「がんばろう!岩手」意見交換会(平成28年7月14日 久慈地区)

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ページ番号1000840  更新日 平成28年10月27日

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日時
平成28年7月14日(木曜日)10時30分から11時45分まで

場所
久慈地区合同庁舎 6階 大会議室

参加者(敬称略)

  • 参加者(敬称略
    渡邉 勇(久慈市地域おこし協力隊)
    藤織 ジュン(久慈市地域おこし協力隊)
    堀米 裕子(おなかサロン Pon Pon 主宰)
    岩谷 賢治(一般社団法人 大野ふるさと公社 休養施設グリーンヒルおおの 副支配人)
    小野寺 智子(イタリアンカフェレストランOsteriaVai-getsu シェフ)
    下道 一江(株式会社 マルサ嵯峨商店 販売主任)
  • 県側
    知事、県北広域振興局長、秘書広報室長 

開会

保室長
 おはようございます。皆さん、本日はお集まりいただきありがとうございます。ただいまから県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を開催いたします。
 今日のテーマといたしましては「本格復興~北三陸の資源(たから)を生かして!」ということでこの久慈エリアにおきまして様々な御活動をされている皆様にお集まりをいただいています。今日は少し天気が悪く、お足元も悪い中、お集まりいただきまして、本当にありがとうございました。
 今日は、私、秘書広報室の保でございますが、司会進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1


保室長
 それでは、早速ではございますが、開会ということで、知事から一言御挨拶を申し上げます。

達増知事
 皆さん、おはようございます。お忙しいところ、ようこそお集まりいただきました。
 県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会は、県内各地でそれぞれの地域、それぞれの分野で活躍している皆さんのお話を聞いて県政に役立てようという企画でありますが、今日のテーマは「本格復興~北三陸の資源(たから)を生かして!」ということで、まず東日本大震災からの復興があるのですけれども、復興の中で地域資源を発掘して磨き上げ、そして付加価値の高い産業を育てる。その付加価値の高い産業というのはものづくりもそうですけれども、サービス業、観光なども含めてその地域の経済活性化、そして地域振興にも役立つような形で地域の資源を生かして、それを復興の力にしていこうというのがテーマであります。
 久慈地域は、もともと様々な地域資源に恵まれた地域であったのがドラマ「あまちゃん」で勢いがついているところですけれども、ぜひ岩手全体を牽引する新しい力として久慈地域に大いに期待をしていますので、今日はそういうお話を伺えればと思います。よろしくお願いします。

保室長
 それでは、今日の進め方でございますけれども、この後、皆様には自己紹介をお一方ずつお願いしますが、最初に私から皆様方の御所属とお名前だけ、まず一通り御紹介をしていきたいと思います。
 それでは、そちらの方から、久慈市の地域おこし協力隊、渡邉 勇さんでございます。

渡邉 勇
 よろしくお願いします。

保室長
 それから、同じく久慈市の地域おこし協力隊、藤織 ジュンさんでございます。

藤織 ジュン
 よろしくお願いします。

保室長
 洋野町で、おなかサロンPonPonを主宰されています堀米 裕子さんでございます。

堀米 裕子
 よろしくお願いします。

保室長
 一般社団法人 大野ふるさと公社 休養施設グリーンヒルおおので副支配人をされています岩谷 賢治さんでございます。

岩谷 賢治
 よろしくお願いします。

保室長
 野田村からイタリアンのカフェレストラン「Osteria Vai-getsu」のシェフでございます小野寺 智子さんでございます。

小野寺 智子
 よろしくお願いします。

保室長
 普代村にございます株式会社 マルサ嵯峨商店の販売主任でいらっしゃいます下道 一江さんでございます。

下道 一江
 よろしくお願いします。

保室長
 よろしくお願いします。
 私ども県からは達増知事、そして県北広域振興局の八重樫局長も出席していますので、どうぞよろしくお願いします。

八重樫局長
 よろしくお願いします。

保室長
 さて、それでは少しアイスブレークということで、皆様方のお手元にございます、今日、御出席の方も非常に関係のあるお菓子だと聞いておりますけれども、それでは局長の方から御紹介をお願いしたいと思います。

八重樫局長
 本日、お手元にお配りしていますのは、今回の参加者であります渡邉さんの開発しました「べっぴんベーグル」というもので、このシリーズの中のまめぶをイメージした商品の「まめーブル」を御用意いたしました。開発ストーリーなど意見交換の中で渡邉さんからお話があると思いますので、召し上がりながらよろしくお願いします。

保室長
 お飲み物等もございますので、お召し上がりながら進めさせていただきたいので、まず皆様、味見をしていただければと思います。

達増知事
 ベーグルらしいしっかりした歯ごたえ、口当たりの中にまめぶ的なものが入っていていいですね。

懇談

写真:懇談会の様子2

保室長
 それでは、お口の中の調子がよくなったところで、最初にお一方ずつ自己紹介をお願いしたいと思います。大体2分ぐらいでお願いします。
 それでは、このパンのこともありますが、渡邉さんの方から順次お願いします。

渡邉 勇
 久慈市地域おこし協力隊の渡邉 勇と申します。所属が農政課になります。担当している地域がここから車で30分ぐらい岩泉方面へ行った山根という人口350人ぐらいの小さな集落なのですけれども、そちらで商品開発だったり、イベントの企画運営だったり、そのようなことをやっています。よろしくお願いします。

保室長
 では、藤織さんお願いします。

藤織 ジュン
 同じく久慈市の地域おこし協力隊の藤織 ジュンと申します。
 私は、去年の夏から北限の海女を始めまして、海女をやりながら観光のPRをするというお仕事をしていますので、久慈市のPRをSNSを通じたりしながら全国に発信していく仕事をしたり、最近ではもぐらんぴあという地下水族科学館ができたので、そちらで実演を行ったり、今日はこの後、東京に行きまして、東京のサンシャイン水族館で北限の海女と潜るというイベントに行ってまいります。いろいろ地域のイベント、お祭りもそうですけれども、いろいろな形で久慈市をどうPRしていこうかということを日々考えながらお仕事させていただいています。よろしくお願いします。

達増知事
 ドラマ「あまちゃん」の中で海女カフェをつくって、その海女カフェに大きな水槽を置いて、そこで主人公アキちゃんが潜るところを見てもらおうと思ったけれども、水槽をつくるにはお金がかかるからそうしないで……

藤織 ジュン
 映像……

達増知事
 ええ。だから、ドラマでやろうとしていることを今現実にもぐらんぴあでやっているのはすごいと思いました。

藤織 ジュン
 はい。「あまちゃん」ファンの方々には大変喜んでもらっています。ありがとうございます。

保室長
 では、堀米さんお願いします。

堀米 裕子
 洋野町でおなかのセラピストをしています、おなかサロンPonPonの堀米裕子と申します。
 心と体と両面のケアをメーンでやっているお仕事なのですけれども、震災後、体と心が一緒に元気でなければ、人は元気に過ごしていけないのだというのをお客様に接しながらすごく感じています。
 それとは別に洋野町をもっと楽しくしていけることを少しずつでもできたらと、「ひろののなかまプロジェクト」を姉と取り組んでいます。「ちょっとかわいいな。」とか、「めんこいから手にしたい。」というような、ただ単に「旅に行った思い出に、何かお土産を買わなければいけないから買っておこう。」ではなくて、「かわいいから欲しくなったもの」を大切にしていくイメージのものを発信していけたらということで、ゆっくりと活動をしているところです。

保室長
 では、次に岩谷さんお願いします。

岩谷 賢治
 私、一般社団法人 大野ふるさと公社の岩谷と申します。おおのキャンパスで皆様から親しまれているかと思います。
 普段は休養施設のグリーンヒルおおのでフロント業務、接客担当をさせていただいています。そして、去年から地元小学校の教育旅行を担当したり、修学旅行誘致説明会などに参加したりして洋野町おおのキャンパスをPRする活動に携わっています。本日はよろしくお願いします。

保室長
 よろしくお願いします。
 それでは、小野寺さんお願いします。

小野寺 智子
 野田村で地産地消のイタリアンカフェレストランをやっている小野寺 智子です。
 私の場合は調理師ということで、食を通じての復興という形、少しずつ何かできないかということでやっています。よろしくお願いします。

保室長
 よろしくお願いします。
 それでは、下道さんお願いします。

下道 一江
 普代村から来ました嵯峨商店の下道です。
 工場が久慈にありまして、あと野田村にもお魚センターという店舗がありまして、県北でいろいろ水産加工をやっている会社に勤めています。
 震災後、普代村のコンブで地域おこしというか、村おこしを始めて、それに参加するようになってからいろいろな商品を開発したり、いろいろなコンクールに参加させてもらってへこんだり、喜んだり、いろいろ勉強しながら進めています。よろしくお願いします。

保室長
 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます。
 それでは、続きまして、早速ですけれども、お一人3分、4分ぐらいで本格復興ということで、皆様方がお取り組みになっています様々な活動あるいはこれからの展望、あるいはこういうことが課題ではないかなど、いろいろと普段からお感じになっていること、あるいは思っていること等様々あると思いますので、先ほどの順番で、今度はお二方ずつに区切って進めたいと思いますので、お願いします。
 では、また最初に戻って渡邉さんの方からお願いします。

渡邉 勇
 先ほどから気になっていると思うので、少し説明させていただきます。
まず、ベーグルですけれども、私は地域おこし協力隊として久慈市に入って2年目です。昨年の4月末に来てすぐゴールデンウイークだったのですけれども、「べっぴんの湯」という山根町にある温泉と共同で何かできないかと言われて、そのときに「ベーグルはどうでしょう。」と言ったら、それでこういう雑穀や山根で作ったもので何かということで出しました。山根町でやる「くるま市」という雑穀や田楽など、そばを食べる地元の小さな場所があるのですけれども、そこに、それを毎月、出すようなことでやっています。これもべっぴんの湯と共同で開発しています。
 山根町はイワナの養殖をやっている方がいるので、こちらの燻製もイワナを何か商品化できたらいいと思って、塩焼きもおいしいのですけれども、そのままだとなかなか遠くに届けられないので、燻製にしたらより遠くに届けられるのではないかということで開発しています。
 商品開発は私の活動のうちの一つなのですけれども、農業もやっていまして、「ヤマシラタマダイズ」という山根町にある在来種は味がよく、かつては県の奨励品種だったのですが、病気に弱く衰退していたものを、今は種から育てて復活させ、最終的には6次産業化していこうという活動を今やっていまして、今年の目標は種をとって、それを地元の方に一緒に植えてもらって、豆腐にしたいと考えています。今、別の活動で、地元の廃校になった場所に地元のお母さん方や有志が集まって「べっぴんカフェ」をつくろうという活動をやっていまして、そのプレオープンとして7月16日の土曜日に「山根サマーフェス」というイベントがあるので、そのときにワンプレート料理を出します。
 あとは、イベントなのですけれども、今年、雪灯りをやりまして、山根は結構、雪が降るのですけれども、そういう雪灯りをやっていなかったけれども何とかそれを利用できないかということと、普通の雪灯りではつまらないので、「雪神座」という新たなイベントを作りました。そもそも山根の地域には「石神座」というものがありまして、農業をする時に、畑を掘ると石がごろごろ出てくるのですけれども、それを積み重ねて五穀豊穣を願う風習を少し現代風にアレンジして、石を重ねるところを雪だるまをつくって重ねることにして、中に灯りをともすというものにしたところ、その企画がかなり好評だったので、来年もやりたいと思っています。
 あと山根にはオオミネヤマザクラという一本桜というものがありまして、そのトレッキングを今年4月に企画してやりました。当日、雪が降ってしまって少し天候が荒れたのですけれども、天候に左右される企画ではありますが、今後も続けていきたいと思っています。
 そのような形で続けていって、地域の方と一緒にやっていきたいと思って活動しています。
 以上になります。

保室長
 では、次は藤織さんお願いします。

藤織 ジュン
 私は、海女をやりながら観光のお仕事をさせていただいているのですけれども、久慈市といえば「あまちゃん」で大変有名になりまして、観光客も大変増えたと聞いていて、ずっと永遠に「あまちゃん」の土地ではあると思うのですけれども、やはり年々、訪れる人は減っていってしまうというのが現実にありまして、「あまちゃん」で有名になって訪れてくれた方がリピーターになってという面ではかなりこれからも「あまちゃん」を推していくのはすごくいいと思います。何か「あまちゃん」以外で、この土地の魅力、「あまちゃん」を見て久慈市に来たけれども、久慈市が好きになったという方をもっともっと生み出していくにはどうしたらいいのかというのが課題と思っています。地下水族科学館の「もぐらんぴあ」も、つい最近5万人の来場者を突破しまして、今も大変人気でたくさんの人に訪れていただいているのですけれども、これからもずっともぐらんぴあが盛り上がっていくにはどうしていったらいいかなということで、やはり小さい水族館でもありますし、これからどういうイベントをやって、どういうお魚で、どういう見せ方をしたらいいのかなど、一つ一つが課題だと思っています。久慈市は交通の便もそんなに良くないとよく言われています。バスの本数が少ないとか、電車はありますが、本数も少なくて、新幹線は二戸までしか通っていないので、そんな中で、どうしていったらもっと人が久慈市に来てくれるのかなというところが課題だと思います。
 私は、主にSNSを通じて全世界に久慈市の情報発信をしているのですけれども、もっともっと効率的ないいPRの方法はないかということを日々模索していて、サンシャイン水族館のお話を最初にさせていただいたのですけれども、今回は挑戦で、違う水族館で潜ってみたらどうかというので、初めての試みなのですけれども、私は久慈市を全国、全世界にPRして歩くことが仕事だと思っているので、その方法を日々模索しています。それで、3年後どういう仕事に就くかというのがまだ具体的には分かってないのですけれども、そのことも考えつつ、PRする方法をいろいろと何か御意見があれば、聞きたいと思ってまいりました。

保室長
 ありがとうございます。
 知事の方からお願いします。

達増知事
 渡邉さんには山根で、地域の資源をかなり発掘していただいているということですごいですね。「雪神座」というところまでいくというのはすごいと思います。オンリーワン的な他に無いものというのは、地域資源としては非常にいいのだと思うので、ぜひその調子で頑張っていただきたいと思います。
 べっぴんベーグルというのも「べ」と「ベ」で語呂も合っているし、ベーグルというのもいろんなベーグル、パンでもいろいろなパンがあって、パン好きの人たちはそのパンの味の違いや、おいしさの違いなど見分けながらおいしいパンを食べるのですけれども、ベーグルは、まだ日本ではあまり発達していないので、いいところに目をつけたのではないかと思います。
 藤織さんはサンシャインでも潜るということで、すごいと思います。「あまちゃん」のドラマが作られるときにNHKのプロデューサーやディレクター、そしてあと脚本を書いた宮藤官九郎さんが東北のどこかを舞台にするということは決めていたけれども、どこを舞台にするかはまだ決めてなくて、宮藤官九郎さんも最初は沿岸とは考えていなくて、山間部の村で何か村おこしをする話というようなイメージでいたそうなのですが、この久慈に来てここがいいというようにぴんと来て、「あまちゃん」が久慈でつくられたという話なのだそうですけれども、やはりいろいろな魅力があるからそうなって、ドラマの中で取り上げ切れていないようないいものが久慈周辺、周辺町村も含めてあるので、そういう「あまちゃん」以外の魅力もどんどん発掘して伝えていくというのはやりがいがあると思うので、是非その調子でやっていただきたいと思います。

保室長
 ありがとうございました。
 それでは、次に堀米さんお願いします。

堀米 裕子
 私は、洋野町で活動していることについてお話しさせていただけたらと思っています。キャラクターとしてこういう非公認キャラクターなのですけれども、南部もぐりの妖精「モグっぺ」というキャラクターを中心に展開しているという状態なのですが、始めた当初は地元のお土産で魅力発信ができたらいいなと思っていましたが、続けていく中で、もう少し違った立場で、この「モグっぺ」たちが活躍できたらと思い始めたところです。
 地域応援のためにということで買ってくれる方が多くて、そういう方に支えていただいて本当にありがたいと思っている中で、せっかくなら、協力するために買っていただくだけではなくて、実用的だし、使い続けたいと本人が本当に大切にして、毎日使えるものを提供していけるようになりたいと思うようになってきています。
 それで、自分自身も姉と一緒に活動する中で、見た目ではなくて、本当に自分がありがたいと思ったり、これはすごくいいものができたという気持ちで商品をつくったり、発信していきたいと改めて感じています。
 また、「ひろのcolor」というイベントの事務局をしています。洋野町の女性たちが、洋野のお土産を洋野の人たちが作って、手づくりなど自分なりの「めんこい」と思うもの、大切と思えるものを作ってイベントを洋野にゆかりがあるみんなで盛り上げています。これまで3回開催していて、まだまだ始めたばかりですが、外部から引っ張ってこないと地元には何もないということではなくて、そもそも素晴らしい人や素晴らしいものが既にあることを知っていただきたいし、一緒に楽しんでいきたいという思いを、町の方も共有して応援していただいているということをすごく感じています。
 そして、「これは久慈のことだから、洋野ではないから関係ない。」というふうに、地元とその他は無関係といった感じになるとすごくもったいないと思うのです。暮らしている洋野町のことを大切に思っているのですが、その上で、自分の町が一番という発想ではなく、みんなで共有して繋がっていく方向で活動していけたらと思っています。

保室長
 ありがとうございました。
 では、次に岩谷さんお願いします。

岩谷 賢治
 私、実は盛岡の出身でございまして、洋野町に移り住んで4年ぐらいになります。種市に住んでいるので、毎日大野まで30分かけて通勤しています。気候が全く違って、今の時期ですと種市はやませで肌寒いのに、大野の方に行くと蒸し暑かったり、雪が種市には全くないのに大野は大雪であったり、海と山を存分に味わいながら生活しています。
 自己紹介でも少し触れたのですけれども、私は地元の小学校の教育旅行を去年から担当させていただいています。先月ですけれども、種市地区の小学生が大野地区に来て2泊3日の民泊体験をしました。今日は、その地域の資源を生かした教育旅行のPRも兼ねて話をさせていただきたいと思います。
 洋野町内の交流の促進として今年で7回目となった教育旅行は、小学校と、洋野町の海と高原のまち・ひろの体験交流促進協議会、そしておおのキャンパスが窓口になって実施しています。今回来た種市の子どもたちは何度かおおのキャンパスに来たことがあるけれども、道の駅しか知らなかったり、小さい頃に来たことはあるけれども、あまり覚えてないということがありまして、合併して10年になるのですけれども、まだまだお互いの地域のことをよくわかっていないのが現状だと非常に感じることがあります。
 戻りまして、1日目はおおのキャンパスで工作体験とグリーンヒルおおのに泊まり、2日目は民泊体験、3日目はそれぞれの受入農家で収穫した野菜などを実際に販売するというプログラムとなっています。1日目は工作体験で陶芸ろくろ、実際に土を練って、その後にろくろを回して自分たちの作りたいもの、例えば湯飲みであったり、マグカップ、お皿など。今回担当したのですが、最も難易度が高い一輪挿しを作った女の子もいまして、もちろん結構難しいですけれども……。もちろん職人が補助していくのですけれども、誇らしげに自分たちの作った作品の写真を撮ったりとか、評価し合ったり、何よりも職人の見せる技に大変驚いていたのが印象的でした。
 また、大野といえば地元の木を使った大野木工が非常に有名でございますけれども、実際に職人が四角い木の状態からろくろを回して器にしていくという工程も見ることができまして、子どもたちが真剣に見ている姿が非常に印象的でした。器をつくった際に出た木くずを何に使うかわからないですが、持って帰ったりしている子どもたちもいました。
 その後は、おおのキャンパス内に隣接している「ひろのまきば天文台」にて星空観察をしまして、その日は天候がよくて土星がすごくきれいに見えて、生徒はもちろん先生も大喜びしていました。
 2日目はアイスブレークという意味もあり、本州最大級のパークゴルフ場で、民泊受け入れ農家の方々とパークゴルフを楽しみました。
 そして、翌日3日目に民泊先で収穫した野菜などを道の駅で実際に販売するというプログラムになっています。
 今、ざっくりとお話ししたのですけれども、これらのプログラムを通して海側の子どもたちが大野地区の資源を使った素晴らしい職人技術に触れて、生活に触れて実際に体験、経験することで町の良さを知ってもらえると思います。
 こうやって、洋野町をPRしたり、地域の方々や多くの人と出会うことができる仕事をしている中、やはり子どもたちとの体験交流の時間は、私にとってとても貴重な時間であるし、真剣に取り組んでいかなければいけないと思うようになりました。
 堀米さんとは逆になるのですが、彼らが大人になって、ふるさとが一番だと感じて町内外の人に魅力を発信したり、親になったときに自分の子どもたちに洋野町の良さを伝えてくれれば町の復興につながると考えています。
 私自身4月に長女が誕生しまして、今家族3人で暮らしていますけれども、その子が洋野町で育っていくので、ますます今後の洋野町に対して真剣に考えるようになりました。洋野町が盛り上がるような取組やイベントなどをこれからどんどん考えていきますので、一緒に何かやりましょうなどとお声をかけていただければうれしいです。以上でございます。

保室長
 ありがとうございました。
 それでは、知事からコメントをお願いします。

達増知事
 どちらも洋野町ということで、堀米さんの取り組んでいる雑貨、グッズの製作や販売など大変いいものができていいと思います。

堀米 裕子
 ありがとうございます。

達増知事
 復興との関連では、沿岸の被災地でグッズを作ったものを売って復興の力にというのはあちこちで行われているのですけれども、協力ということで買ってもらうというだけではなくて、やはり商品自体のクオリティで買ってもらえるようにしようというところが大事だと思いますね。そうすると息長く続いたりしますので、やはりそういう発想が大事なのだと思います。
 それから、自分の住んでいる場所を大切にという発想がいいですね。ともすれば競争みたいになってエリアを区切ってエリア同士の競争みたいな地域振興になったりするのですけれども、他との比較ではなくて、いい意味で自分中心、あるいは自分たちを中心に考えて、そこをどれだけ良くしていくのかということだと思います。
 東日本大震災の後、復興に取り組む中で私も日々感じているのですけれども、地域を掘り下げて深掘りしていろいろな資源や価値を発掘していくということが非常に大事だと思っていて、国で復興の有識者会議の報告書をまとめるときに私も参加していて、ローカルダイバーを増やそうという提案をし、それが通って報告書の中に書かれているのですけれども、それは地域に潜る人という意味で、発想の元は「あまちゃん」の海女になるわけですけれども、海に潜るだけではなく、地面にも潜って琥珀を掘ったりする人もいて、そういう地域に潜っていろいろな特産品を開発したり、そういうのも含めてどんどん掘っていく、そういうのが大事なのだと思います。
 岩谷さんの教育旅行の様々なプログラム開発は非常にありがたいですね。岩手県としても教育旅行が非常に大事だと思っているので、そういうものをどんどん進めていらっしゃるというのは県としても非常にありがたいです。今年度は、国の方でも観光を復興の力にしようということで、昨日も復興大臣が岩手に視察に来られていたのですけれども、沿岸の方の視察に加えて花巻の宮沢賢治記念館も視察していて、なぜ復興大臣が花巻の宮沢賢治記念館なのだと思われる向きもあるかもしれないのですが、やはり観光の力を復興の力にというのが今年度の政府の一大基本方針で、観光庁も力を入れているので、復興庁も復興予算の枠組みで東北の観光支援に結構予算を確保していろいろな事業をやっているのです。そのように、いろいろな観光があるのですけれども、その中でも県としては教育旅行が大事だと思っていて、特に沿岸被災地、復興地での教育旅行ですね。県では今年度からDMO(デスティネーション・マネジメント・オーガニゼーション)という観光振興機関、それは国の認定を受けると様々な事業がやりやすくなるということもあって、いわて三陸基金という三陸の沿岸の地域振興をするための基金の組織があったのを丸ごとDMOにして今年度からやっているのです。その中でもやはり教育旅行の開発というのが目玉になっています。並行して県の組織としても三陸総合振興準備室をこれは昨年度から立ち上げて、盛岡駅隣のマリオスビルの中に県の観光協会の事務所の隣に三陸総合振興準備室という三陸総合振興といいつつ、やはり目玉は観光でありまして、そういうものを県の内部組織としても設けているし、あと県の外にDMOを作ってやっているところで、ぜひそういうところも参考にしていただきながらやっていただきたいですし、我々も大野での教育旅行の動きについても大いに参考にしていきたいと思います。

保室長
 ありがとうございました。
 それでは、次に小野寺さんお願いします。

小野寺 智子
 私のお店は3月15日にオープンしました。まだ4カ月ぐらいなのですけれども、そもそも何で私がこの店をやろうと思ったかというと、私は野田村の出身で、野田保育園、野田小学校、野田中学校、あと久慈工業と、ずっと野田で育ってきたのですけれども、震災のときに私は東京で修行をしていまして、野田の情報が全く入ってこなくて、そのときにすごくつらいというか、何とも言えない感情のまま日々過ごしていて、何かしたいと思ったのですけれども、力もないし、何ができるのかもわからないと思って日々を過ごして、昨年の夏、秋ぐらいに自分にできることというのはこれしかないのではないかということでお店を出しました。そのときに地域の人たちから不満や改善点など色々な話を聞いて自分の職業でそれを一つ一つ改善していきたいと思って、それができるかわからなかったのですけれども、何もしないでいることができませんでした。お店を出して強く思ったのが、野田村・岩手県はすごく食材に恵まれている地域、食材の宝庫だということ、それを使うことによって、もちろん野田村に視点を当てますと野田村の人たちが自分はこんなにいいものを作っているのだという再認識、あとはそれを周りの県外や内陸の方などに伝えることによって、またやりがいを感じるのではないかと思い始めて、現状として野菜は地元のもの、県産のものにこだわって使っています。それをお客さんにもアピールするのですけれども、「これはここの地域でとれた特産なのですよ。」と説明しつつ、お客さんからもらった声を、「これっておいしいね。野田村ってこんないいところなんだね。」というのをまた生産者に返すというつなぎ役のようなことで復興の形としてやっています。
 あとは村の改善点としては、「いいところだね。」と旅行に来たけれども、泊まる場所がないとか、観光スポットが限られる。久慈市に行けばあるのですけれども……。今、私自身が、野田村は県内でも影が薄いところだと思っているのですけれども、それをもう少しみんなで協力してやっていけたらというのが改善点ですね。

保室長
 ありがとうございます。それでは、下道さんお願いします。

下道 一江
 普代村は漁業の町で、震災のときにも養殖施設がほとんど流されてしまって、その後漁師の人数が減ったりして、海産物が少なくなっていました。そのときにコンブでの村おこしプロジェクトを進めたのですけれども、ワカメは結構みんな知名度が高いので、ワカメは売れやすいのですけれども、コンブがなかなか売れないので、コンブでのプロジェクトに参加していろいろと村内にある5事業所でいろいろなコンブの商品を開発して、そこからPRして村を盛り上げようということで始めました。最初の年は嵯峨商店でもコンブそのものを発売したのですけれども、コンブだけだとやはりなかなか売れないので、それは大失敗に終わりました。次の年にコンブを使ったり、ワカメも使ったり、もう少し、うちの会社にある商品をいろいろと取り入れて違う方面からも販売しようということで、食べやすいサイズにした商品として、この小鉢を発表しました。これを平成26年度に始めて、その年の水産加工品コンクールで岩手県民特別賞に入ったら、そのおかげでその後、注文が来るようになりまして、調子に乗って特産品コンクールなどに出品したのですけれども、賞に入ったのは、その1回限りでした。
 これを開発するにあたって、デザインやラベルなどを作るのに少しお金がかかるのですけれども、それを村の方でも協力してくれて、基金や補助金などをいろいろ紹介してもらって、それらを活用しています。今度は少し欲が出てきて、ハーゲンダッツ方式でいろいろと賞品を増やそうという方向になりまして、今6種類あるのですけれども、今年度はもう少し増やして、でもうちの会社にあるものを使いたいので、今一番力を入れているのはホヤの塩辛と、今最盛期のウニを使った塩ウニと、これから秋、冬に加工する予定のイクラを入れて小鉢を9種類にしてお歳暮などに活用してもらおうとやっているのですけれども、少しお金がかかるので、何か補助金や基金などがあればそれらを活用させてもらいたいと思っているところです。

保室長
 ありがとうございました。おいしそうですね。
 では、知事の方からお願いします。

達増知事
 イタリアのレストランというのは、基本的にはレストランがある場所から半径何キロ以内でとれたものを使った料理を出すと聞いたことがあるので、地域振興にイタリアンレストランというのは向いているのだと思うのです。野田村はおっしゃるとおり食材が大体そろうのではないですか。海のものや山のものなど、実は非常に恵まれた場所でもあると思うので、非常にいいと思います。野田村では、道の駅のあたりを中心に活動とか、あと野田村のえぼし荘でもいろいろ野田村の素材を使った食べ物、料理をつくるなど工夫しているみたいですし、そういう活動が盛んでいいと思います。
 それから、下道さんのマルサ嵯峨商店の活動で、普代の浜小鉢、やはりサイズやパッケージなどというのは非常に大事だと思いますね。東京など都会の人たち、オールジャパンで勝負していくにはそういうところが大事で、県としてもそういう付加価値を高めて販路拡大を応援しようという一大基本方針がありますので、いろいろと応援する事業がありますので、教えてもらってください。

下道 一江
 よろしくお願いします。

保室長
 ありがとうございます。
 一通り皆様方から御自身のお話をいただきましたけれども、一人一人からお話を伺ってみて、「あっ、そういえば」というように気がついたことや、「さっきちょっと言い足りなかった。」、「あっ、思い出した。」など、何かありましたらぜひ御自由にお話をいただきたいと思いますが、どうでしょうか。

小野寺 智子
 たくさんあり過ぎて、絞り過ぎてあまり話せなかったのですが、「あまちゃん」の時は三陸鉄道が結構黒字になったと聞くのですけれども、今また赤字になったと聞いていて、そういう思いもあって、今道の駅の目の前に私のお店があるのですけれども、三陸鉄道を使って来店されたり、三陸鉄道を使って帰られるなど、国の方などもそういうダイヤを考えて少しずつ利用客が増えているというのは聞いているのですけれども、それをもっと久慈とか普代の方と利用を増やすにはどうしたらいいかということを相談しながら何か考えていきたいと思っています。

藤織 ジュン
 私は個人的にお店には大分、足を運んでいるのですけれども、私は最近になって車の運転免許を取ったのです。前までは免許がなかったので三陸鉄道に乗って野田に行って、でも野田に行った時に駅前に余り休める休憩スペースがなくて、次の電車が来るまでの時間がつぶせなかったのです。それがイタリアンカフェができたことによって、時間がつぶせるようになったので、これからまたそういうところが増えて駅で時間がつぶせれば来る人もいるのかなとは思うのですけれども。

達増知事
 IGRいわて銀河鉄道も、駅の周りにそういうものがなかなかできないから、自分で滝沢駅に焼き鳥屋を作ったり、青山駅に地産地消レストランを作ったりしているのですけれども、やはりそういうところが駅のそばにあったほうがいいのですよね。だから、陸中野田駅前にレストランを開いていただいて非常にありがたいことですし、三陸鉄道にも今の話を伝えて、三陸鉄道との連携も図りましょう。
 三陸鉄道は単に鉄道事業をやるだけの会社ではなくて、やはり地域振興もミッションですし、今JRがやっている宮古~釜石間が3年後にはJRによる復旧工事が完了し、そして三陸鉄道に引き継がれて、三陸鉄道として北から南まで一貫運行が始まる3年後、それに合わせて三陸復興防災博覧会というイベントをやることにしています。基本は三陸鉄道の駅をそれぞれステージあるいは会場にしてイベントをしようという趣向で、イメージとしては三鉄北リアス線、南リアス線の運行再開、2年前の4月初めの三鉄全線運行再開のときのイベントをもう少し大々的にやろうと。そこに向けて、あのときは基本的に三陸鉄道という会社中心にやったイベントなのですけれども、県も加わり、また沿線市町村とも連携し、様々民間の企業や団体、いろいろな幅広い主体と連携して博覧会というくらいの規模のイベントにしたいと思っていまして、そこに向けた協力の形をつくっていくことがその後、普段の地域でのいろいろな協力にもつながっていくと思っています。岩手全体で東日本大震災の翌年にデスティネーションキャンペーンというJR東日本と自治体が連携してやる一大観光イベントを3カ月間にわたってJRグループを挙げて、特にJR東日本、東京のいろいろなJRの駅で「岩手に行こう、岩手に行こう。」と宣伝してもらって、それに呼応して岩手側でも各市町村行政や民間など、みんなで観光振興、レベルアップするためにいろいろな取組をした経験が今オール岩手の観光推進協議会という形で残って年度ごとにいろいろ話し合って計画を立てて観光振興の体制として残っているので、3年後の三陸復興防災博覧会というのに向けて沿岸におけるそういう体制を作ればいいと思っているので、その辺も注目していただきたいと思います。

保室長
 その他に何かありませんか。
 はい、どうぞ。

渡邉 勇
 皆さん、是非、イワナの燻製を召し上がっていただきたいと思います。

保室長
 そうですね。

達増知事
 適宜、回してもらえば。

渡邉 勇
 頭をむしって、あとは全部食べられます。

達増知事
 ええ。うまい、うまい。

藤織 ジュン
 観光にいろいろ挑戦はしているのですけれども、今月30日にふるさと大使会というものをやろうかと思っています。今、北三陸の久慈のふるさと大使が100人ほどいるのですけれども、久慈市もいろいろなイベントをやって、三陸鉄道さんもそうですけれども、イベント列車をやって、来る場合と来ない場合と結構幅も広くて、「例えば、ふるさと大使の人たちは久慈に来てくれるのか。」、「何が好きなのですか。」、「久慈で何のイベントやったらいいと思いますか。」というようなことを来てくれる人に聞いてみようかと思っています。また、私たちも久慈のために何かやるけれども、久慈市に来てくれるふるさと大使の人たちは久慈市のために何かやりたい人も多いのではないかということで、「いわて国体の花いっぱい運動にふるさと大使も参加しましょうよ。」ということで、プランターに花を植えてもらうというのをやってもらうことにして、それで夜は懇談会ということでお食事をしながら「久慈のどういうところがいいですか。」、「どんなイベントやったらおもしろいですか。」とか、それこそ今私が今後考えているのはふるさと大使で何かイベントができないかなと、私たちがやりたいことをここで実現していけないかなと思っています。三鉄を貸し切って、私たちふるさと大使がやりたいイベント列車をやってみるとか、何かそういう来てくれる人に聞いたらいいかなと最近思っています。

達増知事
 それはどんどんやるといいと思います。どんどん集まって情報共有、意見交換するというのが大事だと思います。そこから、「ではあれをやろう。」、「これをやろう。」とどんどん決まってくると思うし、仮に何か決まらなかったとしても、そこに参加した人たちがそれぞれ、自分はこういうことで貢献できるとか、自分はこういうことをすればいいのだとか、自分のすべきことが見えてくるというところがあって、何か議会の議決みたいな強制力ある決定、参加メンバーは全員それに従うみたいな決定ができないとしても、情報の共有と意見の交換をすることでそれぞれのやるべきことが見えてくるというところがあって、行政側としてもこれからはそういう感じで行政の指示や命令などでみんなに動いてもらうという時代でもなくなってきているので、それぞれが主体的に「自由にあれをすればいい。」、「これをすればいい。」という答えが見える、答えが出るための場を作るというのが行政としても大事だと思っているので、そういうことをどんどんやるといいと思います。

藤織 ジュン
 頑張ります。

達増知事
 三鉄の取締役会長として、三鉄を貸切りでどんどん利用してもらえればと思います。

藤織 ジュン
 岩手県民だと貸切りがすごく安くできるのですよね。

達増知事
 はい。

藤織 ジュン
 だから、いっそ貸切って、みんな何かやるというのがもっと広まればおもしろいと思います。

保室長
 はい。

堀米 裕子
 私は知事にお聞きしたいことがあって、直接お話しできる機会がなかなかないので、失礼かもしれないのですが、お聞きしてみたいです。
 それこそ復興に向けていろいろな取組を、具体的にどんどんなさっていく中で、私の暮らしているところは本当に海の近くで、昔の三陸大津波の時はうちまで来ていたことも聞いていたので、震災後、なおさら本当に奇跡的に生きているということを感じながら過ごしています。やはり多くの方が亡くなったことや、怒り、悲しみなどを発信していくという原動力はすごく大きいとは思うのですけれども、私も岩谷さんと同じく娘が震災後に産まれて、「生きていることが本当にありがたい。」と思っています。その上で知事の心の向きというか、具体的な施策をしていく手前のところでどんな思いで向かっておられるのかをぜひお聞きしてみたいです。

達増知事
 復興について言えば、自分自身の心の整理も兼ねて県としての基本方針を早い段階で決めて出したほうがいいと思って、それでまず犠牲になった方々のふるさとへの思いをしっかり引き継ぐというのを第1の基本原則にし、第2としては難を逃れた方々の幸福追求権を保障するということを2番目にして、やはり生きている人たちのためだけの復興ではないという考えは最初から持っているし、今でも持っています。亡くなった方々のためにも頑張らなければならない。亡くなった方々のためにも復興しなければならない。そしてまちづくりや、いろいろな施策をするに当たっても亡くなった方々がもし生きていればどう思うだろうかということも配慮しながらやっていかなければならないというように思ってやっています。また、難を逃れた方々については幸福追求の権利を保障するというのは憲法13条に書いてある言葉でして、幸福追求の権利というのは。それは、憲法の基本的人権の一番最初のところに書いてあって、およそ基本的人権の原点で、またそのルーツはアメリカ独立宣言の生命、自由、幸福追求の権利、これはもう何人も奪うことはできないというようなことが独立宣言に書いてあって、民主主義の原点でもあって、改めて復興というのを一つは一人一復興、一人一人がそれぞれ生活を再建し、なりわいを再生し、勉強しなければならない人たちはしっかりと学校で学べるようにしていくということを一人一人について実現していかないと復興にはならないということと、あと復興の原理原則として人類が探し当てた民主主義の一大原則、それは自治体のあるべき姿でもあるので、そういうのに則ってやっていかなければならないということを打ち上げることで、復興ということがただ必要に迫られてやらなければならない、大変だということなのではなくて、やる意義のある、やり遂げることで亡くなった方々に対する慰霊にもなり、そして生きている人たちとしては新しいものをつくり上げる、やりがいのあることになるのだということを、それをまた自分の心の整理としてもやっている感じですね。

堀米 裕子
 ありがとうございます。

保室長
 今の知事のお話は、それを端的にあらわしたものが「がんばろう!岩手」宣言ということになるのですよね。

達増知事
 はい。

保室長
 私もそういうことだと受け止めています。
 ありがとうございました。あともしよろしかったら。

藤織 ジュン
 聞いてみてもいいですか。イクラと、下道さんの普代の浜小鉢のイクラとは違うのですか。

下道 一江
 味が違って、最初に出した方は塩味だったのですけれども、こちらはしょうゆ味です。

藤織 ジュン
 そうなのですね、私が普代村にいたときに、しょうゆイクラを買ってすごくおいしかったのですけれども、どうなのですか、塩としょうゆとどちらの方が売れるとかあるのですか。

下道 一江
 都会の人はしょうゆの方を好まれるのですけれども、料理屋さんは塩味を買って、それから自分たちで味を色々と工夫するらしいので、どちらも大事なのです。

藤織 ジュン
 そうなのですね。ありがとうございます。そんなこと聞きたかったのです。

保室長
 何かレストランで使えるかもしれないというのはあるかもしれないですね。

小野寺 智子
 今、嵯峨さんのイクラを使わせていただいています。

下道 一江
 こちらのレストランの隣の隣にうちのお魚センターがあるのです。御近所で。

小野寺 智子
 最悪、なくなったら走れば何とかという感じで、感謝しています。

藤織 ジュン
 私も利用しています。

保室長
 先ほどまでのお話で、特に下道さんから具体的にこれからの商品開発をどんどん進めていく上で、資金的なものなど様々あったらいいという話もありましたけれども、今皆さんそれぞれのフィールドで一生懸命頑張っておられて、その辺の手応えをお感じになっているとは思うのですが、これをさらにこの先3年、5年という形で続けていくと、不安、あるいは希望に対して何かこういうことが壁として立ちはだかるのではないかなど、将来の展望ということに関してお考えになったときに何かこの際、こういうようになったらいいというようなお話があったらお聞きしたいのですけれども、どうでしょうか。もう今このままやっていけば大丈夫だろうと、そんなような感じでいらっしゃるのでしょうか。

藤織 ジュン
 どうなのですか。渡邉さん、地域おこし協力隊の任期もありますけれども。

渡邉 勇
 先ほど話したくるま市というのを山根町端神地区でやっているところがあるのですけれども、それをやり始めたのが平成元年だったと思うのですけれども、そのときの方がそのままやっているのです。そのため、今70代、80代の方が中心にやっているのです。もちろん体力もなくなってくるので、どんどん出すものが少なくなったりしているので、その次世代の育成がかなり課題になっていまして、山根町自体も人が少なくなって、どんどん街の方に下りて来ているので、町自体の課題とイベントの維持が課題です。

保室長
 今みたいなお話は恐らく身近な問題として皆様方のところにもあるかと思いますし、皆様自身が、中には地元で育って、一旦、出て行かれて、また戻ってきたり、それから全く縁も血縁もないのにおいでくださった方もいらっしゃると思うのですけれども、皆様自身が周りとのネットワークに関してはどうでしょうか。例えばよそから来たということに関して、これからどうしようかなというときに今みたいに後継者がいないという状態で、もしかしたら自分がなるのかみたいな、そういうようなことも思っていたりもするかもしれませんけれども、そういう地域の将来がこうなっていくのに対して自分がどう関わっていったらいいのかというようなことに関してお感じになっていることなども含めていかがですか。

藤織 ジュン
 海女に関して言えば、完全に後継者不足です。私は去年から潜っているのですけれども、今年から千葉県から来た同じ地域おこし協力隊の前田比奈さんという方が海女で同い年なのですけれども、潜ることになりまして、私と比奈さんが一番若手でやっていて、あと高校生海女クラブということで、高校生のアルバイトの子たちが夏休みになると潜ったりはするのですけれども、北限の海女自体ですね、漁をしている海女さんたちもそうなのですけれども、小袖海岸というところで観光の海女としてやっていますけれども、そこは7月から9月までの3カ月しかやれないのです。海女で生活していこうとなると、やっぱり海女だけでは無理なのですよね。私も地域おこし協力隊ということで3年の任期で今半年がたちましたけれども、私個人で言えば観光PRの仕事をしているけれども、この先どうしようというのはかなりありますね。海女だけでは生きていけないし、観光の仕事といっても、今は久慈市役所の観光課がやっているような感じで、イベント会社などすごく大きなものがあるわけでもないので、お祭りなどはどうしても市に頼るような形になっているので、今後東京に帰るか、東京で久慈市のPRをするかなど、いろいろ悩んでいるところです。

達増知事
 地域おこし協力隊のその後問題というのは大事なテーマでありまして、基本はそのまま定住してもらえれば、もうこれ幸いということなのですけれども、そこはいろいろ市町村ごとに考え方や、やり方がありますので、今お話を伺っていて、改めて県としてもせっかく協力隊で来てくださった皆さんが任期終了後に、その後どういうようにしていくかということについて市町村と連携をしながら、一つはやはり移住、定住への大きな流れをつくっていくということが大事だと思いますし、またそうでない場合でも任地との関係が末長くなるような工夫をしていかなければならないと思いますね。

保室長
 せっかく地域の良さを発見していただいた皆さんに末長く関わっていただきたいというのが我々の願いとしてもあります。
 時間が余りなくなってきましたけれども、先ほど三陸鉄道や高速道路が復興道路ということでつながるということもありますし、そのような地域の将来を見詰めた場合、最後に何かこういうように活用したらいいのではないかとか、こういうような地域になっていったらいいのではないかといったような、交通との関わりで何かもし思うことがありましたら、流通面や物流面、人の流れなども変わるかと思いますけれども、いかがでしょうか。 最後にどうぞ。

堀米 裕子
 洋野町種市地区も高速道路の工事が進んでいるところなのですけれども、通過地点になって、種市に降りることができない状態で完成してしまうことがもしあれば、私が観光客の立場で考えると、そこだけを狙って行かない限りは難しいように感じています。

達増知事
 普代村が参考になると思います。一足先にそういう状態になっているのが普代村なので、普代村は基本的に村全体がサービスエリアという感じで、ぜひ道路から普代村に降りて、そこでいろいろ食べたり、買い物したり、またいろいろと見て行ってくださいというような取組をしているので、そういうようになっていけばいいと思います。
 全国のいろいろなケースを見ていると、高速道路網の一番端にあるところというのはストロー効果で吸われるのが多いのですけれども、その途中にある部分というのは、より規模の大きい例では、盛岡が新幹線の終点だったときに八戸まで行けばもう盛岡は素通りされるのではないか、ましてや青森まで行けば、函館まで行けばということがあるのですけれども、盛岡は全然寂れていなくて、やはり、盛岡に用事のある人は盛岡に降りるし、かえって北から南から行き来する中で盛岡が拠点性を発揮して、乗り降りする人はいますので、そういう地域の魅力や拠点性というのをきちっと発展させていけば、むしろ遠いところからもそこに来てくれるというようにしていけると思います。していきましょう。

八重樫局長
 普代村は、今度、県北広域振興局の地域経営推進費で高速道路の看板や市内の案内看板を作ろうということで今進めていますので、そういう方法もあるかと思います。

知事所感

保室長
 最後に、知事から総括をお願いします。

達増知事
 やはりいろんな可能性に満ちた地域であり、またそこを活用しようという新しい力がどんどん出てきているので、頼もしいと思いました。県としても一緒にやっていきたいと思います。今日はありがとうございました。

閉会

保室長
 皆様、本日はどうもありがとうございました。いただいた様々な意見については、持ち帰って、改めて検討させていただきます。
 これをもちまして、県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を終了します。

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