突然かかってきたカニの電話勧誘販売
質問
ある日突然電話があり、「いつもありがとうございます。○○業者の娘です。父親に頼まれて電話しました。おいしいカニはいかがですか」と、嫁いだ娘が毎年お歳暮で使っている水産業者を名乗って電話してきたので、断るのも悪いと思って注文しました。その後3回、「確かに注文しましたね」と確認の電話もありましたが、知り合いの業者と思っていたので「はい」と答えました。後日、商品が宅配便で届き、2万1千円の代金と引き換えに受け取りましたが、送り状を確認すると知り合いの業者ではありませんでした。おかしいと思いながらも、冷蔵庫に入りきらない分の身をほぐして密閉容器に移すなどしましたが、カニの身入りも悪く騙されたのではないかと思います。
回答
カニに限らず昆布やリンゴ、みかんなどの食品を業者からの強引な電話や訪問で勧められるまま断れずに購入してしまうことがありますが、平成21年12月1日から、訪問販売や電話勧誘販売などにおいて、購入した状況によっては食品もクーリング・オフできるようになりました(注)。
今回の事例はクーリング・オフ期間中だったため、クーリング・オフの書面を出して商品を現状のまま業者に送り返しました。業者は「別な業者名は名乗っていない。相談者は商品に手を付けて消費しており売り物にならない」と主張して全額返金を拒みました。特定商取引法のクーリング・オフの場合、損害賠償や違約金の請求はできない旨を伝えて全額返金するよう交渉しましたが、業者は持論の展開に終始し、一部の返金にしか応じようとしませんでした。結局、早期解決を望む相談者が業者の返金額に応じて相談終了となりました。
業者から突然電話がかかってきて、業者のうまい話ばかり聞かされて契約申し込みをしてしまう電話勧誘販売の場合、商品の中身を確認することができないままに代金と引き換えに商品を受け取る「代引き配達」がほとんどです。代金を支払った後で、価格に見合わない商品だったなどというクレームが生じても相手が遠隔地の業者であることも多く、電話しか連絡を取る方法がなかったり、業者が返却した商品に難癖をつけて返金を拒む等トラブル解決が困難になる場合もあります。業者の信用性も分からず、事前に商品を確認することも出来ないような電話勧誘販売には注意が必要です。
(注)電話勧誘販売では、商品名、価格、事業者の名称や連絡先、クーリング・オフが出来ること等が記載された法定書面が渡された日から8日間はクーリング・オフができます。
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