希望郷岩手放課後座談会(平成22年7月8日)懇談記録

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ページ番号1000968  更新日 平成31年2月20日

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  • 訪問学校:一関学院高等学校
  • 実施日 平成22年7月8日(木曜日)
  • 場所 一関学院高等学校

開会

小野寺教頭
それでは、皆さん、こんにちは。今日は、岩手県の達増知事、それから一関学院の教職員の代表の先生方、それからPTAを代表して役員の皆様、放課後座談会にご出席いただきましてありがとうございます。
私、本日の進行役を仰せつかりました教頭の小野寺啓一でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、ただいまより「希望郷岩手放課後座談会」を始めたいと思います。

知事挨拶

写真:放課後座談会の様子1

小野寺教頭
最初に、先ほどの授業で大変お疲れだとは思いますが、達増知事からごあいさつをちょうだいしたいと思います。よろしくお願いいたします。

達増知事
本当にもうヘトヘトになっておりまして、やっぱり授業をするというのは大変なことだなと思います。本当に1コマだけでヘトヘトになり、ちょっと腰にも来ているなという感じがしているのですが、あれを1日何コマもやり、かつ毎日やる先生方のご苦労は本当にすごいなと改めて思いました。
この教育という分野は、岩手県民の関心も非常に高いところでありまして、これをどういうふうに良くしていくかというのは、県民共通の課題なのでありますけれども、一方でなかなか生身の人間同士がやることで、かつその主役は年端もいかぬというか、未成年の子供たちでありますから、なかなかほかのいろんな行政の政策分野のように、こういう制度改革をすればこういう成果が出るとか、そういう割り切れる世界ではないという分野でもあります。今どういうふうになっているのか、どういうところに課題があるのかというようなことをきめ細かく関係者でわかり合いながら、そして着実に手当てをしていくようなアプローチがやはり大事だと思っておりまして、それで知事本人が授業のような格好で教室の中で生徒と触れ合ったり、また先生方やご父兄の皆さんとも直接意見交換する機会が大事だと思ってやっております。今日は、よろしくお願いいたします。

小野寺教頭
ありがとうございました。

校長挨拶

写真:放課後座談会の様子2

小野寺教頭
では、続きまして、本校の小野寺佳代子校長がごあいさつを申し上げます。

小野寺校長
皆さん、こんにちは。今日は、ご多用のところおいでいただきまして、大変ありがとうございました。
また、先ほどの出前授業におかれましては、うちの学校は元気とあいさつを売り物にしているわけですが、その割には、今日は大変緊張しているのかもしれませんが、何かよく聞き取れない分野もありました。大変失礼を申し上げまして、恐縮しているところでございます。
しかし、今日のこのステージというのは、具体像として、恐らく生徒一人一人に大きな糧として心に残ったのではないかなと、このように思っております。先ほど校長室で知事さんに申し上げたところですが、私も高校時代に、もし知事さんとお会いしていたら、何かしらまた別な生き方をしたかなと、こんなことを考えたりしているところでございます。
今日これからプレゼンのほうで学校の概要を説明いたしますけれども、本校は昭和13年にできた学校でありまして、向学心に燃える青少年の場として夜間中学がスタートであります。己に勝ち、まじめに努力するという、これをモットーとした精神のところでございます。その後幾多の変遷を経て今日に至っているわけでございますが、つい最近までは本校は一関商工といいまして、商業、工業を持つ学科といたしまして、実学中心の学校でありましたが、ここ数年進学者が増えまして、普通科一本といたしました。その関係上、名は体をあらわすということもありまして、一関学院高校と改名し今日に至ったところでございます。
ご承知のように、本校は私立学校であります。公立を押ししのぐ大いなる特徴がないとなかなか生徒が集まらないというのが現況でございます。では、その特徴というのは何だと。朝な夕なにいろいろ苦慮し、考えているわけでございますけれども、まずもって今はクラブ振興に力を入れて、クラブを通して人材育成をしようと。そして、まずもってあいさつ、礼法ということで、それを中心にやっているところでございます。
学校が求める生徒像というのがあるわけです。明るくあいさつをして、思いやりの心を持って、そして責任感が強く自分を切り開いていく生徒、これが本校が求める生徒像でありますけれども、現実問題として、この頃はどちらかというとパソコンをいじるとか、あるいは携帯電話をいじるとか、そういった能力には多分に才たけておりますが、どうも我慢する力、それから忍耐力、こういうことが年々劣ってきているのではないかなと、このように思っているところでございます。したがって、手っ取り早いのはクラブ振興、これを通して人材育成をしようと、こんなことを積極的にやっているところでございます。
幸いおかげさまで今のところは柔道、体操、それから陸上と3つがインターハイです。おそらく水泳も行けるようになると思いますが、今のところは3つの部が出場することになっています。これを通して、人間形成にと思っているところでございます。
今日は、知事さんがおいでいただいたということで、私は本当に生徒に灯をつけていただけたらと、こんな感じをしております。我々の使命というのは、生徒の心に灯をつける、これを何らかの形でやっぱり花を咲かせようと、このように思っているわけでございまして、今日は知事さんから色々と学びながら、ぜひいろんなお話を承れればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。大変ご苦労さまでございます。

小野寺教頭
校長先生、ありがとうございました。

懇談

小野寺教頭
さて、では懇談でございますが、懇談に入ります前に、本校の教育活動をスライドでご紹介申し上げたいと思います。約15分ほどお時間をちょうだいしたいと思います。ではスクリーンにご注目ください。

奥村教諭
教務部長の奥村と申します。よろしくお願いいたします。
それでは、スライドを用意しましたので、私の話だけではなんですので、スライドを見ながら説明をさせていただきたいと思います。
それでは、最初に先ほど校長からも話がありましたが、本校は昭和13年にできた学校です。夜間中学がスタートということで、今年で73年目を迎えることになります。その間、校名いろいろ変わりました。一番長いのが「一関商工高校」ということで、知事が高校のころも多分「一関商工高校」だと思います。実は野球で対戦していないかなと思ったら、対戦はしていませんでした。そういうこともちょっと調べてみたのですが、ありませんでした。その後普通科の学校ということで「商工」という名前を外して「一関学院高校」ということで現在に至っております。
校訓は、勤労、敬愛、協調ということで、これは創立当初からのものです。特にこの勤労というのは、当時夜間中学ということで、ほとんどの生徒が昼間働いて、夜学校に来るということで、それで最初に勤労というのが来たのではないかなと思います。本来は学校ですので、勤勉というのが来るのかなと思いますが、そういう経緯だと思います。
それからもう一つ、理念ということで「可能性への挑戦」。こちらは新しいもので、平成11年に前の前の校長になります。鈴木直先生が設定をしたものです。その間には、平成15年に通信制も併設をしております。
現在の学校ですが、普通科のみの学校になりました。以前は電子科とか商業科とか情報処理科とかという実業系の学科もあったのですが、世の中が普通科志向ということで、普通科ということです。ただ、中には5つのコースを設けて、生徒たちの希望に沿った編制をしているということです。定員は40人、7クラスの280名ですが、現在はスライドにあるような人数になっています。1年生と2年生は4クラス、3年生は5クラスということです。なお、通信制のほうもありまして、142名が今学んでおります。
それでは、その具体的な5つのコースについてご説明を申し上げます。コースは、基本的には希望制ということで、こちらで選択して試験とかで選ぶわけではなくて、基本的には希望した生徒はそのコースに入れるということになります。
まず最初に特別進学コースになります。これは、名前のとおり進学を目指す生徒たちが集まるクラスです。国公立、それから有名私大ということを目標に勉強しております。これは、結構古くて平成3年に進学コースという名前でスタートしました。当時ここで言えば一関一高を失敗した子が来ていまして、普通のクラスだとどうも勉強に向かない子も一緒に勉強しているということで、どうしても私は勉強したいのだということで校長室に来まして、直談判をしたようで、そこから、ではそういう子たちを集めて勉強するクラスをつくろうかということでできてきた過程があります。それが平成7年に今の特別進学コースというふうに名前を変えて、夕方、夜、3年生になると9時間目まで、6時半ごろまで課外をやるというふうな形で、もう1年生から進学に向けて課外をやっているクラスということになります。一部クラブをやっている生徒もいますが、ほとんどは課外を受けて勉強しているということになります。
校内でもほかの学校では多分ないと思います、進学指導部という特別な部をつくって、そこが中心になって指導しているということになります。
続きまして、総合進学コースです。先ほどの特別進学コースはどちらかというと勉強中心ということがありまして、クラブのほうはなかなかできないということで、勉強もやりたいけれども、クラブ活動もやりたいのだという子たちのためのコースということになります。あとは、なかなか高校に入っても最初から自分でこういうことをやりたいということが決まっていない子もおりますので、そういう子たちもこのコースに入って将来の道を探すというようなコースになります。
3つ目のコースです。ビジネス教養コースです。うちの学校は、もともと商業科が非常に盛んな学校でしたので、そこを科はなくなりましたけれども、普通科のほうに残したということでした。商業系ですので、資格取得がメーンということになります。結構目的を持った子が多くて、やっぱり資格取って就職したいという子が入っています。販売実習なんかもやっております。
4つ目になります。生活福祉コースです。これが一番新しいコースになります。今世の中で問題の福祉の勉強をさせたいということで、福祉中心のカリキュラムを組んであります。ただ、コースですので、特別な資格が取れるということではないですけれども、将来そういう仕事につきたいという子が集まっております。そのほかに生け花とか着つけの学習とか、そういうこともやっています。結構施設に行って実習することが多いクラスになっております。
最後になります。体育コースです。実は、コースとしては一番古いコースになります。一番最初にできたのが体育コースでした。とにかくスポーツをやりたい、運動が好きだという子たちが集まってくるコースです。先ほど校長のほうから話がありました、強いクラブの子たちはほとんどがこのコース、野球、陸上、柔道のトップ選手はほとんどがここに入っております。

達増知事
A組がそうなのですね。さっきの3Aの生徒なんかがそうなのですね。

奥村教諭
そうですね、クラスの名前としてはA組がそうですね。

達増知事
はい。

奥村教諭
実は、このコースは非常に人気が高くて、希望しても入れない生徒が毎年いるということで、一番人気のあるコースになります。
この5つのコースがありますが、先ほどの特進コースと体育コースに関しては、入学当初からそのコースに所属します。ほかのコースは、1年生はみんな同じ勉強して、2年生から自分の進路に合わせてコースを決めるというふうになっております。先ほどのとおり、クラスは4クラス、5クラスですので、普通はクラスが1つのコースなのですが、クラスによっては2つのコースが一緒に勉強している場合もあると、その時間によって移動してということになっています。
それでは、次は進路になります。進学のほうは、昨年は全員希望の学校に入りました。ここに表示したのは延べ人数になります。それから、就職は1人かな、最後に決まらなかったので、ちょっと100%にいかなかったですけれども、例年ほとんど100%決定して卒業していきます。以前は実業系の高校でしたので、就職の生徒が非常に多かったのですが、ここ数年進学の生徒が半分を超えるようになってまいりました。国公立にも毎年数名合格をしております。
では、次は学校生活のほうをご紹介いたします。本校ではいろんな学校行事あるのですが、大きいのは3つ行っております。以前はもっとあったのですが、週休2日制になって、昔はマラソンとかあったのですが、この3つがメーンの行事になりました。
クラスマッチですね、これは。クラスマッチは、基本的には近くに一関の運動公園がありますので、うちのグラウンドもあるのですが、高速道路の山の上にありまして、ちょっと遠いので、移動するのが大変だということで、近くの運動公園を借りて行っております。
それから、学院祭、ほかで言う文化祭になります。今までは隔年開催ということで1年置きに開催していましたが、今年から毎年開催することになりました。せっかくの生徒たちが頑張る行事だということで、その方向で今年から実施するようになりました。うちの学校の場合、結構頑張ってクラスごとにテーマを決めて展示をしますので、結構見ごたえのある展示があります。
それから、12月には、これ2年生になりますが、修学旅行です。一時期海外に行っていた時期がありましたが、例の同時多発テロで危険だということもあるし、搭乗手続とかいろいろ不便なことも出てきまして、それ以降国内に戻っております。今年は沖縄、昨年は長崎、関西ということで、毎年その学年で考えて、北に行くことはないですが、南のほうに行っております。
それから、クラブ活動です。世間ではというか、自分たちもクラブの強い学校だと自負しておりますし、それで定着している学校だと思いますが、主なところを紹介したいと思います。
まずは、野球部です。甲子園には7回出場しております。夏5回、春2回ということで、昨年も県では優勝したのですが、残念ながら選抜には行けませんでした。甲子園での成績を見たのですが、3勝7敗ということで、行けば1回は優勝しない限り負けるので、3勝できているというのはいいのではないかなと思います。去年ですか、花巻東がいっぱい勝ちましたけれども、それまでは甲子園に行って勝てるのは一関学院かなという話も伺っていた時代も私はあったような気がしますけれども、今年もまた甲子園をねらっていると思います。
2つ目です。陸上競技部です。一番うちの学校としては輝かしい成績をおさめているクラブかなと思います。特に全国で3回入賞しているということで、非常に全国的にも名前の知れているクラブということになります。先日男鹿で駅伝がありました。そのときも3位ということで、仙台育英と青森山田には負けたのですが、報徳とか佐久長聖には勝ちまして、3位ということで、今年はもしかして全国制覇も近いのではないかなというふうに思っております。
なお、全国大会のときに、「パタパタ応援」と私たち言っているのですが、折り返し地点に場所を取って、県の宣伝をさせていただいています。あの場所を取るのは毎年ビデオを研究しまして、あそこが一番映りがいいだろうということで、場所を考えて朝から場所取りをしてやっているということです。なお、よく聞いていただければわかるのですが、校歌もあそこでうたっているのですね。わかっている人は、あっ、聞こえているなということ、マイクの近くで一生懸命歌っているのですが、ぜひ今年は聞いていただければと思っております。
それから、男子2つ言いました。今度は、女子バスケットボール部です。こちらは最近非常に強くなってきたクラブです。全国大会の常連になりつつあるのではないかなと思われます。今年は、残念ながら高総体では試合に負けてしまって準優勝だったのですが、今ウインターカップのほうに向けてまた力を入れ直しているということです。
それから、柔道部です。最近こちらも着実に力はつけております。インターハイにも今年出場することになりました。まだちょっと団体でというまではいかないのですけれども、個人のほうは着実に力をつけております。近いうちに団体での全国出場もあるのではないかなと思っております。
そのほかにも、今年は体操の個人総合で優勝してインターハイ出場が決まりました。それから、水泳同好会でも個人で背泳ぎで、今度東北大会をやって、そこで勝たないでインターハイがない種目ですので、勝ってくれるのではないかと思って期待をしております。
以上、私のほうから本当に簡単でございますけれども、学校の概略を説明させていただきました。以上で終わらせていただきます。

小野寺教頭
奥村先生、ありがとうございました。
それでは、次第に沿ってまいります。
次は、懇談ということでございますが、ここからは座ってお話をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、初めに自己紹介をお願いします。恐れ入ります、校長先生から時計回りに、さわやかに短めにお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

小野寺校長
では、名前だけ言います。校長の小野寺佳代子です。よろしくお願いいたします。

佐藤教頭
教頭の佐藤功といいます。18年間、実は知事と同じ盛岡の出身なのですけれども、4年ほど東京の大学に行って、あとは39年この地におりまして、どこがふるさとかわかりませんけれども、体育教師で頑張っております。よろしくどうぞお願いいたします。

奥村教諭
教務主任の奥村と申します。
私もなぜか4年ではなくて5年間盛岡に住みました。しかも、盛岡一高の野球部のグラウンドのマウンドのところのアパートにずっといましたので、ちょうど盛岡一高の様子は常に見ておりました。よろしくお願いいたします。

橋野教諭
通信制課程の室長をしております橋野と申します。よろしくお願いします。通信制、今年で8年目ということで、先ほど説明の中身にも少しありましたけれども、何とか、あと資料をこちらのほうにちょっと準備しておきましたけれども、142名ということで何とか学校にいろいろいろんな状況がある中の対応をしたいということでやっております。よろしくお願いします。

小野PTA会長
PTA会長を務めております小野眞慈と申します。よろしくお願いいたします。息子が、今特別進学コースで今受験に向けて頑張っております。先ほどお話ありましたけれども、応援団にも所属しておりますので、毎年京都に行って、あのパタパタ応援をしております。地元の恒例行事として新聞にも載っています。今日は、よろしくお願いいたします。

小山田PTA副会長
副会長をさせていただいております小山田です。息子が3年生で野球部に所属しておりまして、そっちのほうは主人が父母会で副会長を担当しています。今話の流れなのですが、私も盛岡出身で、三ツ割の出身です。よろしくお願いします。

桂田PTA副会長
2学年の副会長の桂田千枝子といいます。みんな盛岡関係だったのですね。私は、生まれも育ちも一関です。よろしくお願いします。

沼倉PTA副会長
1学年のPTA副会長をやらせていただいています沼倉美香です。今日はよろしくお願いいたします。娘が今年こちらのほうに入学してお世話になっております。よろしくお願いします。

千葉教諭
3年生の担任をしております千葉宏文と申します。よろしくお願いいたします。3年生は、これから進路に向けて正念場というところでありますので、進路実現に向けて頑張りたいと思います。よろしくお願いします。

菊池教諭
男子寮で学生寮の舎監をさせていただいております菊池と申します。よろしくお願いいたします。校長のほうからもお話があったとおり、現在学校でクラブ活動に力を入れていただいていまして、昼間は学校に勤めながら、生徒たちと関わりまして、夕方からは公式野球部のコーチとして、そして夜は現在は公式野球部の生徒だけになってしまったのですが、寮のほうで生徒たちと関わりを持ちながら、教員である前に一人の兄貴的存在として生徒の模範となれればなと、そういう気持ちで頑張っております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

佐々木教諭
進路指導を担当しております佐々木と申します。私の母は、実はこの商工時代の卒業生でありまして、そのことがあったわけではないのですが、偶然私もその学校で勤務することになりました。特別進学コースの担任をずっと10年連続やっておりまして、今1年生の担任をしております。よろしくお願いします。

小野寺教頭
今日の進行係、もう一人の教頭、小野寺啓一でございます。私、教頭ですが、週3時間だけ授業を担当しております。科目は生物でございます。知事はさっき1コマでも大変だったとおっしゃいましたが、私にとって授業は本当に楽しくて、ストレス解消にもなる時間でございます。もっと多くてもいいなということをこの頃感じております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、進めてまいります。
このテーブルの配置から、大体3つのグループに分けられるのではないかと思います。
初めに、PTAの役員の皆さんからお話をちょうだいいたしまして、その後で知事から質問、ご意見等、ご感想などちょうだいしたいと思います。そういう進め方でよろしゅうございますか。

達増知事
はい。

小野寺教頭
それでは、初めにPTA会長の小野さんからお願いいたします。

小野PTA会長
よろしくお願いいたします。子供が1年生のときからPTAに携わってきたわけですが、先ほど授業で知事からいろいろお話がありましたけれども、父兄の方々も子供さんが小学校、中学校の時には学校に来て、先生方と会話したり、諸行事に出てきたのですが、高校になりますと、義務教育から離れたということや、思春期で子供たちも親が学校に来ることを望まないということもあって、父兄が学校の先生方と話をするという時間が少なくなるなということを肌で感じます。毎年三者面談が開かれ、進路のことに関して話し合うわけですが、そのときの20分ほどしか担任とお話しした事がなかったという方もおりまして、先生と意思疎通ができていないのではないかなというふうに感じております。
それで、どうしたら良いかと考えました。本校には各クラスに理事がおりまして、理事の上に副会長がいて、会長がいるというシステムになっているのですが、そのクラス理事一人一人がクラスの懇談会、そういったものを開いて、とにかく担任を囲んでいろいろな話し合いをする場を設ければ、意思疎通ができるのかなと考えておりますが、実際なかなか機能していないのが現状です。どうしても自宅が遠いということや、部活動の問題がありまして、集まりにくいわけです。学校側からも、幾らかの補助金を出していただいているので、何とかこれを活用して、やはり先生方と、親がいろいろお話ができるようにしたいと思っています。
私立高校の良さというのは、先生方が定年までいらっしゃるということなのです。ということは、子供さんたちが卒業した後でも、親が先生に相談したり、思い出話ができる機会がもてます。そういう私立高校の良いところを活用していくためには、先生方との共通の話題とか、話し合う場を持つことが大事だと思います。そこで声がけをしてくれるクラス理事に、積極的にクラス懇談会を開くようにということで進めているところです。
また、最後になりますけれども、文化祭等におきましても、子供たちが一生懸命企画をしてつくる展示物を、父兄の方が見に来ないということもあります。もう少し気楽にたくさんの方においでいただいて、子供たちのいろいろな動きを、生で見ていただきたいなと思います。とにかく先生方とPTAと、子供たちが三位一体になって、本当にいい意味で盛り上げていくことが大事だなということを感じて、これから文化祭もありますし、諸行事もありますので、それを推進していきたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。

小野寺教頭
会長、ありがとうございました。保護者との対話、意思疎通をもっとということをお話しいただきましたし、私立学校の良さとして、我々が定年まで学校に勤めている、生涯生徒さんともつながりを持っていくことができるというお話でありました。はい、ありがとうございました。
それでは、続きまして、副会長の小山田さん、お願いします。

小山田PTA副会長
うちは一人息子なので、今までは100%この子のためだけで生きてきたのですが、失敗ばかりでした。でも、ほかの親御さんは2人、3人と育てていらして、それだけでもすごいなとまず感じています。
ただ、今学院に入って、我が子のためから野球部の役員になって、野球部の部員80人が我が子になって、そして今はPTAの役員で、図々しくも全校生徒392人が我が子になって、この子供たちの笑顔を見るために私にできることはないかということを考えながら、PTA活動をしています。
あと、息子が中学校3年生のときに、進路を決める時期に、うちは果樹専業農家なので、本当は農業高校にということも考えたのですが、息子が小学校のときに甲子園に行きたいと、それで小学校のときの卒業式に監督たちと握手をしまして、甲子園に連れていくと約束をしまして、将来は戻ってきて監督になると約束をしたのです、その監督たちと。なので、母校の小学校の監督たちも帰ってくるのを楽しみにしていてくれるのです。その夢を叶えるために、そのときから、壁に「両親を甲子園に連れていく、それがおれの親孝行」というパネルを、パネルというか色紙を壁に張っていまして、それを叶えるために農業高校ではなく一関学院さんにお世話になることにしました。やっぱり一人息子なので、農業を継いでもらわなければ困るので、高校を終わったらば、金ケ崎にあります農業短期大学校という農業の専門の学校があるのですが、そこで最新の農業を勉強して、そしてから、そこを終わったらば北上の園芸試験場でもっと勉強をするようにそっちに入ってもらってから、そうしてから、そこが終わってから地元、うちに帰ってきて、一緒に家族と農業をしながら、その小学校のコーチから始めて監督がそのままできればとずっと小学校からの夢が全部つながるかなと思って、それを楽しみにしています。
あと、この学院に入学してよかったことは、子供と先生と親のこの3つがすごく仲がよくて、学院ファミリーという言葉があるくらいなのです。ですから、息子も私もこの学院に入れてとても幸せだったなと感じています。
以上です。

小野寺教頭
はい、ありがとうございました。
野球部の友の会の役員もなさっていて、80名の部員がいるわけですが、全部が息子のようだとおっしゃっていただき、本当にありがたい思いがいたします。息子さんの野球との出会い、それから将来の展望、仕事も受け継いでということで、学院ファミリーとおっしゃっていただけるのは我々教職員も大変ありがたいなと思います。励みになるところです。ありがとうございました。
では、続きまして、同じく副会長の桂田さん、お願いいたします。

桂田PTA副会長
今週三者面談がありまして、2年生になって初めての通知票をいただきました。平均点の高さから、本当にみんな一生懸命勉強を頑張っているなというのを通知票の中から感じ取ることができました。また、これも毎日先生方の指導のもと、みんな頑張っているなというのをすごく感じまして感謝しております。
あと、先ほどスクールセッションの会場にもうちの子供もいたのですけれども、3年生が引退してから2年生が主体となって部活動にも力を入れて頑張っております。次男なのですが、小学校のときから兄弟3人、3人兄弟の一番下なのですけれども、兄弟3人でずっと柔道を続けておりまして、毎日練習や、あとは遠くまで、関東の方面まで行くのですけれども、遠征とかを続けて、みんなで頑張ってきた成果が実ったのだと思うのですけれども、今年の高総体では同級生が2人、48キロ級の女子と男子で81キロ級の子が一緒にインターハイに行けるということで、本当にともに練習をして頑張っている姿って、またそれを支える仲間、先生、コーチ、また父母会というみんなで支え合ってかち取った全国大会だなと思って、すごく嬉しく思っています。
今年のインターハイは沖縄と聞いておりましたので、ちょうど2年生は修学旅行に沖縄に行くので、インターハイに行ける子は2度楽しめるのかなと思って、いいなと思いながら……

達増知事
あそこは、何回行ってもいいところですからね。

桂田PTA副会長
そうですよね。なので、すごくいい思い出になるのだろうなと思っておりました。
あと、今就職が、三者面談のほうでもすごく就職が厳しい時代だということで、担任の先生と、また親と子供と行ったときに、「進路は」と聞かれたのですが、やっぱり就職したいとは言っているのですが、この現状を踏まえますと、就職というのもすごく厳しいなと。もっともっと頑張らなくてはいけないなと思うところで、就職と言いながらも、やっぱり専門学校や、またその上の大学進学というところももう視野に入れながら、また就職活動もしていかなければいけないかなというのを感じております。
ちょうど今お世話になっているのが次男なのですが、5年前には長男もこちらの学校にお世話になりまして、先ほど会長がおっしゃいましたように、先生方がもうずっとここにいらっしゃるということで、長男もずっと柔道を続けておりました。なので、卒業後も母校に気軽に、また担任の先生とか、今いらっしゃる先生とかを訪ねてきて、自分の悩みだったり、また部活動に参加して、後輩たちに指導したりというところ、自分の行く場所があるというところを、卒業してもそういうところがあるというのがすごく子供にとって嬉しいことだなと。公立ですと、やっぱり先生は転勤してしまって、じゃ、いざ学校に遊びに行っても、自分の知っている先生がいないというところ、ちょうど真ん中の娘が公立なものですから、私立の良さと公立のというところもちょうど学ぶことができたのですね。それで、やっぱり学院のほうにお世話になりまして、兄弟3人柔道やっているので、兄弟3人が同じ話題というところも、男の子、女の子関係なく話せるというのも、すごく今の核家族とかの中で得るものが大きいなと常々感じております。こちらの学校にお世話になって良かったと本当に思っておりますので、これからもよろしくお願いします。ありがとうございます。

小野寺教頭
はい、桂田さん、ありがとうございました。
ご兄弟3人柔道部で、同級生がインターハイに行った喜び、本当にありがとうございます。あとは就職の厳しさ、それは現実だと思います。進学も視野に入れながら、これから判断していかなければならないという現状、確かにそのとおりだと思います。ありがとうございました。
それでは、最後にもう一方、副会長の沼倉さんからお願いいたします。

沼倉PTA副会長
よろしくお願いします。
今年度、1年生133名は無事に入学式を迎えることができました。入学から早3カ月がたちますが、県内外からの子供たちが入学をし、中学校とは違う環境の中で不安と希望の中で体調を崩す子もいたようです。その中に私の娘もおりましたが、学校生活では先輩との対面式から始まり、部活動決定、高校総体、クラスマッチ、第1期期末考査と目まぐるしい3カ月だったと思います。そんな中で、初めてのクラスマッチでは、クラスの団結のもと、素晴らしいクラスTシャツですか、これをつくり上げました。また、高校入学してからの大きなイベントの中では、高校総体では1年生ながらにも活躍した子供たちもおり、どんどん一関学院を守り立ててほしいなと思います。
話は私ごとになりますが、小学校から体操を始めた娘ですが、中学校では昨年全中総体に出場することができました。高校に入っての目標として、来年度北東北3県のインターハイがこちらで開催されることになっています。その夢の前に5月に開催された高総体では、沖縄インターハイの切符をつかむことができました。ぜひそのインターハイではよそのたくさん上手な選手の演技を見て、自分の演技の参考にしてほしいなと思います。その演技を参考にし、次の大会にはまた良い成績がとれればいいなと思っております。
最後になりますが、卒業生の父兄の方からお話がありましたが、一関学院の先生たちは、子供たちの進路についても最後の一人になるまで親身に指導してくれるというお話を聞きました。私は、娘をこの学院に入学させて本当に良かったなと思っております。
簡単ですが、これで終わらせていただきます。

小野寺教頭
はい、ありがとうございました。入学から3カ月のご感想も交えてお話しいただきました。娘さんが、体操部でインターハイに出場できるのですね。おめでとうございます。
さて、PTAの役員の皆様のお話を伺いましたが、ここで知事からご質問、ご意見、ご感想などございましたらお願いしたいと思います。

達増知事
最初の学校概況説明のところで就職について、まず大体希望者が決まったということで、世の中全体としては非常にやっぱり厳しくて、岩手においても厳しいのですけれども、一方で働き手を望む会社というのはあちこちにあることはあって、なかなかそのマッチングがうまくいかなくて決まらなかったりということも多いので、そこは本当に先生方のご努力なのだと思うのですけれども、かなりいい線いかれているのかなというふうに思います。
あとは、そうですね、これ一般論なのですけれども、親御さんもやっぱり地元にどういう会社があるかとか、先輩がどういう会社に入っているかとか、そういうのを早目早目に勉強しておくといいのだと思います。ついテレビでコマーシャルやっているような何か有名企業とかをいいのではないかと思うのですけれども、本当にうまくいっている会社は、もうコマーシャルなんかやらなくてもいいくらいいいものをつくって出荷しています。安定して成長しているような会社はかえってコマーシャルを出したりしませんので、そういう知られざるいい会社が岩手には結構あるので、県もそういう知られざる優良企業をまとめてパンフレットにするとか、いろんな工夫をしているところなのですけれども、そういうのを先生方も含め、みんなで勉強し、県からすれば、一般県民の皆さんにもそういうのを知ってもらって、それで岩手県内で、では、あそこに就職するのを目指そうというようなのは常に高まっているといいなと思っていますので、そういうふうにしていければいいのではないかと思います。
それから、やっぱり全国大会、甲子園とかインターハイとか行くようなところは、遠征とかもあって大変なのですね。そこは、ご家族の皆様も大変なのだと思います。さっき授業で中学校と高校は違うというのを高校生たちには、もう高校は半分大人だというふうに言ったのですけれども、ただ大人からすれば、まだまだ子供なわけで、いろいろ手間がかかるし、やっぱり見てやらないと伸びなかったりもしますから。そういうのは親御さんの皆さんも大変なのだと思うのですが、そこも学校側もクラブ活動の伝統がしっかりあるし、いろいろ確立していて安心感を持って協力してやれるのだと思います。ぜひその調子でやってほしいと思います。

小野寺教頭
ありがとうございました。
それでは、今度は本校の教員からお話しいただきたいと思います。
初めに、佐藤教頭先生、お願いします。

佐藤教頭
それでは、39年間この本校に教員として携わってきました。
1つは、さっき話したように、私は体育教師でございまして、陸上部の連覇した話の中に1つつけ加えておきますのは、選手諸君がやっぱりみんな岩手県の選手だと。よくいろんなスポーツありますけれども、いろんなところから来てってありますよね。それがうちの監督は、とにかく岩手県の隅々から強いところにでも勝てるのだということで、入賞ラインに持っていって、特に今年の12月は入賞を確実にするというような形でさっきもいろんなところで成績を上げているという話をしていました。
あともう一つは、やはり来年度、北東北3県でのインターハイがあるということで、岩手県では10競技ありまして、各クラブがそれに照準を合わせて、その中に体操も、沼倉さんのところの娘が来て、特に地元なものですから、順調に仕上がってきているというような状況であります。
あともう一つ、私は生徒指導部をずっと8年ぐらい部長という形でありまして、1つ学校の宣伝という形になるのかなと思ったりするのですけれども、入学をする子供さんたちの中に、特にここ十数年不登校の子供たちが非常に多くなってきました。そういう子供たちが本校でもそういう指導していまして、特に入学式前に激励会というのをやっていました。入学式の3日か2日ぐらい前に、ちょうどこの場所なのですけれども、ご父兄と一緒に来てもらって、そしてあまり先生方も立ち会えないのです。校長が最初にあいさつして、それからあとは担当の先生2人ぐらいで接触して、そして作文指導とかいろんな面接をして、半日ぐらいで終わるのですけれども、学校の中を見学させて、そして自分の教室も見たり、そういうふうにして、事前にして入学式を迎えるというようなことをやって、全部が全部成功したとは言えないのですけれども、今年は8名の子供たちがいまして、今現在8名の中に1名だけ、やっぱりちょっと学校にまだ来れないというのがありまして、この問題がうちの私学だけではないのですけれども、一応30日ぐらいの欠席を持っている子を不登校という形でして、今各中学校さんや高校さんで指導していますけれども、本校でもこの不登校に対してはそういう角度から指導して、ぜひ高校生活を送って卒業させたいなと、こういうので、この件もちょっとお話ししておきたいなと思っております。
以上です。

小野寺教頭
はい、ありがとうございました。
それでは、奥村先生は、後で時間があれば伺います。済みません。
では、続いて通信制課程の室長、橋野先生お願いします。

橋野教諭
私は通信制勤務ということで、開設8年間ですけれども、最初から携わってきました。知事の先ほどの授業の中でも中東北といいますか、そういう意味では、この一関学院に通信制ができるときなのですけれども、盛岡には杜陵高校ありまして、仙台にも仙台一高の通信制、その中にはなかったのです。ちょうどそういう意味ではこの中東北といいますと、仙台と盛岡の中間点ということで宮城県北、岩手県南、この地域の生徒の需要ということで開設したということで、当初は表にもあるのですけれども、初年度49名の入学生ということでスタートしまして、年々おかげさまで生徒は増えてきているというところにあります。
徐々に思うのは、最初は通信制ってどんな学校なんですかなんていうことで、やっぱり皆さん余りまだわからない部分が多かった感じがします。しかし、最近はいろいろと通信制も認知といいますか、皆さんわかるようになってきまして、徐々にそういった質問はなくなってきていると思います。そういう意味では、あといろいろ不登校であったり、学校に行けないということで悩んでいる方、ほかにもまだあるとは思うのですけれども、そういう意味では何とかそういう方、生徒の学びの場ということで、もう一度立ち直るきっかけであったりとか、そういう形でフォローしていきたいなということで今やっています。
私自身で最近ちょっとどうかなと思うのが、やはりいろいろ地元の学校以外にも出てきている広域通信制といいまして、本部が東京のほうにあるような学校であったり、そういう学校も岩手県の中に出てきているという状況になってきていましたから、何とか地元の子供たちを私たちでバックアップしていきたいなという気持ちで、負けないで頑張っていきたいなということで考えて今やっておりました。

小野寺教頭
はい、ありがとうございました。
では奥村先生、いかがでしょうか。

奥村教諭
いいですか。

小野寺教頭
はい。いいですよ。

奥村教諭
実は、私今教務主任やっているのですが、その前はずっと進学指導の担当をやっていました。先ほどの進学指導部ができたときからずっと担当でおりました。それで、今、年をとったのか何かわかりませんが、ちょっと感じていることがあるので、お話をしたいと思います。
今高校生というのは、二、三十年後、社会の中心にならなくてはいけない子たちなので、そのための勉強を今やるというふうに私考えているのですが、昔の子たち、特進ができた頃の子たちは上昇志向があったのです。上を見て、例えば点数でいえば、100点をとりたいというふうな目標を持って勉強している子が非常に多かった。ところが、最近心配なのが目標が赤点をとらないという目標に、何か下を見るような形に変わってきているなと。何かこれが結局小学校、中学校から競争というか、そういう場面があまり少ない部分があるのかなと。例えば高校入試も今結構普通に入れますし、特に落ちる生徒が少なくなっている。そうすると、頑張って上を目指さなくてはいけないのではなくて、自分よりちょっとあの子が落ちるから大丈夫かなみたいな、下を見て勉強でも何でも生活している子が何か増えてきたなというのが非常に印象が強いです。ですから、何か競争というのはどうしても欲しいのだろうなと。しかも、それが努力をして達成するという、そういう競争というのがやっぱり今の子たちにはなくて、しかもそのまま社会に出て競争の世界に出てしまうので、どうなのかなということが今実際入ってきた高校生たち見ていると、そういうのを非常に感じるのです。だから、それが私たち、私なんかは特に上を見なさいと、できるだけ自分が最大限努力して目指せる学校を受けさせたいと。今の力で受けれる学校ではなくて、最大限努力して受けれる学校を頑張りなさいということでずっとやってきたのですけれども、どうも楽なほうに動くような感じになっている。これは、むしろやっぱり今までの生育期というか、ずっとの生活のあれなのかなと思って一番心配しているところなのです。これがすべての生徒がそういうことで。
クラブをやっている子に関しては、やっぱりクラブで実績を上げてきたのがあるので、やっぱり上昇志向があるということで、ぜひ上を向かせたいなというのが今考えているところです。

小野寺教頭
ありがとうございました。
実は、そちらにお座りの4人の先生方は、本校の管理職級でございます。今の先生方のお話を伺って、知事、いかがでございましょうか。

達増知事
予備校だったか塾だったかのコマーシャルで、必死でやってぎりぎり受かるかどうかを、それが第1志望というやつじゃないかとかというコマーシャルがありますよね。そういう感覚が大事なのだと思いますね。
あとは、通信制というのはやっぱり大事な分野だと思っておりまして、定時制とか通信制とかというのは、やっぱりニーズがありますから、だからそこは本当、そういうニーズにしっかりこたえていただきたいなと思います。
あとは、沼倉さんが先ほど入学式、みんな揃ってとおっしゃったのは、なるほどそういう激励会など入学式前にやっていたわけですね。それはすごいことだと思います。本当に一人一人に対してきめ細かくケアしていくというのはすごいことだなと思いました。

小野寺教頭
ありがとうございました。
それでは、残り時間が申しわけありません、少なくなってまいりました。進行の不手際で大変申しわけありません。
あと、私の隣の三方でございますが、実は本校に勤務しまして、経験年数が真ん中の先生が3年、私の隣が11年、向こう端が25年という、それぞれの経験年数を踏まえたお話などを、済みません、ショートスピーチにならざるを得ないと思いますが、まとめてお願いしたいと思います。
それでは、良弘先生から。

菊池教諭
本日は、本当に生徒たちのために貴重な時間を使っていただき、授業をしていただいて、本当にありがとうございました。
先ほど奥村先生のほうからも競争心ということ、そして今日達増知事からの真剣勝負をしようという話を受けまして、私も野球部を預かっているものですから、すごくいいお話が聞けたなと思っているところであります。
それで、本校の素晴らしいなと感じるところは、私が今預かっている野球部もそうなのですけれども、いろんなところで一緒にいられるというところだと思うのです。例えば野球部の生徒は、野球部の生徒同士でずっと寮にいます。それで、今度学校に来ると、野球部の生徒プラス先ほど紹介していただいた体操部の生徒とか、柔道部の生徒、陸上部の生徒、そういった高い競争心を持った生徒といつも一緒にいます。クラブは、もちろんそういった生徒たちといることで、県内といっても、その地域によっていろんな文化の違いとか、そういったのがあって、同じ目標にみんな向かってはいるのですけれども、その中で生活観の違いというか、そういったところから、あれって思うところが出てくるのです。
寮生なんかでもそうです。朝絶対こういう生活でなければ自分はだめなのですよというような相談をしてくる生徒なんかもいまして、そういうところの生徒たちの間でのぶつかり合い、そういったところから各クラブの強さが生まれてくるのかなと。その現場に立ち会える私は非常に本当に幸せだなと感じながら生活をしているところであります。
よく寮で一緒だとか、あとはクラブで一緒だというのはほかの学校でも聞くところではあるのですが、同じ目的意識ごとに本当にクラスまで一緒にしていただいて、生徒たちは時に息苦しいことを感じることもあるとは思うのですが、その中で苦しい中で磨かれるからこそ本当の強さというのが各クラブで生まれてきているのかなと。ちょっとクラブのことが中心になってしまうのですが、そのように感じながら、私自身今生活しているところです。
今後もそういった本校の良さというのを生かしながら、各クラブを中心として学校生活というのを盛り上げていけば生徒たちの進路というのも見えてくるのかなという思いですし、それを支えるのが私たちの務めかなという思いで今生活をしておりますので、今後もそういった生徒の力添えとして頑張っていこうと思っているところです。
以上です。

小野寺教頭
はい、続いて、佐々木格先生。

佐々木教諭
先ほどお話ししたように、特別進学コースの担任をずっとしております。ご存じのように私立ですので、公立高校を第1志望にしていた生徒が本校に入学してくるというのもあります。担当しているコースは、なおさらそういう生徒が多いです。むしろ半分以上はそういう生徒たちです。
そういう中で、ある親子のことをお話ししたいと思うのですが、本校入学が決まったときに、生徒が、そのときは中学生ですけれども、中学校のときに勉強を余りしなかったために、学費が高い私学に行くことになってごめんなさいというふうに母親に謝ったそうです。私にも小さい2人の子供がおりますので、その学費のことで子供が親に謝るということがあっていいのかなと。学校関係者というよりは、一社会人として、ふと思ったことがあります。
華やかに見える運動部の生徒たちの多くは本校を第1志望で入ってきますけれども、先ほどお話ししたような生徒たちも地道に勉強なり、あとは生徒会活動とかやって、派手ではないのですけれども、頑張っております。ですので、ご存じだとは思うのですが、そういう生徒たちもいるということを心に置いていただければ幸いです。よろしくお願いします。

小野寺教頭
では、千葉宏文先生、続けてお願いします。

千葉教諭
先ほど自己紹介のときにも申し上げましたけれども、3年生の担任をしておりまして、今週、明日まで三者面談期間です。進路の確認について就職か進学かということを保護者と本人を目の前に今進めているというところですけれども、3年生の140人中50人が就職になっています。90人が進学希望ということで、面談の中では就職に関しては保護者から出てくる言葉は、「就職ないですよね」ということで、「少ない」ということで訂正はしていますけれども、「少ないです」と。進学についても、保護者から出てくるのは、「本人が進学したいんだけれども、うちはどうも大学には入れさせられないよ」というようなことで、なかなかこの先の進路について不安が大分親子ともども持っているということがあります。私は奨学金の係もしているので、大学予約奨学生の申し込みを先週すべて終わりましたけれども、学校に行きたいのに、やはり家庭の状況により上の学校の大学に行けないという状況がありまして、最大で奨学金は有利子と無利子で月々18万円まで借りられるのですけれども、その最大奨学金を使っても私は大学に行きたいので、何とか行かせてくれと。でも、あなた今私立高校に行っているので、私立高校の授業料を払うだけでいっぱいなんだよなんていうふうに親が言ったりして、なかなか本人の希望と、さっき知事さんがおっしゃいましたけれども、職業とのマッチングという言葉も使っておりましたけれども、自分の希望と、やはりなかなか経済状況もこういう情勢ですので、家庭の状況も合わないということで、この先すべての生徒が進路の希望をかなえて卒業してもらいたいというのが今これからの願いということで、ぜひ実現せさてやりたいなということは今強く思っている次第です。

小野寺教頭
ありがとうございました。
それぞれの先生方から今の悩みと申しますか、課題でのところのお話になったと思います。
では、知事から、いかがでしょうか。

達増知事
今年3月卒業した高校生たちで卒業までに就職決まらなかった人というのが全県で結構いて、その後ハローワークや市町村や商工会議所や、そして県といろいろ手分けしながら、卒業した後でまた就職できるようないろいろ情報の機会を設けたり、ちょっとした訓練、トレーニングとかやるのを設けたりとかしているのですけれども、それでもまだ夏になっても決まらない人たちについては、県も50人くらいの枠で、もう県が雇うと。ただ、それはずっといつまでもということではなくて、半年、基本的には半年間で、県で働いて給料をもらいながら、やっぱり別の就職先を探しましょうというやり方なのです。これは、もう今までやったことがないようなことなのですけれども、そこまでしないと就職問題が深刻なのでだめなのですが、私はその50人の人たちを、いわば選ばれたエリートといいますか、こういう世の中全体の歯車がきちんとかみ合わないでこういうことになっている、あなた方が悪くてこうなっているわけではなく、そもそも日本が20年間ゼロ成長だということが異常なことでありますし、そこに輪をかけてリーマンショックみたいな、世界同時不況みたいなものが起きて、そういう世の中全体、そういう世界経済に対しても力を合わせて戦っていく最前線に立っているのだよということで励ましながら、決して雑用ばかりやらせるのではなく、かえって何か企画系の仕事もやってもらって、誇りを持って次のステップに進められるようにしていきたいなと、こう思っているのですけれども。
ただ、やっぱり就職、進学含め、今までにない厳しい曲面なのですが、そこは本当にみんなが力を合わせて乗り切らなければならないし、また乗り切れないとしても、それがトラウマにならないように、むしろ乗り切れなかったことも将来の役に立つような経験と、こうなっていくようにみんなで工夫しなければならない曲面なのだと、こう思っていまして、県もいろんな仕組みを工夫して、乗り越えられるような策はいろいろ講じていきますけれども、まずここは本当みんな頑張りどころなのだなというところであります。

小野寺教頭
ありがとうございます。
それでは、長時間にわたりまして、ありがとうございました。まだまだ話し足りないところもたくさんおありだとは思いますけれども、時間に制約がございますので、この辺でそろそろ閉じたいと思います。
今日、1時過ぎに達増知事がおいでになって、かれこれ3時間になろうとしております。最後に、今日の学院高校での3時間を振り返って、達増知事に簡単におまとめをいただきまして、終わりたいと思います。

達増知事
大分雰囲気にもなれてきて、どこに何があるかもだんだんわかってきたところなのですけれども、これが最後ではありませんで、今日と同じような形でこういうことをすぐやるということは予定には全然ないのですけれども、また何かあればいつでも県のほうなり、あるいは私に直接でも構いませんので、言っていただければいいと思いますし、本当にそれぞれ担当ごと、あるいは分野ごとに生徒一人一人の自己実現をみんなで協力してやっていくという伝統に裏打ちされた体制ができているということがよくわかりましたので、この調子で校長先生初めぜひぜひ頑張っていただきたいと思います。
今日は、ありがとうございました。

小野寺校長
最後に私のほうから。

小野寺教頭
お願いします。

小野寺校長
今日は、本当にご多用なところをありがとうございました。
2つ感謝を申し上げたいと思います。実は、PTAのほうでございますが、一昨日キャリア教育ということで、私が幼稚園から大学までの校長先生方を対象に発表したわけでございます。大変受けたわけです。受けたというのは、私の発表がいいわけではありません。実は、その発表を聞いていたある小学校の校長先生が、この発表に対してすごく大きな声で、大変感謝のお話をされました。それは学院の生徒はあいさつがいいということです。「生徒が立ち止まって相手の目を見てあいさつする。こんな立派なあいさつはない。」というものでした。もう一つは、学院の関係者が理事として、PTAの役員として関わっているのだそうですが、学院との関わりについて自慢をして、積極的にやっていただいている。ということに大変感謝の意を述べておられました。私としては大変嬉しく思ったところです。
それから、知事さんのほうでございますが、実はいつもテレビを通して知事さんとお会いしていたわけですが、今回のこのチャンスをいただき、直接お会いできて大変嬉しく有り難く思っています。その1つは、知事さんの尊敬する人物が新渡戸稲造先生だということですね。私も、「武士道」であるとか、あるいは「永遠の青年」とかを読んで尊敬する人物のお一人です。浩然の気を養うというところにも、共通点があり大変感動し、心打たれたところでございます。
今日はいろいろ準備が不十分なところもありまして、ご迷惑をおかけした点もあったかと思うのですが、ぜひもう一回チャンスをいただいて、そしていろんな意味でまた知事さんにおいでいただいて、ご指導いただければ大変ありがたいなと思っております。
いずれにせよ、私達の使命は生徒の心に灯をつけることです。そんな意味で、本日のスクールセッションが生徒にたくさんの発火剤になったことと思います。
今日は、本当にありがとうございました。

達増知事
ありがとうございました。

閉会

小野寺教頭
それでは、以上をもちまして、「希望郷岩手放課後座談会」を終了いたします。皆様どうもありがとうございました。

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