重症性呼吸器症候群(SARS)関連情報

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ページ番号1003111  更新日 令和1年7月24日

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最終更新日:2014年1月17日公開当時の情報です。
(注)これ以前の内容である可能性もありますので、ご注意ください。

重症急性呼吸器症候群(SARS)

SARSとは?

重症急性呼吸器症候群Severe Actute Respiratory Syndrome)の略。

最近、香港、中国、ハノイ(ベトナム)などを中心に流行している、急性で重篤な肺炎症状です。
すでに、シンガポール、アイルランド、カナダ、アメリカ、ドイツ、タイ等でも患者が報告されています。(世界で2000人以上の疑わしい患者と80人弱の死亡者が報告されています。)日本では、現在までに患者が発生したとの報告はありません。

症状は?

潜伏期間は2日から7日です。10日に及ぶ場合もあります。多くの場合、急な発熱(38度以上)で始まり、悪寒、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛などの症状がでることもあります。

発症後3日から7日で、呼吸困難の症状が出ます。患者の10%から20%の例で呼吸器症状が重症化します。

どのように感染するの?

患者のクシャミ、咳に含まれるウイルスを吸い込んだり、ウイルスに汚染された物に触った手で口、目、鼻を触った場合に感染します。(飛沫感染と言います。)
空気感染と思わせる事例もあります。

患者に熱や咳の症状があるときは、感染力があると考えられています。

感染を防止するには?

SARSに感染した患者さんは、熱・咳の症状がない場合でも、10日間は外出を制限します。
患者はこの間、石鹸やアルコールを使って厳重に手洗いをする必要があります。

患者の体液(血液など)や排泄物に触るときは、使い捨ての手袋を使いましょう。使い終わったら、すぐに捨てましょう。

患者以外の家族や濃厚な接触をする方は、熱などの症状がなければ行動を制限する必要はありません。
SARSが流行している地域への渡航は、不要不急の場合には延期することをお勧めします。

感染が心配な場合は?

流行地域からの帰国者である場合は、空港などの検疫所に申し出、検疫官から指示を仰ぎましょう。

すでに、帰国してからSARSの様な症状が出た場合は、最寄の検疫所、保健所、又は病院に相談して、必ず海外旅行をしてきたことを伝えましょう。

その他、SARSのお問い合わせ相談は最寄の検疫所又は保健所へ。

重症急性呼吸器症候群(SARS)対策の7原則

国内での注意

  1. 最新の発生状況を把握し、できる限り伝播確認地域への旅行は延期するようにしましょう。
  2. 伝播確認地域から帰国して、10日以内に症状が出たならば、家族との接触を可能な範囲内で避け、早期に医療機関に受診してください。
    医療機関には、前もって電話連絡をしてください。

伝播確認地域での注意

  1. 十分な流水と石ケンによる手洗い、うがいを徹底する。
  2. 不特定多数が集まる場所(電車、娯楽施設など)は、できる限り避けてください。
  3. 不特定多数の人が触れる物を触った後で、自分の口、鼻、目などを触らないでください。触ったあとは、十分な流水と石ケンによる手洗いをしてください。
  4. 飛沫を防ぐよう、マスクをする。(完全にウイルスを遮断するには、医療用マスクが有効です。)
  5. バランスの良い食事と十分な睡眠で免疫力を維持してください。

標準予防策(スタンダード・プレコーション)

感染症対策としては、病院感染対策の標準ともいえる米国CDC(疾病管理予防センター)ガイドラインが、簡便性・合理性から広く我が国でも認知され利用されています。

このガイドラインは、標準予防策と感染経路別予防策の2つの方法から成り立ち、前者はすべての患者に適用される方法であり、後者は、感染力の強い重篤な病態を引き起こす疾患に対し、前者に適宜、追加し適用されます。

なお、上述した予防策は、患者治療、患者配置・搬送等に従事する全ての者に徹底すべきものです。

標準予防策

患者の湿性生体物質(血液・体液、分泌物及び排泄物)は、感染の危険があると見なし次の方法を実施する。

  1. 湿性生体物質に触れたら手を洗う。
  2. 湿性生体物質に触れる可能性がある時は、手袋、マスク、エプロン等を着用する。

感染経路別予防策

感染経路を推定し遮断するが、特に、空気感染、飛沫感染、接触感染の経路が最も重要であり、その性質をよく理解することが重要です。

汚染した器具は、粘膜、衣服、環境などを汚染しないように注意深く操作する:規定なし

標準予防策(全患者共通)

手洗い
  • 体液・体物質に触れた後
  • 手袋を外した後
  • 患者接触の間
  • 通常、ふつうの石鹸を使う
手袋
  • 体液・体物質に触るとき
  • 粘液・傷のある皮膚に触るとき
  • 使用後、非汚染物・環境表面に触る前、他の患者の所に行くときは外し、手洗いをする
マスク

体液・体物質が飛び散って目、鼻、口を汚染しそうなとき

ガウン
  • 衣服が汚染しそうなとき
  • 汚れたガウンはすぐに脱ぎ、手洗いをする
器具

汚染した器具は、粘膜、衣服、環境などを汚染しないように注意深く操作する

リネン

汚染されたリネンは粘膜、衣服、他の患者や環境を汚染しないように操作、移送、処理する

患者配置
  • 環境を汚染させるおそれのある患者は個室に入れる
  • 個室がないときは専門家に相談する
その他
  • 針刺し事故対策
  • 毎日の清掃

空気感染予防策

マスク

部屋に入るときはN95マスクを着ける

患者配置

個室隔離:部屋の条件(1)陰圧、(2)1時間に6回の換気、(3)院外排気

患者移送
  • 制限する
  • 必要なとき、サージカルマスクを着用

飛沫感染予防策

マスク

患者の1メートル以内で働くときはサージカルマスクを着ける

患者配置

個室隔離あるいは集団隔離あるいは1メートル以上離す

患者移送
  • 制限する
  • 必要なとき、マスクを着用

接触感染予防策

手袋
  • 部屋に入るときは手袋を着用する
  • 汚染物に触った時は交換する
  • 部屋を出るときは外し消毒薬で手洗いをする
ガウン

患者に接触しそうなときは、部屋に入る前に着用し、部屋を離れるときに脱ぐ

器具
  • できれば専用にする
  • できなければ、他の患者に使用する前に消毒
患者配置

個室隔離あるいは集団隔離あるいは病原体の疫学と患者集団を考えて対処する。

患者移送

制限する

その他

バンコマイシン耐性菌対策

出典原図:日医雑誌 第127巻第3号(2002年2月)

経路別予防策での主要な感染経路及び性質

空気感染
性質

飛沫核(直径5マイクロメートル未満)を介して伝播し、飛沫核は、空中に長く浮遊し、病室から他の病室へと拡散する。

飛沫感染
性質

患者の咳・くしゃみ等の口から撒き散らかされる粒子(直径5マイクロメートル以上)であり、水分を含んでいるため1メートル程度しか飛ばない。

接触感染
性質
  1. 直接接触
    患者を介護した後に手から腕、白衣を介して次の患者に伝搬する。
  2. 間接接触
    汚染した物品を介して伝播する。

このページに関するお問い合わせ

保健福祉部 医療政策室 感染症担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5417 ファクス番号:019-626-0837
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。