【開催レポート】「知事といわて暮らしアンバサダーとの意見交換会」を開催しました!

県の社会減対策や移住定住推進施策について意見をお聴きし、今後の施策の参考とするため、知事といわて暮らしアンバサダーとの意見交換会を開催しました。
その内容をご紹介します!
1 開催概要
開催日時
令和8年5月27日(水曜)15時15分から16時30分まで
開催場所
ヘラルボニー旗艦店 ISAI PARK(パルクアベニュー・カワトク内)
出席者
(1)いわて暮らしアンバサダー
漫画家 そのだ つくし 氏
タレント 天津木村(木村 卓寛) 氏
(2)県側
達増 拓也 知事
中里 裕美 企画理事
西野 文香 環境生活部長
阿部 博 商工労働観光部長
下川 知佳 商工労働観光部定住推進・雇用労働室長
(3)司会者
名久井 麻利(フリーアナウンサー)
2 意見交換概要
開会
<司 会>
本日は、知事といわて暮らしアンバサダーとの意見交換会ということで、『「いわてで働き、暮らす」ことの魅力とは~』というサブタイトルで進めてまいりたいと思います。
アンバサダーのお二人も、御多用の中御参加いただきまして本当にありがとうございます。
私は盛岡の出身で、今は仙台におりますので、外から地元を見た立場として司会をさせていただきます。名久井でございます、よろしくお願いいたします。
そして今日、「ISAI PARK」という場所が会場なのですけれども、お越しになったことがおありの方はいらっしゃいますか?「株式会社ヘラルボニー」の旗艦店なんですけれども、今、後ろに飾ってあるのは、障がいのある方が手掛けたアート作品で、障がいのあるなしとか、偏見とか、ボーダーを超えていこうという新しい文化を作っているんですけれども、私たちも、今日はボーダーを超えて、いろんな忌憚なき御意見を頂戴できたらなというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
知事挨拶

<司 会>
まず、達増知事から御挨拶をお願いできますでしょうか。
<知 事>
そのだつくしさんと天津木村さんには、岩手県のいわて暮らしアンバサダーを、令和3年8月から、およそ5年間務めていただいておりまして改めて御礼申し上げます。様々な活動を通じ、あるいはもう、存在自体が岩手の魅力発信というふうになっていらっしゃって…。
今日の意見交換会は、『「いわてで働き、暮らす」ことの魅力とは~』というテーマでありまして、人口が少ないところというのは、県であれ、あるいは市町村であれ、何か悪いところがあって人口が少ないということではなく、むしろ、とてもいいところだけれど、その良さが知られていなくて、またその中に住んでいても、その良さをよく知らないということがあります。
あともう1つは、やっぱり何らかの交通の不便さ的なことがあるのかと。その2つが理由で人口が少なかったり、また、減っていっているというところがあると思っております。
その中で、この「いわてで働き、暮らす」ことの魅力発信ということが大事なわけでありますけれども、約5年間、アンバサダーとして取り組んでこられた経験や、また考えていらっしゃることを伺って、普段からそういうところもどんどん発信はいただいているんですが、このように、やや改まりつつカジュアルな場で話をして、いろんな化学反応で、新しいヒント、新しいアイデアが出てくればいいんじゃないかなという思惑で、今日はおいでいただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
出席者紹介
<司 会>
改めまして、アンバサダーの2人を御紹介させていただきたいと思います。
まずお1人目、漫画家でいらっしゃいます、そのだつくしさんです。よろしくお願いいたします。
<そのだ>
漫画家をやって30年目になります、そのだつくしです。私は生まれてこのかた、岩手を出たことがありません。というか、たまたま岩手を出ずに全国誌でデビューをしたんですけど、出版社の担当さんから「お前は岩手を出るな」と言われました。その分、ずっと若い頃から岩手県でいろんなことをやってきたんですけども、岩手の良い面も悪い面も知っております。
結婚して26年経つんですが、たまたま雫石町というところにイケメンがおりまして、そこに嫁いで、兼業農家をやっているので、農家の嫁、(兼業農家の)長男の同居の嫁みたいな立場でもおります。
本題からは全然外れていますが、娘は、岩手を出たくないという若者の一人でありまして、地元雫石町から岩手大学に進学して、今、猟友会に入って、猟師もやっております。
なかなか娘の気持ちは参考にはならないのですが、その親として、嫁として、漫画家として、いろいろと気づいた点を隠すことなく語らせていただきたいなと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
<司 会>
よろしくお願いします。そしてもうお一方です。タレントでいらっしゃいます、天津 木村卓寛さんです。よろしくお願いいたします。
<木 村>
5年前にお仕事をきっかけに岩手に移住してきまして、テレビ番組等でいろいろと岩手のことを調べたりとかして。県外から来た人間っていうのと、なんかちょっとお笑い芸人目線みたいなのが多少あるかなとは思いますので、そういう目線で何かヒントになるようなことが言えたらいいなあとは思いますが、いかんせん、こういうものは水物でございまして、いいことが出ない場合もあります(笑)。それはそれで、はい。1回目は今言っちゃったけど、2回目に期待してみようかなとか、そういうふうに思っていただければと思います。よろしくお願いします。
<司 会>
ありがとうございます。お二人からどんな話が聞けるのか本当に楽しみです。
それでは、県側の出席者も御紹介いたします。
まずは達増知事、よろしくお願いいたします。
そして、中里企画理事です。
続いて、西野環境生活部長です。
阿部商工労働観光部長です。
そして、下川商工労働観光部定住推進・雇用労働室長です。
どうぞよろしくお願いいたします。
意見交換
(1)岩手のイメージについて
<司 会>
最初は木村さんに、岩手にIターンされたお立場というところをお聞きしたいんですけれども、岩手に移住されて6年目に突入されたということですね。情報番組のMCのオファーというのが、いらっしゃったきっかけだと思うんですけれども、その前は、岩手のイメージはあったのですか。

<木 村>
あると思います(笑)。なくても「あると思います」と答えるところです。(笑)
お仕事で、1回~2回ぐらい来させてもらったことがあって、簡単に言うと、縁もゆかりもない土地でした。47都道府県の1つぐらいの感覚でしたけれども、来る前と来てからのイメージは大いに変わりました。
リサーチしてきたんですよ、来る前に。「岩手ってどういうところですか?」っていうのを、岩手出身の方とか岩手に縁がある方に聞いたら、「食べ物がおいしくて、自然が美しくて、人があったかいよ」っていうふうに、みんな口を揃えておっしゃって。「いや、田舎って大体そうやんな」って思ったわけなんですよ。でも、来てみたら、その今言った3つが、三本柱がすごい太かったっていうところに驚いたんですよね。と同時に思ったのは、この3つが揃っていたら、人は幸福感を得られるんだ、感じられるんだっていうのを思ったんです。
東京から来たんで、東京っていっぱいモノもありますし、行く場所もありますけど、そこでは得られないものというか、「これがあったらもう十分やん」っていうのが岩手にはあったから、「いいところに来たな、来させてもらえてよかったな」っていうのはありました。来る前のイメージと来てからのイメージの違いとしては、そういうところかなと、はい。
<司 会>
徐々に、そういうふうにお気持ちが変わっていったのですか?
<木 村>
いや、もう来てすぐでしたね。けっこう驚きました。一番驚いたことが、「人があったかい」っていうことだったんですけど、声をかけてもらえることが増えてきて。
<司 会>
「木村さーん」みたいな。
<木 村>
はい。今までやったら、なんか「天津木村、なんか芸やれや」みたいな感じだったのが、こっち来たら、「岩手に来てくださってありがとうございます、岩手のこと発信してくださってありがとうございます、御家族で来てくださってありがとうございます」って、すごく「ありがとうございます」って言ってもらえる。こんなこと考えられないと思って。今までなかったんで、そこが一番驚きました。
<司 会>
本当に人がいいですよね。さっきおっしゃったみたいに、一般的に多くの地方都市の方々が、「いいところは人のあったかさです」っておっしゃいますけど、盛岡・岩手って、断トツにいいですよね。
<木 村>
はい。僕はそう思います。兵庫県で生まれて、大阪で芸人生活スタートして、東京で暮らして、そして岩手って、その4か所しか知らないですけど、なんか岩手の人の温かさっていうのは、ちょっと他の都道府県は住んだことないのでわかんないですけど、少なくとも僕の経験上は一番すごかった、一番人があったかかったっていうのは思います。そんなこと兵庫県の人の前で言うと怒られます。だから内々で留めておきたいなと。
<司 会>
人が温かいことについて、エピソードはありますか?
<木 村>
お店とかで、横柄な態度の店員さんって、やっぱりいろんなところで見てきたんですけど、岩手ではまあそういう人に会わない。おもてなし精神というか、人のことを思える気持ちというか、そういうのはあるんじゃないかなと思いますね、はい。
<司 会>
店員さんとか、タクシーの運転手さんとか、街で会う方が優しいですよね。
<木 村>
いやもう本当にフレンドリーで、この間もイオンで買い物していて、歩いてたら、前からちょっと年上の女性の方が近づいてきて、初めての方なんですけど、なんかわからんとハイタッチして通り過ぎるとか、「フレンドリーすぎる、これは」と思いましたね。なんかほんまに、来たものに対して…。
僕はこっちに来る前、ヒロミさんの運転手をさせていただいて、ヒロミさんに「住まないとダメだぞ、そうしないと岩手の人はお前を好きになってくれないぞ」って言ってもらえたから来たんですけど、実際そうで、移り住んでくれた人とか、入ってきたものに対して、岩手の人ってすごい愛を持って接してくれるなとは思いましたね。
(2) 家族での移住について
<司 会>
移住というところで、御家族がお子さんも奥様もいらっしゃるところで、そのあたりは、どんなふうに御家族に「移住しよう」となったのでしょうか?
<木 村>
僕は、最初はもう単身赴任で行くつもりでいたんで。勝負じゃないですけど、「ちょっと仕事してくるわ」みたいなこと言ったら、妻が、「一緒に暮らしてこそ家族じゃない」っていうふうに、「私たちも行く」って言ってくれたんで、一緒に来ました。
子供たちの小学校の変更とか、いろいろ懸念材料があったんですけど、来てみれば、子供達が転校初日に友達を作って、誰々ちゃんと今から遊びに行ってくるってなったんで。だから、移住するってやっぱり懸念材料っていっぱいあると思うんですよ。でも移住してみた人間からすると、そんなに気にせんでええよ、と。何とかなるよっていうことが多いな、とは思いましたね。
<司 会>
では、御家族も同じく岩手を気に入ってくださっている?
<木 村>
大好きです。もう岩手の人の顔をしています。岩手で生まれ育った人みたいに、岩手で生まれた顔をしています。
<司 会>
そうなんですね。では、言葉や方言も覚えていたりして。
<木 村>
そうです。「うんてい」(※平板型アクセント)のことを、「うんてい」(※頭高型アクセント)って言います。嬉しいですよ、何か馴染んできているなっていうか、いい感じだなあと。
(3) 岩手県ならではの良さについて
<司 会>
続いて、そのださんにもお話をお聞きしたいと思います。
先程、「岩手を出たことがない」というふうにおっしゃっていたんですが、岩手で暮らしながら、漫画家というお仕事をされていて、もしかしたら、デビューと同時に上京される方が多いかなと思うんですけれども、岩手ならではの良さ、あるいは御苦労されたこととかを、ぜひ教えていただけますか。

<そのだ>
いま週刊連載をしている「ずったり岩手」っていうところと、あと「コミックいわて」でも編集をされている出版社さんの担当さんとも昨日話をしてみたんですけど、今、作家はデジタルが多いので、別に(東京へ)出なくていい状況なんですね。
ただ、私はたまたまデビューが月刊誌の恋愛雑誌から入ったので、別に(東京へ)行かなくてもという状況にあったので。FAXがあったり、宅配便があったり、あとは盛岡駅に持っていけば新幹線に乗せて原稿だけ持っていけるっていうシステムがあって、出版社の方が(東京駅の)丸の内の入口で受け取るっていうシステムがあったんですね、30年前から。今はもうデジタル化なので、メールで済むし、アシスタントさんにもインターネットで背景を送ったり、そういうことができるので、私の職自体では、クリエイターの中ではそんなに不便はない。
ただちょっとデメリットとしては、横の繋がりが弱いのと、全国誌という立ち位置を分かっていないというか、芸人さんもだと思うんですけど、全国区のお仕事の位置、それを分かっている方がまだ少ないですね。出版社との距離もあるんで、「次の仕事の繋がりをどうしよう」とか、「すぐ打ち合わせができない」とか、そういうところはあります。心と心のぶつけ合いというか、言葉と言葉のぶつけ合いがちょっとまだできない。そこは不便かなと思うところですね。
ただ、他の週刊漫画雑誌とかだったら、やっぱり東京へ行かないとっていう感じなので、岩手出身でそういう雑誌で描いている方は、もうほとんど(東京へ)出ていらっしゃいますよね。
岩手でのクリエイターの仕事はもうどこでもできるんですが、ただ使ってくれるところは、もう岩手に限らないほうが本当はいいので。全国と繋がりながら地元でできるっていう仕事。例えばIT関係やクリエイターのお仕事っていうのは、今の時代にやっと乗れた感じがしますよね。あとは地元のお仕事も入ってきます。私の場合は行政さんからいろいろお仕事もいただいて描かせてもらったり、今、岩手日報さんで描かせてもらったり。なので、仕事は切れませんでした。
ただ、いろいろ、岩手県って広いじゃないですか。広すぎて、取材とかは、ネタが多過ぎる。私はもともと、母が伊達藩で、父が南部藩で、気質が全然違うじゃないですか。沿岸・内陸も違う。そこの人との接し方も、本当に様々なんですよ。けっこう人のタイプも多いのが岩手県。なので、何か人物の研究をこれからしたいなと思っています。
あとは、例えば私はダムマイスター(という称号)をいただいて、国と県のダムを取材させていただいたんですけど、岩手(にあるもの)をどうやって活用していこうということについて、素材があるのに気づかない部分も多くて、(活用を)どうやったらいいか想像できないというか、課題なのかなと思って見ていました。もっと岩手のインフラや、企業や学校などを、どんどんどんどん引き込んで、巻き込んで活用しないと。なので「まだ」っていう感じがします。岩手の魅力を発信するにしても、当たり前にあるものはまだ、分からないって部分が多いなというのは思ってました。
<司 会>
おそらく今日の目的の一つに、岩手に暮らしてもらって、そこで働いてもらって、ということがあると思うんですけど、さっきおっしゃってた、「岩手を、地方を拠点にしながら、全国レベルの仕事ができる」みたいなことって、すごく大事ですよね。
<そのだ>
今、リモートワークが多いじゃないですか。だから、地元に住みながら、1か月に1回東京などの本社に出社する方とかが多いんですって。本社の東京の会社で働いてて、普段はリモートでやって、月1で出社するっていうシステムの仕事が増えてるんですよ。
なので、ここは新幹線も通るし、(交通は車がないと生きていけないんですが、)不便ではないので、そういうお仕事の方達が移住してくれたらいいのかなあという気持ちはありますね。
<司 会>
外に出たいって思ったことはなかったんですか?
<そのだ>
いやもう、出版社に「出るな」って言われたのと、その頃、盛岡さんさのミス太鼓とか、いろんなことをやっていたので。さらに「なおさら東京へ行くと潰れる」っても言われました。だから、あえて岩手のネタをキラキラの恋愛漫画の雑誌で描いてたんです。あえて田舎を舞台にした漫画とか、そういうのを描き続けてきたら、たまたまJAの本社からオファーが来たりとか、繋がりも増えたので。
特に「出たい」っていう気持ちすらなかった。
ただ、遊びに行くなら東京とか大阪が好きなので。遊びに行くならいくらでもっていう感じですね。
<司 会>
岩手に残る理由がたくさんあったということですかね。
<そのだ>
何とかなるんですよね。木村さんが言ったように、何とかなる。ここはもう、石油さえ掘れれば独立国家にもなれると思うんです。
<木 村>
「岩手から全国へ」みたいなやつもあれば、岩手だけでやるっていうのも、僕はあるんじゃないかなと思って。例えば、ローカルタレントさんとか、僕らの世界におられるわけですけど。脅威なんですよ、1つの県だけで異常に人気な人。「何やってんのかな」って中央から見ると思うわけですよ。そっちの方が魅力あるんじゃないかなと思って。
どっかのローカルタレントさんが東京に出てきて、東京で勝負して、「あぁ、こんなもんか」と思われるより、「岩手で何が行われてるんやろ?」みたいなのの方が、ちょっと面白いんじゃないかなっていう、逆のあり方というか、っていうのもあるのかなっていうのは最近、思います。
<そのだ>
TEAM NACS(チームナックス)さんとかそうですよね。「水曜どうでしょう」とか。
<木 村>
北海道の中ですごく人気があったから、世に出たっていう話。そういうアピールの仕方もあるんじゃないかな。
<司 会>
地方に拠点があることが、差別化になるというか、自分自身のブランディングになる、と。さっき(そのださんが)おっしゃっていた、漫画の舞台が田舎にあるみたいなのと一緒で。東京に行ったら大勢の中の1人かもしれないけど、地方ってチャンスがまだまだあるだろうなって思えますね。
<木 村>
チャンスももちろんあるんですけど、こんなことを言ったらあれですけど、ライバルの数としては圧倒的に少ない。人生において、それは大きな条件というか。ライバルが少ないから、戦える勝てるっていう。どんな勝ちを求めているのか。めちゃくちゃ勝ちたいなら東京でしょう。これぐらいの勝ちで良いっていうなら、岩手でやったら勝てるよって、変な言い方になりますけど。それは、ぶっちゃけそうだなとは思いますね。どういう暮らしかとか、仕事の仕方をしたいかによって変わってくるんだろうと思うんです。
<そのだ>
背中を押す大人がまだ少ない。世代とか歴史とかを辿ると、私たちって、バブル期の親を持ち、就職氷河期世代じゃないですか。だから、価値観が全然違う。その親を普通のボーダーラインに見てきて育っているので、その下の人たちが扱いにくいのは当たり前じゃないですか。「Z世代(のことが)分からない」っていう人たち。
だから、本当に岩手の良さを発信するのって、多分Z世代のような気がします。その子たちが動きやすいような環境を作るのは、今の私たちの世代なので、理解と、出る杭を打たないっていうか、ですね。何か企画を立てると邪魔するみたいな人が、どこにでもいるんですけどね。岩手以外にもいるんですけど、本当に(Z世代の)理解をする中年(層)が弱いなと。
あとは野心を持った女性が少ないです。なんて言えばいいんでしょうね、(県側出席者が)皆さん、役職を持った女性の方が多い中で言うのもあれなんですけども、女の人って、出世するたびに背負うものが増えてくるじゃないですか。なので、ジェンダーレスの話題がこれから出るとは思うんですけども、「出世してやるわーっ!」みたいなのが、もう県民性の気質からしてありません。
農業にしても、法人の農家さんとかだと代表がまずお父さん。お母さんは経理とか、裏の仕事をしてるんですけども、あえて外に出ないんですよね。そういう女性の方を、表に出すっていう周りもおらず、あとはもう本当に野心のある女性が、「出世して忙しくなったら定時で帰れないからお父さんに申し訳ない」とか、「お父さんより稼いだら申し訳ない」とか、そういう気質の人が上の世代に多いので、まだ早いかなっていう個人的な考えは持っていました。
だから、20代・30代ってこれからの、私たちから見ると“面倒くさい世代”の人たちこそ、勝手にやってくれるので、そこを整えてあげるのが、今の上司なのではと。個人的にやっていれば、もう好き勝手やれるんでいいんですけど。だけど、組織の中だと特に、昔は女性でも、若い人が社歴の長い人からいろいろ言われたりとかありましたよね。そういう女性たちが、これから若い人たちをどう育てていくかにもよるのかなと。
<木 村>
古き良きもあるけど、古き悪きもあるよ、ということですね。
(4)女性の昇進・社会進出について
<そのだ>
私も(就職して)会社に6年ほどいたんですけれども、当時女性はまず「腰かけ」というか、「結婚するまで」と思う人もいて(私も)。もうだいぶ古い話なので、全然参考にはならないんですけど、いまだにそういう方がいるかもしれませんね。
女の人に関しても、岩手県の方々の性質は、すごくフレンドリーなのに対して自己犠牲精神も多いので、「俺はいいから、あんたがえーばいい(良ければいい)」みたいな。だから、考え方を改革する何か方法がないのかなあって。漫画で描ければいいなと思います。
<司 会>
バリバリキャリアを…っていう女性って、なかなか少ないかもしれないですね。
<そのだ>
いても「何か出しゃばって」みたいな感じでね。岩手県のネットワークって、Wi-Fiより噂話のほうが早いので。
<木 村>
市町村議会議員に立候補された方のリストを見ていたら、確かに女性が少ないなあって思うわけですよ。女性もっと立候補すればいいのにと、簡単に思うけど、でも立候補しにくい環境というか、周りのそういう空気感があるのかな。そういうのが直ったらなと思います。
<そのだ>
あとね、本人がその気にならないんですよね。周りのせいでもあるとは思うんですけど、本人があんまり。
<木 村>
そういうのもあるんですか?女性の気質。まあ、女性と男性を分けるのはあれかもしれないですけど。
<そのだ>
私の分析では伊達藩が強いですね、伊達は強いです。相去(あいさり)から南の女性は強いです。南部はちょっと、「おらはいいから」という感じ。
<木 村>
昔からの気質は絶対抜けきれないものですし、でもそう言ったらもう始まらないし。気質を生かす何か、あったらいいですけどね。その「私はいいから」っていう人たちで何かを始めるとか。
<そのだ>
マイナスとマイナスでプラスになるかもしれない。
<木 村>
そっちの方が何か可能性がありそうですよね。マイナスを無理矢理プラスに変えるより。
<司 会>
どなたか突破口になってくれるようなロールモデルの女性がいらっしゃるとか、何かそういうことももしかしたらあると。少しずつ風向きが変わってくるのかなと思います。
(5)岩手県での暮らしや楽しみ方について
<司 会>
今は「働く」というところで課題もあったので、今度は「暮らし」に目を向けて、魅力ですとか、岩手の楽しみ方っていうところをお聞きしたいんですけれども、木村さん、お仕事であちこちに行かれてますよね。いかがですか?
<木 村>
そうですね。僕は45歳でこっちに移住してきたので、これが20代だったらまた違っただろうなと思うんですけど。45歳ぐらいからの世代にとって、岩手ってすごい暮らしやすいところだなあというのは思いますね。夏場、窓を開けて夜寝られる。岩手の方に言うと、「いやいや岩手はもっと昔は涼しかった。今はもうエアコンつけないと」と、おっしゃいますけど、いや、東京とか、もうそんなもんじゃないじゃないですか。そこと比べてどれだけ暮らしやすいかっていうふうに思いますし、四季がはっきりしているじゃないですか。厳しい冬もあるけど、それも込みで、やっぱもうなんか日本に生きてるなっていう感じがすごいするのが、僕が岩手に来てから、生活しだしてからよく思うことですね。
この間も、「実質的に豊かな都道府県は岩手県」っていうニュースがあったじゃないですか。あれがまさにそうで、東京でぎゅうぎゅうの満員電車で1時間って、人としてやっぱりよくないなと思う。こっちって渋滞があっても、国道4号が朝ちょっと混むとか、帰りは夕方ちょっと混むぐらいじゃないですか。なんか健全だなっていうふうに思うわけですよ。人として生きられてるなぁ、みたいなのは、すごい思いますね。
こっちに来て、家族みんなでスキーを始めたりとか、その場その場でやっぱり楽しめることってあるんで、そういうのを見つけるのは楽しいですし。「無い」「無い」ってよく、岩手の皆さんは言うんですけど、無いなりの何かがあるし、無い中で何か見つけようっていうのはすごい思う。
<司 会>
御家族の週末の時間が充実したという感じでしょうか。
<木 村>
そうですね。シンプルに猫を飼いだして。東京では猫が飼えなかったんで、家の事情とかで。
そういうところだけでも、めちゃくちゃ豊かになってるかなっていう感じがしますね。
<司 会>
プライベートが充実するきっかけになったんですね。
<木 村>
初めてかもしれないです、永住したいなと思う土地に出会えたのは。またこれ兵庫県の人に言うと怒られますけど、「おい、ふるさと捨てたんか」って言われますけど、自分からそうやって能動的に思ったのは、初めてかもしれない。
子育てもすごくやりやすい。子どもたちが、小学校4年生、2年生のときにこっちに引っ越したんですけど、今から受験、塾通いが始まるっていうのがもう嫌で嫌で仕方なかったんですけど、こっちに来たら、まあ塾通っている子もいますけど、別に全員が全員行かなあかんという空気ではないじゃないですか。そういう環境で子どもを育てて、「こないだ松ぼっくりが(木から落ちてきて)誰々ちゃんに当たって、みんなで笑ったの」という話をして、かわいいなと思って、いいところだなって。そんなんもあります。
<司 会>
じゃあ、教育の環境としても理想的だと?
<木 村>
理想的ですね。
<そのだ>
私は、(子どもを)のびのび育て過ぎてしまったんですけど。まあ、不便なことを言うと、中高生が遊ぶ場所が少なく、せいぜいイオンで終わる。イオンがめちゃくちゃ広いので、そのショッピングモールが広いっていうのも長所であって、運動にもいい施設です。車がないと難しいものではあるんですけど。中高生が、ちょっと遊ぶ場がない。でもみんな真面目なので、別に何かトー横キッズみたいにはならないっていう、カワトクでたむろしているわけでもないっていうか、若い子たちの遊び場が、ちょっと少ないなって。大通も、昔はもっと盛んだったのが、だんだん飲み屋が増えてしまったり。ちょっとそこは問題かなあと思うんですけど、自然と戯れる遊び場はもうめちゃくちゃあるので。スキー場とか、小岩井農場もだし。だから、そこに連れて行くのも、親御さんじゃないですか。だから、親御さんがいかに連れて行かせるかっていうところも、差が出るんですけれども。
あとイベントも、ちょっと増やしてもいいなあって思って。私、「東北絆まつり」がすごくいいと思うんですけど、何で岩手県のお祭りを1か所でやらないんだろうと。中央通で鬼剣舞をやったら、めっちゃかっこよくないですか、虎舞とかも。市町村の中では遠野市が、遠野まつりっていって、遠野の各地方のお祭りを遠野(郷)八幡宮という(ところ)1か所でやるんです。それの県バージョンがあるといいなと。予算から何から大変だと思うんですけど、そういうのもやりたいなと思っていました。
<司 会>
観光客の誘致にすごく繋がるかもしれないですね。
<そのだ>
岩手公園でロックフェスとかがあったり、イベントも増えているので、あとは、なんでしょうね。娘の成長を見ていると、やっぱりイオンと映画しか行っていなかったっていう。なので、何かもう、もったいないところがいっぱいありますね。
<木 村>
難しいですよね、何か新しいものを作るって。利用者がいなかったらとか、経営が成り立たなかったらとか、そんなこと考えたら。自分、田舎出身なんですよ。めっちゃ、姫路の田舎のほうだったんですけど、神戸へ出るのも怖かったんですよ、街に出るのが。田舎でみんなで遊びを考えて、田んぼで遊んでたんですけど、それでもいいような気がするっていうか。何かね、もちろんかわいそうやなとも思うんですけど。子どもたちだけでイオンに行ってくるってなっても微笑ましく思えるけど、それが渋谷に行ってくるって聞いたら、「えっ、大丈夫?」ってなりますよね。
若い人たちが出るのはしゃあないと思うんですよね、岩手を。でも、帰ってきてくれるような、何かを作らないといけないんじゃないかって。出たほうが絶対、岩手県にとっては、それだけのいろんなスキルが入ってくる。帰ってきてくれたらですね。それを何か考えたほうがいいかなって。出ていくのはしゃあない。都会に行きたい人はいるし、そこに勝てる何かを岩手に作れるかといったら作られへんと思うし、渋谷みたいな街が作れるかと言ったら、作られへんと思うし。それやったら、一回出て、いろいろ見て、帰ってきて、それをこっちで伝えて、って思います。

<司 会>
先ほど、45歳で(岩手に)いらしたから、岩手の良さがっておっしゃっていたんですけど、もしかしたら岩手の良さって大人がよくわかる。若い人には、もしかしたら気づきにくいところがあるかなあって思っていて。
<木 村>
渋めの魅力ですよね。
<そのだ>
山菜の味みたいな、ホヤとか。大人になってわかるやつ。
(6)岩手の魅力に気づくコツについて
<司 会>
若い人って外に刺激を求めたくなってしまうので都会に、みたいなこともあるかなと思うんですけど。岩手の良さに気づくためのコツとか、御提案ってありますか?
<木 村>
本当に、みんながいいところだよっていうのをちゃんと伝えて、その周りが。出ていってしまった子がやっぱり帰ってきてくれるような環境を作れたらいいのかなとは思いますけどね。
<そのだ>
うちの漫画の担当さんは長野(出身)の出身の方で、似たような田舎ぶりなんですけど、何で東京に出たのって聞いたら、「オタクに優しいから」と。「田舎はオタクに優しくない」と力説していたんですね。なんでかっていうと、やっぱり変な目で見られるのか、イベントがちっちゃいんです。例えばコスプレイベントとか、(千厩町でやっているんですが)古めかしい建物は岩手にいっぱいあるのに、コスプレ会場はすごいのに。今、「オタク」っていう言い方も今ないんですけど、そういうマニアの方々の、大きいイベントとかを岩手に呼ぶと、めっちゃ全国から来るのに。そこで、何か撮影現場とかを提供するだけでも、めっちゃ儲かりそうなのに。と、もったいない気がします。
あと、地方ほど本屋が減っているんですね。本屋さんが減ってるのは非常に残念だと、それはもう長野出身の担当者さんも言ってました。地元の本屋さんが少なくなったと。
まだ盛岡は頑張ってるほうだと思うんですけど、文化は、カルチャーがちょっと弱いっていうところもあって。私はもうちょっとこう、昭和だったら昭和臭くても良いっていうゾーンがあるじゃないですか、紺屋町とか。歴史のあるところはいっぱいあるので、そこをどう活用していくかによるのかな。それは何かうるさくて駄目だとか、何か景観を損なうとかイメージ重視や世間体を気にする人たちも中にはいるんでしょうけど、そういう人たちを説得できる人がいればいいなって。
私はもう、ダムとかもたくさん見てきましたけど、ダムももう本当に「進〇の巨人」の塀のような感じじゃないですか。そこでもう何かね、立体機〇装置をつけた人たちが写真を撮るだけで、めっちゃいいんですよ。おすすめは釜石のダムなんですけど。
<木 村>
ツアーがあれば良いですよね、行きやすい何かしらがあれば。
<そのだ>
ダムの国交省の会議に出たことがあって、インフラツアーっていうのがあるんですよね。東京とかだと巨大な地下水路(首都圏外郭放水路(地下神殿))みたいな一般の人が見られないようなツアー。岩手も結構あるじゃないですか。それこそ岩洞湖の発電所とかダムもですけど、ダムも戦前からのものもあるので、めちゃくちゃフォルムとかもう今ないものが多く。だから何かそういうツアーを組むとか、本当に旅行代理店と組むとかして、いろんな企画をウェルカムで吸収すればいいのかなと思うんですよ。
<司 会>
既存の施設だったり、さっきおっしゃったお祭りとかを、ちょっと視点を変えてイベントのようにしていく、みたいな。
<そのだ>
呪〇廻戦で勝手にファンが北上駅に行ったり御所湖に行ったりしている。やっと県費が動いてるじゃないですか、わんこきょうだいは大成功だと思う、エヴァンゲリオンとコラボした「わんこエヴァ」。今、そういうのに乗ればいいのにって。なんで御所ダムにコスプレした人たちが立たないんだろうと思いました。ね、知事?読みましたよね、呪〇廻戦。
<司 会>
様々具体的な御提案も出ましたけれども、ここまでお聞きになって、知事、いかがでしょうか。

<知 事>
はい。自然と食べ物と人がいいっていうのを都会の人に言っても、まあ田舎はみんなそうでしょっていうのは、私もいろんなところで経験している反応で、やっぱり実際に行ってみないと、経験してみないと、分からないってところがあって、岩手は、「来れば、もう分かる」ということだと思います。そういう良さっていうのは、全国に自慢できるようなところであると思うんですけれども。
そのださんが言っていた、女性で、積極的な人が少ないっていうのは、男性でもそういう傾向があると思っていて、自然を享受したり食べ物を食べたり、人に何か与えられるようなものについては、ものすごくいい環境があるけれど、自分が何かやるっていうことに関しては、開発の余地があるというか、発展の余地があるのかなと思いました。
イベントで岩手の祭りを1か所でみたいな話とか、今までやったことないようなことをやるみたいな、そういうことが大事なんだなと思いましたね。
また、岩手は広くて、行った先々で言葉の違い(がある)みたいな。天津木村さんは、番組の取材もあって、岩手に生まれ育った人も知らないような歴史のことをいろいろ調べたり、取材したりされていますが、掘ればすごい深いってところがあると思うんですよね。地方は、掘ればいくらでもまだまだ深いもの、ダムなんかもそうなんですけど、知られざる魅力っていうのがすごいあるので、そこでライバルの少ないようなことに取り組むと、もう、どんどんそこですごいことをやるようになっていくというところがあると思うんですよね。そこが、岩手で何かやっていくことのメリットでもあって、そこもどんどん改革していきたいと思いました。
(7)アンコンシャスバイアスやジェンダーギャップについて
<司 会>
ありがとうございます。また、引き続きお二人にいろいろな御意見を頂戴したいなと思うんですけれども、女性の働き方、さっきお言葉があったので、もしかしたらちょっと古い価値感とか慣習みたいなものがまだまだ岩手に限らず地方って残っていくのかなというふうに思うんですけれども、そういう、アンコンシャスバイアスとかジェンダーギャップについて、何か思われていることは、そのださんはおありですか?
<そのだ>
学問に対しては全然平等だと思うんですよね。勉強したい人は東大に行けばいいし、女子もそうなので。
実際、農業をやっていると、農機具って男の人は乗りこなせるけど、女の人は難しい部分もあるんですよ。例えば、うちの大きな自走式草刈り機は、めっちゃ力を入れないと草刈れなかったんですよ、私。あ、無理、みたいな。だから大抵男の人がやることが多いんですよ。土木に関しても、農業に関しても。
あと、蘇民祭はまず女の人はできません。(木村さんは蘇民祭に)出ましたもんね?
<木 村>
出ました、はい。
<そのだ>
そういうジェンダーギャップって、私は、一部線を引いて欲しくないところもあるんです。もう時代的に女の人もだいぶ活躍できるので。だけど、逆に、男らしさ女らしさも消えていっているじゃないですか、現在。それも、四コマ漫画に描いてもいけないんです。「男の子だから泣かないでね」とか、もう描けないんです。センシティブに気を配るのは良いことですが、面倒くさい時代にもなっているんですよね。
だから、男の人だからできること、女の人からできることっていうのも、ちゃんと差別ではなく、区別をした上で、お互いに理解をし合う場っていうのも無いんですね。あとは、縁の下をやっている女の人たちをもっと表に出すっていうことも、大事かなあと思います。あとは男の人も、御長男だと、家(の人)の前では偉いけど外に出るとおとなしい方が多いんじゃないですかね。そして婚活とかも。私、全国の婚活に2か所ほど行ったんです、婚活“事前”研修の講師で。北海道の幌延町ってところの酪農(家)3代目の婚活パーティーと、岩手。素朴で、人はいい。けど、やっぱ何か勇気が出ないっていうタイプが多くて。そこを押し上げると恥ずかしいとか、周りに言われるのがこわいという風習なのが良くないっていうのもあって。そういうプロデューサーが、外からでもいいから来てくれると、なんかちょっと変えてくれるのかなあって思ってますね。
なぜか分からないんですけど、私の世代は、関西の人が、東北の女子を好きになるんだそうです。そういう決めつけではないんですけども、なぜかっていうと、東北の女子から見ると関西の人は、すごいぐいぐい引っ張ってくれるし、関西の人は(東北の女子は)おとなしく言うことを聞いてくれるかなっていうので、相性はいいけど、結局別れるっていう。理想を追うんだけどやっぱり無理、みたいなパターンを何人か見てきたんですけど。ちょっと、その頃合いをプロデュースする。結婚のプロデュース会社みたいなのがあるといいのかなって。大抵それって行政が仕切るじゃないですか。それ良くないなって、私は思いました。
もうちょっとこう、ね、民間を使ってやるとか、あとは行政さんが許可出してくれればいいので、例えば岩手公園で結婚式しませんかとか。岩手公園で婚活パーティーしませんかでもいいし、岩手銀行の赤レンガ館で、ちょっと雰囲気のいいデートをしませんかとかでもいいし。なんかそういうカップリングをする場も欲しいかなって。
あとはもう女性の起業家さんをもっと増やす。理系女子、もっと増やしてもいいと思うんですけど、工学系の。で、一回外で修行させて、(岩手に)戻ってきて、エンジニアとして活躍するとか、女の人の舞台もあればいいんじゃないでしょうか。
(性差による適切な区別と相互理解について、考え方が)極端な人も中にはいるんですが、そこに負けない環境(が必要で)、県が一枚岩になってくれればいいなって思いますね。
テレビ業界は、女子が頑張ってますよね。
(8)岩手の「売り」について
<木 村>
頑張ってるんですけどでも、まだまだやっぱり古いかなあと思うときもありますし。
いや、だからね、(岩手県が)「婚活大国」みたいな、呼ばれるようになったら、面白いなと思います。めちゃくちゃ婚活パーティーがいろんな市町村で行われるってなったらみんなこう、結婚したい人が集まってくる。
岩手県は素晴らしいところだと思うんですけど、広すぎて、そして皆さんが優しすぎて、売りが見えてこない。僕はもう、市町村の方に申し訳ないけど、「じゃじゃ麺県」にするべきやと思う。各市町村にじゃじゃ麺屋さんを置く。(香川県の)「うどん県」みたいな。「岩手って(売りは)何ですか?」ってなったら、盛岡三大麺とか、いろいろあるんですけど、もうちょっと明確になった方がいいなって思うところがあるんで、例えば「婚活大国」みたいな。女性向けの支援がすごく充実しているとか。振り切るって、すごい大変やと思うんですけど、そういうこともあってもいいのかなと。
<そのだ>
JA全農いわてさんで、「いわて純情むすめ」っているじゃないですか。他にも実は、「純農BOY」っていうのがいるんですよ。その審査委員を長年やってきたんですけど、受かっても、本業が農家なので、収穫忙しいときはイベントに出られないっていうデメリットがある。イケメンだけが作ったお米があっても、良くないですか?「銀河のしずく」のイケメン版とか。イケメンをトラクターに乗せる動画とかがあったり。
<木 村>
でもイケメンが今ダメですからね。もうルッキズムになるからね。
<そのだ>
アイドル化も…。沼宮内に「NUMAXIL(ヌマザイル)」っていたんですけどね。
<司 会>
一つ一つ、尖らせていける素材はたくさんありますね。
<木 村>
おっしゃるとおり、ダムでコスプレとか、こんな素晴らしいものがあるっていうのを、何か、皆さんが把握(する)、僕らもそうですけど、みんなが把握していたら、それを生かせるんだ、自分の県の魅力を、みんなでもう一回見てみる、振り返ってみるっていうのが大事かな。いろんなものがありますよね。
<そのだ>
気づかないですよね、地元だと。
<木 村>
だから、岩洞湖、薮川に「新軽井沢」って名前をつけるとか。これから絶対暑くなっていくから、みんな避暑地を求めている。交通の便がよかったら、じゃあ新軽井沢行こうかってなる。

<知 事>
涼しさは財産ですね。
<木 村>
本州で一番寒いところを抱えているのは、すごいいいことなんじゃないかなって思いました。
<そのだ>
あえて負の部分も売りにしても面白いですよね。なんか島根とかでやってません?「いいえ、砂丘はありません。」みたいな(※島根自虐カレンダー)。岩手って、どっかこう見栄っ張りが多いんので、何かちょっとかっこつけちゃうところもある。「過疎化だから来て」とか、そういうの面白いんじゃないかなって、岩手やってくれたなみたいな。
<木 村>
「情報を発信するのを止めました」「来てみないとわからない」とか。
<そのだ>
さわや書店でありましたよね、カバーで隠してどんな本か分からない「文庫本X」。そういう匂わせるような岩手のPRも。本当に来ないとわかんないんだけどね。どっかに河童がいたりするし、とか。ミステリーな何かがあってもいいのかも。
<司 会>
ありがとうございます。かなり具体的なアイディアをたくさんいただいたんですけれども、ここまでお聞きになって、中里企画理事いかがでしょうか。
<中里企画理事>
本当にいろんなお話をいただいて、特に印象に残ったのは、これからはZ世代が、まあ岩手だけじゃないんですけど、活躍してもらわなきゃいけなくて、それを大人が抑えちゃっているような、特に岩手は。それでもしかしたら若い人が出ていっちゃってるんじゃないかっていう話もありますので、やっぱり大人が変わらないと。「若い人、頑張れ」じゃなくて、大人が変わらないといけないんだよなあっていうのを、今日お話を聞いて、つくづく思いました。これからちょっと何かできることはないかなと考えていきたいなと。ありがとうございます。
<司 会>
西野部長はいかがでしょうか。
<環境生活部長>
いろいろお話ありがとうございました。「大人が変わらないと」で、私も感じたんですが、何か私自身も岩手に生まれ育って、仕事をして、何となく根拠なしに、何が悪いわけじゃないけど、何か自信がないみたいなところがあって、40代になってやっと、やっぱりここでよかったって思えるようになったんですよ。なので、大人自身も「岩手で良かったよね」って思えること、そしてそれが子供たちとか若い世代にも伝えられるように。そして若い人たちも、「岩手いいじゃん」って言い合える横の繋がりを作れるような場が必要かなと、今日のお話を聞いていて、とても感じました。ありがとうございました。
<司 会>
阿部部長、いかがでしょうか。
<商工労働観光部長>
大変楽しいワクワクするお話ありがとうございました。ちょっとプチ自慢なんですけど、私ギネスホルダー、ギネス記録を持っていまして。さんさ踊りの太鼓による「和太鼓同時演奏者数」で世界記録を達成したときの一人なんですが。
<そのだ>
私も。
<商工労働観光部長>
その時、臼澤みさきさん(現:AFTER I DIE)って、今ちょっとお名前を変えられて再デビューされていますけど、大槌出身の女性シンガーの方が、さんさの歌を歌われて、それを見ながらギネスチャレンジをしました。オール岩手で楽しめる、すべて岩手のもので楽しめるって、すごく豊かなことだなあと思ったりもしたということもあったのと、お二人の話を聞いていると、どんどん岩手の良さが出てくるというところは、やっぱり私たちの物語というか、最近「ナラティブ」って言いますよね。私たちならではの物語「ナラティブ」を、もっと共有していくと、非常にいいのではないかと思った次第でございます。
(9)県が発信するべき「いわてで働いて暮らす魅力」
<司 会>
ありがとうございます。お時間が残り少なくなってきたので、県が発信するべき、「いわてで働いて暮らす魅力」に移っていきたいと思います。
すでに具体的なアイデアをたくさんいただいてるんですが、改めてその事業のアイデアですとか、県への要望といったところを、ぜひお2人から、お願いします。
<木 村>
日本って食料自給率が30何%みたいな中で、岩手は100%を超えてるんで、すごいことだなと思うので、そういう第一次産業を、今でももうしっかり事業サポートもいろいろあるとは思うんですけど、これから、どういう世界になっていくか分からないですから、食糧不足の時代が本当に来るんじゃないかなと、そうすると、みんなが、「岩手は(食料自給率)100%なんですか?すごいっすね」ってなるんじゃないかなと思う。そこのやっぱり、第一次産業へのサポートを売りにして、しっかりしていただいたら、さらに魅力が増すのかなと思います。
やっぱり、岩手の一番の良いところって、穏やかに暮らせるところだと思います。いろんなライフスタイルがあるんで、厳しい環境に身を置きたい人、勝負したい人っていうのは絶対いる。でも、穏やかに、豊かに暮らしたいんだったら岩手って、こんなに適したところはないんじゃないかなと思うんで、岩手県として、そういうところをアピールしていくといいのかなと思います。
<そのだ>
若い人たちは、どんどん外に出て修行してもいいんですけど、帰ってきたときに居場所がないっていうのが現状なので、あえて、留学生みたいな、海外に限らず、勉強・スキルとかを身につけて帰ってくるような補助金制度っていうんですか、奨学金みたいな、そういう制度もあったほうがいいと思います。
あと、地方に行くたびに、まだ小児科が少ないのと、あと病児保育の保育所もまだ少ないっていうのがあります。
あと、今は熊が出てるので、刈払いして欲しい。藪が多すぎる。本当にすみ分けとしてまちづくりをやっていくには、景観的にも大事かなと。
個人的なことですが、親が他界したので、相続をしたんですね。その中で空き家も一つ相続をして、空き家バンクを充実してほしいなと思っていました。本当に住まない家が多く、中には未登記の家も多く、私も背負っている立場なんですが、逆に外から来た人たちを受け入れてもいい。今リフォームをして動画で配信している人とかすごいいますよね。TikTokなんか見ていると、女の人でもリフォームしている動画が多くて、そういうふうなのをやりたい人をウェルカムで。別にUターンじゃなくてもいいと思う。
だから、帰ってくるっていうのは、昔、明治とかだったらもう、家業を継がなきゃっていう思いが多いんですけど、今はそういう子がいないんですよね。ただ、岩手県はもう生まれ育った土地なので、鮭の遡上のように帰りたくなる人はいると思う。しかし受け入れ先が少ない。だから大企業ですよね、トヨタさんとか、キオクシアさんとかいろいろ大企業が入っていますけど、エンジニアとして働く岩手出身者がもっと増えればいいのかなって。エンジニアの育成という、専門の大学みたいのがあってもいいのかなと思いました。もっと何かできることがいっぱい、スキルがいっぱいある若者を育成する場。
実際、娘が通っている岩手大学も、なぜか他県から来てる人がすごくいる。他県の子は、何で岩手に進学したのかって聞くと、「志望校に落ちたから」とか「岩手なら入れそう」っていう子も多いんです。だから、もうちょっと(県内の大学の特色を)レベルアップしてもよいのでは。獣医学部だけではなく、工学系とか、本当に自然が多いぶん、資源開発とかももっとやってもいいのかなと思うし、災害もあった街なので、災害を分析する地理、地政学というか、そういう専門もなぜか東北大学にはあるのに、岩手大学にはない。だけど熊の専門家はいる。岩手の大学の売りも、獣医学部以上に何かを増やしてもいいのかなあと。
そこに、大学から外に出る人たち、高校から外へ出る人たちがいるので、高校と大学のその先が魅力的になると、若い人たちが、行き先が選べるのかなと思います。これは母親として。
<木 村>
大人たちで(いろいろなことを)やるじゃないですか。大人だけではなく、若者たちにもやっぱりやってもらわないといけないんじゃないかなと思います。で、「ないから(県外に)出る」じゃなくて、「ないんだったら作る」というように思ってほしい、若い人たちに。それをこっち(大人たち)の環境づくりで、何かを始めるにはこういうサポートがありますよっていうのをやるっていう。
ないんだったら作るっていうふうに思わせないといけないんだろうな、とは思う。こっち世代もやるから、そっち世代もやってよ、じゃないんですけど。(県外に)出るのもいいけど、ここで何か作ろうよみたいな。そういう考えになってもらえるような環境は作らないといけないんじゃないかなと思いますね。
<司 会>
こういう場の若い人バージョンっていうこともあってもいいかもしれないし、我々の今日の話を、例えばお客様が入ったような場で、いろんな方に、御共有いただいたりとか、もしかしたらいろんなことを今日をきっかけにしていけるのかなというふうに感じました。ありがとうございます。
それでは、この意見交換会全体を振り返って、知事から一言お願いできますか。
<知 事>
婚活大国にするっていうアイデアは、すごいですね。私が学生時代、1980年代はいろいろな婚活番組というか、マッチング番組みたいなのがあって、そういうものが世の中全体として流行っていたなっていうのを思い出して、ああいうのはそれがちゃんと成果に結びついてもいいですけど、結びつかなくても楽しい思い出になりますしね。そういう盛り上げもいいなと思いました。
県の総合計画「いわて県民計画」で、幸福というのを基本目標に入れているんですけども、これは、周りの人を幸せにするためにもう一歩踏み込んでとか、周りの人のためにっていう説得の仕方をすると、岩手の人たちが積極的になるんじゃないかということで、そういうスローガンを掲げているところもあるんですけど、もちろん自分の幸せのためでもあるので、婚活大国を目指していろいろな婚活を盛んにやるっていうのも、いいと思っています。
あとはそうですね、最後、これからどうするかっていうことについて、一旦外に出るのはいいことだっていうのは本当にそのとおりで、私もそんな感じで外に、東京へ行って、外国にも行って、(岩手に)帰ってきている感じなんですけれども。そういう、外に行ってまた帰ってきて、地元でいろいろできる仕事を増やしていくということがやっぱり大事だと思いますね。
それから一方で、地元の若者たちが「ないなら作る」っていう、これは結構県北とか沿岸の若者たち、今日も午前中に実は久慈市に行って、久慈エリアの若い人たちが、最近やってることを意見交換するっていうのをやったんですけど、久慈市にコーヒーショップを作って、それを発展させたい、とか、そういう地元にないものを作るっていう動きは、人口の多い市よりも、人口の少ない市町村の方に、結構あるなっていうのを感じていますので、私も応援していきたいと思いました。
<司 会>
ありがとうございます。今日お二人からいただいた岩手の魅力だったりとか、観光資源なども含めて、中にいると当たり前で、かえって特徴とか特性、外に発信する価値のあるものだって、気づきにくい部分ももしかしたらあるのかなあと思っています。
<知 事>
プロデュースが大事っていう話もありましたね。婚活についてはプロデュースが大事。そういうことをやっぱりプロデュースしてかないとダメなんだと思いますね。こういういいところもあるとか、こういうのをやるといいんじゃないかとか。プロデューサー的なことを、まず、県のミッションとして、そういうことをまずやっていかなきゃならないと思います。
<司 会>
既存のものでも、「新軽井沢」とかネーミングがあるだけでも全く価値とか、周りから話題にされやすさとかがあると思うので、そういうところをぜひ、今日をきっかけに形になっていくと、すごくうれしいなと思います。
<知 事>
アンバサダーの方々にもプロデューサー機能を果たしていただいて。
<司 会>
定期的にこういった意見交換ができると、より活発になっていけるのかなと思いました。
本当に、楽しい御意見をたくさんいただいて、ありがとうございました。
関連情報
このページに関するお問い合わせ
商工労働観光部 定住推進・雇用労働室 移住定住推進担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5588 ファクス番号:019-629-5589
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。
