7 退職してくれないかと言われた。

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ページ番号1015770  更新日 平成29年8月3日

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 先日、社長から、「会社の経営状況が厳しいので、退職してくれないか。」と言われました。その場で「退職したくない」と伝えましたが、今日、また、社長から退職を求められ、困っています。私に対して退職を求めることを止めてもらいたいのですが、どうすればよいでしょうか。

 本事案では、社長が、労働者側の自由な意思による退職を勧めているものと考えられます。社長の勧めにしたがって退職するか否かは労働者の自由です。

 退職を求めることを止めてもらう方法としては、まず、社長に対し、(1)勧めに従って退職する意思はないこと、(2)以後、退職を勧めることは止めてほしいことを明確に(場合によっては文書で)伝えることが考えられます。
 なお、社会的相当性を逸脱した態様で半強制的ないし執拗に退職を求められた場合には、違法な行為として、会社に対する損害賠償請求が認められる可能性があります。

 ことさらに多数回あるいは長期にわたり労働者に退職を求めることは、正常な交渉が積み重ねられていくのでない限り、いたずらに労働者の不安感を増し、不当に退職を強要する結果となる可能性が高いことから、会社側の行為の違法性を判断する際の重要な要素となります(最一小判昭和55年7月10日 下関商業高校事件)。

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