岩手フロンティア・フレッシュトーク(平成20年2月14日)

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ページ番号1000923  更新日 平成31年2月20日

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対象地域:県北広域振興圏
開催場所:二戸市

県政懇談会「岩手フロンティア・フレッシュトーク」懇談記録(県北広域振興圏)

  • 日時 平成20年2月14日(木曜日)9時00分から10時20分
  • 場所 二戸地区合同庁舎 6階 リフレッシュルーム

開会

田山局長
お一人おくれてお見えになるということですけれども、始めさせていただきます。
ただいまから県政懇談会「岩手フロンティア・フレッシュトーク」を開催いたします。
本日、皆様には雪道の中、早朝からおいでいただきましてありがとうございました。
私は、本日の進行役を務めさせていただきます二戸地方振興局長の田山でございます。よろしくお願いいたします。

知事あいさつ

田山局長
それでは、開会に当たりまして、知事から一言ごあいさつ申し上げます。

達増知事
皆様、おはようございます。県政懇談会「岩手フロンティア・フレッシュトーク」ということで、お足元の悪い中、また皆様それぞれお忙しい中、このようにお集まりをいただきまして、ありがとうございました。
この企画は一種の作戦会議でありまして、この地域の活性化、またそれぞれのさまざまな産業分野の振興、そうしたことについていろいろ意見をいただき、また意見交換をして県政に役立てていこうというものであります。
岩手が直面する現状は、なかなか容易ならざる課題がございまして、手元の資料にもありますけれども、県民の所得、それから雇用の情勢、また人口の流出や、あとは地域医療の問題、いわゆる医師不足問題など、そうした課題を解決していくために、いろいろオーソドックスなこと、やるべきことをきちんとやっていくというほかに、さまざまな新機軸にも挑戦していかなければならないと思っておりまして、特にこの「岩手フロンティア・フレッシュトーク」、若い世代の皆さんとのこの懇談会については、そういった新しい挑戦ということを念頭にいろんなお話ができればと思っております。
それから、フロンティアということで、この広域振興圏を岩手にとっての新しいフロンティアとしてもっともっと開拓していこう、地域振興やビジネスの新しいチャンスを広げていこうということで、県北広域、沿岸広域、県央、そして県南の、岩手を4つに分けたそれぞれの広域振興圏ごとにこの企画をやっています。そういう県北という広域の中の連携あるいはチャンスの開拓、そういうことも念頭に置いていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

田山局長
ありがとうございました。それでは、本日のご出席の皆様をご紹介いたします。名簿に従ってご紹介いたします。
まず、安藤さん。
宇名澤さんは、ちょっとおくれていらっしゃるということで、佐波さん。
平野勝章さん。
細谷地さん。
三谷さん。
県のほうからは、総合政策室の勝部室長でございます。
久慈地方振興局の和嶋局長でございます。

懇談

田山局長
では、懇談に入らせていただきますが、本日の今日の懇談は、このたび県で策定いたしました「いわて希望創造プラン」、その地域編をもとに県が考える県北広域振興圏の振興策など最初に私のほうからご説明いたします。その後、岩手の将来像を考えるに当たってということで、皆様のお仕事や生活にかかわる各分野について、ご自由にご意見をお伺いしていきたいというふうに思っております。
それでは、お手元の資料をもとにご説明いたします。このカラーの大きな紙でございます。県では、平成22年度までを期限とする総合計画に基づきまして、県の施策を進めているところでございます。この「いわて希望創造プラン」というものが19年から22年までの4年間を期間とする総合計画の実施計画として策定したところでございます。
左上のほうにこれまでの主な取り組みというものがございます。これまで社会資本の整備を進めて、これを活用した県民生活の質の向上あるいは地域産業の振興、こういうものに取り組んでまいりました。
一方では、2というところで社会経済情勢というものがございますが、グローバル化の進展、人口減少、超高齢社会への移行と大きく世の中が変化しております。
その下のほうにまいりまして、現状ということで、今知事からもお話がありましたけれども、県民所得、雇用情勢がなかなか回復しない、あるいは人口流出が続いているといった状況にございます。
2として、課題ということで主に3点を掲げているところでございます。1つ目として、産業経済基盤の構築ということで、ものづくり、あるいは農林水産業や食産業、こういった産業経済基盤の構築が必要であるということ。2つ目として、医療、子育て環境、高齢者介護といったセーフティネットの充実が必要であるということ。3つ目として、この地域の県北・沿岸振興、これが必要だというふうに大きくとらえてございます。
右のほうへいきまして、取り組みの視点がございます。地域経営の基本的考え方ということで、県民、企業、NPO、行政など地域社会を構成するすべての皆様の力を結集して、地域の個性や特色を生かした取り組みを展開することによって地域の価値を高めていこうと、これが必要だというふうにとらえてございます。このため、「県民一人ひとりが確かな『希望』を抱く県土づくり」、これを目指しているところでございます。重点目標として、県民所得の向上、雇用環境の改善、人口転出への歯どめ、地域医療の確保の4項目を掲げております。
この目標に向かって、危機を希望に変える2つの基本戦略ということで、1つ目が新地域主義戦略を掲げてございます。これは4つの広域振興圏が明確な顔ということで、特色ある地域として発展すること、これに伴って地域振興の基本である地域コミュニティーの機能を強化していこうということでございます。それから、2つ目が岩手ソフトパワー戦略ということで、岩手の文化や岩手の心ということで、人間性を積極的に発信していこう。岩手の文化的魅力あるいは勤勉性などすぐれた県民性について発信していこうということでございます。
構成といたしましては、下のほうにございますが、政策編あるいは地域編、改革編ということで、地域編ということでこの4つの広域振興圏ごとに将来像を描いて振興策を取りまとめて、県北にあっては八戸圏域等との交流・連携を深めながら、培われた知恵・文化を新たな取り組みに生かす活力みなぎる地域というような将来像を描いているところでございます。
裏面にまいりまして、この地域編の内容を掲げてございます。もう既に皆様には地域編、事前にお配りしておりますので、ごく簡単にお話しさせていただきます。左のほうで先ほど掲げた将来像を掲げております。この将来像を掲げた思い、背景というものが下のほうに列記してございます。県北圏域には、すぐれた農林水産物あるいは伝統に培われた技、多くの産品があるということ。ものづくりでは、縫製業あるいは電気電子関連企業などに加えて、近年では新たに造船業なども立地しているということで、これらの一層の振興とともに食産業の振興を目指しますと。4つ目の丸になりますけれども、県北圏域は八戸圏域と深いつながりがあるということ。それから、6つ目の丸では、地域に培われてきた知恵や文化などを新たな取り組みに生かしながら、持続的に発展する地域社会の形成が期待されている。こうした背景を踏まえて、地域の方々と力を合わせて、自立した広域振興圏の確立に取り組みますという思いを込めてこの将来像を掲げたところでございます。
右のほうには、取り組み方向として2つの基本方向と11の重点施策を掲げているところでございます。内容については、既にごらんいただいたと思っておりますので、省略をさせていただきます。
それでは、これから自由な形で意見交換をお願いしたいと思いますけれども、まず最初に自己紹介を兼ねて安藤さんのほうから順番に、まず最初に現在自分がどういうことを行っているのかというような現在の視点で、自己紹介を兼ねてお仕事なり地域活動なり、そういったものを紹介していただきたいなと思っております。1人3分くらいでお願いしたい。今日はこういう、普通の会議室ではなくて、幾らかでも打ち解けた雰囲気ということでこういう場所を設定しておりますので、自由にお話しいただければというふうに思っております。最初に、現在の自己紹介を兼ねたお話をいただいて、その後意見交換という形で、将来に向かっての視点で物をお話しいただければなと思っております。ということで、最初は自己紹介を兼ねた、今という視点においてお話をいただければと思います。
では、安藤さんからお願いいたします。

安藤正樹
安藤と申します。現在はホタテの養殖をやっておりまして、あとウニ、アワビ、ワカメなどをとる漁業をやっております。これまで品質のいいホタテをつくり続けてきましたが、なかなか販路が拡大されずに生産のほうが伸び悩んでいたのですが、おととしあたりから蓄養施設のほうを整備させていただいて、そこから大手量販店へ安定出荷をできるようになり、頑張っております。
今後の課題としては、今後もっと増産して岩手の魅力あるホタテ、ウニ、アワビなどを全国の方々に味わっていただきたいと思っております。

田山局長
宇名澤さん、おいでになってすぐで恐縮ですけれども、自己紹介を兼ねて自分の活動なりをお話しいただければと思います。お願いします。

宇名澤賢志
すみません、おくれてしまって。去年から自分で花のほうの経営を始めたのですけれども、今現在は一応両親も農家をやっているので、両親は野菜のほうを専門にやっていますけれども、自分はその中で花の栽培ということで、ハウスを新しく建設して経営をスタートして今進めています。まだ始めて1年過ぎたところですけれども、最初、当初計画していたのよりも現実はやっぱり厳しい感じで、どんどん原料もすべて値段が上がってきますし、今度は販売のコストですとか、輸送のコスト、手数料すべて上がってきて厳しい状態ですけれども、これは花も野菜も全部ですけれども、やっぱりある程度地元で消費できる基盤をつくる必要があるのではないかなと感じました。どうしても自分は、関東の市場に涼しい気候を生かして早出しというのもやるのですけれども、今までどおり早出ししても関東とか向こうの市場がまだ暑いのですね、10月ごろから早出しするのですけれども、そういった早出しでも向こうの気候がまだ夏の気候だったりして苗の動きも悪くて、そういったのも考えるとやっぱり地元である程度が消費できるように、単価の安定を図るにはやっぱり地元の消費という基盤を確保する必要があるのではないかなというふうに感じています。まだまだ、これからスタートなのでもっともっと、とりあえず良品を生産するということを念頭に置いて、あとは自分のファンというのを獲得していく必要があるのではないかなと今感じています。

田山局長
ありがとうございました。では、佐波さん、お願いします。

佐波麻帆子
私は、NPO法人で障害者の三障害の相談支援事業をやっております。私は、岩手県と市町村の委託事業で発達障害の支援体制整備事業のコーディネーターという役をやらせていただいています。この圏域は大体3,600人ぐらいの手帳保持者の方がいらっしゃって、大体人口の5.5%ぐらいの方々ですので、全体から見るとボリュームの少ない方々なのですが、とても大事なところだなと思っています。現在は、地域移行がかなり大事な視点になっていますが、その中でやっぱり生活の場所の確保と就労の場の確保、いわゆる障害を持っている方々の経済基盤をどうするかということ、そのもう一つの一番大きい柱として相談支援事業だと思っています。その相談支援事業に私は携わらせていただいているのですが、発達障害者支援法の中で圏域の発達障害の人たちの支援をどうしていくかということをちょっとやらせていただいていて、今現在5歳児健診とかをちょっと始めさせていただいています。やはり小さいときの支援をきちんとしていかないと、大きくなって成人になってから支援をしていくというのはとても大変なことで、ご本人にとってもとてもきついことですし保護者にとってもきついことなので、今私が一番大事にしたいのは、幼児期の障害を持っている方も持っていない方も、よりよい療育環境というのを整えていくことかなと思っています。そういうところを携わらせていただいています。
ほかにもいろいろやっているのですが、この圏域の自立支援協議会という、障害の福祉のほうのいわゆる計画を立てるところの事務局もやらせていただいていて、この圏域の課題もかなりいろいろあるのですけれども、面積は広いのですが人口が少ないので、いわゆるサービスをお届けするのはとても大変な、あとは交通の便の悪さみたいなところもあるので、そういうところも今後やはり大きな課題になるのかなと思っています。そんなところを今頑張らせていただいています。よろしくお願いします。

田山局長
ありがとうございました。では、平野さん、お願いします。

平野勝章
平野勝章と申します。職業は二戸市で車屋さんをやっております。今日は社団法人カシオペア青年会議所という立場からのお話になると思いますが、私ども青年会議所といたしましては、カシオペア広域ということで去年から特に力を入れていることが、先ほども岩手県の創造プランにありました、地元のものを広めていこうということで、去年なんかは南部せんべい日本一を焼いたりとか、春には二戸市でも特に有名な鳥を使った焼き鳥世界一に挑戦しようなど、そのような地元の食材等を使ったものを皆さんにPRしていこうということで進めております。
また、最近では漆に私自身ちょっと興味がありまして、漆のほうをちょっと勉強させていただいております。そういったものを今後二戸市だけではなく県、県外、全国のほうにPRできればなと思っております。漆のほうを特にですが、勉強すれば勉強するほどすごく今興味がわいてきております。岩手県のほうに先日会議に行きまして、浄法寺漆を知っている方と言いましたら、ほとんどいませんでした。漆が日本一だということも当然知らない現状でありましたので、そういったところを会議所から発信できればなと思っております。
また、違う面で今力を入れているのが、地元に住んでいる青少年の意識の変革ということで、いろんな方をお呼びしまして青少年の方に今後の二戸について考えていただきたいなと思っております。また、青少年を育てる親の意識の改革ということで、最近では親学という勉強会なども会議所として取り組んでおります。この地域に住む青少年が本当にカシオペアに住んでよかったなと思えるようなまちづくりを今後とも展開していきたいなと思っております。以上です。

田山局長
ありがとうございました。では、細谷地さん、お願いします。

細谷地茂陽
久慈市内から参りました久慈青年会議所の本年度の理事長を務めております細谷地と申します。私自身の仕事はエネルギー関係の業態の企業に勤めております。本日は久慈青年会議所としてお話をさせていただきます。
まず、久慈青年会議所は4市町村の広域で活動している団体であります。全国的な青年会議所と同じような趣旨で活動はしておりますが、さまざまな社会問題や地域が抱える課題に対して取り組んで、地域の活性化をすることで明るい豊かな社会を築いていこうという目的のもと、今年度私たちの久慈青年会議所は、「意気揚々と~希望と誇りに満ちた人となれ~」このスローガンをベースにしまして1年間活動を展開していく予定になっております。希望に輝き誇りに満ちた人とまちの創造、これが私たちの今年度目指すところであります。
昨年40周年を迎え、「いわて久慈たからもの絵本」という絵本を製作しました。これは地域の誇り高き歴史と伝統、資源をテーマに、琥珀とか、あとはこちらが海産物ですね。あと、こちらが久慈城ですね。あと、もう一つ砂鉄も今月の末には5話目が完成する予定になっております。これは小学生、保育園児向けの、保育園で先生が子供に読み聞かせをしたりとか、ご家庭で家族、親が子供に読み聞かせをしたり、地域を楽しく学んでいただこうという趣旨で製作したものであります。特にも子供たち、私もそうだったのですが、意外と地域の歴史とかまちのことを知る機会が少なかったりします。本来は親から子へ、おじいさん、おばあさんから子や孫へと、地域の歴史であったりとか文化というものが継承されるべきものなのでしょうが、そういったことが希薄になっている時代背景かもしれませんし、機会に携わることが少なくなってきていると思います。今年度については、新たにまた3話作製しようという取り組みを考えております。
また、4月8日には久慈の中心市街地にやませ土風館、中心核施設ができるということで、まちづくりについてもさまざまなイベントやお祭りに対して積極的に参加して、そのオープンに向けて町なかの景観改善やおもてなしの心を実践する運動も展開していこうと考えております。
将来にわたっては、これから私たちの役割というのが非常に大きくなるだろう。特にも20歳から40歳の年齢の中で活動している私たちですので、まちの未来を考える上では私たちの活動が核となり、地域のリーダーとなって今後活動を展開していきます。以上です。

田山局長
ありがとうございました。では、最後になりましたけれども、三谷さん、お願いします。このお持ちいただいたヨーグルトの紹介も兼ねて、よろしくお願いします。

三谷雅子
おさんぽジャージー三谷牧場の三谷雅子です。よろしくお願いします。私どもは、主人も大阪出身で私も愛知県出身なのですけれども、酪農、乳牛のほうと、あとこういった乳製品を自分たちで一から牧場をつくってやっていきたいなということで、全国津々浦々転々とした末に、岩手県の奥中山に自分たちがやりたいなと思っている放牧酪農ができるような土地が見つかったので、それで居ついたというか、落ちつきまして、まだ岩手県に来て私は5年目なのですが、岩手県人としては5歳児ということで余り右も左もよくわかっていないところがあるのですけれども、まず酪農を始めて5年。こちらの乳製品は2年前から委託製造という形で花巻市のほうの乳業会社に、自分たちでもレシピとか、乳酸菌とか、牛乳とかも全部持ち込みでつくってもらっていたのですけれども、やっぱりなかなか細部に至るまで自分の思いどおりのものができないなということと、あと牛乳もそうですけれども、こういうふうなのを始めてから岩手県の方々に本当にいろいろお世話になりまして、住んで3年目ぐらいから、岩手県はいいところだなと思い始めまして、それでここでやっていこうかなって決心、決心はついていたのですけれども、最初は借り上げで借りていた牧場だったのですけれども、もう今年からいよいよ主人と2人で土地を買って牧場をつくったのですよ。牛舎から、家から、工房から建てて、実はこのヨーグルトが私たちの手でつくった三谷産100%のヨーグルト第1号なのです。記念すべき1号なので。

達増知事
独特ですよね。クリーミーな感じ。

三谷雅子
ジャージーなのです。パンフレットを1枚しか私、持ってこなかったのです。忘れてしまいました。これを一応、すみません、回していただいて。こんな感じです。

達増知事
なるほど、なるほど。ホルスタインではないのですね。

三谷雅子
そうなのです。ジャージーといって……

達増知事
茶色い……

三谷雅子
ええ、乳脂肪がすごく、乳成分自体が濃い牛乳を出してくれるのですけれども、そのおかげでクリームのラインとヨーグルトとしてできるのです。この上のクリームの部分はジャージー特有でして……

達増知事
それで、金のヨーグルト、黄色っぽいクリームが上に乗っているから。

三谷雅子
そうなのです。今は冬ですけれども、放牧すると青草を、もう朝から晩までずっと外にいさせているので、青草のカロチンが牛乳に移るともっと黄色くなるのですよ。知事のその黄色の金のバッジぐらい黄色くなるので、もうこれは金だって、私と主人、大阪と名古屋なので派手好きなので……

達増知事
いいですね。実は岩手も今度平泉が世界遺産登録、今年見込みがあるので、中尊寺金色堂にあやかって金をちょっとイメージカラーにしていまして……

三谷雅子
ぴったりな。

達増知事
そうなのです。それで、県外広報でも金色のパンフレット配ったりしていて、この間大阪、名古屋でも渡して歩いてきたらすごく受けました。金つながりで。

三谷雅子
ドクター・コパが、今年のラッキーカラーは金だって言っておりまして。

達増知事
それは知らなかったけれども、そうなの、いいな。

三谷雅子
今年はきます、金が。工房をつくったので、これからはこのヨーグルト以外にもチーズとか、バターですとか、そういったもので岩手県から全国に発信して、逆にこっちを見てもらうようなそういう商品が、また私たちみたいな変わり者のやりたいななんて言っている人が、岩手にそういうのがあるよと言って来てくれれば、自分たちもそうしたようにほかの人も来てくれればいいなと思っております。今そんな感じです。

達増知事
これ金にするの(パッケージ)。

三谷雅子
金は高いのでやめました。上のクリームだけパンなんかに塗ってもらってもいいし、全部まぜたら全体的にコクのあるヨーグルトになります。

田山局長
ありがとうございました。いつも振興局においでになるときは子連れでおいでになるのですけれども、今日は子供さんはどうしたのですか。

三谷雅子
今日は話し合いができなそうなので、もう早々と一時預かりの保育園に行ってきました。

田山局長
ありがとうございます。6人の方からお話がありました。知事のほうから何かご質問があれば。

達増知事
質問といいますか、ホタテは大手スーパーのいわてフェアでも大変評判がよくて、非常にクオリティーが高いということで全国に通用するし、またマレーシアでいわてフェアをやったときも、まず三陸のそのホタテを持っていっていたのですけれども、やっぱり飛ぶように売れていまして、ホタテというのはやっぱり岩手を代表する海産物の1つとしてどんどん売っていけると思うのですよね。県北のゴレンジャーみたいなやつにもホタテ・ホワイトでしたっけ、久慈の振興局の職員が入っているし、ぜひ頑張ってほしいと思います。
あとは、花も地産地消が望ましいというのは、なるほどですね。もともと同じ季節の中で咲いた花をそのまま消費してもらうというのが非常に自然な形なわけでしょうから、そういう意味で、県内でのそういう花の消費というのは大事なのだと思いますね。両方なのですね。東京市場への出荷というのは、それはそれでもうビジネスとしてやっぱりいいのでしょうから、ちなみに花はどんなのをつくっているのですか。

宇名澤賢志
ポットの苗なのですけれども、花壇に生えるような花なのですけれども、パンジーとかスイートピーだとか……

達増知事
苗をつくっている。

宇名澤賢志
苗をつくっている。切り花もお彼岸、お盆には届けますけれども、メーンはそういった苗物、あとはシクラメンとかそういった鉢物がメーンです。

達増知事
苗物というのは、ガーデニングをやっているような人が買って自分の家で育てるような。

宇名澤賢志
そういう感じの、お庭に植えるような、鉢に植えるようなそういった苗を生産しています。

達増知事
そうですね、ガーデニングももうブームというよりは、定着して大分広く楽しまれている趣味だから、そういうのはいいですよね。
あとは、佐波さんなのですけれども、相談支援が大事ということで、生活と就労ですよね。やっぱり地域移行というのが、国の方針もそうだし、県としてもやっぱりそれが大事だと思っているのですけれども、そこで直面する困難としてはどういうところがあるのでしょう。生活や就労で難しい面が。

佐波麻帆子
この圏域は、やはり就労の場を確保することはかなり難しいです。今の労働条件そのものを障害者に当てはめるというのは、かなりきついものがあります。8時間労働だとか、40時間とかというところは難しいです。例えば、3人で1つの仕事をするとか、ワークシェアとか、そういうことがもっともっと進んでいくと、ここの圏域全体が規模は小さいので、そうすると仕事を分け合うことしか障害者の就労の場って確保できないなという思いがあります。ただ、障害者を労働力にするとか消費者にしていくことが多分地域の活性になるって私は思っていて、やっぱり商店街とかなかなか今歩いていないのですよね。車が主なのですが、障害者の人たちは車を余りお持ちにならないので、どっちかというと商店街でお買い物をする方がふえるのですよね。特に奥中山地域なんかはそんな感じで、結構商店街が盛り上がっているような気がするのですけれども、そんな感じで考えると町なかに生活の基盤があれば、その人たちが消費者になっていってもっと地域が活性化するのではないかなという気がいたしました。

達増知事
チャレンジド就労支援って県でもいろいろやっているのですけれども、あれもそういう普通の労働というのは、各企業にどんどん行ってパーセント、採用してくださいってお願いして歩いているのですが、やっぱり労働条件が普通になるときついというところもあるわけですね。

佐波麻帆子
そうですね。本当に小さな仕事でいいので、できればこの建物の中でも働かせていただいたらいいなと思ったりして、例えば何か封筒に詰めるだとか、郵送するところの仕事だけを請け負うとか、そのことだけでも障害を持った方々の仕事ってあるような気がします。

達増知事
そうですね。それは工夫をしていかないとだめですね。
カシオペア青年会議所は、私もシンポジウムに参加させていただいて、今度は久慈青年会議所のほうに行きますけれども、非常に活発でそれぞれいいと思いますし、あと地域おこし的なせんべいとか焼き鳥、それはすごくいいと思います。漆に注目というのは、私も最近漆にかぶれ始めて、かぶれるというのは手がかゆくなるとかでなくて夢中になるという意味なのですが、あしたも東京で漆フェアをやりまして、これは全国的な漆工芸の人と対談をする予定で、岩手の漆を宣伝してきますけれども、これからどんどん見込みがある分野だと思います。
久慈青年会議所の地域の歴史を発掘して絵本にしていくというのもそうなのですけれども、やっぱり地域のそういう歴史文化、伝統みたいなものがそのまま地域の力になるし、また経済力にもつながってくると思うのですね。私が岩手ソフトパワー戦略といってやろうとしているのは、まさにそういうことでありまして、これはもともと国際政治学の分野で言われているソフトパワーというのは、軍事力より経済力より決め手になるのはソフトパワーだということで、その国の文化的魅力とか道義的信頼で相手を動かす。もともとイラク戦争でアメリカが本当にやるべきなのは、アメリカのそういう大衆文化の魅力とか、民主主義のそういう信頼でイラクの人たちに、進んでアメリカと一緒にやっていこうというふうに思ってもらわないとだめだよということが国際政治学で言われているのですけれども、岩手は軍事力とかというのは関係ないのですけれども、経済力で今ちょっと大変なのですけれども、この経済力そのものへの振興策もやってはいくのですけれども、企業誘致とか、でも並行してその地域が持っている文化的魅力とか、あとは道義的信頼というのは、例えば安全、安心な食べ物を生産するとか、そういうのも含まれまして、そしてそれは福祉のそこに暮らす人たちが助け合ってきちんと暮らしているとかいう、そういう評価を高めていくことで、では買うのだったら岩手のものだなとか、雇うのだったら岩手の人だなとか、観光とか行くのだったら岩手県だなという、そういう評価を高めていくことで経済的にも効果を高めていこうという発想でありまして、やっぱり文化や歴史というのはものすごい魅力になるので、そこは本当にどんどん発掘してほしいと思いますよね。
今年7月に晴れて平泉が世界遺産登録されれば、そこから1年間をいわて平泉年として万博みたいなことをやりたいと、こう言っているのですけれども、それはもう岩手全体でいわて平泉年記念行事とか、記念事業とか銘打って、何でもかんでも平泉関連でまず地域で盛り上げて、そして岩手県外からも注目してもらうというのを考えています。金のヨーグルトなんかもいわて平泉年記念とか、何かそういう関連で出してもいいと思うし、実は企業の人たちにも何かそういう関連グッズをつくったりできないか。普段つくっている商品を金でコーティングするとか、黄金かもめの卵なんて既にもうつくって売っているお菓子業者もあるのですけれども、岩手全体でそうやって盛り上げて万博をやっているような感じにするということで、世界遺産というのは全国から注目されるし、世界からも注目されるので、その注目が狭い平泉だけに終わってしまうのは余りにもったいないので、平泉というのは岩手県にあるのだなと、岩手県には平泉以外にもこんなすごいのがいろいろあるのだなということで、平泉と何か直接のつながり、例えば義経が北海道に脱出するときにここを通った、あそこを通った、そういうのは沿岸のほうにもあったりして、そういう平泉に直接つながるようなもので盛り上がるのもいいのですけれども、およそご当地ネタであればもう何でもいいと思っていまして、そういう中央から離れたところに独自の都をつくって、そういう自立の地方自治をやっていたのだと、そこで平和を祈り自然と調和して100年間やっていたというのが平泉のテーマなので、そういう人と人との共生とか、あとは人と自然との共生ですよね。そういうテーマで地域で自立してやっているというのがあれば、何でも平泉関連にできると思います。ですから、福祉関係というのも大事な要素だと思うし、農業、水産業、もう自然と一体になってそういう生産活動をしているというのも平泉記念に認定できると思うので、とにかくそういうことを1年間やっていきたいなというふうに思っています。ということで、私からのコメントは終わりにしたいと思います。

細谷地茂陽
実は、この絵本をぜひ知事に見ていただきたいと思いまして、プレゼントするために今日お持ちしましたのでぜひ……

達増知事
私は絵本が好きですので。

細谷地茂陽
東高校の美術部の生徒さんからストーリーと絵を描いていただきました。

田山局長
では、後半にまたお一人ずつお話しいただきたいと思いますけれども、先ほどお話ししましたように、今度は視点を将来に向けてまた自由にお話しいただきたいのですけれども、先ほどお話を伺っていまして、今日の6人の方の中で安藤さん、宇名澤さん、三谷さんは1次産業の新たな担い手というような感じでお話を伺いました。特にその1次産業の担い手の確保というのが、この地域においても県においても一番課題になっておりますので、新たな担い手の確保に向けてこうやったらいいのではないのかというような提案があれば、またそれも伺いたいと思いますし、平野さん、細谷地さんは、今知事からも話がありましたように、新地域主義のコミュニティーの強化に向けて、我々も大変青年会議所の活動に期待しているわけですけれども、その辺についても将来のことをまたお話ししていただければいいなと思います。佐波さんについては、先ほど発達障害の子供さんの健診の話もありましたけれども、もう少し発達障害の5歳児健診の難しさというか、その辺についてもお話しいただきたいし、今おらんどでお仕事されているわけですけれども、おらんどの紹介も含めてお願いしていただければなと思います。そういうことで、また安藤さんのほうからお願いします。自分の夢なり県に対する希望なり、何でも結構ですので。

安藤正樹
ホタテの増産していく上で、蓄養施設をおととし整備してもらったのですが、それだとちょっと今までは小さかったのです。そして、今度おかげさまで県からの支援をいただいて、また大きい水槽を3基ほど増設することに計画が進んでいるということで、それはうれしく思っております。ありがとうございます。どうしても野田湾は外洋に面している海なので、しけの被害をもろに受けやすいのでなかなか沖へ出られないときもありますので、その蓄養施設を有効利用することによって安定経営につながると、県の産業アドバイザーの中野さんからアドバイスをいただきました。
あと、若い後継者というか、野田もホタテ養殖は20代が2人ぐらいしかいないのです。あとは変わったところで30代か40代ぐらい。非常に後継者が少なくなっている状況です。
あと、以前私もホタテ養殖をする前はサケの定置網漁に従事していたのですが、野田はもちろん県内全体のサケ漁は漁業を支えるものなので、これも増殖振興が必要だと思っていますが、各地のふ化場ができてから数年たって池の傷みや井戸の水量が減ってきたことから、健康な稚魚飼育に支障が出ていると聞いていますので、今後も県の支援をよろしくお願いしたいと思っております。以上です。

達増知事
サケの稚魚は野田のシンボルで、のんちゃんというのが野田の入り口に大きいのが立っていますよね。

安藤正樹
もう大分老朽化していて、ちょっと改修するにも相当な費用がかかるという話を聞いていますので、ぜひその辺をよろしくお願いします。

田山局長
では、宇名澤さん、お願いします。

宇名澤賢志
将来ですけれども、今よりは規模拡大はしたいなと思っていますし、面積的にも、もう少し、今温室が1棟と、あとパイプハウスが3棟ぐらいあるのですけれども、規模拡大していきたいなと思っています。地元で農業に携わっている同級生とか同年代の人は何人かはいるのですけれども、やっているのは違うホウレンソウをつくっている人もいたり、酪農をやっている人もいたり、あとはその酪農に携わる乳質の検定の仕事をしたりとか、そういうヘルパーの仕事をしたり、授精師とか、そういった仕事をしている人がいますけれども、自分の様な花の栽培とかというのにはいないのですね。久慈地域は花の栽培というのは余り盛んではないほうだと思います。冬も寒いですし、そういった面もあり、少ないと思います。
農業が盛んになるのに必要なのは、やっぱり今やっている人の実績が必要だと思うのです。経営が成り立っている、近くでいけば両親だったり、近くの人がホウレンソウでもいいですし酪農でもいいですけれども、もうかっているというのがわからないと手を出せないと思うし、もし自分の子供とかがやりたいと言ってもちょっと考えろと言うかもしれないし、それよりもやっぱり産地として自立して、ちゃんと需要があって供給していけるという、そういった実績がないとやっぱり後輩がついてきてくれないのだと思いますし、そういった面で自分で頑張って、今自分はこれで仕事して生活していけるというのが見せられるようになっていくのが一番なのかなと思います。

達増知事
後継者対策の最大のポイントは、ちゃんと稼いで食べていけるのだというのを示すことだと思うのですよね。今都会に行ってサラリーマンとかいっても、非正規雇用になるともう本当年収、150万とか200万を切る年収で、家賃が高いから毎日毎日500円で食べていかなければならないとかいうのが大分普通になってきていて、それだともう全然違う豊かな自然の中で汗流した分きちんと稼いで食べられるようになるというような、まずそういうふうにしながら、そういうところをどんどんアピールしていきたいですよね。ちなみに、大野でつくったものというのは八戸のほうにも持っていったりしているのですか。

宇名澤賢志
自分の出荷先は、大まかには八戸市場と三戸の南部市場、あとは請負出荷、直売所、直接の小売というところです。大野がほとんどホウレンソウ農家さんが多い。酪農がないためになのですけれども、酪農ではホウレンソウをつくるのですけれども、やっぱり景気が悪い話しか聞かないですよね。

達増知事
八戸も大変みたいだから。

宇名澤賢志
どこかが大きく変わる必要もあるのかもしれないですし、もう集約的に小さい農家さんよりもまとまった大きい規模の農家さんになっていくのか、そういったいろいろな方向があると思いますけれども、考えられるだけの自分が将来を考えたときに選択肢がたくさんあるほうがいいなと。農業をやるといっても花だったりホウレンソウだと、いろんなのがあればもっといろんな人が始めようかなと思うかもしれないですけれども、大野だったら夏は天気も悪いしとか、冬は寒いし、そうなったときに農業という選択肢もなくなると思いますし、どこかに行って稼いでくるというよりは、地元で勤めていきたいというのはあると思うのです。そういったときに、農業も外で稼いで気持ちがいい、汗かいていいと言うけれども、実際はやっぱり趣味ではだめなのですね。趣味では御飯食っていけないので、ちゃんと結果を残して次につなげていかないと本当に、そういったところを見せていかないと下もついてこないと思うし、今やっている人がどんどん、次にもっともっとと欲出して頑張ってよくしていかないと次がついてこないと思うのです。だから、そういった面で、地域でもっと交流してレベルを上げていくとかってしていく必要があるのではないかなと思います。

田山局長
佐波さん、お願いします。

佐波麻帆子
まず、おらんどの紹介もという話があったのですが、以前は仁左平という、二戸のもうちょっと金田一寄りのほうに市から建物を借りて相談支援の拠点をつくっていたのですが、今回元たばこ会館の建物、3階建てを改築していただいて、相談支援だけではなくて障害を持った方の就労の場所と、あと余暇活動ができる活動支援センターというものと、あとは重い障害を持った方々が日中来て入浴サービスをしたりとか、ちょっと余暇をしたりとかという、あと子供の一時預かりみたいなものをやるのですけれども、この圏域に、奥中山には養護学校があったのですが、養護学校が遠くてなかなか行けなくて皆さん八戸の養護学校に通われていたのですよ。それもお母さんたちが送り迎えに行っていたのですけれども、その送り迎えがとても大変で1時間ぐらいかかって、今日みたいな日なんかはとても危険なのですけれども、それのまず送迎サービスを私たちでやり始めていたのですが、送迎サービスだけではやっぱり、岩手県の子供なので八戸で学ぶより県で学んでもらいたいというのもあって、親御さんが運動して石切所小学校に分教室が4月からできるように、養護学校の分教室なので普通の小学校の中の1つの教室が養護学校みたいな感じのものができるのです。その子たちの放課後を預かる事業を私たちのところでやるという形で、今後地域に拠点を、障害を持った人たちの小さいときから大人まで支援できる拠点をつくろうとしています。それが今のおらんどのところでやらせていただいています。もともとの私たちの団体がNPO法人なのですけれども、障害者の当事者団体、4市町村の障害者団体っていっぱいあるのですけれども、それの合同なのですね。なので、身体障害とか知的障害とかの全部の親御さんたちの会が結集したのがうちのNPO法人なので、その当事者団体がやるということの大きさもちょっとあって、お祭りとかも二戸のなにゃーとでやらせていただいて、今私たち障害者だけの団体でやっているのですが、それこそこちら(青年会議所)と手を組んだりとかしながら、もうちょっと地域のお祭りにしていきたいなという思いはあります。
そんなことをやりながら、私自身が今やっている仕事自体は発達障害という限られた障害の人たちで、今皆さんがよく耳にされるかもしれないのですが、注意欠陥多動障害とか、学級崩壊につながっている、全国では小学校で6%ぐらいいると言われている子供たち、授業を聞けなかったり歩き回ってしまったり、あの子たちの支援を私はやっているのですけれども、それは学校に上がってから大変だと騒ぐことが多くて、それだとちょっと手おくれになってしまうこともあって、5歳児というところで、今義務になっているのは3歳までの健診なのですよね。3歳までだと発達障害の子供たちって見つからないことも多いのですね。いわゆる知的障害がないのでお勉強ができるのです。いっぱいしゃべるし、結構得意なものがあったりするので、そうすると見抜けないでそのまま学校へ行ってしまって、学校へ行ったら座れなかった、ギャーみたいな感じになるので、その前の5歳で見つけて、その1年間をきちんと療育して、この子に合った支援の仕方をして、それで学校に行って学校で落ちついて勉強ができるようなそういうシステムをつくろうと今しています。
それも今までは保健と学校保健とぱつっと切れてしまっていたものをどうにかつなぎたいという思いもあって、どうしても小さいときは手厚くされていて、学校へ行ったら学校だけが支援するというスタイルが今の大きな問題だなと思っていて、そうではなくて、学校と地域のいろんなものが、いわゆる福祉も含めて支援できる体制をつくっていくのが大事だなと思っているのです。行政みたいな立場だけではなくて、地域の人たちも発達障害の人たちをわかってもらって、一関で今「ええまちつくり隊」というのがあるのですが、商店街の人がサポーターなのです。発達障害の人たちがお店に買いに来ると、その子に対応できる商店街の人がいっぱいいるのです。そういうことのほうが大事で、専門家は必要なのですが、県北も専門家は少ないですよね。大きな医療機関も少ないですし、でもそれだけではなくて、地域で暮らす以上は隣のここにいらっしゃる方々が発達障害をわかっていて、自閉の子にはこうしたらいいなみたいなことが何となくわかっていれば、この子たち暮らしていけるのですね。そういうものをつくっていきたいと思っています。今その啓発パンフレットというのをつくっていて、それを駅とか、あとコンビニエンスとか、商店街とか、あと警察にお配りしたいなと思っているのです。大体大きな問題を起こしたときって警察に必ず何か行くのですけれども、警察の方が発達障害ってこんなのだなってわかっていただいていると……

達増知事
わからないと、何か抵抗してわざとしゃべらないのではないかとか誤解して事態が悪化してしまうかもしれないですね。

佐波麻帆子
悪化して、その子たちの評価も低くなっていくのですが、実はそういうことではないので、非常に変わった文化を持っている子供たちなので、私たちがそれを知っておくと何かいいので、そういうことをやっていくと地域のネットワークにつながるのだなと思っていて、今はばつばつと違うところでそれぞれ違う支援をするのではなくて、手をつなぐことが大事かなと。就労の関係も福祉が頑張るのではなくて、福祉と労働の関係やいわゆる地域の人たちとどう手をつなぐかというのが大きな課題かなと思っています。

田山局長
ちなみに、おらんどというのは私たちという意味でしょうか。

佐波麻帆子
ええ、私たち、おらどなのです。本当はおらどですが、ちょっと弾みをつけておらんどと称しています。

田山局長
一応知事にも見ていただきたいと思いましたので。では、平野さん、お願いします。

平野勝章
先ほど知事からのお話ありました平泉年ということで、我々も岩手の宝をみんなで考えながら、漆と中尊寺ってやっぱりそういう結びつきがあるので、今後何か平泉年の事業に振興局さんとかとも協力し合いながら何かやっていければなと思っております。また、青年会議所、南部州デザイン会議というのがありまして、カシオペア青年会議所、久慈青年会議所さん、あと八戸、三沢、鹿角さん、十和田さんも入っていました。団体がありまして、そこで何かやっていこうというのが今ありますので、そちらのほうにも今後力を入れて、どんどんそういった団体と協力し合いながらやっていきたいなと思います。
また、今後ですが、岩手に生まれてよかった、カシオペアに生まれてよかったと思えるような人材をつくっていきたいということで、やはり青少年に地元のものをわかってもらいたいということがありますので、そういった雑穀のよさであったりとか、そういった伝統文化のよさであったり、そういったものを今後進めていきたいなと思っております。先ほど佐波さんからもお話がありました、他団体との協力ということもありまして、青年会議所、青年会議所という活動ではなく、ほかの団体さんとも手を組みながら地域をどんどん盛り上げていきたいなと思っています。1つの団体だけでは限られた力かもしれませんが、今後いろんな団体との情報の共有等あれば、ますますいい活動ができると思いますので、その辺どんどん実行していきたいなと思っています。以上です。

田山局長
では、細谷地さん、お願いします。

細谷地茂陽
それでは、私のほうからは新地域主義戦略ということでコミュニティーについてなのですが、私も青年会議所だけではなくて、例えば商店会、町内会、INS海洋と社会、あとお寺の檀家の会とかをやったりしているのですけれども、感じるのは若者が少ないというところですね。その背景には、やはり個人の趣味、嗜好というものが非常に多様化しているということ。昔は町内会だったりとか消防団、お祭りというのが非常にコミュニケーションの場として楽しい、そして人が集う、そういったコミュニティーであったものが、今は自分本位の考え方が主体化する中で、嗜好や利便性が優先され、なかなか若い方が誘っても来てくれない。商店会も本来であれば私たちの世代が核になって今のシャッター通りをどうにかしようというところで活動していかなければいけないのですが、ほとんどの会合に来るのは先輩。町内会にはもっと私より若い方がいらっしゃるのですけれども、ほとんど出席されないという現状があります。やはり昔ながらのお互いの交流や連帯感を楽しむというコミュニケーションの場の従来型のコミュニティーが崩壊しつつあるのかなという感じでおります。ですから、新たな価値観と原理原則というものに基づいたコミュニティーのあり方というのが、これからやはりつくっていかなければいけないのかなと思っております。
お寺の檀家の会は高齢者の方が多いが、皆さんにかわいがられている、それが楽しくて私も行っているというような、そういった組織になっているのですね。大きな事業としては、灯籠流し、これもずっと続いている久慈のお盆に開催され、檀家さんの会で運営されているのですけれども、かなり労力がかかるということで、今若者を募集しているのですが、若者が年々少なくなってきているという状況にあります。
やはりコミュニティーという部分では、私たちがまちの中でできること、地域との結びつきというものをどう考えていくのかが大切です。先ほど絵本を知事にプレゼントしたのですが、それも高校生の方と一緒にコラボレーションをして、今まで全く地域のことを知らなかった高校生が自分たちで視察しに行ったりとか、図鑑を持ってきたり、地域の歴史の本を読んだりして一生懸命つくった本なのですね。それを体験することによって高校生の方々も本当に楽しかった、地域の情報を知ることの楽しさを感じて大変貴重だったということをお話ししていました。高校生26名とつくりましたので、話をしているとやはり久慈にいたくない。要するに、高校卒業したらどうするのという話の中では、東京へ行きたいとか、都会に出たいとか。その背景にはやはり久慈の将来性というところだったりとか、就職問題だったりとかいろいろありました。従来は就職者が非常に多かったのですが、近年就職ではなくて進学する方が非常に多くなってきているという傾向がある。やはり地元に職場の環境がなかなか整備されていない状況の中で、専門分野をもっと磨きたい、でも磨いて就職するところというのは久慈ではなく、久慈に帰ってくるかわからない。そういった非常に残念な高校生の話を聞きました。皆さん自分の仕事の話を生き生き話しされているからうらやましいなと思って聞いていました。私の会社でも同じように若い世代をどんどん採用してやっぱり会社を活性化し、循環させていくということが大切ですし、やはり経験ある世代というのも会社にとっては必要です。社会システムだけではなくて企業としてもバランスというのが必要、大切になってくるなという感じをしております。以上です。

田山局長
では、最後ですけれども、三谷さん、お願いします。

三谷雅子
岩手の未来についてでしたか。

田山局長
何でも結構ですよ。先ほどの絵本を一生懸命ごらんになっていましたけれども、子供さんのことでもいいですし、何でも結構です。

三谷雅子
私が今やっているのは農業なので、今本当にやり始めて5年で、主人とやっていて、もう未来を考えてとか、そういうのは実際問題、もう今が大切なのですけれども、だからここに来るのももしかしたら場違いかもしれませんけれども、私が来て5年で思ったことは、農業に対してやっぱりイメージが悪過ぎるなと思いました。宇名澤さんもおっしゃっていたのですけれども、私、普通のサラリーマン家庭の子供で、主人も大阪で小さいながら自営業をやっている家庭だったのですけれども、農業をやりますよと言ったときに、みんなもう本当100人が100人、大変だし、つらいし、遊べないし、もうからないと言って、貧乏暇なしみたいな言い方をされて、それでもやるのかと言って、本当むしろばかではないのぐらい言われて、それでも私は農業というものは、言い方に間違いがあるかもしれないけれども、自分で小さな会社を持てると思っているのですよ。こういうヨーグルトをやろうと思ったらやれるし、このヨーグルトの大きいサイズをつくろうと思ったら明日にでもできるという、自分の会社が持てるという、そういう楽しさというか、もちろんそれでもうかっていくということがすごく大切で、農業のイメージというのをよくしないと岩手県は絶対人が来ないと思いますね。あこがれて来ても、周りの本当に、実は岩手県内の人が一番私たちに反対して、農業をやらないほうがいいって、おまえ、ここ来る前に帰れみたいな感じで、それに私は一番びっくりしました。だから、逆にあこがれを持って来ても地元の人が反対するというのにびっくりして、そこの意識改革というのをやっぱりしていかないと、本当に私と主人みたいにもうこれしかないなというか、これがやりたいのだと思って、そういう批評にも気にせず入ってくる人というのは本当にまれらしいのですよ。
私が今思っているのは、まず自分たちは大成功しなければいけないと思っています。大もうけしなければいけないと思っています。このヨーグルトと何かいろいろで。大成功した上で、今のこのヨーグルトを実は保育園の子供たちに食べてもらいたくて、それは自分が子供を持って初めてわかったのですけれども、子供の味覚とか感覚って本当に小さいころに決まってしまうのだなと思ったのですよ。今上が2歳、下がゼロ歳なのですけれども、もう2歳の時点ではほぼ決定しているぐらいの勢いでして、地元のよさを伝えるのであれば逆に、東京、名古屋、大阪とか本当に農家さんが少ないので、これが牛さんから絞ったものですよって食べて、では牛さんを見に行きましょうということができないのですけれども、岩手は、これ牛さんからもらったものですよ、見にいきましょう、遠足で行けるというすばらしい立地条件にあるから、保育園の子たちみたいなそういう小さい子供たちにぜひ食べてもらって、それでこれは地元で本当にあなたのお隣さんでできているのよという感じで、そういう意味で農業を見詰め直してもらう、小さい子供に見詰め直してもらって、なおかつ私がもうかっていれば、ちょっと物心ついて計算高くなっても、農業ってやっていけるのだなという、そういうイメージを持って、あそこがやっていけるのだからおれだってできるというイメージを持って進んでいけるような気がしていました。

達増知事
そういう一国一城の主という感覚がすごく大事だと思いますね。僕は、知事になってから愛知県にしょっちゅう行くようになって、知事になる前はほとんど行ったことがなかったのだけれども、企業誘致の関係でトヨタさんとかその関連の下請、下請といってもでっかいそういうサプライヤーさんとかそういうところを回るのですけれども、やっぱり一国一城の主という感覚がすごく強いなと。これは三河武士とか戦国時代の武将のイメージを反映しているからかもしれないけれども、でもトヨタなどの関係者の人たちも自分たちやっぱりそういう三河武士の伝統みたいなことを言ったりするし、本当小さい工場から始めても、まず一国一城の主となってどんどん大きくしていこうというすごいパワーを感じるし、あと大きい会社に勤めていてもいつか独立みたいなそういうエネルギーもあるし、そういうのがトヨタグループの場合、一種ピラミッド構造の中で親会社があって、子会社があって、孫があって、ひ孫があってみたいな中で、でも完全に下が上の言いなりになっているわけではなく、かなり自己責任なところがあって、親会社もそういう自己責任というのを認めるし、いざとなったら助けるけれども、結構下は下の判断でやってくれみたいなところがあるし、そういう一国一城の主として頑張るのだ、そしてどんどん大きくなってくるのだというその野望というのがやっぱり岩手には足りないなと思いましたね。今は希望王国と言っているのだけれども、若い世代には少し野望王国岩手みたいな感じで、希望もいいけれども野望を持てという感じのアドバイスをしたほうがいいかなとか最近思っていますね。つい何か岩手で小野望を持っている人はとりあえず都会に出るみたいな感じで、上を目指すみたいな感じなのだけれども、本当に天下とれるというか、一国一城の主になるには、やっぱり今いる場所にしっかり足をつけて踏みとどまって、親子3人でも一国一城の主なわけだし、そこからどんどん世の中の役に立つようなことをやって収入をいただくということを大きくしていくという、そういう感覚をやっぱり岩手でもっともっと育てなければと思いますね。

三谷雅子
いろいろ回ったのですよ、北海道から、愛知県近辺など、静岡とか、あっちの鹿児島あたりとか、私は一番岩手が野望を持ったら野望を達成できるというか、それこそ全国に三谷牧場ありきみたいな、言えるなと私は、岩手は穴場だと思いました。

達増知事
戦国時代は尾張、美濃のあたりが、あそこを抑えれば天下をとれるだったのだろうけれども、今は岩手で成功すれば天下をとれる。

三谷雅子
岩手は天下をとれます。

田山局長
何か九戸政実みたいな話になってきましたけれども、まだまだ皆さんからお話を伺いたいわけですけれども、大体時間になってまいりましたので、ここで最後に知事から皆さんに対して激励の言葉をいただければありがたいなと思っております。

知事所感

達増知事
今日は、そういう野望を持って頑張ろうということが結論になりましたけれども、私は知事の仕事というのは知ることに尽きると思っておりまして、知事という漢字は「知る事」と書くのでありますけれども、岩手で今何が起きているのか、岩手のどこでどういう人が困っているのか、それをどうすれば解決できるのかというのをちゃんと知ることができれば、すぐにそれに対応して問題を解決して県民を守ることができるということで、今日もいろんなことを知ることができて非常に参考になりましたし、これからもいろんなことを知って、そして仕事にしていきたいと思っていますので、今日の会議はスタートでありまして、こういった形の会議をまたやるかはわかりませんけれども、それぞれの分野、それぞれの地域でまたいろいろ教えてください。また、一緒に岩手を盛り上げていきましょう。今日はどうもありがとうございました。

閉会

田山局長
では、これをもちまして県政懇談会「岩手フロンティア・フレッシュトーク」を終了いたします。今日の出会いをまた1つのネットワークにしていただければと思っております。ありがとうございました。

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