伝統野菜等の種子の保存

ページ番号1063543  更新日 令和6年3月13日

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 県では、岩手県主要農作物等の種子等に関する条例に基づき、令和3年度から、一定の要件(概ね100年前から栽培されていること、固有の特性が明確になっていること、来歴の根拠となる資料が存在すること)を満たす伝統野菜等(稲、大麦、小麦、大豆、そば、雑穀、野菜、果樹及び花きのうち本県において伝統的に栽培されてきた在来種)の種子を保存しています。

 種子の保存を決定した伝統野菜等の概要は以下のとおりです。

安家地大根(あっかじだいこん)

(令和4年2月22日保存決定)

あっかじだいこん

1 特性・特徴 

色・形状 総じて短根で不揃い。表皮は紅色が多く、果の中心は白い。
食味・食感 辛味強。水分少ない。食物繊維が大根の約2倍(ビタミンCは約3倍)。

用途(調理方法含む)

煮物、薬味、漬物、凍み大根
その他 貯蔵性が良い。

2 栽培市町村及び地域名

 岩泉町安家地区

3 来歴

 安家地区では、戦前ほとんどの農家が地大根を作付しており、現在まで受け継がれている。

一関特産曲りねぎ(いちのせきとくさんまがりねぎ)

(令和5年2月20日保存決定)

一関特産曲りねぎ

1 特性・特徴

色・形状

夏場に一度畑から抜き取り、傾斜をつけた畝に寝かせながら再度植え付ける

ことにより、独特の曲りがつけられている。

食味・食感

やわらかく、独特の風味がある。

収穫時期が寒さの増す初冬であり、鍋料理等では甘味が強く感じられる。

用途(調理法含む)

鍋物、芋の子汁等

鍋物として調理する際は、煮る時間を1~2分程度とするか、鍋をおろす直

前に入れ、煮すぎないようにする。

2 栽培市町村及び地域名

 一関赤萩地区、中里地区、弥栄地区

3 来歴

 伊達藩の時代(江戸時代)から栽培されている。

 平成の始めに「一関市曲りねぎ研究会」が発足し、個々の農家が自家採種していたものの中から、より良い(やわらかい、甘いなど)系統を選抜した。この系統(やわらか美人)の種子で現在も栽培が行われている。

 

黒平豆(くろひらまめ)

(令和5年2月20日保存決定)

くろひらまめ

1 特性・特徴

色・形状

黒色、楕円形で平たく、大きい(長さ2cm程度)。

表皮に数本の特徴的な皺がある。

食味・食感 独特の弾力、柔らかさ、旨味がある(煮豆)。
用途(調理方法含む) 煮豆、豆腐等

2 栽培市町村及び地域名 

 盛岡市玉山地区

3 来歴

 大正時代初期から商品作物としての栽培記録があり、旧渋民村の役場職員が生産振興に努め、全盛期には3斗(約60kg)入りで1万俵もの生産があり、東京方面に出荷されていた。

 「黒平豆」、「黒平大豆」、「雁喰豆」、「南部黒平」などの名称が使われていた。

橋野かぶ(はしのかぶ)

(令和5年2月20日保存決定)

はしのかぶ

1 特性・特徴

色・形状

小さめの大根のような細長い形状。

かぶの表面は、株元が紅色、先端が白色のグラデーションとなる。

食味・食感 歯ざわりが良く、酸味がある(漬物)。
用途(調理方法含む) 漬物

2 栽培市町村及び地域名

 釜石市橋野地区

3 来歴

 橋野地域の在来かぶとして、戦前から栽培されている。他地域の農業者が増殖することを防ぐため、青果での販売は行わないよう地域で厳格に申し合わせがなされてきたことから、地域固有の品種として守られてきている。

矢越かぶ(やごしかぶ)

(令和4年2月22日保存決定)

やごしかぶ

1 特性・特徴

色・形状

重さ700g~800g、長さ20cm、直径12~13cm。

幅広でしっかりした葉、鮮やかな紫色bの茎を持つ。表皮は白色で実は黄色。

加熱すると鮮やかな山吹色になる。

食味・食感 糖度が高く加熱すると甘みを増し、ホクホクとした食感になる。
用途(調理方法含む) かぶ入りおこわ、サラダ、天ぷら、漬物
その他 収穫後2週間ほど天日に当て寝かせると甘みが増す。

2 栽培市町村及び地域名

 一関市室根町矢越地区

3 来歴

 昭和11年に発行された「東磐井郡大観」に「矢越蕪」との記載があり、これ以前から栽培されている。

 戦後絶滅したものと思われていたが、宮城県気仙市大島で作り続けられていたほか、矢越地区にも種子が残っており、平成6年から栽培を復活させた。

このページに関するお問い合わせ

農林水産部 農産園芸課 園芸特産担当
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