草の根地域訪問「こんにちは知事です」(平成20年2月7日)

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ページ番号1001037  更新日 平成31年2月20日

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訪問団体名:上一日市おかみさんの会(遠野市)
日時:平成20年2月7日(木曜日)17時00分から18時00分
場所:一力

開会

酒井局長
ただいまから県政懇談会「草の根地域訪問『こんにちは知事です』」を始めさせていただきたいと思います。
上一日市おかみさんの会の皆さんには、夕方いろいろお忙しい時間だと思いますけれども、私どもの訪問を快く受けていただきまして本当にありがとうございました。
それから、県会議員の工藤勝子先生もお見えになっております。先生、どうもありがとうございます。
私は、今日のこの会の進行役を務めさせていただきます県南広域振興局長の酒井でございます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
今日、知事と私が皆さんと対談をさせていただきます。あと、後ろの方に花巻の総合支局の菊池支局長以下、支局の職員、それから県南広域振興局の本局の方からも参っておりますし、県の広聴広報課の課長、あと県の職員と参っております。人数がたくさんいて囲むようになっておりますけれども、どうぞ遠慮なさらずに気にしないでお話しいただければありがたいと思います。
今回、上一日市おかみさんの会の皆さんにつきましては、県で元気なコミュニティ100選というのを選定をいたしましたが、この会も選定をさせていただきました。県内の中で、地域の中でいろんな活発な活動をされている団体を表彰させていただいたわけでございまして、今後とも皆さんには地域の中で大いに頑張っていただければなというふうに思っております。

懇談

酒井局長
 それでは、懇談に入らせていただきたいと思います。
それで、大変恐縮でございますが、出席者のご紹介とともにこのおかみさんの会の活動内容等について懇談の前にご説明をいただきまして、その後に自由な形でお話を進めさせていただきたいと思います。よろしくどうぞお願いいたします。

団体員
まずもって、私ども上一日市おかみさんの会を元気なコミュニティ100選に選定をいただきましてまことにありがとうございます。その文字のとおりに草の根に分け入ってこのようにご訪問をいただき、大変光栄に存じます。
私たちは、一日市商店街というところにあります商店街振興協同組合の内部組織でございます。この一日市商店街は、江戸時代から明治にかけて内陸と沿岸とを結んだ交易の場として活発な商いが行われ、遠野南部氏の城下町として栄えたところでございます。特にもこの一日市というところは、1のつく日、1日、11日、21日と、月のうち3回の市が立てられまして、そのにぎわいは馬千人千の大変なにぎわいであったと記述されております。また、その両側には、その人や馬を賄うだけのたくさんのお店が張りついておりまして、だんな衆が盛んに商いをして繁盛したというふうな通りでございます。その後、馬という運搬にかかるそういった仕事が今度は車に取ってかわりまして、市日の必要性もなくなり、やがて車社会の出現とともにライフスタイルも変わりまして、どちらのまちでも同じように商店街の衰退ぶりが心配されるところでございます。
そんな中にあって、親会であります一日市商店街振興協同組合は、道路拡幅事業ですとか、街路整備事業、あるいは歩道整備事業など、重ねて勉強会を持ち、今まで何回も計画を立て、市の方にもご相談して、県の方にもご相談してやってまいりましたが、遠野市の中では一番遅れた状態の商店街になっております。どの計画も実行に移されなかった。その原因は様々かと思いますけれども、そんな中にあって、お父さんたちの一生懸命な活動ぶりを目の当たりに、私たち女性陣も建物や道路のこととはまた別に地域にある文化資源といいますか、そういったものに一手間かけて、何とか一日市商店街にお客さんを呼ぶような手だてはないものかと考えていたところに、遠野商工会女性部が30周年の記念事業として立ち上げました遠野町家のひなまつり、第9回目を迎えるわけでございますけれども、その中で私たち一日市商店街はたくさんのおひな様を持っているお店が軒を連ねております。おかみさんの会を立ち上げて、自分たちの手でこの商店街にお客さんがたくさん来るように仕掛けをしていきましょうよと相談がまとまりまして、少ない予算の中から色々な持てる力を発揮しながら、お客様をお迎えして回を重ねてまいりました。それぞれ地域の中にあって課題はたくさんございますけれども、おひな様のように平安時代から脈々と受け継がれた日本独特の文化、子育て支援の一つとしても位置づけられる要素を持っております。これから私たちが取り組むべき道は色々ございますけれども、この遠野に根差した、南部藩のお殿様がもたらしてくれた地域の文化、遠野町家のひなまつりを大いに盛り上げていこうという計画でございます。
遠野と申しますと、山里暮らし体験だとか、グリーンツーリズムだとか、昔話体験とか、そういったことに皆さんの人気を集めておりますけれども、まちにはまちの文化があって、楽しいことがありますよ、一緒に楽しみましょうよと、お客様をお招きする仕掛けをこれからもつくっていきたいと思っております。やはり時代が大変不景気と言われて長いわけでございますけれども、何とかお客さんをお迎えするために商工会を中心とした活動を繰り広げております。江戸時代に返って何かこのごろは士農工商のような感じがするねと、行政の方々はすごくすばらしい位置におられて、農業の人たちもさまざまな支援や補助や助成をいただいて、もっとも日本の農業が活発でなければ私たちも生きるすべはないわけですけれども、商業においては全く虐げられたような状況にあることを身に感じております。何とかそこのところを、商売の者たちもお見捨てなくご指導を賜りますようにお願いしたいところですし、私たちもみんなで手をつなぎながら、お店一つ一つが輝いてお客様をお迎えできるような、そんな勉強を重ねてまいりたいと思っております。
かいつまんでお話をさせていただきました。よろしくお願いいたします。

酒井局長
どうもありがとうございました。大変ご丁寧なご説明をいただきましてありがとうございました。
今日は、正面の方に6人の方においでいただきまして、それぞれ会の中で担当制をとっているようでございますけれども、お一人お一人から何かこの際ご発言をいただければありがたいと思っておりますのでお願いしたいと思います。どなたからでも結構でございますので、よろしくお願いいたします。

団体員
このような場は初めてでございまして、恐らく生涯にわたって一度きりではないかと。もう血圧、心拍数とも最高潮でございまして、深呼吸をしてどうぞお願いいたします。

酒井局長
なかなかない機会でもありますから、普段の思いをお話ししておいたほうがいいかと思います。どうぞよろしくお願いします。

団体員
では、事務局さんからどうぞ。

団体員
では、事務局から。町家のひなまつりも今年で9回目でございますか、ようやく根づいてまいりまして、やっぱり次にするものは何かといいましたら、3世代、子供さん、みんなと一緒にやりたいなと思いまして、児童館とかそちらの方に働きかけまして、町家のひなまつり上一日市おかみさんの会川柳大会などをやってみたいなと思っておりました。そして、子供さんも一緒に一日市のまちに来ていただくようにしたいものだなと思っておりました。
以上でございます。

酒井局長
ありがとうございました。それでは、次の方。

団体員
会計から。会計といいましても特別なことはないのですが、今は親会のほうのお手伝いのほうが多くて。

達増知事
商店街振興会。

団体員
はい、その方からのお手伝いということで、縁の下の力持ちで私たちは参加して一生懸命やっているところでございます。おかみさんパワーを発揮させようということで一生懸命やっているのですが、民話のふるさと遠野というキャッチフレーズが、もうほとんど観光客の方は曲がり家集落の方に行ってしまいます。地元の買い物する方はバイパスということになりまして、何か私たち商店街は頑張りたいのだけれども、どこからどういうふうになったらいいのかなという感じがあるのです。とりあえずおかみさんの持ち味を生かして、各個々にお店の味も出してみんなでやりたいなという感じなのです。私は生まれも育ちもこの通りで育ったのですけれども、今はちょっと他家に嫁いでいましたが、どうしても母の代で店をやめたくないということで、結局実家をちょっと手伝っている形になっています。それにつけてももう少し商店街を活発化しなければという思いでおかみさんに参加して、会長さんともども参加しているところでございます。

酒井局長
ありがとうございました。それでは、またどなたか。

団体員
食育担当で、ではお願いします。

団体員
ふわふわした食感で心温かな、何度食べても飽きのこないだんご汁です。先日行われた町家の振る舞い、そして町家のひなまつり、宇迦神社まつり、「遠野物語」に出てくる池端の石臼まつりなどで販売しております。おこわ、だんご汁、漬物、一日市おかみさん会のオリジナルとなっております。中学生の女の子が、寒いときに心温まるだんご汁をいただきありがとうございますと言って帰りました。

酒井局長
遠野のだんご汁というのは特色は何なのですか。食べたことがないですね。

団体員
オリジナルでございまして、ぜひ一日市商店街のそういったイベント、イベントにお越しいただくと召し上がれると、振る舞いもございます。

酒井局長
主な具は。

団体員
具は、いわゆる大根とニンジンとゴボウですけれども、だんごが独特でございまして。

達増知事
お汁粉みたいなのではなくて、おつゆなのですか。

団体員
そうでございますね。すいとんにかわっておだんごが入ったような感じですけれども、作った方は食の匠と私たちは呼んでおりますけれども、農林課さんの方では食の匠の認定制度があられて、その方々が商売につながるようなお手伝いをしているとお伺いしていますけれども、まちの中にも食の匠があって、その門戸を広くしていただきたいなという思いでおりました。お漬物もとてもおいしいのです。ほかの方ではまねのできない独特の漬物、だんご汁の発明者でもいらっしゃいますので、一日市商店街おかみさんの会のオリジナルとして。

達増知事
ひっつみ、すいとんより上品な感じがしますよね。

団体員
そうですね。

酒井局長
県で食の匠を認定していますけれども、その食の匠ではなく、市の。

団体員
いいえ、私たちが呼んでいるおかみさんの会の。

酒井局長
遠野市の町場の公認、食の匠という。

団体員
そうですね。

酒井局長
わかりました。またちょっと食の話は興味があるので後ほど伺いたいと思います。では、どうぞ。

団体員
環境担当さん、どうぞ。

団体員
環境という形でやっていますけれども、ひなまつりをやる際、古びながうちの商店街では結構あるのです。その中で、古びなだけではなくて商店街をみんなで盛り上げようということで、各自家にあるものもみんなで出し合って飾ったらどうだろうかという、始まりがそれから始まりまして、それは色々あります。瀬戸物であったり、あとは貝でつくったひな人形であったりとか、あとは和紙でつくったものであったりという形で、おのおのがそのお店によって出すという形で、展示するという形で皆さんに見てもらおうというのが始まりでやったのですけれども、その中でちょっとにぎわいも欲しいなということで、何か紅白幕があったらいいよねということで、親会のほうの倉庫へ行きましてみんなで奥のほうに入っているものを引っ張り出して、みんなで洗濯をしまして、また縫製し直して、各自お店に合ったようなサイズにしまして、それをまた生かして皆さんに見てもらおうということで、またひもなんかも生かして組みひもしまして、1本1本糸をほぐして、それを房につくり、それで店のほうに展示して、皆さんが見て楽しめるような環境づくりという形でやってきました。
あとは、夏から秋にかけて花いっぱい運動なんかもやっているのですが、その際には秋には、この一日市では結構古いものがいっぱいあるのです、皆さん持っているのがいっぱいありまして、古い道具だったりとか、大きいかめだったりとか、あとは木の根っこだとか野花を使いまして店先を飾り、少し皆さんに散歩しながら歩いて目で楽しんでもらうような形をとったりして、とにかく町場にお客様が来るように幾らでも見てもらって、そのお店を覚えてもらうようにという形でみんなで取り組んでやってきました。今後は、先ほど会長さんがお話ししたとおり、健常者でも、障害者でも、子供から老人までがそのイベントでみんながゆったり遊べる場所、ゆっくりそこの商店街で潤える場所があればもっといいのかなというのが今後の課題かなというのはあります。ですから、今後もそういうことを気にかけながらもっと頑張っていけたら、それはそれでいいのではないのかなと思っていました。
以上です。

酒井局長
ありがとうございました。それでは、一通り皆さんにお話しいただいて。

団体員
皆さんがおっしゃったこと、いろいろ活動状況なのですが、日頃どこの県も商店街は廃れていると、シャッター通りだということが、私たちこういうことを会長さんを初め大いに盛り上げていただいてこうしてまずやっているわけなのですが、それから普段がどうしても私たちの活動だけではお客さんが来てくれない。商店街を見てもやっぱり閑古鳥だなと、今日1日何人通ったけなというところで、もう少し本当に商店街に、どのような工夫をしたらいいかと皆さんが、一人一人商店街の一員が試行錯誤して、色んなところで会議やらはしていると思うのですが、なかなかそこからちょっとどのように進んだらいいかというところは私たちのつらいところでありまして、親会の悩みとかも耳にしていますと、何とかできることからということでこういうわけで、まずおかみさんの会でやれることをこうして会長さん初めやらせていただいているわけなのですが、どうしてもそこから先、バイパス通りやら、どうしても商店街も少ないし、やっぱり郊外のほうに行ってしまう、盛岡の方で遊ぶというところで、本当にどのように商店街を盛り上げていったらいいかなというところで、あるところを活用して今いろいろな場所、ありがたいことに宇迦神社とか、「遠野物語」に出てきますけれども、池端の石臼というところがありまして、今そういうところを盛り上げていこうということで、そこでもちょっとしたおかみさんが振る舞ったり、イベント、それを交えてやろうということで今やり始めているわけなのですが、なかなかそれが精いっぱいではないのですが、そこからもう少し何か見出していけて、憩いの場、何かちょっとでも手を加えてやれることがあったら、それは私たちではというところの本当につらいところです。よろしくお願いします。

酒井局長
ありがとうございました。次の方よろしいですか。

団体員
洋品店をやっているのですけれども、以前だとゼロという日はなかったのですね。今はほとんどがゼロが多くなって、お客さんが少ないという感じで、洋品店というのは、ほとんど通販が多いような感じで、私一人なものですから、せっかくおかみさんの会がありながらなかなかお手伝いに来れなくて本当に申し訳ないと思いながら、私なりにできるときは出るようにというような感じで動いていましたので、よろしくお願いいたします。

酒井局長
どうもありがとうございました。
ちょっとあとまた知事のほうからも色々あると思いますが、私のほうから1つ。やはり遠野でいえば中心市街地になると思いますけれども、要するにシャッター通りという話とか、なかなか人が、それぞれのお店の売り上げというのが伸びないというか、落ちているというか、お客さんが来ないという状況になっていると思うのですけれども、シャッター通りという観点からするとまだ遠野はいいほうかもしれないというぐらい、むしろ本線沿いとか一関とか水沢とか、今奥州市ですけれども、ああいうところなんかはもっとすさまじいものがあります。遠野というのは、逆に言えば大型店とかああいうものの進出がまだ少ないと言ったら変ですけれども、それから町並みがすごく意識的に、長い期間はかかっていましたけれども、ホープ計画が始まって景観協定を地域の中で結んだり、そういうことを一生懸命取り組んでこられて、非常に町並みが毎年来るたびに良くなってくるというか、そういう感じがしています。だから、そういうものが結局各個店の売り上げ、繁盛につながっていけばいいのだろうと思うのですが、現状としてやっぱり来るお客さんというのは、年齢層等からいうとやはり高齢化をしているというか、在の方々が主要なお客様に変わってきていて、お客様が高齢化してきているというふうな、そういう状況なのでしょうか。

団体員
中高年の方が多いですけれども、ほとんどがここ10年ほど前は在の方のお客さんが多かったのですけれども、もうとんと途絶えてしまって、ショッピングセンターのようなところに行くと、かつての商店街のお客様方が楽しそうにショッピングセンターで、ああ、年金もたくさんいただいて、この方々はいいんだなというふうな感じで見られるように、楽しそうにお買い物をしていらっしゃいますね。
私たち一日市商店街には、ちょボラというボランティア活動拠点がございます。健常者がサポートしながらメイドさんとなって、障害のある方々と共に社会参加をしていこうというところなのですけれども、3年ぐらいの節目になると家賃ですとか、国の補助金が変わって、途絶えて、もう閉鎖するかもしれないというふうなお話が必ず出てまいりまして、私たちも商店街として何とかそういうスポットが継続してこの通りにあってくださるように、社会福祉協議会が管理しているのですけれども、ぜひお家賃の工夫だとか、あるいは大家さんの固定資産税の減免措置ですとか、そういった障害の方々が社会参加しやすいような形の措置をお願いできないものかなと思っておりました。そして、やはりボランティアということもこれから大切な私たちにも課せられたものですけれども、コーディネーターさんが奥の方におりまして、例えば2時間ぐらい時間があるのだけれども、ボランティアの方たち何かご用ないでしょうかというと、どこどこでお話し相手の人を待っていますので、ではそこに行ってみてくださいとかというふうなコーディネーターさんがある。あるいは奥の方で会議ができる。それから、パソコンを1人30分ぐらい自由に使えるとか、あと喫茶のコーナーもありまして、とても充実したスポットになっていると思いますので、継続できるような形を何とかお願いできないかなと思っておりました。
それから、少し離れたところには、「あったかいごひといち」、認知症のお年寄りを、これはデイサービスを受けたりして、お年寄りが寄って、私たちもボランティアでつるしびなの作成を一緒にするような事業を今年持ちましたらとても好評で、もう一回やってほしいというようなお声が出まして、19日にまたご一緒につくることになっておりましたけれども、自分たちの住んでいるところに年を重ねて、いずれそういうところにお世話になるかもしれないな、そういうものが住みなれたところのそばにあるということもとても心安らぐことだなと思い、お年寄りが職員さんに連れられてお散歩する姿、あるいは子供たちの学校の行き帰りの声がお年寄りにとってとてもいい効果をもたらしているのではないかなと思ったりしております。
それから、先ほどお話がありました池端の石臼、「遠野物語」の第27話に出てくる、臼を回したらお金がシャリンと出てくるという金運に恵まれるお話でございますけれども、そこでもだんご汁が振る舞われたり、11月23日に祭日を行って皆さんで楽しんだりしているところなのですけれども、そういった物語の中の一つの名所もありますよと。
そして、向かい側には宇迦神社といいまして、一里塚の最初の起点となった神社があるのです。道路沿いを車で来ても、ちょっとの時間でしたらそのまま歩いて山を登るとか、階段を上がる、そういうことなしにお年寄りでも静かにお参りができるとてもいい神社なのです。その脇にはお茶室も今度できまして、文化的な施設も整い、こういったそれぞれのこれから大切なものが配置されている一日市商店街をぜひお客様が訪れるように私たちも工夫しましょうねと言っているところなのです。
先ほど宇迦神社のお話が出ましたけれども、お金もあり、物も大体そろって、最後には何かというと、心のよりどころといいますか、家庭ですとか、親子、兄弟や、そういった温かなかかわり合いが一番みんなの求めるものになってくるのではないかと思っておりますので、宇迦神社のよさも、実は人形供養をする神社でございまして、要らなくなったお人形さんとかを納めますと、魂抜きをして、それを処分してくれるというふうなこともありますし、私たちにとって大切な宇迦神社でございます。
そういう中で、話がだらだらとなりましたけれども、上一日市商店街を生かすために、それらのそれぞれの起点をもとに何か私たちにできるものがないのかなというふうなことでございますが。

酒井局長
知事は何かご質問。

達増知事
この町家のひなまつりというのは、もう9年続いているのですね。

団体員
はい、9回目でございます。

達増知事
みんなまねしたがると思うのですけれども、なかなかまねできないことだと思います。盛岡でもある1つのところに古いおひな様を飾るという企画は単発的にはあるのですけれども。

団体員
鉈屋町さん。

達増知事
ええ。このくらいの規模の商店街でやるというのはなかなかやっぱりできないのだと思います。ですから、それだけの歴史の蓄積と文化の成熟があるというのは本当に力だと思いますし、実は岩手全体としても文化の力でお客さんを呼ぼうということを考えていまして、平泉が今年世界遺産登録になれば、これを岩手にお客さんを呼ぶ1つの目玉にして、平泉に来てもらうだけではなくて岩手全体に来てもらうような、そういう1つのきっかけにしようと思っています。それで、いわて平泉年ということを、世界遺産登録が決まったときから1年間やろうと思うのですけれども、それは平泉以外にも岩手にはいろんなのがありますよというのを世間にアピールするのが目的でありますので、ほかにこういう文化もあるとか、全然平泉と歴史的、地理的なつながりがなくてもいいのです。そういう地域に根差して昔からやってきたものがあるとか、こういういいものがあるというのがあれば、そういういわて平泉年記念行事とか、記念キャンペーンとか、そういう中で位置づけて、そうやって全県まとめて対外的にアピールすることで、普段目を向けていない人にも目を向けてもらうような工夫をしようと思っているのです。
文化の力を経済力に変えていくということ、商店街がどんどん人が来なくなるというのは、安さとか、あるいは圧倒的な品ぞろえとか、そういう数字で新しい商売の仕方というのが、郊外型大型店のようなものが一定支持を得ているということなのでしょうけれども、そういう量とか値段だけではないものを求めるお客さんというのは常にいると思いますし、また増えてくると思うのです。そういう人たちに来てもらえるような工夫というのも大きな成果を既に挙げられているのだと思います。遠野は城下町でもあるということは、県としても機会あるごとにアピールしていかないとだめですね。民話のふるさとでもあるわけですけれども、やっぱり全国有数の城下町なのだと思います。萩とかそういうところに引けをとらないそういう町並みと広がりがありますから、これは本当に大事にしていかなければならないと思います。市役所もあるし、色んなそういう公的機関もあって、一定の人の流れ、人の出入りはあるわけですから、周りに住宅地もあって、そういう一定の住民も周りにいますから。
昨日、県の中小企業協同組合連合会の人たちとの懇談会があって、そこで盛岡の肴町商店街と盛岡の材木町商店街の代表の人たちも出てきて、やっぱり商店街振興の話題で盛り上がったのですけれども、その2つはイベントに力を入れているというところが共通点で、材木町のよ市、肴町もまた手をかえ品をかえ、毎月毎週のように色んなイベントをやっているという、イベントというのは大事なのだと思います。どんどんお買い物を、もともとお買い物というのはドラマチックなそういう物語性のあるものですから、イベントというのはそういう買い物の楽しさの原点を思い出させてくれるのだと思います。そういうのがあると普段から利用することにもつながっていくのだと思いますね。
あとは、JR遠野駅の存在も大きいと思うので、これJRさんも釜石線というのをどんどん活用していかなければと思って色んな工夫をしていますので、この遠野駅でおりて蔵の道ですか、柳田國男記念館がありますよね。そこを通って商店街の方に来るというような人の流れをやっぱり確保して育てていかなければならないですよね。
本当に色んなアイデアが、既に実現されているところもあるし、可能性が広がるところだと思います。元気なコミュニティ100選は農村が多いのですけれども、私も今まで何カ所かお邪魔している中で、まちは今日が初めてなのです。まちの元気なコミュニティ、まちの代表のようなこの上一日市おかみさんの会ですから、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

団体員
ありがとうございます。おひな様をするときに、やはりよそのおひな様とは区別して考えようねということで、私たちもこの季節になると先進地の視察、毎年出かけております。そして、お客様になってそこのおひな様を見ることによってお客様はどんな気持ちになるのかということを知ることができます。遠野では、やはりお客様と私たちとのコミュニケーションを大事にしようねと。例えばおひな様を、あるよ、飾ったよではなくて、そこに祝うとか、祈るとか、子供たちの節々を喜び合うとか、そういう気持ちを込めたものであること、しからばそれを間にしてお客様とお話し合いをしながら楽しむことができるような工夫、テープレコーダーでぽんと押して説明が流れるのではなく、お客様とお話をしながらおひな様を楽しみましょうねということで、事情の許す限り65カ所のそれぞれの場所ではお客様と必ず交流ができるように、説明ができるように、そうするとお客様の方からもお声が返ってまいります。そして、ただ見ただけでなく、お話ができたということの喜びを持って皆さんお帰りになって、この間はどうもねなんていうことが後でまたお客様となっていらしたりすることもあり、そういった積み重ねが大事なのではないのかなと。今日1日誰ともお話ししないで来たの、今お話ししてよかったというお客様もおられるぐらいですから、人と人とのかかわりがとても大事なものなのだなということも思います。
それから、昔はおひな様と同時に五月人形も並べて、それからその家のお宝や書画、骨董、錦絵なども並べ、さながら美術工芸展のようであったというふうな記述がございます。お客様ご愛顧デーみたいな感じで、おへれんせ、おへれんせ、まんつほらほらと言ってその家の家風でもてなしを受けると。子供たちも上がってきて、よそのおうちに上がるときの礼儀作法習得の場といいますか、おめはん、どこのお孫さんなのなんておばあちゃんに聞かれて、どこどこですと、そこで子供たちと会話ができる、地域全体で子供たちを見守る、そういうことが自然にできていた。それを私たちも川柳大会などを開いて、子供たちと一緒になってやっていきたいなという思いでございます。

達増知事
県は、今度文化芸術振興基本条例という、全国でもまだ10ちょっとぐらいしか自治体でそういう条例は持っていないのですけれども、それを今度制定するのですが、文化芸術の価値そのものというのもあるのですけれども、やっぱりこれはまちのにぎわいとか、農村は農村で豊かな農村生活に、宮沢賢治が言っているように農民も芸術を持たなきゃということで、ましてまちはもっと文化で栄えていかなければならないと思うのです。それで地域振興部が所管して文化芸術振興基本条例をやります。ですから、川柳なんていうのは本当に地域おこしにいいのだと思います。

団体員
張り切って。

団体員
張り切ってやりたいと思います。

団体員
3月2日は宵節句といたしまして、入賞作品に対しご褒美を差し上げようと思ったりしておりました。そうすると、おひな様をめぐって川柳をつくって、それから授賞式のためにもう一度まちを訪れてくださるというふうな仕掛けでございますけれども、子供さん方がそれに乗ってくださいますか、親御さん方が一緒に来てくださるかしらと思うところなのですけれども。

達増知事
昔は、ここに書いてありますけれども、「児女等今日を晴れと着飾りつつ雛見と称して近隣を遊観す。至る所にてもてなさるる」、これはすごいいいですよね。

団体員
着物を着て楽しみましょうという。

達増知事
ハロウィンみたいな感じで、ハロウィンは色んな扮装をして歩くわけですけれども、子供が着飾ってお店からお店へと歩くというのは、こういうのが実際に起きるとすごいいいですよね。

酒井局長
先ほど子供さんとか親御さんがと言いましたけれども、この地域にいる若い世代、あるいは他から来てもいいと思うのですけれども、近隣から来てもいいと思うのですけれども、やっぱり若い世代をこのまちの中にどうここに引っ張ってこれるかというところが多分大きくて、今やられていることなんていうのは本当に多分私たちもあこがれるものだと思うのです。なかなかめったに見れないものですし、だからこれは非常におもしろいのではないかと。ですから、意識的に若い世代ですよね、小さい子供がいるお父さん、お母さんの世代の人たちを1個のターゲットに絞って、何かその人たちも来やすいような仕掛けというのはおもしろいと思いますね。

達増知事
もともと子供のお祭りなんですものね、ひな祭りというのは。

団体員
そうでございますよね。

酒井局長
遠野は去年の「どんど晴れ」もありましたけれども、去年は「どんど晴れ」で大分。

団体員
「どんど晴れ」効果をちょうだいしました。

酒井局長
その「どんど晴れ」で来たお客さん、観光客の人たちがいわゆる上一日市の商店とかお店をのぞいてくれるような、そういう機会というのはどうですか、そういう感じはありますか。

団体員
ふるさと村ですとか、伝承園ですとか、やはり映像の中にあった場所に行ってみたい、バス停があってお父さんと別れた場所に、あの山々を見てみたいのだというふうなことで、ほとんどが山々の風景、山里の方にお客様が訪れて、伝承園に行ってみましたらバスがごっそりとまっておりましたけれども、カッパ橋を渡ってあそこのカッパ淵のところまで行って、往復して、中には入らないで、あと急いで行ってしまうような、いかにもお客様たくさん見えましたけれども、必ずしもお客様の数のとおりの経済効果というふうなことは得られなかったみたいですね。

達増知事
観光バスが寄るようになったというくらいな感じなのですね。もっと本格的に滞在してもらえばまちの方にも来られるのでしょうけれども。

団体員
このひなまつりもバスのツアーが色々組まれておりまして、もう既に満席なそうでございます。それから、駅からハイキングという、JRの、遠野までは新幹線やら使って来て、駅から遠野のまちをご案内しますよというふうなプラン、これもいっぱいなそうでございます。盛岡の「マシェリ」、生活情報紙、あれでも毎年企画をしていただいておりまして、今年は3台ぐらいのお客様がお見えになるというふうなことで、JRさんでも巡回の臨時列車を出してくださるというふうな大変な応援をいただいて進んでいるところでございます。

達増知事
「マシェリ」には載っていました。何か見たような記憶が。

酒井局長
おとといかな、JR東日本の、東京の方から見えて、駅からハイキングの話がありました。駅からハイキングというのはJRはもうからないのだと言っていました。それはもうからないですね、入ってしまいますから。ただ、やっぱりそういう東京を朝早く出て、駅からハイキングして、最後の遅い新幹線で帰っていかれるわけですけれども、やっぱり期待しているのは、そういう駅からハイキングで来られて非常によかったなと、また来たいねという気持ちになっていただいて、できれば泊まってゆっくりしてみたいよねというふうになっていただくのが一番目的なのだという話をされていまして、先ほどの話の中でまさにお客様に対するいい印象を与えてリピーターになっていただくようなことを65の店舗というか、会員の方々が声かけをしてやるというのは、そういう意味で必ず効果が出てくることではないかなと思います。やっぱりあとは泊まりたいなと思ったときにお宿をちゃんとして、経済的な価値を地域の中に落としていただくようにしてもらう、商店街にも落としてもらうというふうな形に持っていくように色々工夫をしていただければいいのかなという気もしますけれども。

団体員
やはりおひな様だけでは弱いので、どべっこ祭りですとか、昔ばなし祭り、これが冬の3大遠野物語ということになっておりまして、それを色々な形で楽しんでいただくということになっておりました。
駅からハイキングの話が出ましたのですけれども、まことに健脚の皆さんがいらっしゃいまして、去年は3万2,000人のお客様ですから大勢さんをお迎えしたのですけれども、やはりそうなりますといろいろなお考えや層と言ったらいいでしょうか、それぞれの色々な価値観を持った方々がおられて、その対応に苦慮する場面が色々出てまいりました。例えばリュックをしょったまま奥の方に進まれて、ひな壇があわやというときもございましたり、ハイキングの形でひなをめぐるということをどのようにしたらいいかなという、これからの課題でございますけれども、たくさんのお客様をお迎えするに当たり、何か配慮をしなければならない部分かと思います。

酒井局長
あといかがでしょうか。そろそろ時間にもなってまいりましたが、この際お話をぜひというふうなそんなのがあれば。

団体員
広域圏の問題で、やはり私たち遠野は県南の部類に所属するわけですけれども、保健所ももう花巻の方に行ってしまう。それから、職業安定所、昔そう言いましたけれども、ハローワークもあちらの方に行ってしまうということで、どんどんこういった山の中の小さなまち、市が追いやられてしまうような、とても不便を感じるような、そういうことがくくりによって起きてしまっているなという思いがあります。なるほど、行政センターはございますけれども、実際的な手続や何かはどうしてもそこに行かなければならないというふうに聞いておりますし、行政センターでご用が足りるような形にできないものでしょうかという思いでございますが、病院のことでも、そういった色々な手続の面でも、こういった山の中のまちが不便を感じるようであっては、若い人たちもなかなか居つかないのかななんていう思いもございますし、年寄りばかりになって部落の形成がなされないというようなところがあると聞いておりますし、また村が危ないというふうなことも聞いたりしておりますが、遠野市でございますので、何とか便利にこういったことができる、整えられる、まちの機能を持てるようなそういったくくりのあり方を考えていただければありがたいかなという思いです。皆さんもどうぞ。

達増知事
実際に拝見させてもらえるのでしたっけ、今日はそのおひな様。

団体員
どうぞこの後時間許す限り、商店のあちこちでウインドーディスプレーもございますし、店内あるいは2階の方に一般公開している場所もございますので、ぜひご一緒に。

達増知事
ちょっと6時までしかいられないので時間は許さないのですけれども、できるだけ拝見させていただきたいと思います。

団体員
はい、どうぞご一緒に。

閉会

酒井局長
それでは、まだお話があろうかと思いますけれども、今日はここまでということにさせていただきたいと思います。
今日は上一日市おかみさんの会の皆さんには本当にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

このページに関するお問い合わせ

政策企画部 広聴広報課 広聴広報担当(広聴)
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5281 ファクス番号:019-651-4865
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。