第61回放送分 第1回 移住者インタビュー(令和元年6月)

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ページ番号1021578  更新日 令和1年7月19日

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写真:収録風景
収録風景です。

大船渡地域振興センターで公開しているホームページ「けせんぐらし」の「移住者インタビュー」より、三井 俊介さんにご出演いただきました。

 

三井 俊介 さん

茨城県つくば市出身 法政大学法学部国際政治学科国際開発協力専攻 NPO法人SET代表理事 現陸前高田市市議会議員 NPO法人高田暮舎フェロー 日本農林漁家民泊推進協議会顧問 オピニオンサイト「View Point」ライター 

 

第1回 移住者インタビュー

Q.出身地はどちらですか?

 生まれも育ちも茨城県つくば市です。高校生まで住んでいました。

Q.今のお住まいはどちらでしょうか?

 陸前高田市広田町の根岬です。広田半島の端っこ辺りですね。

Q.広田町に住まわれたのはいつ頃からですか?

 2012年の4月です。なので7年ぐらい住んでいます。

Q.広田町に来られたきっかけはなんですか?

 震災があったからです。2011年3月の当時は東京の大学に在籍していて、震災もそこで体験しました。

 その時から、何か東北に支援できることはないかと考え、SETという団体を3月13日に立ち上げました。そこで、現地に行って何か支援ができないかと思っていたところ、たまたま知り合いに陸前高田市出身の方がいたので、その方のつてを頼りに震災が起きた3週間後の4月6日に初めて陸前高田市を訪れました。

Q.最初に被災地の支援をしたいということで訪れたという事ですが、その時にはどのような活動をされたのですか?

 防災本部につないでいただいて、物資の仕分けや、学校が再開できない状況でしたので、勉強の手伝い。また、どこまで津波が来たかを被災の状況が残っている内に記録を残してほしいということで、津波マップの作製などを行いました。

Q.当時は大学生ということで、卒業後のことを考えて生活されていたと思いますが・・・

 そうですね。卒業後は東京を出て違う場所に行こうと考えていました。その中で、広田町で出会った町の方から「50年後この町はなくなってしまうかもしれない。それは、震災があってもなくてもそうだった。でも、今は震災が起こって、お前たちのような若い人たちが来てくれているから、これをなんとかチャンスに変えてこの町がより残り続けるために頑張らないといけない」というお話をお聴きし、それに僕自身が凄く感銘を受けて、何とかこの町のチカラになりたいと思いました。それと、当時は外からきた若者がいなかったので、だからこそできることがあるんじゃないかと思い、まず、移住して、この町のために頑張ろうという思いで卒業後すぐに引っ越ししてきました。

Q.SETという団体はどのような団体なのですか?

 ミッションとして「ひとりひとりのやりたいをできたに変えて日本の未来にGOODなCHANGEを起こしていく」を掲げています。これがどのようなことなのかというと、東北の被災地は日本の課題先進地と言われている場所でもあります。日本にこれから起こるであろう問題がすでに起こっている場所であると。なので、この場所での問題や課題を解決していくことで、それはきっと日本の未来にとっての解決策になるだろうと。私たちは広田町で活動していますが、広田町だけが良くなればいいと考えているわけではなく、広田が良くなることで日本全体に良い変化、良い効果を起こしていきたいと思い、活動しています。

Q.具体的にはどのような活動をしているのですか?

 外から人を連れてくる。呼び込んでくる。そして、町の人と交流しながらまちづくり活動を一緒に行い、人口減少していますが、人が少ないからこそ、豊かな町に作り直していくような活動を主に行っています。結果として、外から人が来続けているのですが、その中で、僕のように広田町を好きになる人が増えて、今では広田町に20人以上の若者の移住者がいます。僕が今30歳になりますが、20~30歳までの人が広田町には約100人しかいないので、かなり増えています。

Q.お住まいはどうなされているのでしょうか?

 結婚や子供が生まれて家族がいる人もいますので、そういった方は空き家を借りて1軒ずつ住んでいます。若い人は空き家を法人で借りて、シェアハウスとして4~5人の共同生活をしています。

Q.2017年にNPO法人高田暮舎を設立されて、フェローとして参画されているようですが、高田暮舎ではどのような活動をされているのですか?

 NPO法人高田暮舎では陸前高田市全体の移住・定住しやすい環境を整える法人になります。ポータルサイトや空き家バンク、地域おこし協力隊ですとか、移住後のフォロー等を行っています。SETが移住したい人を育てるのに対して、高田暮舎は移住しやすい環境をつくる活動を行っているので、この2つの法人で移住・定住者を増やしていることになりますね。

Q.現在、陸前高田市の議員もされているとのことですが、議員をされることで、さらに見方等変化はありましたか?

 議員をやらせていただくことで、陸前高田市全体のどんなまちづくりの活動をしているのか、どのような考え方なのか、どのようにお金が使われているか等が分かり、市全体的な視点を持って活動できるようになりました。また、市役所への出入りも増えてNPOの活動をしているだけでは出会えなかった方々に会えるのは活動にプラスに働いていると思います。

Q.広田町に移住する際に色々知らないことも多かったと思いますが、不安はありましたか?

 移住する時はもう「行くでしょ!」という感じでした。知らないことの方が多くて、僕の場合は移住するまでの間にトータルで20日間ぐらいしか広田町にいなくて、出会っている方も10何人ちょっとという状況でしたので、不安を言い出したら切りがなかったのですが、行くと決めたので、1つずつ形にして解決していくという気持ちでした。それこそ、免許も持っていなかったので、移住してからまず初めにやった事がドライビングスクールに通う事でした。

 不安なことばかりでしたけど、まちづくりに関わっていきたい、長く関わっていきたいと考えた時に、住民になるしかないと思って、外からだけだと見えないものや分からないことがたくさんあるから、まずは住民になる。それから分かることがいっぱいあるだろうと、飛び込んできました。

Q.ご家族は心配されませんでしたか?

 心配されるにはされたんですが、僕は学生の時に国際協力を勉強してまして、カンボジアを支援するような団体をやってました。それで、親には大学3、4年生の頃にカンボジアに移住するかもしれないと言っていました。それもあったので、陸前高田市の広田町に行くことにしたことを話したら「日本国内で近いからいいね、カンボジアに行くより安心」と言われました。もちろん、親も被災地であることは知っていましたが、そのうえでも、あなたの好きなようにやりなさいという思いがあったのだと思います。

Q.最後にこれから陸前高田市やこの気仙管内に移住してきてくださる方に何かアドバイスをお願いします。

 都会に住む豊かさと田舎に住む豊かさは全然違うと思います。「田舎に行くと収入が減るんでしょ」とか「不便でしょ」とかそういった話をされることがあるんですけど、そりゃそうだなと思います。でも、一方で田舎にしかない豊かさがあるんです。生産している現場が近くにあって、それを提供してもらえたり、自分も一緒に作ることが出来たり、それを食べた人が喜んでくれるとか、自然豊かで、本当に静かな環境があるとか、都会にはない豊かさがあるので、それを自分はどっちがいいんだろうと比べていただいて、選択肢の一つとして、田舎暮らしを考えてもらえるといいですね。都会と比べてしまうかもしれませんが、どちらにもメリット、デメリットがあるので、来られる人には是非、田舎にしかない豊かさを最大限に感じてもらえたら嬉しいです。

 

【パーソナリティ】FMねまらいん 菅野 真美恵さん
【出演者】三井 俊介 さん

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