【JICA青年海外協力隊】寺澤 紗裕里さん(ガーナ派遣)、三浦 文香さん(ブータン派遣)、高橋 志帆さん(ホンジュラス派遣)

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ページ番号1006897  更新日 平成31年2月20日

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寺澤 紗裕里(てらさわ さゆり)さん 【JICA PCインストラクター 2015.03~ガーナ派遣】

間もなく2年という任期を向かえますが、活動の成果や今後の課題について教えてください。

活動は、職業訓練校での(1)パソコンの実習型授業(2)パソコンのメンテナンスを主に行っていました。
(1) 授業で特に力を入れたのは、停電のときの工夫です。私の指導担当分野は「実習」だったので電気がないとなんともならず最初は苦労しましたが、実際のパソコン画面を印刷したものを使ったり、みんなでポスターを作ったり、カードゲームをして遊びながら学んだり、ペーパークラフトのノートパソコンを作ったりと試行錯誤しながらなんとかアイディアを形にし、指導マテリアルとしてまとめることができました。私が来る前までは停電になると授業がキャンセルとなり帰ってしまう先生もいたようなので、これからは残したマテリアルを使って停電になっても授業が続けられるようになればいいなと思います。
(2) パソコンのメンテナンスでは、集大成としてパソコンリペアのビデオ教材を生徒と一緒に作りました。ガーナでは質の悪いパソコンが出回っているため、その状況に基づいた対処法を盛り込み、ガーナのICT講師と生徒向けという点を重視しました。また、特別な動画編集ソフトは使わずパワーポイントのみを使い、なるべく私は手助けをせず、かつ私が帰っても生徒だけで動画作りができるように配慮しました。

忘れられないエピソードはありますか。

めでたいことに、隣の家に赤ちゃんが生まれたのですが、赤ちゃんをめぐって日本とガーナの違いを感じたことがいくつかありました。

  • 母親は生まれる直前まで普通に仕事もして、普通に家で生活をしていた。出産も15分程度で終わったらしく、次の日には病院から帰ってきた。
  • 赤ちゃんの名前は現地名と英語名があり、現地名は生まれた曜日にちなんで命名されるので7種類の中から自動的につく。英語名が正式につくときに、ネーミングセレモニーというものを行う。
  • ガーナの赤ちゃんはめったに泣かない。夜泣きもほとんどしない。むしろ日本の赤ちゃんがなぜあんなに泣くのか気になった。
  • 子供が多いからか、大人は老若男女問わずみんな揃ってあやすのが上手い。
  • 母親は赤ちゃんが3か月のときからおぶって教師としての仕事も始めている。周りの先生たちや生徒もとても協力的で、すぐに社会復帰し日常生活を取り戻すのに恵まれた理解のある環境。

海外で培った経験を今後どのように活かしていきたいですか。

活動内容の面でどう活かしたいかはまだ考え中ですが、海外に、しかも日本人がほとんどいないところに来ると、人間関係や日常生活の中で嫌な気持ちになったり反面教師的な学びに出会ったりすることも正直多かったです。
特に、

  • 人に期待しすぎないこと
  • 人はみんな違った価値観を持っているということ
  • 自分が気付かない思い込みや偏見にいつも気を配ること

には、帰ってからもいつも心にとめておきたいなと思います。

岩手県の皆さんにメッセージをお願いします。

なぜかはわかりませんが、訓練所でもガーナ国内の100名ほどの日本人にも、協力隊員や国際協力の分野に就く人には東北出身者が極端に少ないように感じました。ゆえに大好きな岩手の良さが伝わりづらく、寂しいような気もしました。これから少しずつでも関わる人が増え、外側からも内側からも情報の行き来が活発化し、お互いに広い世界を知る機会がもっと増えたらいいなぁと思います。

写真:活動1

写真:活動2

三浦 文香(みうら ふみか)さん 【JICA 卓球指導 2015.10~ブータン王国派遣】

現在どの様な活動、または取り組みをされていますか。

ブータンの首都ティンプーにて、初心者からナショナルチームを対象に卓球の指導を行っております。ブータンの冬休みは2カ月以上の長期にわたり、選手たちの強化には一番のシーズン。昨年 (2016年) は日本・ブータン友好30周年記念の年ということもあり、友好記念事業/スポーツ・フォー・トゥモロー事業として、日本卓球連盟からコーチと選手を派遣いただき、当地での卓球交流イベントを開催することができました。日本のコーチや選手たちからレベルの高い指導を受け、選手たちにとっても忘れられない体験になったと思います。

あなたの住んでいる地域ではどのように新年を迎え、どのように正月を過しますか。

ブータンの新年は、ロサといい、ブータン独自の暦にそって迎えられます。日本のように1月1日ではなく、そして中華圏の旧正月とも違うタイミングである、2月がブータンにとっての新年です。
今年は2月の27日と28日にあたります。
ブータンの人々も日本と同じように、家族や親戚みんなで集まって過ごします。お正月の日にしたことは一年中続くと言われているそうで、特に新年を迎えるにあたって特別なことをするのではなく、家族みんなで伝統的なブータン料理や普段よりも少し贅沢なお肉料理を食べ、のんびり過ごすようです。ブータンの人々にとって、特に家族、家庭内の平和は何よりも大切なこと。新年も家族みんなが仲良く幸せに過ごせるよう願う、この点は日本と変わらないように感じます。

あなた住んでいる地域の正月行事や料理などはありますか。

新年を迎える日は、男性はブータンの国技であるアーチェリー、やクル(投げ矢)に興じ、女性たちはたくさんのブータン料理を作り、会場にて大勢で食べるそうです。
アーチェリーやクル自体はブータン人にとってとても身近な娯楽なので、お正月以外でもプレーしているところをよく見かけます。

岩手県の皆さんにメッセージがありましたらをお願いします。

ブータンはだいぶ寒さが和らいできましたが、岩手県はまだまだ寒い日が続くかと思います。こちらにいて、やはり一番大切だと感じることは健康です。気が付けば、派遣任期も後半戦に突入しました。残り時間が少ないと焦る気持ちもありますが、健康第一に頑張りたいと思います。皆さまも風邪などひかれぬよう、冬を乗り越え暖かい春を待ちましょう。

高橋 志帆(たかはし しほ)さん 【JICA 幼稚園教諭 2016.01~ホンジュラス派遣】

現在どの様な活動、または取り組みをされていますか。

他の県の幼児教育隊員と、一年間観察した中で気付いた問題点を出し合い、現地の先生たちと改善策を話し合う研修会を行いました。お互いの任地を行き来し開催し、その際、個々に各任地で行った研修会の内容を他の県でも広めるいい機会となりました。今年度は、障害者支援の隊員も交え、特別支援の必要な子どもに対する講習会を計画しています。また、幼稚園の巡回だけではなく、義務教育であっても幼稚園に通っていない子どもたちについて考える機会を増やしたいと考えています。

あなたの住んでいる地域ではどのように新年を迎え、どのように正月を過しますか。

任地では夜中まで大音量でラテンの音楽が流れ、爆竹や花火の音が絶えませんでした。日付が変わる頃には、大きな人形に爆竹を取り付け道路で爆発させていたようです。今回は見ることができませんでしたが、夜中に大砲のような爆発音が続いて飛び起きたのを覚えています。元旦はどの店も閉まり、人通りも少なく、いつもにぎやかな街も一転、とても落ち着いた穏やかな一日でした。

あなた住んでいる地域の正月行事や料理などはありますか。

とうもろこしの粉を練り、いくつかの調味料を混ぜた固まりの中に、肉、芋類、豆、米、オリーブ等を入れ、バナナの皮に包んで蒸す「ナカタマル」と言う伝統料理があります。クリスマス、元旦によく食べられるそうで、私はホンジュラス料理の中でこれが一番好きです。

写真:料理

岩手県の皆さんにメッセージがありましたらをお願いします。

日本の正月は風情があるな、としみじみ感じています。クリスマスから正月へ一気に移り変わる街並みや食べ物、習慣、気持ち等、日本人ならではの感覚を思い出していました。

その他何かありましたらご自由にお書き下さい。

毎日日本食を思い出しています。一番恋しい食べ物は納豆です。

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