高病原性鳥インフルエンザ・侵入防止の徹底を(鶏病性鑑定事例の紹介7)

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ページ番号1007988  更新日 平成31年2月20日

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渡り鳥が飛来する季節を迎えています。高病原性鳥インフルエンザは飼養規模に拘わらず発生します。小規模鶏群や愛玩鶏の飼養者も本病の侵入防止に努めてください。

小規模鶏群や愛玩鶏の飼養者に、県内の鶏にどのような病気が発生しているかをお知らせする目的で、過去に実施した鶏の病性鑑定事例を順次紹介しています。

今回、紹介する病気は「コクシジウム症」です。

発生状況

平成17年年7月、1愛玩鶏飼養農場(80羽を飼養)で、発生しました。ほぼ全ての鶏が食欲を低下させ、進行性の貧血と削痩を示して約2週間の経過で5羽(6%)が死亡しまた。

検査成績

3ヶ月齢の病鶏3羽を検査しました。肉眼的に腸管は弛緩し、肥厚した粘膜に粘液が付着していました。病理組織学的に腸管全域にカタル性腸炎が観察され、小腸粘膜固有層に無数のEimeria necatrix原虫が、十二指腸粘膜上皮細胞にE.acervulina原虫が見られました。主要臓器から細菌は分離されず、気管およびクロアカ粘膜から赤血球凝集ウイルス(鳥インフルエンザ、ニューカッスル病)も分離されませんでした。

診断

以上の検査成績から本病をコクシジウム症と診断しました。重篤なコクシジウム寄生が慢性経過をたどり、食欲低下、貧血、削痩が認められたと考えられました。

予防法

予防の基本はオーシスト対策です。オーシストには熱湯とゾール剤が有効であり、これらを用いた鶏舎の継続的な消毒により鶏舎内に存在するオーシスト数を減少させ、ゾール剤を使用した踏み込み消毒槽を利用して、オーシストを鶏舎内に侵入させない対応が必要です。ワクチンも有効です。治療には、サルファ剤が用いられ、即効的効果が期待できます。
本事例では、サルファ剤とビタミン剤の飼料添加およびオルソ剤を用いた鶏舎の消毒により病鶏の回復を得ました。

(病性鑑定課)

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このページに関するお問い合わせ

岩手県中央家畜保健衛生所 中小家畜課
〒020-0605 岩手県滝沢市砂込390-5
電話番号:019-688-4111 ファクス番号:019-688-4012
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