高病原性鳥インフルエンザ・侵入防止の徹底を(鶏病性鑑定事例の紹介4)

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ページ番号1007985  更新日 平成31年2月20日

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渡り鳥が飛来する季節を迎えています。高病原性鳥インフルエンザは飼養規模に拘わらず発生します。小規模鶏群や愛玩鶏の飼養者も本病の侵入防止に努めてください。

小規模鶏群や愛玩鶏の飼養者に、県内の鶏にどのような病気が発生しているかをお知らせする目的で、過去に実施した鶏の病性鑑定事例を順次紹介しています。

今回、紹介する病気は「伝染性気管支炎」です。

発生状況

平成16年11月に、1採卵鶏農場(3群で260羽を飼養)において18ヵ月齢の1群60羽に、異常卵(軟卵、奇形卵、卵白の水様化)の産出を伴う産卵低下が認められました。発生鶏群に伝染性気管支炎(IB)ワクチンは接種されていませんでした。

検査成績

18ヵ月齢の異常鶏5羽を検査しました。肉眼的に、卵管は萎縮し、腎臓が腫大・褪色していました。病理組織学的に、これらの卵管の卵白および卵殻分泌腺の顕著な萎縮と、腎症・腎炎がみられました。病原学的に、腎臓よりIBウイルスが分離されました。なお、気管およびクロアカ粘膜から赤血球凝集ウイルス(鳥インフルエンザ、ニューカッスル病)は分離されませんでした。

診断

以上の検査成績から本病を伝染性気管支炎と診断しました。卵管病変は、子宮部に限局することなく卵管の全域におよんでいた点で産卵低下症候群とは相違していました。

予防法

本病の予防には定期的な消毒や適切な換気調整などの基本的な衛生管理の徹底と、ワクチンの利用が必要です。IBワクチンは2週齢、4週齢、2ヵ月齢時、以後2ヵ月から3ヵ月毎に接種する必要があります。農場に浸潤したウイルス株と抗原性が近似したワクチンを選択することも重要です。
本事例では、鶏舎の消毒および分離ウイルス遺伝子の分子系統解析に基づいて選択したワクチンを接種し、再発を防止しました。

(病性鑑定課)

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このページに関するお問い合わせ

岩手県中央家畜保健衛生所 中小家畜課
〒020-0605 岩手県滝沢市砂込390-5
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