希望王国岩手放課後座談会(平成20年2月25日)

ツイッターでツイート
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1000975  更新日 平成31年2月20日

印刷大きな文字で印刷

訪問学校:岩手高等学校
開催場所:盛岡市

希望王国岩手放課後座談会(訪問学校:岩手高等学校)

  • 実施日 平成20年2月25日(月曜日)
  • 場所 岩手高等学校

開会

和田教諭
それでは、ただいまより県政懇談会「希望王国岩手放課後座談会」始めます。

知事あいさつ

和田教諭
それでは、次第に沿ってまず知事からごあいさつをよろしくお願いします。

達増知事
本日は、「希望王国岩手放課後座談会」という企画でお邪魔をいたしまして、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございました。
去年の4月30日に知事に就任をいたしまして、県内各地、また各分野の皆さんと意見交換する機会を設けてきているのでありますけれども、やはり県政の政策の大きな柱の一つが教育だと思っておりまして、教育立県という岩手の伝統をきちんと受け継いで、岩手の地域社会や産業を支える人材、また一方では国際社会でも活躍できる人材、そうした人材育成に学校が中心となり、地域と連携して取り組んでいかなければならないと考えております。
こうした中でご父兄の皆様方や教職員の皆様方と行政が教育のあるべき方向などについて共通認識を持つなど意見交換ができればと思っておりますので、今日はよろしくお願いをいたします。ありがとうございました。

校長あいさつ

和田教諭
では、続きまして本校学校長、菊地よりごあいさつを申し上げます。

菊地校長
本当にただいまは生徒にいろいろお話になられまして本当にありがとうございました。我々も聞いていて、勉強になりますし、本当にありがとうございました。
うちは私学ですので、私立学校の置かれている立場とかいろいろなものがあるかと思います。PTAの保護者という立場あるいは学校としての立場、いろいろな部分がございますので、その辺のところをいろいろ我々のほうからもお話ししたりとか、それから知事さんのお考えもあればお聞きしたいというようなことになるかと思いますので、その辺のよろしくお願い申し上げます。

懇談

和田教諭
それでは、懇談に移りたいと思いますが、その前に改めまして、私は今日進行ということで、和田と申します。よろしくお願いいたします。
それでは、懇談会のほうなのですけれども、今日ご出席の皆さん、まず自己紹介と、それから非常に貴重な機会ですので、知事に対して率直なご意見とか、それからご要望とか、そういうことがあったら一言いただきたいと思います。知事からのコメントを最後にまとめてということで、では久慈さんからお願いいたします。

久慈PTA会長
今日はお忙しいところ、またこの後仙台に行かれるという中で、お忙しいところをお時間をいただいて、生徒たちに1時間ご講義をいただきました。本当にありがとうございました。
私は、本校のPTAの会長をいたしております久慈竜也と申しまして、本校の会長をいたしますとともに、岩手県私立小中高等学校父母の会というのがございまして、その会長にも就任させていただいております。日ごろから私学振興につきましてはたくさんのご理解をいただきまして、助成をいただいておりますことを深く御礼申し上げたいと思っております。どうか今日はよろしくお願いいたします。

和田教諭
近藤さん。

近藤PTA副会長
今日はご苦労さまでした。PTAの副会長をやっております近藤と申します。よろしくお願いします。

内藤PTA副会長
今日は旦那が出席するつもりだったのですけれども、仕事の都合で出られないということで、私が出席することになりました。今日はいろんなお話が聞けると思いますので、非常に楽しみにしてございます。

川村教諭
岩手高等学校教諭の川村と申します。教科は理科で生物を担当しております。よろしくお願いします。

伊藤教諭
岩手高等学校の教諭の伊藤と申します。厚生部を担当しております。よろしくお願いします。

東教諭
同じく東幸男と申します。社会科、地歴を担当しております。ただいま生徒指導部とソフトテニス部と3学年長という担任をやっております。

竹本教諭
竹本英三と申します。進路の責任者をやっております。教科は数学で、現在高校3年生の担任をしております。よろしくお願いいたします。

村井教頭
教頭の村井です。本年度から教頭になりました。その前までは生徒指導をずっと担当していまして、教科は国語で現代文を担当しておりました。特にも今の3年生は3年間現代文を教えさせてもらって、ずっと日ごろから何を彼らに教えればいいのかということを考えていたのですが、男子校ですけれども、変な意味でなく愛というものを、何とかして本当の愛というものを子供たちにわかってもらいたいということ。要するに、自分のために何かするのではなくて人のため、例えば隣にいる人たちのために自分は何ができるのだろうとか、この人のためだったら一体何ができるのだろうとか、そういうことを少しでも考えてもらえるような人間に育ってもらいたいということを思って指導してきたつもりです。
この時代ですので、少子化対策の中身も入っていたと思いますけれども、こういうことをもうちょっと早い時期から、小学校に入る前とか、小学校のときからとか教えることができるのはやっぱり母親であるとか、父親であるとか、そういう存在が大事だと思います。したがって、そういうファミリーサポートといいますか、そういうふうな活動をもっと県のほうでも力を入れてやっていただければというふうに考えております。よろしくお願いします。

菊地校長
先ほどから話しておりますけれども、学校長の菊地です。今教頭もお話ししたのですけれども、ちょっと前にお話し申し上げたのですけれども、本校は男子校の普通科ということですのでまず出口、入ってくる子供たちも大切ですけれども、出口のほうもしっかりしていかなければならないだろう。そのためには学校でどう教育していかなければならないのか、勉強のほうばかり、それも大切ですけれども、人間としてどう育っていくのか、そっちのほうもかなり重要視していかなければいけないのではないのかなというふうに思っておりますので、なかなか今子供さん方が少ないものですから、1つの家族で1人あるいはないし2人、3人いたら多いほうというような感じになっていますので、そうしますと親御さん方、ここにPTAの役員の方がいらっしゃるのですけれども、親御さん方は子供がものすごく大切、それはわかるのです。あまりにも大切にし過ぎるのかなと思うのです。あまりにも面倒を見過ぎるのか、あるいは干渉し過ぎるのか、そういう面も多々見受けられる。その辺も我々が一生懸命やっていかなければならないし、私立だからではなく、公立も一緒だとは思うのですけれども、学校の立場というのはそういうものだなというふうに日ごろ感じてございます。後でまたいろいろお話ししたいと思います。

和田教諭
ちょっと司会が不慣れで申し訳ありません。自己紹介をして、その後すぐにまた一言ずついただきたかったわけですけれども、自己紹介で終わってしまったので、久慈さんのほうからどうぞ何か。

久慈PTA会長
どうもありがとうございました。私学に限らず岩手の子供たちに対する「希望」というところ、知事が今回発表されました中には「希望」というところがあって、今回も「希望王国」ということでお越しいただいているわけですけれども、「希望」という部分についてなのですが、今回大きく誘致企業で東芝さんが工場を出されるというときに、県南だけではなくて県北・沿岸のほうも元気になっていくようなコンセプトを持っていきたいと。そういう流れの中にあって、やはり人材育成が大事なのだろうというふうに思っておりますが、知事さんにとりまして人材育成のところについて、今後公立、私立と隔たりなくご期待を申し上げていただけるところがあればお示しいただければと思います。

達増知事
時間も結構あるので、どんどんやりとりしながら、先に進むようにしましょうか。
東芝さんの新工場の決定理由も、決め手になったのはやっぱり人材ということで、現工場にすぐれた人材がいるということと、さらに岩手でさらなる人材を確保しやすいということですよね。県北・沿岸の振興に当たっても人材立地というスローガンでやっていまして、最近の日本の工場の立地の傾向は、東京周辺は人手不足で人が集まらない。北関東やその辺もそうなので、その辺の工場が東北に移ってくるというパターンですから、そういう人材を求めて、工場も自動車の部品や、あと半導体とか、結構コンパクトな敷地があればできてしまうような工場がいっぱいありますから、人さえいればそこに工場が来るというところがあるので、やっぱり人材育成が大事だなと思っています。
あとは「岩手ソフトパワー戦略」という名前で売り出している岩手のブランド力を高める、そういう戦略を展開しているのですが、買うなら岩手のもの、雇うのだったら岩手の人、行くのだったら岩手県というような、そういう岩手の定評を高めていく核になるのがやっぱり人間の魅力であり、人間の信頼だと思うので、岩手の総合力を高めていくためにも人材育成というのは核になると思っております。

和田教諭
近藤さん。

近藤PTA副会長
私学助成とかいろいろ希望は皆さん同じだと思いますけれども、私はスポーツに関してお聞きしたいというか、お話ししたいのですが、先日高校総体のスキー大会とか県民体育スキー大会がございましたけれども、そのときにおととしとか4年前までですと選手が100名ぐらいあったのですが、今年は私はたまたま仕事が休めたものですから、行ってみたのですけれども、選手が30人なのですよ。その中から県の代表として出ていくような形になっている。もちろん受験とかなんかで出られない選手もいましたけれども、皆さんからよくお聞きしますと経済的に子供にスキーをやらせるお金を出せないということで、私は何とか今のところは出していましたけれども、出せなくなればスキーをやらせることもできなくなる。そうすると、30人の中からやっと選ばれた選手が全国に行くわけですから勝てるわけがないというのは変な言い方ですけれども、そういう状況になってくるのではないかなと思います。何年後かに国体もありますし、冬の国体も何年後かには来るでしょう。そのときのためのお金の面での援助みたいなのがあればもう少し選手はふえてくるのかなと思います。
それと同時に、教える人、コーチの方ですか、これは私立にしても公立にしてもそうなのですけれども、一生懸命やっている先生がやるうちにだんだん負担になってきてしまう。年を重ねるごとに熱意も冷めてくるというか、気力が弱くなってくるでしょうから、次にバトンタッチしなければいけない。そのほかに学校の授業もしなければならない。そういうときにワークシェアリングではないですけれども、コーチを派遣してもらうとか、この部分に関してはコーチを派遣してもらうとか、サポートできるような人材の派遣みたいなものもお願いできればなと思いますけれども。

達増知事
スポーツは一定程度お金がかかりますので、県民経済全体の調子が悪いとスポーツ界もなかなか大変なのだと思います。そういう意味では、やっぱり県の経済を底上げするような県民所得を上昇させるような努力をしなければならないと思っていまして、まずそういうそもそも論的な根本的な政策を進めていくのでありますけれども、8年後の国体誘致が決まったので、去年決めましたので、そういう中でスポーツ振興に県民の税金を使っていくことにも県民の理解が得やすいような環境になっていけば、そこは民意でございますので、どれだけ県民がスポーツで盛り上がるかというところにも左右されるのですが、そういう中で民意を反映しながら県としてもスポーツ振興に力を入れていきたいと思っています。また、お金がなかなか工面できない中で、そういう人のやりくりは、先ほどおっしゃられたような工夫、そういうお互いの情報交換といいますか、ここでこういう人たちが困っているとか、ここにこういういい指導者がいるとか、そういう情報のやりとりができてくればかなりよくなっていくと思いますので、そういう国体も視野に入れながらそういう体制づくりも進めていきたいと思います。

和田教諭
内藤さん。

内藤PTA副会長
全然違う話になるのですが、先日うちの近所の中学校でアレルギーを持っている子がいるということで、それも化学反応というのですか、それで洗剤も使われない。かといって、その教室をその子に合わせた教室につくりかえられない。そういうことがこれから多くなってくるのではないかと思うのです。これはどうでしょうか。

達増知事
例えば洗剤で洗った茶わんに触るとアウトという感じなわけですね。一概に言えないのですけれども、できるだけみんなと一緒に普通にやれる工夫はしたほうがいいと思うので、ある程度そのために手間暇かかる場合でも、まず頭からあきらめることはしないで、何か自然系の洗剤というのがありますから、普通の油でつくった石けんとか、そういうので食器を洗うものとか、そういうものでみんなが協力し合って乗り越えることができれば非常に教育効果としてはものすごい高いことになるので、そういう工夫はやっぱり望ましいのかなと思いつつも、どうしてもだめとかというときに、やっぱりそういうのはいろいろ考えていかないとだめですよね。やっぱり幾つかの統計がそういうアレルギーの子供が増えているということを示しているようなので、そこは行政としても気をつけていなければならないと思います。

川村教諭
20年くらい前に、いわゆるバブルのころと言ったらいいのでしょうか、そのころはお金も豊富にありましたし、そういった部分で我々もいろいろなところで甘えがあったのかなと思いますけれども、先ほど近藤さんはスキーの話をされましたけれども、私もスキー部の副顧問で今やっていますが、20年前に安比のスキー場に行ったら日曜日に駐車場に入れないとか、リフト待ちも何分も待たされるとかというふうな状況で、スキーの大会の選手も高校生150人、200人近く選手がいたのです。今はどうかというと、日曜日の昼に行っても駐車場に入れるわ、リフト待ちの時間もないわ、選手の数も減っている、そういう状況で、非常に寂しいなというふうな気持ちになっているのと、岩手県民元気が必要だろうということが、そういうふうなところからも見えます。
私ら私立学校ですから、県立の高校と私立というのを考えていろいろ運営をしていかなければならないと思うのですけれども、やっぱりある程度は両立させていただきたいなというふうなことが私の大きな考えです。やっぱり県立高の定員というのはあるのでしょうけれども、やっぱり私立学校も生きていく道を得るためにはそういったものも配慮していただきたいなということで、私は地元の小学校のPTAの役員を何年か前にしたのですけれども、そのときの校長先生が、附属小学校にいたときに知事さんを教えられたというふうな話を聞きましたのですが、いろいろな意味で情熱が子供に伝わっているのではないかなというふうに感じたものですから、ぜひそういうふうに情熱をかけて指導できるようにいろいろお知恵をいただきたいなと考えます。

達増知事
私学教育というのはやっぱり大事だと思いますし、私学を選ぶ子供や親御さんたちはいますし、やっぱり選べることが大事だと思いますので、そこはちゃんとそういう岩手の教育というのはそういう昔からの流れの中で、そういう豊かな教育というのは守られてきているわけですから、それを壊すことなくつなげていきたいと思います。

和田教諭
先生、よろしくお願いいたします。

伊藤教諭
私はバレーボールの顧問をしておりますが、県営体育館の話なのですが、あそこで何回か、役員の関係もありまして行くこともあります。それで駐車場の話なのですが、一般の方が来られても何台もとめられないのです。ちょっとサイドのほうとか奥のほうとかありますけれども。結局駐車できないから運動公園のほうに行ってくれということで、係として私は何回かやったことがありますが、やっぱり毎回あそこは何とかならないものかなということで意見が出ていましたし、そうなれば大きな大会ももっともっと来るのではないかなと。そういうことで、将来的にはどんなふうにお考えなのかお聞かせいただければと思います。

達増知事
運動公園にとめてあそこまで歩いて行くというのは大変ですよね。

伊藤教諭
そうですね、結構あります。

達増知事
今、一般の方がとめるとおっしゃいましたが、その一般というのは関係ない人という意味ですか。

伊藤教諭
ご父兄さんというかな。

達増知事
体育館利用者ではあるわけですよね。

伊藤教諭
体育館利用者のほうは裏のほうにありますよね。一般の方が来られると幾らも入らないのです。

達増知事
行事によっては、選手優先とか、何かあらかじめそういうことを利用者間で話し合って駐車場の決め方を決める、学校で何か行事をするとき、学校そのものの駐車場というのはほとんどスペースがない中で、どういうふうに駐車をアレンジするかということはいろいろありますよね。だから、行事によってはそういう対応が可能なのかなと思いますけれども。
私も今県営体育館の駐車場のポリシーの基本原則とかはちょっと今ぱっと情報が出てくるような状況にはないので、どこをどうすればいいというのをぱっと言えないのですけれども、やっぱり利用しやすい公共施設というのが基本ですから、そういう方向でいくのが望ましいと私も思います。

和田教諭
お願いします。

東教諭
生徒指導のほうもやっておりまして、人材というか、高校生、中学生、小学生、それぞれあるのですが、やはり今非常に対応に苦慮していることということで、やはりコミュニケーションをきちんととらなければいけないと思います、子供たちと顔を合わせて対話をしてと。それを、変な言い方ですけれども、行き過ぎとかという形でものすごく今は親御さんのほうからモンスターペアレンツとか、あるいはヘリコプターペアレンツなんていうふうな言葉も生まれてきております状況で、現場の当事者である担任並びに教科担当、そして指導部という形で、最終的には校長先生まで上がっていくわけですけれども、こういうふうなものが出てくると、やはり教員側からするとどこまで指導していいのかというふうな、あくまでも質問ではなくて意見ですけれども、そういうふうなところで対応が非常に苦慮している状況であるということが現在県でも私学でも多いと思います。
それから、もう一つ、私はクラブも持っているものですから、皆さん方、繰り返しになりますけれども、8年後に国体とか、それから3年後に北東北のインターハイということで、やはりスポーツでも、先ほど知事さんもおっしゃったとおり、どのように活性化させるか。ソフトテニスしか私はわかりませんけれども、まず自分たちから行動を起こす、財源は正直言って連盟もありませんし、高校の事務局もありませんが、何らかの形で尽力するということで、まず私の場合は自分の学校からということで人材を確保するというふうなことにしかまずできません。ですが、やはり今日は座談会でして、何らかの形で予算あるいは強化費と言いますけれども、そういうふうなもので生徒の励みになっていけばいいなと。流れとしては強化指定校というのができていますので、それを軸にうちの学校もテニスと山岳部がなっておりますので、そういうふうな形の軸というものを大事にしていただきながら、励みになるような形に、言ってはなんですけれども、予算というもので何らかの潤いが子供たちに与えられればなと思います。意見であります。

達増知事
ヘリコプターペアレンツというのは、ヘリコプターというのはどういう意味なのでしょうか。

東教諭
上から見下したような親ということです。

達増知事
そういう人がいるんだ、やっぱり。

東教諭
そういうふうなものです。

達増知事
クレーマー問題というのは、日本全国あらゆる分野での課題になっているみたいですよね。例えば県立病院からそういう情報が上がってくるのですけれども、やっぱりすごい文句を言う「インペイシェントペイシェント」というか、我慢できない患者さんですね。患者「ペイシェント」というのは我慢強いという意味の単語でもあるのですけれども、そうではない患者さん、とにかく文句を言う患者さんが増えているというのがありますし、あとは普通の会社、事業所なんかでも今までなかったようなひどいクレームが来て、それでそういうのに対応する人たちが人格労働というのだったかな、そういう人格をすり減らして仕事をするような人たち、職種のその人たちの仕事を人格労働とか言っていて、そこが本当に今現代社会の病理みたいに言われていますよね。でも、そういうものだと思ってあきらめてはだめで、病院については「いわてグラフ」という県の広報紙で、今回はっきり地域の皆さんも協力してくださいと書いたのです。日中仕事が忙しくて普通の町のお医者さん、開業医に風邪ぎみなのだけれども、日中開業医に行く暇がなくて、それで夜、救急病院に行くという人がいて、そういうのはだめですからねというのを病院を利用する皆さんもちゃんと病院に協力してくださいみたいなことを初めてはっきり広報紙に書いたのですけれども、地域の力とかみんなの力でお互い助け合ってやっていきましょうよというのを促すことが必要かなと思いますよね。
あとスポーツについては、私は県の体育協会の会長も兼ねていて、それこそ競技力向上とか、本格的なそういう議論もしているのですけれども、やっぱり予算との関係で、そこは第1回国体のときとは違うという、またバブルのころとも違うという、そういう中でどうやって競技力を引き上げていくかというのは、本当に今までやったことがない全く新しいことに挑戦するみたいな、そういう悲壮感を持って体育協会全体としても臨んでいますよね。それこそあきらめてはだめだと思っているし、そういう中で人材、人に着目していろいろやれることをやっていくということは突破口かもしれません。だから、ぜひいろんな努力と工夫でさまざまなハンディを克服していきたいと思います。

竹本教諭
それでは、3点ほど聞きたいと思っていますけれども、まず1点目は、先ほど東芝が来るという場合に人材が豊富であるというふうなお話もいただきましたが、今年度から岩手医大のほうには10人の枠ができて、9年間岩手県で医者として仕事をしなければならないけれども、奨学金を出しますというふうな制度ができています。これは、医者についてということで、そのほかの人材について、私が勉強不足で知らないかもしれないのですけれども、知事さんはたまたま岩手県に戻っていらっしゃいましたけれども、恐らく岩手県の優秀な方が東京の大学に行かれて、そのまま東京で就職してしまって帰ってこないというふうな場合もあるかもしれないですね。できれば唾をつけておくという表現は変ですけれども、既に岩手にいる間に優秀な人には奨学金という形がいいのかどうかわかりませんけれども、岩手県に帰ってきてくれるような何かの方策があれば、なお豊かな人材を輩出できるのかなと、もしそういう方策があるのか、実施されているのがあればお聞きしたいなというのが1点目です。
もう一つは、人材育成にも若干絡むのですけれども、本校は中高一貫ということで6年間設置しておりますが、今のところは私立中高しかないのですけれども、一関一高を主体とした、県立のほうでも中高一貫校というのができるようですが、この中高一貫校の目的というのか、その考え方というのかということと、もう一つこれを県として県立というものでもう少し増やしていきたいと思っていらっしゃるのか、まだ今のところそれは決まっていないということなのか、そういうところをお聞きしたいと思います。
それから、もう一点目は、先ほど授業を見て、素直な感想なのですけれども、教材とか、話の中身とか、非常におもしろく聞かせていただいたのですけれども。

達増知事
お粗末さまでございます。

竹本教諭
いえいえ。こういうことは、今岩手県は平泉を世界遺産にというふうな話になっていますが、もしかすると中学生とか、小学生とかに直接知事のほうから平泉のことについて授業みたいなものでどんどん話をされていくと、非常に県としても盛り上がるとか、あとはさっきからお金の話ばかりで恐縮ですけれども、例えば平泉に遠足に行く場合には県から幾らかお金が出て、ぜひ平泉を見てくださいというふうな形で、そこを訪れる小学生、中学生が増えてくると県としても盛り上がっていくのかなというふうなことをちょっと率直に感じたものですから、その辺をちょっとお伺いしたいなと思います。
以上です。

達増知事
医師養成以外に岩手で働く人を想定した奨学金というのはぱっと思いつかないですが。

鈴木総務室法務私学担当課長
医療局では、従前医療局職員奨学資金の貸付事業として、お医者さんだけではなくて看護師さんとかに奨学金制度があります。
先ほど話のあった地域枠ということで、岩手医大さんのほうに10人ということでありますけれども、医療局は医療局でそれとは別の奨学金制度を持っておりまして、こちらのほうは岩手県に限らず医学部なり、その上の大学院に対する奨学金制度というのは持っております。

達増知事
あれって制度の組み立てからすると、まず奨学金を提供しますと。岩手の病院で働けば返済を免除しますという仕組みなのです。ですから、建前としてはだれにでもお貸しします、選ばれた人にはお貸ししますが、その際免除の条件として、岩手の病院で働くというのがあるのです。あれって県立病院、民間の病院でもいいのですかね、これは担当でないとわかりません。

鈴木総務室法務私学担当課長
地域枠につきましては、義務履行の病院につきましては県立病院だけではなくて、いわゆる公的な市町村立病院でありますとか、例えば日赤さんみたいなところだとか、そういう公的な病院における履行をしても義務履行年限の中でカウントされるというふうに伺っているところでございます。

達増知事
そういう意味では、公務員になるとか、ただそれは公務員の試験にちゃんと受かって採用されるようにならないとだめで。医学部は医学部のカリキュラムをきちっとやっていれば、まずお医者さんにはなれるというのがあるから貸しやすいのです。ほかの分野だと、貸していて、ちゃんと働く力を身につけてくるかどうかの保証が難しいというところがあるのでしょうね。でも、何か工夫のしようはあるかもしれませんが、ちょっと考えてみますね。ロースクールとか、そこに入ることが決まっているような人であればそうサボらずにやってくる可能性が高いしということなのだと思います。
中高一貫校の目的については、何か細かいのがきちっと決まっているのだけれども、全部覚えているわけではないので、正確には思い出せないのですけれども、言われている中高一貫校のメリットを追求しようということなわけですよね。

竹本教諭
個人的な感じでいいのですけれども、達増さんは東京に大分長く住まわれていたので、東京なんかだとすごく多いと思うのです、一貫校というのは。そういうのを見てみて何かご感想があればちょっとお伺いしたいかなと。

達増知事
大学受験をしやすいということですよね、中高の6年分のカリキュラムを最初の5年に圧縮して最後の1年を受験対策にできるということがありますよね。あとは高校受験をしなくていいということで、そういう意味では行事を充実させるとか、高校に入ってからも、それは灘高とか開成高の人たちが自慢するけれども、我々は勉強ばかりやっていたわけではなくて運動会とか、そういう行事がすごい充実しているのだなんていうことを彼らは自慢しますよね。ですから、うまくつくればそういう進路、進学に有利ということプラス学校生活自体が非常に充実するということなのだと思います。

竹本教諭
知事自身は個人的にはこれは増えていったほうがいいと思われていますか。

達増知事
うん、そうだと。県のほうでは選択できるというのが大事で、そうではない中学で終わって、また高校に入るという、中学と高校が分離されている形のものも残して両方選べるようにしたほうがいいみたいなのが県の基本方針ではあるのですけれども、1つだけとか、あるいは私学だけということはなくて、やっぱり中高一貫のメリットを生かす学校はもっと増えてもいいと思います。
あと平泉を授業でやるというのは、これはグッドアイデアで、考えていなかったのですけれども、私も大分平泉の勉強をしましたから、教えられるかもしれないなと今ふっと思っています。それは前向きに検討したいと思います。

村井教頭
用意していたのもあるのですけれども、今言っていたのでちょっと思ったのですけれども、県立病院の救急医療に夜中に行くのは困るということを地域の方々にも協力していただきたいという話があったのですけれども、やっぱり価値観の問題もあるのです。仕事を優先するような価値観がその底にあること自体を変えていかないと、それはなかなかなくならない。しっかりと休暇をとれるような余裕というか、そういうシステムを社会の中につくっていかないと、なかなか協力要請してもできないのではないかな。
それから、県立病院ではないのですけれども、私の個人的な体験なのですけれども、母親が2年前に亡くなったのですけれども、公立の病院にもお世話になったのですが、最後は民間の施設のほうにお世話になったのですけれども、全然対応が違うのです。はっきり言ってひどかったです。人間として扱ってもらえませんでした。

達増知事
それは県立のですか。

村井教頭
県立ではないですけれども、公的な病院です。そういうのもそちらの医療側のほうも直していかないと、なかなかそういった協力は得られないのではないかなと。過剰な苦情もあるのでしょうけれども、真実の苦情も中にはあると思いますので、その辺はよく判断をして改善をしていくべきところは改善していかなければならないというふうに今思う次第です。
用意していたのは、突然話が変わるのですけれども、人材育成という話が先ほどから出てきていますけれども、ずっと少子化が続いて、子供の数が減っているわけなのです。そうすると、小学校も今隣の小学校、前は8クラスぐらいいたのが2クラスしかない。中学校もクラス数が減っている。高校は減っていないのです、県立高校。特にナンバースクールは減っていない。その辺を減らすというようなお考えはないのか。結局はそこを今までどおりの定員のままにしているということは、例えば一高さんでも当時では入れなかったような子供も何とか下のほうにひっかかって入っていくという、そういう意味では県の教育的なレベルを考えると、余りレベルが上がっているとは思えない気がするのです。子供の数に合わせて公立の普通科の学校の定員も調整していくべきなのではないでしょうか。

達増知事
今度新しい高校の整備計画のようなものをつくるので、今まで過疎地といいますか、分校の廃止とか、あとは高校の統合とか、そういうのを一通り進めてきたのですけれども、それってクラス数は減っていないのでしたか。

鈴木総務室法務私学担当課長
卒業される生徒さんの数によりまして、学級数の増減というのは教育委員会のほうで行っている状況でございます。例えば数年前であれば盛岡一高から四高まで各学級1クラスずつ減みたいな話が毎年毎年卒業される生徒さんの数に応じて増やしたり、減らしたりということは教育委員会のほうで全県的に調整をしているという状況でございます。

達増知事
中学校卒業数に合わせて増やしたり、減らしたりというのはやっているということなのですね。

鈴木総務室法務私学担当課長
ドラスティックに大幅にということではなく、ご父兄さんとか、盛岡市さんの希望とか、学校自体の構成の関係もありますので、私立学校さんのほうからは公立の関係の定員についてはご要望をちょうだいしています。

村井教頭
今の問題、私立学校協会という、私立学校の協会があるのですが、そこでいろいろ話はしております。現実問題、現在盛岡市内の県立高校で学級減になったのは盛岡四高1学級減、それから工業、商業が学科編成の関係で1学級ずつ減、そのぐらいです、盛岡市のほうで動いたのは。あとは周辺のほうの学校では統廃合は進んでいるようです。盛岡市に関してはほとんど変わらない。

達増知事
二、三十年の間に増えているのですものね、盛岡周辺とその周辺の高校というのは。

菊地校長
今教頭が話したように、中学校の卒業生の数がどんどん、どんどん減っている現状。それで高校のほうは、盛岡地区でさえ減っていますので、かなりの数が減っていますので、その減っている数の中で県立高校の定員数は変わらない。中学校はどんどん減っている。その辺がなかなかいろいろそれぞれの学校での事情もあるでしょうから、難しい問題。ただ、私学のほうとしてみれば、やはり我々だって同じ教育をやっているのだというようなこと等ありますので。

和田教諭
私も進行ばかりしていましたけれども、ちょっと意見を述べさせていただきます。
県から来た文書ですけれども、各私立学校の生徒募集についての文書が毎年来ます。各校とも生徒募集要項、募集活動が行われているところですが、「入学定員を大幅に上回って生徒を入学させる事例が散見されますので、ご注意お願いします」というような文書ですね、毎年来ます。散見ということは、10校あったら二、三校というのが私の認識なのですけれども、大幅に上回っているのは一校だけ。今の2年生で言うとこの学校は193%なのです、定員に対して。今の1年生は130%です。知事、この間、県議会の所信表明で自立と共生と述べられましたが、共生という言葉には、やっぱりルールの順守というのが大切ではないかな、大前提ではないかと、このように考えております。
この学校は、今度中学校をつくるそうですが、今校長が申し上げた私学協会としては、時代の流れで、知事も言いましたけれども、増えていってもいいのではないかと、中高一貫教育。だけれども、中学校から内申する生徒も含めて定員を守るのであればいいのではないですかというふうなことを言ったらしいのですが、今守っていないのですから、守りませんよね。守られないと思います。
それで、うちの学校は人気があるから人がいっぱい来たのだというふうなことを言うのでしょうけれども、県のほうからこういう是正の文書が来ているにもかかわらず、私ども秋口になると各中学校に来て各校アピールしてください。というようなことを言われますので、行って言うわけなのですけれども、この学校はこれを一番のアピールポイントにして、うちの学校は県内一番のマンモス校で1,500人の生徒が学んでいる、人気がある学校ですということで、募集のアピールに、このように是正してくださいと言われているようなことを逆にやっているというようなことも、多分県の皆さんもご存じないでしょうから、この際ですから申し上げたいと思います。もちろん各学校がいろいろアピールをして、努力して生徒を増やしたり、いい教育をしたりする努力をしなければならないのですけれども、例えば今日知事が来て、出前授業をしていただいた。これを例えば学校案内とか、スクールパンフレットとか、ホームページなんかにアップして、こういうふうなことがありましたというふうなことをしたいのですが、この間、それができるかどうか問い合わせたところが、教頭のところに返事が来て、外に出すのはまずいよと。うちの保護者に対してはそういうビデオや刷り物にしてもいいでしょうけれどもというようなことだったのですが、これは知事が変わって方針が変わったということでしょうか。というのは、前増田知事が同じような出前授業をされたある学校では公共の電波で流しています。それもこういうプレスではないです、ニュースではないです。自分たちでつくった番組の中で、知事が来てこういう授業をしたすばらしい学校ですというようなことを流しているのですが、これができて、私たちのパンフレットはだめなのか。どういうふうに理解してよろしいのでしょうか。

達増知事
こういう糾弾型の質問というのはなかなかめったに受けないのですけれども、今は議会の最中でもあって議会ではよくあることだからいい予行演習になるというと失礼かと思いますけれども。

和田教諭
質問としては、知事が国会議員時代、好きでよく見ていたものですから。

齋藤広聴広報課総括課長
今のお話ですけれども、これは県政懇談会ということで、順次こういう場面を特定の学校に限らず回っていくということでございますので、それをたまたま早目に回った順番として、今回一番最初に回ったわけですけれども、それは学校の募集の一つの材料に知事が出席しましたということを使うのは余りふさわしくないのではないかなというようなことで、中でいろいろ今当然授業の風景も、こういったものもマスコミさんを通じてどんどん外には出て、こういった活動の状況はご紹介していただいているのですけれども、学校のほうの募集に使用するというのはちょっとふさわしくないのかなというような話はさせていただいたところでございます。

達増知事
国会というのは、例えば裁判所というのは、弁護側と検察側があって、それこそ両極端から一つの事柄を追及する中で真実を、まさに中間のどこかに真実があるというのを追及するために両極端からの意見をつき合わせる。近代民主主義、近代立憲主義のもとの議会というのも政府の言い分と政府をチェックする側からの正反対側から見たまさに「OPPOSITION」ですから、まさに「TENTION OF OPPOSITTE」なのですけれども、そういう中で正義と真実を実現していこうということなので、だから私は「OPPOSITION」、野党に属していたときには政府に対して基本的に政府の反対側からそれを追及するという立場で追及していたので、ああいうスタイルでやっていたのですけれども、私学の経営と県行政というのはそういう関係にはないと思います。
だから、県行政に対して基本的に「OPPOSITION」の立場に立ってそこを追及するということはされなくていいのではないかなということをまず申し上げつつ、今日は特に自由な意見表明、意見交換の場ですので、そういう中で自由にやっていただくのは構わないので、県議会の予行演習というと失礼ですけれども、県議会によりいい体制で臨むことができるようになると思って、私は咎める趣旨は全然ないので、返答を考える時間稼ぎのためにこういうことを言っているので、そこは理解していただきたいと思いますけれども、どうせ新聞には載りますし、テレビにも映ったりもするのでしょうから、そこはその範囲内というか、そういうのを踏み越えて、こういう宣伝に使われるのだったら、県としては二度とこういう私学のほうには知事を出したりできないみたいなことにならないような範囲内で、ちょっとそこは両極端の中間にできるのではないかなという気がしますので、ちょっとそこは県の担当ともうちょっとやってみていただけたらと思います。

鈴木総務室法務私学担当課長
私立学校さんの定員の話ですけれども、なかなか駆け込みでありますとか、いろいろな話もありますので、いずれ定員については善処していただくようにお願いしているところでございます。
基本的に定員を守っていただくというのが大切なことでございますので。
あと先ほど奨学金の話がございましたが、ちょっと補足で、獣医師の奨学金制度というのを設けているところでございます。

達増知事
散見というのもそうですし、あと定員という言葉は正確に使っていかなければだめでしょうから、そこは県もそうでしょうし、定員という言葉の使い方に問題がある場合にはそこは指導していかなければと思います。

和田教諭
それでは、これまでは陳情とか、そういうふうな趣旨のものが多かったようなので、これ以降はそれぞれの立場で自分はこういう立場でこうしたいであるとか、それからこういうふうにできたらいいとか、あったらいいとかというようなことを自由に知事に表明していただくというふうな形にしていただきたいと思います。
まず、PTAの会長さん。

久慈PTA会長
やっぱり私学というのは教育委員会ではなくて知事部局の中にある、管理されている部分ですので、ざっくばらんに知事として私学の振興、私学の子供たちについて、教育のあり方について、僕はこう思うのだというのをストレートにお出しいただければ、希望に合わせて、関連で何かお話しいただければありがたいなと思うのですけれども。

達増知事
やっぱり教育の原点というのは、むしろ私学的な寺子屋とか、松下村塾とか、そういうところにあって、いろいろ近代化を急ぐ必要性とか、そういう必要性に迫られて公教育というものが発達しているわけなのですけれども、やっぱり私学教育というのはなくてはならないものだし、特に世の中が複雑になっていけばいくほどその発展の可能性というのはあるのだと思います。難しいのは、だからこそ行政の側からああしろ、こうしろみたいなことは厳に慎まなければならないと思って、さっきみたいな社会良識に反するとか、公序良俗に反するかのごとくとられるような変な言葉の使い方とかしている場合には、そういう是正的な指導を行わなければならないと思いますけれども、どういう方向にいくかというのは、それはそれぞれの私学が生徒さんやPTAの皆さんとも相談しながらという感じなのだと思いますけれども、つくっていくことなのかなというふうに思います。そんな方向性ですけれども。

久慈PTA会長
要は、寺子屋的に自分たちで教えていこうという信念をきちんと踏まえた学校が一生懸命取り組んでいくには、やっぱり急速的に発展、拡大できるものではないのだというふうに思うのです。先ほど和田先生から出ているように、1学年500人も集まっているような学校というのは、本当に寺子屋を意味するのか、そういった部分でまとめがどうかという部分がオーバーフローしているのではないかというふうな感じがするのですけれども、発展していかなければならない部分と守っていかなければならない部分とがあって、今日知事がされていらっしゃるネクタイは小野染彩所でつくってきた桜色のネクタイで、古代型染であると。ネームプレートは浄法寺塗であるという地域と密着した、地域、岩手ならではのものをお考えになっていらっしゃる。やっぱりそういう岩手ならではの中に、私学というのは残っていけるものという可能性というのは秘めているのだろうかという部分についてはいかがお考えでありますか。

達増知事
ここで間を置いたりするとすごくまずいなと思いながら、間を置いてしまったことをごまかすためにしゃべっているのですけれども、もう一回質問をお願いします。瞬発力、シナリオなしにしゃべるのは実は苦手なのです、私は。だから、ちょっと今どぎまぎしているのですが。

久慈PTA会長
盛岡一高、旧制一高、盛岡中学、切磋琢磨してやってきた部分というのがあったのですが、そういう流れの中で古きよきものを大切に使用というのがあるのだと思うのです。その流れの中で今日お使いになっていらっしゃるこういうネクタイとか、浄法寺だとか、広く岩手県内の部分についての守ってきている伝統文化というのがあるのだろうと思うのですが、それをやっぱり私は私学という流れの中では一翼を担っているのだろうというふうに思っているのです。ですから、私学に対する期待度というのは公的なものだという部分の視点があっていいのだろうと思っていますけれども、知事としてはいかがお考えになるのか。

達増知事
県議会議長を輩出したりもしているわけですし、すごいことだと思います。そういう歴史の積み重ね、それ自体価値があることですし、岩手全体にとってもこういう伝統工芸品に勝るとも劣らない財産だと思います。

久慈PTA会長
私学というのは大切なものなのでしょうね。

達増知事
大切というか、かけがえがないというか、一般論として、だからこれからどんどん私学を増やそう、いろんな民間企業が参入して私学を増やしてくださいという、だからそういう大切さとは違う。まず、今ある私学ということについては今までの蓄積の重さというのがまずある。そこが伝統工芸品的な大切さだと思います。

久慈PTA会長
培ってきた財産というのですか。

達増知事
ええ。

和田教諭
それでは、あとお一人。

近藤PTA副会長
3つぐらい。先ほどもしスポーツのために助成していただけたらという話をしましたけれども、その場合に知事は、出せる場合、全部のスポーツに助成しますか、それとも弱いチームに出しますか、強いチームに出しますか、これが1つ。
それから、気になることなのですが、小学校なんかは特にそうなのですけれども、朝の通学時間に交通整理をしているのですけれども、交通整理している親とか先生が一緒にやっているのですが、とにかく交通指導ではないのです。車を止めて子供を渡している。その渡る方法を教えてほしいのです。それがとにかく車を止めて子供を守っている。だから、信号は要らないのかなと私は思います。
それから、小学校、中学校もそうなのですけれども。

達増知事
交通整理もやっていますよね。

近藤PTA副会長
特に学校の校門で校長先生とか教頭先生が出てきてあいさつします。それで何のためになるのか、大して役に立っていないような気がするのです。むしろ担任の先生だったり、ほかの先生が来てあいさつとかだったらいいのかな。だったら、学校の中ですることがもっとあるのではないかなと。忙しい、忙しいと言っている割にはみんなにあいさつをしている。それも必要ではないとは言いませんけれども。
以上。

達増知事
スポーツ振興戦略にはいろんな戦略があると思っていて、今は体育協会の関係者や、あるいは県庁内の担当者とかにそういう戦略を練ってもらっているところでありまして、今の段階で弱いところに重点を置くか、強いところに重点を置くかというのはまだ決めかねております。
国体を視野に入れると、やっぱり目指せ、天皇杯というのがありますので、そこに持っていくために合理的な資源配分はどこにあるかということになるのですけれども、一方100%論理だけでやってもどうかなというところも持っていまして、県民の税金を使ってやっていく場合に、県民の納得、県民が心で納得できるような進め方、どこか勝ち負けを超越するような価値観というものもやっぱり無視しないでやっていかなければならないかもしれないなというのはあります。
知事の意思は県民の意思であって、そうなるように物を決めていかなければならないと思いますから、県民も悩んでいるのだと思いますよ、こういう財政難の時代、景気が悪い時代に国体を引き受けた、さあ、どうしようというところで県民も悩んでいるのだと思います。だから、県民がいろんな決断とか意思形成がしやすいように持っていきながらいろいろ決めていきたいなというふうに思います。

和田教諭
もうお一方。

伊藤教諭
スーパーキッズですか、やっているのですが、あれをどんどん続けていただければ、今の小学生が国体が来るころには選手になってくるだろうと思います。ですから、今の小学校6年生と中学生か、その辺がインターハイの、北三県でのインターハイのときの主力メンバーになってくるだろうというふうなことがありますので、その辺も今続けられているようなことをずっと継続してやっていただければなというふうに思っております。

菊地校長
それと1つだけ御礼申し上げたいなと思うのは、県全体の財政はかなり厳しい状況の中で、私学関係にかかわる予算を最小限に抑えていただいていたことに関しては本当にありがとうございました。

達増知事
でも、これでもう満足とは思っていないので、じくじたる思いもあるのですけれども、そう言っていただけると救いになるところがございますけれども、今県財政は異常事態でありますから、何とかこの異常事態から脱却してよりよい財政を目指していきたいと思います。

閉会

和田教諭
もっともっとお話しをしたいのですけれども、そろそろ時間でございます。それでは、以上で県政懇談会「希望王国岩手放課後座談会」を終了いたします。どうもありがとうございました。

このページに関するお問い合わせ

政策企画部 広聴広報課 広聴広報担当(広聴)
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5281 ファクス番号:019-651-4865
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。