令和7年10月29日教育長記者会見における質疑応答
令和7年10月29日教育長記者会見における質疑応答
日時:令和7年10月29日(水曜)
場所:県庁10階 教育委員室
発表事項: 「いわて教育の日」のつどいの開催について
質問事項:(1)クマの出没について
(2) 南昌みらい高等学校の新体育館について
(3) 教職員の逮捕事案の続発について
質疑応答
(教育企画室)
ただいまから教育長記者会見を始めます。本日は教育長から発表がございます。
(教育長)
11月10日(月曜)に開催する令和7年度「いわて教育の日」のつどいについて、お知らせいたします。この「いわて教育の日」のつどいですが、トーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館)中ホールにおいて開催します。「いわて教育の日」のつどいは、県民一人ひとりに教育の重要性を改めて認識していただき、本県における教育のあり方を考える契機とすることを目的に、毎年度開催しているものです。児童生徒発表では、県立盛岡視覚支援学校高等部 阿部 玲菜さんによる弁論、北上市立上野中学校・北上中学校・北上北中学校生徒が所属する北上ミューズコーラス隊による合唱、盛岡市立渋民中学校による群読劇を披露してもらいます。いずれの学校も、大会等において実績を上げており、つどいにおいても素晴らしい発表を期待しております。
また、講演につきましては、中央教育審議会副会長であり、国立大学法人 千葉大学 副学長・教育学部教授を務められている、貞広 斎子氏をお招きし、学習指導要領の改訂と今後の教育について、御講演をいただくこととしております。貞広氏の講演を聴くことができる貴重な機会ですので、県民の皆様にも足を運んでいただき、教育について考える機会としていただきたいと思っております。
また、今年度は、いわて教育の日に関する条例制定20周年でございます。特別企画として、中ホールホワイエで、県内特別支援学校の児童生徒による作品展も実施しますので、ぜひ御覧いただきたいと思います。各報道機関から御後援をいただいております。当日の取材等についても御協力をお願いいたします。
(教育企画室)
ここからは、幹事社の進行によりまして、質問にお答えする形で進めます。幹事社様、よろしくお願いいたします。
(幹事社)
よろしくお願いいたします。それでは最初に、ただいまの発表について質問がありましたら、社名及び氏名の後に発言をお願いいたします。
(記者)
いわて教育の日に関する条例が制定されて20周年ということで、このいわて教育の日が果たしてきた役割と、来場者に向けての一言を頂戴できればと思います。
(教育長)
平成17年に、議員提案により「いわて教育の日に関する条例」が制定され、11月1日が「いわて教育の日」、11月1日から7日までが「いわて教育週間」とされたものでございます。
制定の目的を申し上げますと、県民の教育に対する関心と理解を深めて、学校、家庭及び地域社会が連携して、次代を担う豊かな人間性を備えた子どもを育成するために、県民一人一人が教育の重要性を認識し、本県における教育のあり方を考える契機として、最終的には、本県における教育の充実と発展に資することを目的としたものでございます。さまざまな方々に御後援をいただいておりますし、県内児童生徒のさまざまな活躍も見ていただいてきたわけで、まさに先程申し上げた条例を定めた目的に向けて、県民の意識醸成に貢献できているのではないかと考えているところでございます。
(幹事社)
発表項目以外について、記者クラブからの代表質問はありませんので、各社質問があれば、お願いします。
(記者)
市街地でのクマの出没が相次いでおり、今日も岩手大学でまた出没したということなんですが、今の状況を受けて教育委員会として、例えば学校で何か対策していることがあれば教えてください。
(教育長)
クマの出没が相次いでいることについてのお訪ねでありますが、県内各地で市街地、あるいは学校の敷地内でも、クマの出没が多発しており、通学時を含めた日常生活において、児童生徒も危険な状況におかれているということで危惧しているところであります。教職員、児童生徒には、出没情報の確認なども行いながら、遭遇のリスクを避け、遭遇した場合にはむやみに近寄らず、安全を最優先に行動いただくようお願いしたいと考えてございます。具体的には、例えば県立学校につきましては、9月5日付けで、県教委で定めている危機管理マニュアル等を参考にしながら、関係各所と学校の迅速な情報共有の体制を整備すること、それから児童生徒がクマの習性を理解して自ら危険な状況を判断し、回避できるような行動をとることが出来るよう指導することについて通知をしました。また、10月20日付けで、県立学校と市町村教育委員会に対して、県の環境生活部自然保護課総括課長からの依頼を受けて、通知を出しました。児童生徒に対し、県環境生活部が作成したチラシやホームページ等を活用して注意喚起するよう依頼しているところでございます。これまでも、昨年の話になりますが、11月に、市町村教育委員会担当者やスクルールガードリーダー等を対象に、岩手大学の専門家である山内准教授から「通学時の安全確保に向けた野生鳥獣対策について」の講義をいただいておりますし、令和7年1月には、各市町村のクマ等害獣出没に係る連絡体制や研修などの取組状況調査を行い、調査結果について各市町村教育委員会に情報提供しております。そういった中で、学校の立地条件もさまざまでありますので、その状況に合わせた方法で具体的な取組をさまざま実施していると承知してございます。
(記者)
その当時とは状況がまた変わってきていると思うのですが、対策を強化するかたちとして、県教育委員会として、例えば学校と一緒になにか行うといったお考えはありますか。
(教育長)
まずは来月、県教育委員会と市町村教育委員会の意見交換の第二回目があるのですが、そこで情報提供をしていきたいと考えてございますし、子どもに限らず大人も大変危険な状況であるわけでして、県環境生活部自然保護課とも連携して対応をして参りたいと考えてございます。
(記者)
今のクマの質問に関連して、秋田県では小中学校とかで活動を屋内に自粛したりしているようなんですが、本県でもそういったことはあるのかと、もし今後、県教委としてそういったことを予定しているのであれば教えてください。
(教育長)
先程、調査結果を市町村にフィードバックしたとお話ししましたが、その具体的な内容としては、例えば、クマ出没時は、
下校時の保護者への引き渡し、スクールバスの経路及び乗降場所の変更、バス停や学校まで保護者の迎えを依頼、タクシーや公用車での送迎、学校職員の見回りなど、さまざまな取組を行っております。
それから先程お話した、「岩手県教育委員会危機管理マニュアル(令和7年4月版)」に示している具体的な対策を申し上げますと、
学校周辺への出没に対しては、児童生徒の登下校時の安全を確保するため、笛、鈴など音のするものを身に付けるなどの措置を講じる、クマを人里周辺に引き寄せないためには、学校や人家の周りに残飯などを無造作に保管しない、捨てない、廃棄果樹等を適切に処分するなどの取組が必要であるので、地域諸団体と協力し地域全体で予防措置を講じる、万一事故が発生した場合に備え、迅速な対応の仕方を心得ておく。連絡体制、役割分担を定め、全員が理解しておくとともに、掲示により対応が確実にできるようにするということ。
それから、課外活動時は、これらに加えて、例えば、
野外活動を行う場合は、予め入山地域のクマ出没情報を警察・市町村・地元住民等から収集し、危険な場所には近づかないようにする、朝夕、黎明薄暮時は、クマの行動が活発な時間帯であるので、山中に入らない、クマに遭遇した場合の安全確保を図るため、状況に応じて、クマ撃退用のスプレーなどを用意する、キャンプ等でのごみは必ず持ち帰るなど、クマを引き寄せないようにする、携帯電話が通話可能なエリアでは、不測の事態に備えて携行すること。県教委が策定した管理マニュアルにはこういった例を盛り込んでございます。
(記者)
今のところ部活動等に支障が出ている学校はまだ報告されていないということでしょうか。
(教育長)
活動の制約というか、さまざま支障はあるのだと思います。ただ、児童生徒の具体的な被害ということでは、報告を受けていません。
(記者)
ありがとうございます。
(記者)
クマ関連で1点、今日、文科省が学校でのクマ対策を都道府県に通知するという報道がありました。学校の危機管理マニュアルを見直したりするように促したりするということでしたけれども、こうした事態を受けてマニュアルを見直すような予定があるのか教えてください。
(教育長)
恐縮ですが、私はまだ通知を目にしていないので、具体的にはその通知を確認して、そういう指示であれば、速やかに市町村教委にも協力していただくと、促していくと、いうようなことになろうかと思います。
(記者)
あとは質問が2点ございまして、1つが、矢巾町との共創プロジェクトとして計画されていた南昌みらい高校の体育施設ですけれども、矢巾町議会が先般、早期整備に向けて県教委と町が協議し、合意形成することを求める意見書を可決しました。町民や関係者から生徒や住民のために早く建設してほしいということで、懸案事項や経緯を再整理して双方が直接協議を重ねる環境の整備と、その経緯について丁寧に情報提供し、合意形成に努めるように、という内容でした。この意見書に対する受け止めですとか、協議するかどうかなど、県教委の対応について教えていただければと思います。併せて、住民や生徒への説明ですとか、県議会で先日、学校敷地内に単独で整備すると答弁のあった体育館に関する見通しも教えてください。
(教育長)
南昌みらい高校の新体育館については、遡りますと、令和3年12月に県教育委員会、矢巾町、盛岡南高校(当時)、不来方高校(当時)で構成する検討委員会を立ち上げ、その後2年半余の協議を行い、設計業者も交えて情報共有した上で、最終的な実施設計図面を令和6年4月に確定するなどの合意形成を図り、令和6年5月30日付けで覚書を締結し、工事着工をしようとしていた最中、令和6年10月31日に町からゼロベースでの検討の申し入れがあり、覚書の趣旨と異なる主張がなされまして、工事契約を解除するという事態に至ったものであります。
県教育委員会としては覚書に基づいて整備を進めたいと繰り返し主張して参りましたが、町では建築費用は負担しないとしていること、それから、工事契約解除に伴い損害が発生しておりますが、その清算の協議にも応じないなどといった状況にあります。また、町からは協議の申し入れが現時点でございますが、その協議とはどういうものなのか、内容について文書で照会しているところです。新体育館の整備に向けた住民への説明については、これまで町と共同で5回ほど実施しているところでありますけれども、このような事態に至った経過や今後どうするのかについて、何らかの形でお伝えしていく必要があるのではないかということで、検討中でございます。なお、住民への説明のあり方については、町とも協議が必要と考えておりまして、その旨先程申し上げた文書でも照会・確認をしているところであります。
一方、新体育館につきましては、体育の授業や部活動で旧盛岡南高校までバス移動している生徒の負担などを考慮しますと、早期に整備する必要があると考えておりますが、設計も含めて数年はかかるということであります。具体的な建設場所、それから規模などについては、部活動など生徒の学びの充実に資するものとするために、高校の関係者とも協議しながら早期の整備に向けて取り組んで参りたいと考えてございます。
(記者)
矢巾町からの協議の申し入れというのは、町議会の可決がされたあとのものでしょうか。
(教育長)
具体的には、9月26日付けで文書をいただいておりまして、当方は県議会終了直前の10月24日付けで申し入れに対して照会・確認をさせていただいている状況です。
(記者)
照会の結果によっては、何らかの協議は必要だといった県教委としてのお考えはあるのでしょうか。
(教育長)
当方でも、具体的な損害が発生しておりますので、設計委託料、こちらは既に業者さんに県から支払い済みです。それから、請負業者への損害賠償金の清算について協議したいということを以前から申し入れております。住民への説明のあり方についても協議が必要ではないかということで、照会・確認しているところです。
(記者)
ありがとうございます。最後にもう1点です。教職員の逮捕事案についてですけれども、奥州市立学校の教諭が23日、千葉県浦安市に出張中にホテル客室に侵入した疑いで逮捕されるという事案がありました。不祥事の根絶を繰り返し訴えている中ですが、本年度は教職員の逮捕事案が相次いでいる上に、今回の事件は逮捕容疑の段階ではありますが、勤務時間中の行為ということを考えますと、より深刻なのかなと考えます。逮捕事案続発への受け止めと、改めて取り組む再発防止対策や呼びかけがあれば教えていただければと思います。
(教育長)
県教育委員会では、コンプライアンス推進の取組、会議や研修を通じた意識改革や啓発などにより、不祥事の防止に取り組んでいるわけですが、その最中、教職員の逮捕事案が立て続けに発生したことは、教育に対する県民の皆様の信頼を大きく損ねるものでありまして、教育長として非常に重く、極めて深刻に受け止めています。この場をお借りしまして、深くお詫び申し上げます。本事案の詳細につきましては、現在、当該校を所管する市教育委員会を通じて確認しているところでありますが、警察の捜査等の動向も見極めつつ、事実関係を精査した上で、できるだけ速やかに検討し、厳正に対応して参る考えであります。また、県教育委員会としましては、発生した事案に係る事実関係や経緯、背景等についての確認を行いながら、発生した要因等を踏まえ、再発防止に向けた具体的な取組の検討を進めて参ります。
再発防止には、繰り返し、繰り返し、粘り強く取り組むことが重要と考えておりまして、各種会議や研修講座等、様々な機会を捉えて、教育に携わる公務員としての倫理観や使命感の涵養を図るとともに、不祥事を起こさない、起こさせない職場風土づくりに全力で取り組むよう、繰り返し注意を喚起し、本県教育界を挙げて、学校・県教委・市町村教委が一丸となって、不祥事防止に向けた取組を推進して参ります。
(記者)
ありがとうございます。
(記者)
他に各社からありますでしょうか。無いようですので、以上といたします。
(教育企画室)
それでは、以上を持ちまして、教育長記者会見を終了させていただきます。
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