修として11月には鹿児島県徳之島へ20代の男性を、12月には北海道下川町に20代から40代の女性1名、男性2名が参加し、他の地域の方々と交流や情報交換をすることができ、非常に有意義であったと感じております。
この事業は国土交通省の地域再生を担う人づくり支援事業の支援をいただき、全額補助事業で大船渡地方振興局、陸前高田市役所の全面的協力で実施することができました。この事業の導入の橋渡しは生出地区と交流し、研修活動を行っております東北大学の紹介で実施できました。
成果といたしましては、即育成活動とはなりませんので、継続しての育成活動が必要と思います。県といたしましても地域支援希望ファンド事業が実施されているようですが、提案といたしまして講師派遣等の補助金がない、ただあっせんにすぎない現在の制度であるようなので、再検討していただきたいと思います。
これからも若者の後継者を育成し、元気なコミュニティを継続して安心して住める生出をつくりたいと思いますので、今後ともご支援をお願いいたします。
終わります。

高橋局長
ありがとうございました。
これで皆さんから一通り状況のお話し等々ありましたけれども、この辺で知事のほうから何かコメントございますでしょうか。

達増知事
それぞれ部会ごとに地域の課題にしっかり取り組んで、いろんな困難を克服していくところ、また可能性を切り開いていくところ、しっかり組織としてやってらっしゃるのだなというところがよくわかりました。
それから、いろんな提案もいただいたのですけれども、それぞれ県のほうでも検討していきたいと思います。グループホームみたいな地域の建物、家などを活用してやるというのはいいアイデアなのだと思いますので、どういう制度によって守るか、振興局のほうからもいろいろ手伝ってあげるようにして助言していけばいろんな可能性があるのだと思います。
あとは森林づくり税の関係については、当初非常に対象を限定していて使い切れなかったりというような問題もあったのですけれども、外部審査委員会の皆さんにも検討していただいて徐々に対象を緩めて、それから森林学習のようなそういうソフト的なことにも使えるようにしているところであります。税金、しかも1人1,000円ずつという非常にわかりやすいいただき方をしている税金ですので、厳格な執行が求められるところではあるのですけれども、岩手県民の民意として岩手の森林は岩手県民全体の財産なのだと、岩手県全体で守っていかなければならないのだという、そういう民意は全県的にいただいていると思うので、そういう民意を生かしていく方向にきちんと活用していきたいと思っております。
林業で生活していけるのかというのは核心、本質的な問題でありますけれども、国のほうでもかなり間伐に予算をつけるとか、公費で林業をやっていく基盤の整備ということについては、岩手もそうですし、国もそうですし、民意の理解が広がってきているところだと思います。それに加えて例の排出量取引とかで森林の排出量分を民間企業に売って、そこから何百万円とかお金を工面するというやり方を高知県でやったりしていて、岩手でも今そこを研究しているところなのですけれども、なかなかみんながぱっとすぐにできるような仕組みではなく、いろいろ問題もあるということでまだ研究段階ではあるのですけれども、地球環境保全という観点からもいろんな人がそういう知恵やアイデアを出してくれるように最近なってきているので、県としても森林県岩手が北海道の次にたくさんの森林を擁する岩手ですから、そこで稼いで生きていくということが可能になるような工夫をしていきたいと思います。
まず、気がついたところはそんなところでございます。

高橋局長
ありがとうございました。
皆さんのほうからさまざまなご意見いただいたわけですけれども、ポイントとしては何点かありまして、1つは森林の問題というのが1つだったかと思います。
森林の問題としては2つの側面、まず環境の問題としての側面と、それからいわゆる業としての、なりわいとしての問題と2つあったかと思います。
それから、もう一つは高齢化との関連の中でほかの地域との交流といいますか、そういうこと、交流の中には冒頭会長さんのほうからお話しあった学生さんたちとの交流あるいはほかの大学との交流といったようなこともあったかと思いますし、事務局長さんがお話しになったようにほかの地域との交流というようなこともあったかと思います。
そういう中で、自分たちにとってこういう感じだから森が大事なのだよというお話を少し皆さんのほうから原稿ではない生のところで少しお話しいただければと思います。
まず最初に、PTA会長さんのほうからその辺をちょっと一言いただければありがたいと思うのですが。

団体員
PTAで、学校のほうで森林税を活用して山のほうの、明日は木を植えたり、畠山重篤さんのところで学習をして今まで来ているのですけれども、私たちでも知らないことがいっぱい、親たちのほうも大変勉強になっていると思います。

高橋局長
終わりですか。

団体員
以上です。

高橋局長
ありがとうございます。
それでは、次に、先ほど森林の問題についてお話ししていましたけれども、もう少し具体的にこういうことだから森林というのは大事なのだよというようなお話を少しいただければありがたいのですが。

団体員
仕事柄森林組合に勤めておりますので、そのことが一番ありがたいのかなと、おかげさまで月給もらっているのだなということでございますけれども、それはそれにしてもやっぱり昔は良かったということだけではないのですけれども、どう考えてみても私が組合に入ったときの丸太一石の値段よりも今のほうが安いのです。月給は2万何ぼで入ったのが今は三十何万になっているのだけれども、そのギャップ、やっぱり何ぼコストダウン語ってももう追いつかないところにいってしまっている。だから誰も山に手をつける人はないのだろうと。
さっきここでも言ったのだけれども、植えて刈り払いまではやるのだけれども、あとはなかなか間伐するという人はまずいないと言ってもいいぐらいなので、そこをいかにフォローしていくかが組合の仕事でもあるし、県の仕事でもあると思うのですけれども、いずれさっき会長さんも言っていたけれども、この山で生きてきたので、もう少し、本職にしなくてもいいから山に関わった仕事ができて広がっていけばいいのかなと、そういうふうに考えています。

高橋局長
ありがとうございました。
先ほどふるさと部の副部長さんも山の恵みの話をちょっとされておりましたけれども、その辺のところを少し詳しくお話ししていただければ。

団体員
森と言うのですけれども、それはただ木がたくさん生えているだけの場所ではなくて。私は田をやっているのですけれども、不耕起で耕さない方法でやっているのですけれども、それというのもやっぱり森の恵みです。放っておくと自然というのはだんだん森に変わっていくのです。その力を……森の木というのは肥料も何もやらないのに育つという、育つ力がもともと備わっているわけですね、自然に。その力を使ってあげようと、すごく抽象的ですけれども、それを田畑に応用してあげればというような意味合いが少しあって、そういうつもりでやっているのですけれども。そういうように森にもともと備わっている力というか、そういうのは人間の暮らしにすごく役立っていると思います。あと森というのは木だけではなくて微生物から、動物から何からすべて地球の生態系と同じように多様な森というのが豊かであると思うので、そういう地球環境を考える上でも自分の身近な森を考えることが地球全体を考えることと同じことになるし、森というのは、ではどこまで森なのと、木がここに生えていて、ここからは草だからここからこっちは森ではないとか、そういうことではないと思うのです。ここなら生出地域全体が平地もあるけれども、それを森の一部だと考えられると思うので、そういった意味での広い意味での森という考え方ということから、その生出地域の平地の恵みも森の恵みになると思うのです。あと森の恵みというのは木材だけではなくて当然その中の山菜とか木の実とかシカ肉だって恵みになると思うのです。
あと林道を歩いたりするだけでも落ち葉のベッドがあったりして、そういうところで楽しんだりすること自体も、何もお金にかわるわけではないのだけれども、恵みという点では、もっとそういうようなお金にかわらないものにも大切にしていかなければ、暮らすというのは食べていくだけが暮らしではないので、楽しみとかアメニティーの部分も大事だと思うので、そういったことも含めて総合的な森の利活用というのに、人間はもともと森に住んでいたわけですから、一番。そういう意味では森が大事だと。森は体で、さっきの川が血液だとすれば森というのは体で、その中の細胞の一つが我々一人一人だと思うので。

高橋局長
ありがとうございました。
先ほどテーマ2つぐらい森の話と、それから高齢化社会との関連で交流の話というお話をちょっと私しましたけれども、その辺について健康部の副部長さん、どのようにお感じになっているか、例えばいろんなところ、立教大学の学生さんとの交流とかあるいはほかの地域の交流とか、木炭まつりでのお客さんとの交流とかいろいろあると思いますけれども、そういう中で先ほどお話しになった高齢化社会に向けて何かご提言とかご意見とか、お感じになっていることとか何でもよろしいですから、何かあればお願いしたいのですけれども。

団体員
ここ近年子供たちの減少が目に見えてわかるのですけれども、私たちのときはやっぱり1学年20人とかいたのですけれども、今は全校で1けたという感じで少なくなっています。ということは、やっぱり高齢の方が多いということで高齢化社会が市内でも一番というふうに感じております。
それで、いろんな交流をやっていますけれども、大学生なり木炭まつりなりで。来るお客さんに意見を聞いてみれば「いいとこだ、いいとこだ」とは言いながらも、いざ暮らせるかといえば、やっぱり便利なほうがいい、山奥は嫌だとか、そういうふうに言われるので、やっぱり地元の人たちが元気に暮らして生活していけば自然とそれに伴って何人か寄せられるかなという気持ちもあるのです。そこら辺をやっぱり高齢化社会を逆手にとってというか、今ある既存の施設を使って元気に暮らしていただければいいかなと私は感じております。

高橋局長
ありがとうございました。
事務局長さんはいかがでしょうか、その辺の高齢化との関連の中でほかの地域とも交流してみてどんな感じを持っている、あるいは立教大学の学生さんと交流してどんな感じを受けているか、そんなところをちょっとお話しいただければと思いますが。

団体員
生出地区では年寄りが元気でいるようにということで会長もお話ししておりましたように、死にがいのある地域づくりです。それは生きがいのある地域づくりです。いつまでも元気な高齢者でなければならないと思いまして、うるおいとやすらぎ事業を実施し、年寄りの方に月に1回集まってもらって勉強会を開いているわけです。健康教室、それから頭の体操、ぼけないための体操、そういうことをやっておりますと年寄りの方が喜んで大勢の方々が参加してくれているのです。やはり末長く元気でいるのが一番の幸せでないかなというようなことで考えております。それで、県といたしましてもそういう年寄りを病気にならないための予防の方法としてお金をつぎ込んでいただければと思っております。

高橋局長
ありがとうございました。
それでは、会長さんのお話を聞く前にもう一つふるさと部の副部長さんからちょっとお聞きしたいのですけれども、外からこちらに移住されてこられたということで、先ほど交流の中で外から人がなかなか来ないというお話もあったのですが、さらにこちらに人が移住してきてもらうには何か参考になるご意見あればお願いしたいのですが。

団体員
我々というか、私のような考え方は、都会のほうにはふえていると思うのです。ですから、そういう人たちに対しては、いままでのようにとかく都会の価値観を後追いし中途半端に開発して、すごく中途半端な田舎になってしまうとですね、魅力がないわけですよ、徹底した田舎でないと……生出のようにと言ってはあれですが。でも、そういうところ、そういう田舎はそこらじゅうにあるわけです、全国どこにでも。全国どこにでもあるオンリーワンでないどこにでもある中途半端な田舎というよりは、やっぱりここにしかない、生出にしかないオンリーワンのふるさとでないとやっぱり来ないと思うのです。それだったら、幾ら不便でも、幾ら道がぐにゃぐにゃでも来たいと思えば来ると思うのです。そこはちょっと何とも言えないところなのですけれども、とにかく中途半端な田舎であるよりはここにしかないものをつくり出すということです。そのためにやっぱりここにしかない自然環境を大切にしていただかないと、それはできないことなのです。ここの地域の個性というのは、やっぱりどなたに聞いても気仙の人々に聞いてもまず第一に豊かな自然というのが返ってくる言葉ですから、それは必ず大切にしておかないといけないのではないかと思います。

高橋局長
自然環境も含めてコミュニティの姿としてオンリーワンのものがこの地域にはあるというふうにお感じになっていますか。

団体員
はい。あとやっぱりここの特徴というのは、いざというときに皆さんすごく団結するのです。団結した住民パワーというのはすごく目をみはるものがあって、結いとかそういうもののつながりだと思うけれども、そういういい人のつながりも残っていることはやっぱり大きいですよね。

高橋局長
ありがとうございました。
最後になりますけれども、会長さんのほうからお願いします。

団体員
いろいろ山の問題なのですけれども、実はここの奥に県有林があるわけですけれども、1,050ヘクタール、明治41年に矢作村が県に売却して、近代造林を始めたという歴史があるのですけれども、造林は大正2年から始めたわけですけれども、1,050ヘクタールのうち今のところ650ヘクタールぐらいが人工林で、岩手県内でも県有林の中では第一級の美林が残っているということですが、実はその開発というか、原始林から近代造林に変えるために常時400人の人がそこに雇用されていたのです、そういう歴史があるのです。ですから、うちの参事が言うとおり、山で暮らせるような基盤づくりというのが一番大事なのですけれども、実は岩手の県民税もいいのですけれども、丸太の値段がもっと高くなれば、例えば立木で5,000円すれば県民税必要ないと思うのです。地力で循環できると、山が循環できるということになると思うのですが、なかなかそれがさまざまの要因で丸太が高くなって、今なんかは丸太はほとんど動きません。それというのはチップが全滅、針葉樹合板が全滅というようなわけですから。建築はもちろん建築材も売れないという時代なので、かつてないような丸太の不況なのです。
これを何とかしなければならないわけですが、今国を挙げて国産材の需要拡大とか県産材の需要拡大をしているのですけれども、前の増田知事さんにも提案したのですけれども、ナシのつぶてだったのですが、日本は海外援助、ODAの援助等は銭を持っていっていろいろ未開発国に、知事さんも外交官ですから、元は。そういうことをやってきたわけですけれども、実は食うに食われない、家もないという人たちに岩手県の杉の木を製材してプレカットして、うちを建てて持っていってODAの援助に使えないかというのが私の持論なわけですけれども、そういうことが国としてできれば、あるいは国ができなかったならば岩手県独自のそういう方法ができないかということなのです。そして、なけなしの政府の金を持っていってただ援助した、援助したと。話を聞いてみると、検証してみると国民に渡らないで上層部だけにしか行かなかったというようなこと等もありますが、やはりそういうことを具体的にやっていって、山の活性化を図っていくということが大事であると思うのです。そういうものをこれからはやっぱり県政の柱としてやっていただきたいなと思っているわけです。
過疎の問題等もあるわけですけれども、過疎は確かに大変なことですが、福祉部会で話していますが、生出小学校は11名の子供たちです。文科省の学力検査の中で岩手県が平均点100とするならばここの小学校ははるかにそこよりも高いレベル。11人ですから個人指導みたいなものですから、そういうレベルなのですが、今市では適正規模化というわけのわからない言葉を使いまして、いわゆる統廃合しようとしているわけです。だから、これは学校が統廃合されるということになると、こういう山間地などは、実は学校を中心としたコミュニティというのが歴史的に大事なものですから、学校がなくなることによってコミュニティがまず破壊されるという、そういうことが出てきますので、これを何とか、11名の子供たちでは、確かに学校を維持するということは大変なことですけれども、すぐ隣の気仙沼市などでは特認校という制度でやっているようですけれども、多い学校から11名の小学校に子供たちを運んでくるという手だてが岩手県の教育行政の中でやられればもっともっと過疎が解消されるという一つの方法ではないかと私は思っておるわけですけれども、そうすることによってコミュニティが元気になる、学校が元気になるということが十分考えられますので、いっぱいありますけれども、そんなことを考えています。
それから、もう一つ県有模範林を、質にするわけではありませんけれども、千田知事が今から40年ぐらい前にやはり県政懇やったわけですが、二又地区で県政懇やったとき、生出地区では何を要望するのだというときにいろいろ出たわけですけれども、模範林を、山火事がないように守っているのは生出の住民なのだということで、消防車を買ってやるかということになったのだけれども、消防車なんか要らないと、模範林から木を運ぶために生出の道路を突角剪除するのは県だというようなことで、よしわかったと、ならば生出の道路を突角剪除するために毎年100万ずつ生出に特別予算つけますからと。次の年から間違いなく100万ずつつきました。来る途中わかっているとおり、まだまだ生出の道路というのは大変な状況ですから、少し達増知事さんもそういうご英断を何とかしていただきたいなと思っています。
県道でございますけれども、今厳しい県内情勢なのですけれども、やはり地域全体が県有林であろうと、市有林であろうと、私有林であろうとも、やっぱり山は共同の資産として共有できるという、そしてそのための環境をどうすればいいのかということを総合的にやっていただきたいなと思っています。

高橋局長
ありがとうございました。

知事所感

高橋局長
最後に、知事からよろしくお願いします。

達増知事
なかなか県もお金がなくて大変なのですけれども、ただ、今の世の中は国とか地方自治体にはお金はないのですけれども、お金はあるところにはあって、むしろ世界全体ではお金があり余っていて、それがサブプライムローンに流れたりとか、原油高に流れたりとか、いかにそういうあるところにはあって余っているお金を持ってくるかということが大事なのだと思います。
1つは人に伴ってお金は動きますので、県内あちこちコミュニティ100選に選ばれたところがあるのですけれども、やはり選ばれたところはみんな交流が盛んですよね。それは近くの町との交流だったり、あるいは首都圏との交流だったりするのですけれども、ですから生出にそういう可能性があるのは木炭まつりはじめ本当に幅広く全国を相手に通用するそういう交流の場になっているというところだと思います。あとは木炭、あと木材ができるだけ高く売れるようにしていくということだと思いますし、そうやってちゃんと稼いで食べていけるサイクルをつくるように県としても工夫をしていきたいと思います。
それから、生出の魅力、やっぱり川ですよね。この川は私もあちこち見て歩いて、外国のいろんな川も見たことがありますけれども、どこに出しても恥ずかしくない全国有数、世界にも通用する立派な清流、渓流で、こういうきれいな川というのは、あったとしても人里離れたところにあるのですが、ここはちゃんと人里がそばにあるというところがすごくて、こういうきれいな川のそばに住めるというのはなかなかないですよね。日本の中にもないし、世界にもなかなかないので、そこがやっぱりこの地域の魅力の原点だと思いますので、岩手日報さんも木炭まつりは見開き2ページで報道したりとか、県もいろんな広報、定住、交流のPRなんかでも生出をどんどんアピールして、山があって、森、林があって、そしてきれいな川が流れているというのは岩手全体のそういうイメージを代表している生出ですから、そういうところを積極的に宣伝していきたいと思います。
今日は本当にありがとうございました。

閉会

高橋局長
本日は貴重なご意見いただき、本当にありがとうございました。
これをもちまして県政懇談会「草の根地域訪問『こんにちは知事です』」を終了いたします。本当にありがとうございました。

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