ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種について
ヒトパピローマウイルス感染症(HPV感染症)の予防接種について
1 HPVワクチン接種の「意義・効果」について
- 子宮頸がんの原因のほとんどは、性的接触によって感染するヒトパピローマウイルス(HPV)であることがわかっています。そのため、ワクチンを接種してウイルスの感染を防ぐことで、子宮頸がんを予防できると期待されています。
- 現在使用されているHPVワクチンは、子宮頸がんの原因の50~70%を占める2つのタイプ(HPV16型と18型)のウイルスの感染を防ぎます。
- HPVに感染しても多くの場合は自然に排除されますが、感染が続くと、その一部が前がん病変になり、さらにその一部ががんになります。また、HPVの感染は、一生のうち何度も起こりえます。
- HPVは広くまん延しているウイルスです。日本では年間約11,000人が子宮頸がんにかかり、それにより約2,800人が亡くなっています。
日本における、HPVワクチンの効果推計(生涯累積リスクによる推計)
HPVワクチンの接種により、10万人当たり859~595人が子宮頸がんになることを回避でき、また、10万人当たり209~144人が子宮頸がんによる死亡を回避できる、と期待されます。
現在、HPVワクチンの積極的な接種をお勧めすることを一時的にやめています。
リーフレット、関係通知等
- 小学校6年~高校1年相当 女の子と保護者の方へ大切なお知らせ【概要版】 (PDF 3.1MB)
- 小学校6年~高校1年相当 女の子と保護者の方へ大切なお知らせ【詳細版】 (PDF 4.3MB)
- HPVワクチンを受けたお子様と保護者の方へ (PDF 1.3MB)
- 医療従事者の方へ ~HPVワクチンの接種に当たって~ (PDF 1.8MB)
- 【参考】積極的勧奨差控え通知(令和2年10月9日改定 厚生労働省) (PDF 308.5KB)
2 ワクチン接種後に起こりえる症状(リスク)について
主な副反応は、接種部位の痛みやはれです。
- HPVワクチン接種後にみられる主な症状には、接種部位の「痛み」「はれ」「赤み」があります。
- その他、接種部位のかゆみや出血、不快感のほか、疲労感や頭痛、腹痛、筋肉や関節の痛み、じんましん、めまいなども報告されています。
- HPVワクチンには「サーバリックス」と「ガーダシル」の2種類があり、一定頻度で発生する副反応については、ワクチンの添付文書に下表のとおり記載されています。
発生頻度 |
ワクチン:サーバリックス |
ワクチン:ガーダシル |
---|---|---|
50%以上 |
疼痛・発赤・腫脹、疲労感 |
疼痛 |
10~50%以上 |
掻痒、腹痛、筋痛・関節痛、頭痛など |
腫脹、紅斑 |
1~10%未満 |
蕁麻疹、めまい、発熱など |
掻痒・出血・不快感、頭痛、発熱 |
1%未満 |
注射部位の知覚異常、感覚鈍麻、全身の脱力 |
硬結、四肢痛、筋骨格硬直、腹痛・下痢 |
頻度不明 |
四肢痛、失神、リンパ節症など |
疲労・倦怠感、失神、筋痛・関節痛、嘔吐など |
まれですが重い症状が報告されています
- 呼吸困難、じんましんなどを症状とする重いアレルギー(アナフィラキシー)
- 手足の力が入りにくいなどの症状(ギラン・バレー症候群という末梢神経の病気)
- 頭痛、嘔吐、意識低下などの症状(急性散在性脳脊髄炎(ADEM)という脳などの神経の病気)
3 予防接種後に症状が生じた方に対する相談窓口について
(1) 県の相談窓口
岩手県では、HPV感染症の予防接種後に症状が生じた方の相談の充実を図るため、保健福祉部局と教育部局に相談窓口を設置しています。
窓口種別 |
問い合わせ先 |
電話番号 |
---|---|---|
医療、救済に関すること |
保健福祉部 医療政策室 |
019-629-5466 |
学校生活に関すること |
教育委員会事務局 保健体育課 |
019-629-6188 |
受付時間:午前8時30分から午後5時15分(土・日曜日、祝日、年末年始を除く)
(2) その他の相談窓口
- お住いの市町村の予防接種担当課
- 感染症・予防接種相談窓口(厚生労働省 電話番号:03-5276-9337)
受付時間:午前9時から午後5時まで(土・日曜日、祝日、年末年始を除く)
4 子宮頸がん検診について
20歳になったら、ワクチンを接種した方も、子宮頸がん検診を定期的に受けてください。
- HPVワクチンは、全てのタイプのHPVの感染を予防するものではありません。
- ワクチンで感染を防げないタイプのHPVが原因の子宮頸がんを予防するには、子宮頸がん検診を受診して、がんになる前の前がん病変の段階で早期発見する必要があります。
- ワクチンを接種した方も、20歳になったら2年に1回は必ず子宮頸がん検診を受けてください。
5 関連リンク
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このページに関するお問い合わせ
保健福祉部 医療政策室 感染症担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5472 ファクス番号:019-626-0837
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。