「がんばろう!岩手」意見交換会(平成28年12月5日 盛岡地区)

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ページ番号1000837  更新日 平成28年12月26日

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日時
平成28年12月5日(月曜)14時00分から15時19分まで

場所
岩手県公会堂 2階 26号室

参加者(敬称略)

  • 参加者(敬称略)
    砂壁 純也(ひと雫の酒プロジェクト実行委員会 会長)
    木村 朗子(おいしいもの組合 代表)
    武田 侑二(JA新いわて青年部岩手中央支部 支部長)
    松森 政仁(滝沢市商工会青年部 常任委員)
    辰柳 勝之(酪農家)
    板垣 敬重(総合型地域スポーツクラブ特定非営利活動法人まつぞのスポーツクラブ 理事兼クラブマネージャー)
  • 県側
    知事、盛岡広域振興局長、秘書広報室長

開会

保室長
 それでは、皆様おそろいでございますので、ただいまから県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を始めさせていただきます。
 今日は、「だから、岩手で暮らす!」というテーマで盛岡広域エリアのそれぞれの地域で様々御活動されている皆様にお集まりをいただいています。本日は天候も怪しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございました。
 今日、司会を務めさせていただきます秘書広報室長の保でございます。どうぞよろしくお願いします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1


保室長
 それでは、開会に当たりまして知事から御挨拶をお願いします。

達増知事
 皆さん、こんにちは。県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会は、東日本大震災からの復興や地方創生、ふるさと振興といった岩手県が直面する重要なテーマに関連して、それぞれの地域あるいはそれぞれの分野で活躍している皆さんの現場からの声を岩手県政に生かしていこうという企画であります。今日は県議会議員の皆さん、それから矢巾町長さんもお越しいただきお疲れさまでございます。
 今日は、「だから、岩手で暮らす!」というテーマでふるさと振興、地方創生という政策テーマを軸に置いたような格好でございますけれども、復興もふるさと振興もふるさとを消滅させないという問題意識は同じでありますし、また目指す姿というのも地域で生き生きと働いて稼いで暮らしていくことができる、またその生活というものがどんどん楽しいものになっていく、復興、ふるさと振興、そういう意味では共通している取組でありまして、そういうところから相乗効果を県政でも図っていきたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いします。

保室長
 それでは、以降は着座のまま進めたいと思います。
 まず初めに、今日の懇談会の進め方でございますが、この後私から順次皆様方の所属とお名前を御紹介してまいります。その後、自己紹介をそれぞれいただきまして、一巡してから今日のテーマでございます「だから、岩手で暮らす!」というテーマに沿ったお話を順次お願いしたいと思います。最後の方には、自由意見の時間も設けてございますので、よろしくお願いします。
 それでは、今日、この場に出席しています皆様につきまして御紹介をしていきたいと思います。
 まず、ひと雫の酒プロジェクト実行委員会会長の砂壁 純也さんでございます。

砂壁 純也
 よろしくお願いします。

保室長
 矢巾のおいしいもの組合の代表でございます木村 朗子さんでございます。

木村 朗子
 よろしくお願いします。

保室長
 岩手町から、JA新いわて青年部岩手中央支部支部長の武田 侑二さんでございます。

武田 侑二
 よろしくお願いします。

保室長
 滝沢市の商工会青年部の常任委員を務めております松森 政仁さんでございます。

松森 政仁
 よろしくお願いします。

保室長
 それから、葛巻で酪農をしていらっしゃいます辰柳 勝之さんでございます。

辰柳 勝之
 よろしくお願いします。

達増知事
 それから統合型の地域スポーツクラブ、特定非営利活動法人まつぞのスポーツクラブ理事でクラブのマネジャーでもございます板垣 敬重さんでございます。

板垣 敬重
 板垣です。よろしくお願いします。

保室長
 県からは達増知事、それから盛岡広域振興局の浅沼局長が出席しています。

浅沼局長
 よろしくお願いします。

保室長
 それから、今日は皆様、盛岡地域の選挙区の選出の県議会議員の皆様に御出席をいただいています。出席を予定されていて、まだ御到着でない皆さんもいらっしゃいますが、今こちらに御出席いただいている皆様につきまして、私の方から御紹介をしたいと思います。
 盛岡選挙区の高橋 但馬 議員、滝沢選挙区のハクセル 美穂子 議員、紫波選挙区の田村 勝則 議員、盛岡選挙区の福井 せいじ 議員、同じく軽石 義則 議員、それから、矢巾町の高橋 昌 造町長さんにもお越しいただいています。よろしくお願いします。
 それでは、少しアイスブレイクということで皆様の机の上にはおいしそうなケーキがございます。この懇談会の間に召し上がりながら、適宜、進めていきたいと思いますので、まずはこのケーキの御紹介を局長さんからお願いします。

浅沼局長
 お配りしていますお菓子は、ブール・ドゥ・ネージュ盛岡緑が丘店のケーキであります。マリアージュポムと申します。盛岡、紫波で果樹を生産していますサンファームさんが生産しました紅の夢というリンゴ、果肉まで赤いリンゴを使用したケーキです。チョコレートムースとホワイトチョコのムースの間に酸味の強さが特徴の紅の夢のゼリーをサンドしているものです。チョコレートの甘みと紅の夢の酸味のマリアージュを御堪能いただければと思います。
 この紅の夢は、栽培が難しいもので、どうぞ、食べていただきながら、県内で一定規模でこの紅の夢を生産しているのはサンファームさんだけと聞いているところでございます。当振興局では、広域振興事業としまして地域の若手事業者の方が立案した農商工連携企画を支援していますが、この7月に実施しました地域の生産者、加工業者のつながりを作りますパティシエさん視察ツアーをきっかけとしまして、今回のサンファームさんとブール・ドゥ・ネージュ盛岡緑が丘店さんのコラボが始まったというところでございます。まず、この懇談会中、ゆっくりお召し上がりいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

懇談

写真:懇談会の様子2


保室長
 それでは、懇談に入りたいと思います。最初に、二分以内ということで皆様方から自己紹介をお願いします。順番は砂壁さんの方からぐるっと回したいと思います。では、砂壁さんお願いします。

砂壁 純也
 では、着席のまま失礼します。雫石町で酒米生産を行って、日本酒を作るプロジェクトということで雫石ひと雫のプロジェクト実行委員会で会長を担当させてもらっています砂壁と申します。
 日頃は、株式会社ホンダ四輪販売北東北という自動車の販売会社でサラリーマンをしていますが、一昨年13年ぶりに単身赴任を解かれまして、岩手県に戻ってきて、昨年から冒頭にお話ししたようなプロジェクトを立ち上げて活動をしています。本日は参加の皆さんの貴重なお話も聞けるということで楽しみにして参加していますので、よろしくお願いします。

保室長
 木村さん、どうぞ。

木村 朗子
 矢巾から参りました矢巾のおいしいもの組合の代表の木村朗子と申します。よろしくお願いします。
 本業は、株式会社 木村商店と申しまして、矢巾町で飲食店と、あと山田町で震災以降に宿と焼肉屋をやらせていただいています。おいしいもの組合の方は、今2社ないし3社の組織でやっていますけれども、これは作ることを楽しもうという組織でありまして、本業の方を日々頑張って矢巾の特産品や矢巾の農産物を使っておいしいものを作る組織がおいしいもの組合です。今、矢巾町で新たな特産品でおでんにも取り組んでいまして、そちらの方でも頑張っています。よろしくお願いします。

保室長
 武田さん。

武田 侑二
 岩手町から来ました武田と申します。
 実家の農業を継ぎまして、実家では養豚と露地野菜、トウモロコシ、ピーマン等をやっています。養豚の方では、自分の所で加工する六次産業化をして販売までという形をとらせていただいています。農業就業後は、JA新いわての青年部の支部長であったり、地元の消防団であったり、郷土芸能の活動の代表としてやらせてもらっています。今日は郷土芸能の活動の方を中心に話したいと思っていますので、よろしくお願いします。

保室長
 ありがとうございます。
 では、松森さんお願いします。

松森 政仁
 松森木工所にて木工職人として、また滝沢市商工会青年部にて常任委員をしています松森政仁と申します。
 父が創業して今年で35年になる会社ですが、今期をもって事業承継を行い、第二創業として木工を通じてぬくもりに満ちた心豊かな地域社会を作ることをミッションに据えています。
 私は、宮城県仙台市の建築系専門学校を卒業後、山形県天童市の家具製造会社、そして車の買い取り販売会社を経て、父の会社をいずれ受け継ぐ覚悟を持って、故郷の岩手県滝沢市に戻って以来14年がたちました。帰郷後、ほどなくして職人として物作りに没頭するだけではなく、地元の人とつながりを持ちたいと思い、経営者の集まりである商工会青年部に入会しました。10年ほど前の入部当初は30名前後だった会員数は現在130名ほどと著しく増加しています。地域振興、発展、そしてまちづくり感覚を持った事業への取組を通じて経営者としての資質向上を目指しながら、さらに地域への還流を目指しています。現在、役員の常任委員として、本年度新事業として地域担い手育成事業を企画担当し、未来の担い手と関わることでプロスキルと子供たちの豊かな創造性の交わりの中に未来の可能性を強く実感しています。全ては持続可能で、幸せが感じられる地域であるためにきちんと稼ぐ私たちの業と、そして未来志向のまちづくり、二つの両輪で未来を切り拓くことをおのれの使命とし、今取り組んでいるところです。
 本日はどうぞよろしくお願いします。

保室長
 ありがとうございます。
 それでは、辰柳さんお願いします。

辰柳 勝之
 葛巻から来ました。酪農をしています辰柳と申します。
 私が酪農のために地元に戻ったのは、親父がもう四、五十年、酪農をやっていて、もともと滝沢の畜産研究所という県の施設で数年間働いていまして、そこからいろいろな事情がありまして、実家に戻り家業を継ぎました。それから15年くらいたつのですが、今の農業情勢はこれからも厳しいということなので、今農業公社さんの事業の方に乗りまして、規模拡大を進めているところです。
 そんな中で、農業経営者として少し勉強したいということで、去年アグリフロンティアスクールに行かせていただきまして、農業の六次化や、経営の部分など、いろいろなことを勉強させていただきました。今、いろんなことを考えながら準備をして、葛巻なので地域振興というと酪農がしっかりしないと葛巻は成り立たないので、まずそこはしっかりしようということでまず規模拡大を進めているところです。あとは農協青年部にも少し関わらせていただいていますので、そちらの方でも活動させていただき、日々仲間たちと農業をどうやってよくしようかというのを議論しながら切磋琢磨しているところであります。本日はよろしくお願いします。

保室長
 ありがとうございました。
 それでは、お待たせしました、板垣さんお願いします。

板垣 敬重
 最後になります。私は、盛岡市の総合型地域スポーツクラブというNPO法人なのですが、まつぞのスポーツクラブでクラブマネジャーをしています。
 最初に、総合型地域スポーツクラブについて少し説明させていただきたいのですが、地域住民が主体となって、その方々が自主運営していくスポーツクラブということで、文部科学省のスポーツ振興施策の一つで生まれてきたものです。約20年前に出てきたものですが、全国で今3,500カ所、岩手県では20年前に金ケ崎町で育成モデルを引き受けて、それ以来、県で大体50カ所、盛岡市では私のスポーツクラブが平成15年に立ち上がって、それを皮切りに5カ所ができています。
 私自身は、生まれも育ちも宮城の米どころ、田んぼの真ん中の中新田という、今は加美町といいますが、そこの出身です。どうして盛岡なのかということなのですが、東京で就職して「地元仙台に支店があるから行け。」と、そこから「盛岡に営業所を作るから行け。」ということで、独身の時に来ました。現地で女房と結婚しまして、長女が産まれた瞬間に東京に戻れということで戻りました。そこから子育てしていく中で、お受験ありきの子育て環境に疑問をすごく感じていたときに、たまたまこの魅力ある岩手の風土とこの自然が私と家族を誘ってくれまして、Jターンという形で今ここにいます。
 今住んでいるのは盛岡市のニュータウン、達増知事とも少しゆかりがあるのですが、北松園というところに居を構えて25年になります。それから、新しいまちですので、その新しいまちのコミュニティー形成だったり、PTA役員、あとは町内会役員、地縁団体の一員として関わってきました。その中の一つが総合型地域スポーツクラブということで、地域の健康増進や地域コミュニティーの活性化に総合型地域スポーツクラブは大きく関わってくるのだろうという思いで、今日はその現状と今後について少しお話をさせていただければと思っています。
 伊達藩を脱藩して、今は南部藩に所属しています。こよなく岩手を愛する一人として今日はよろしくお願いします。

保室長
 ありがとうございます。
 それでは、今日のテーマ、「だから、岩手で暮らす!」ということで、今お話があったスポーツ関係から農業、そしてものづくりと、様々な皆様が地元の地域の資源をうまく活用したり、あるいはその地域に合った様々な活動をされていらっしゃいます。そういう中から、今後の展望あるいはその中で今抱えている課題や、行政に対する御意見、御提言、そういうものもいろいろとあると思いますので、テーマに沿ったそういうお話を、今度は四分ぐらいのお時間の中で一通りお話をいただきたいと思います。
 ここからはお二人ずつに区切って、知事の方からコメントするという流れで進めていきたいと思います。
 それでは、また最初に戻りまして、砂壁さんからお願いします。

砂壁 純也
 では、砂壁でございます。
 今、保さんの方からも持ち時間の4分はきっちり守りなさいということを言われましたので、私ども雫石ひと雫の酒プロジェクトの取組について簡単に説明をさせていただきたいと思います。
 このプロジェクトは、町内に生まれ育った同級生を中心に昨年の9月に立ち上げました。思いは多岐にありますけれども、今年度につきましては大きく三つの柱に沿って活動してきました。
 一つ目は、雫石町における圃場で酒米の育成を行うということです。背景には、私も兼業農家でありますが、米価が下落基調になっていますが、稲作農家の既存の設備と稲作技術、これを活用して比較的価格の高い酒米栽培を農家経営の選択の一つにできないかという思いがありました。
 二つ目の柱は、生産者酒米を使用し、酒造、日本酒の方を作るという企画を行いました。収穫された酒米は、雫石町に湧き出る岩手山麓の伏流水を使い、醸すことで、酒蔵のない雫石町ではありますが、生産者である私たちがストーリー性を深くすることで、飲まれる方に雫石町の風景や季節を感じていただけるような企画としました。また、製造は紫波町の廣田酒造さんに依頼することで全国的にも珍しい女性杜氏により農産物が手づくりで丁寧なつくりの日本酒にかわる付加価値を創造しました。
 最後、三つ目の柱というところでは、イベントを通じまして交流人口の増加を目指しました。田植えや稲刈り、手づくりのおちょこ作り教室のイベントを開催し、町内外から参加者を募り、酒米の育成を体験しながら町の観光や食の魅力というものを感じられるイベントを企画しました。田植えのイベントには、県内外から120名の方が参加され、その後の各イベントにも定員を上回る参加がありました。今お話した三つの柱に沿い、活動を行いながらSNSとホームページを連動させることでこのプロジェクトで生産する日本酒の先行予約を行いましたが、結果として北海道と沖縄県を除く45都府県から予約をいただくことになりました。イベントの様子や、日常の作業風景、あとは住んでいる僕たちにとっては当たり前の風景が、実は遠くに住んでいる方々にはどこか懐かしい日本の原風景であり、共感を得られたというように感じています。
 現在、仕込みに入ったお酒は四合瓶換算で約3,200本に上ります。半数が予約済みで、この後全国のオーナー様の元に届けられます。また、半数につきましては町の第三セクターである道の駅 雫石で販売されます。まだ一年目の取組ですが、従来の生産だけに特化しがちな農業からほんの少し切り口を変えて、次工程である加工業者や観光業者、あとはエンドユーザーである消費者の目線で考え、行動することで生産者と消費者はつながることができると思いますし、来年はさらに雫石町の全体的なファンを増やすプロジェクトを実行委員会で今検討しています。このプロジェクトを町や酒蔵様、道の駅に提案した際は約50ページにわたるパワーポイントを作成して説明をさせていただきました。今回は限られた数分でまとめましたので、大変雑ぱくで粗々な内容になってしまいましたけれども、今お話した内容が私たちのプロジェクトが活動した内容になっています。
 以上でございます。

保室長
 ありがとうございます。
 それでは、続きまして木村さんお願いします。

木村 朗子
 木村です。
 私は、矢巾町で生活するようになって19年になりますが、生まれは山田町です。山田町は、高校卒業までしかいませんでした。住んでいる年数では、山田を矢巾が超えたことになるのです。ずっと飲食業しかしてこなかったので、これからも飲食業しかしないと思うのですけれども、日々自分の本業をしながら商工会さんや、役場から「こういう何かを作ってちょうだい。」、「こういうものを作って持ってきてちょうだい。」、「何人分を持ってきてちょうだい。」という仕事をずっとさせていただいている中で、去年国体のおもてなしメニュー作成というものがありましたが、一緒にやってきた仲間と二社で国体メニューを作らせていただきました。広域の皆さんで集まる機会があった時に、それぞれ広域の方々は、公社や第三セクターというようにおいしいものをつくる組織が既にあった中で、単店で出向いてきているのが矢巾町だけだったことが悔しくて、であればいつも同じ仲間でやっているので、それをもう組織化してしまおうということで、「おいしいもの組合」、サブネームが「メイドイン矢巾」を作りました。
 これは、先ほども自己紹介の時にも言わせていただいたのですけれども、日々、各々に本業があって、利益を出さなければいけない中で、この「おいしいもの組合」は純粋に矢巾町の食材を使って、本当においしいものを作ることを本当に楽しもうという組織です。日々の業務では、やはり原価率や利益が絡んできますので、使いたくない食材、使いたくない調味料もあえて使わなければいけないですが、おいしいもの組合に関しては原価率や利益を度外視して、「本当に自分たちの原点であるおいしいものを作るということを純粋に楽しむということを続けていこう。」としています。例えば矢巾町内、矢巾町の飲食店の人たちがそれに賛同してくれて、「そうだよな。飲食店の原点のしっかり作るということをやらなければならないよな。」ということに気づいてくれればというように思いながらやっています。矢幅駅前に「やはぱーく」という複合施設がこの春にできたのですけれども、おいしいもの組合の矢巾のおいしいものを食べる日というイベントを先日もその「やはぱーく」をお借りしまして、チケット制で一部と二部でそれぞれ30人という形でチケットをお客様に買っていただいて、そして100%岩手県と町産のものを使っておいしいものを食べるというイベントを夏に一回と先日、秋の分で一回、それをこれからも継続して四季の野菜、春の野菜、夏の野菜、秋の野菜、冬の野菜を使ったおいしいものを食べる日というのを「やはぱーく」で継続してやっていきたいと考えています。あとはやはり手をかけて作ることということの大事さを町内で活動していきたいと考えています。今いろんなものがすごく便利になり過ぎてしまったがために、どこまで手をかけて作られたのだろうということが不透明な時代になっているのです。私は、沿岸の生まれだったので、朝、母親が仕事に行く前に、なべの中に水を張って煮干しを入れて行き、夜にそれでだしをとって味噌汁を飲んでいました。今、そういうことをする家庭が少なくなってきていますので、もう一回20年前なのか、30年前なのかに戻らないかということをテーマに自分の中でやっていきたいと思っています。だしをとることの大事さ、そして自分の子ども、自分の家族に食べさせるものをあえて手をかけて一生懸命に作ることの大事さというのを何とかこの飲食店の力で矢巾町内だけでも活動していって、それが岩手県全体につながっていければというのが願いです。
 プラスして、先ほども申しましたけれども、今新たな特産品として、矢巾町はおでんに取り組んでいます。「何で矢巾町はおでんなの。」と思う方もいらっしゃるかもしれないけれども、別段特別にこれというものがない町なのですよ。けれども、いろんな野菜がある町なので、それを一つのおなべに入れて、だしを取ることから始めて、時間をかけてことこと煮込むと、いろんな食材のうまみが出て、それを汁ごと食すというのが矢巾おでんのテーマなのですけれども、その活動も去年から始めています。

保室長
 ありがとうございます。
 知事の方からお願いします。

達増知事
 雫石町で初めて、地元のお酒を作るということで、雫石町民の皆さんが盛り上がるだろうというのは予想されるのですが、広く日本中の人たちが興味、関心を示して注文をしているのですね。

砂壁 純也
 はい。

達増知事
 その辺は、なぜそういう地元以外からも注文が来たのだと思っていますでしょうか。

砂壁 純也
 結果論になるのですけれども、順番立てて話をすると、これは役場の方に相談した時も議論になって、「今回はこのやり方でやらせてくれ。」ということになったのですが、町内には全くと言っていいほど発信はしていないのです。結果的に、例えば田植えのイベントに120名の方が集まったのですが、町内の方が参加したのは3名だけで、あとの117名は町外、遠くは宮崎県からゴールデンウイークを利用して泊まりに来てくれた方や、青森、そういった県外の方も多かったです。
 なぜそうなったのかというところでは、これは最初からそういうように仕向けて、とにかくくじけないでSNSを発信してホームページに誘導する。雫石のみんなが田舎というのは恥ずかしいみたいな気持ちがあるのだけれども、たまたま僕は13年雫石にいなかったから恥ずかしくなかったのですけれども、僕は単身赴任で外から見ているとすごくいいなというふうに思っていたので、それを逆手にとって発信をし続けた結果なのかなというように思っています。

達増知事
 そうですね。いわゆる田舎の良さというのはあるのだけれども、なかなか地元の人が気づかなかったり、無自覚なところがありますからね。

砂壁 純也
 そうですね。

達増知事
 木村さんは、矢巾町でおいしいもの組合を作って、初めて協力して本格的に矢巾の素材でメニューを作るということで、できたものの評判はどんな感じなのですか。

木村 朗子
 やはり利益を考えてないので、結局そのたびに、「今回ももうからなかったね。」で終わるのですが、もう一人の仲間もとにかく作り始めると、とことんのタイプなので、「手をかけないでやろうね。」ということを言い合いながらやるのだけれども、結局手がかかって、そして原価もすごくかかって、「相変わらずもうからなかった。」ということの繰り返しなのです。それで、3,500円のチケット制なのですけれども、恐らくよそではその3,500円の金額では、食べられない内容に仕上がっているという自負はあります。

達増知事
 まず、食べた人たちは少なくともお得感は持っているのでしょうね。

木村 朗子
 お客様にとってのお得感は相当です。お客様のお席に、肉のメーン、魚のメーン、そしてこれぐらいのプレートの六つ割のプレートなのですけれども、それに矢巾町産の野菜の創作料理が並ぶのです。あと町産のサラダだったり、今取り組んでいるおでんなどがハーフバイキングで用意してあるのです。

達増知事
 やはり矢巾としては、野菜が決め手になっているのですね。

木村 朗子
 そうですね、お肉と魚はおまけで、「野菜をメーンに出そうよ。」というのがおいしいものを食べる日ということになっているのです。

達増知事
 野菜というのは、体にもいいし、都市近郊型の野菜を使って丁寧に料理して食べるというのはアメリカやヨーロッパでもはやっているようで、テレビでも時々そういう外国の事情がNHKの教育テレビなどで取り上げられているのを見たりしますけれども、いいのではないかと思いますね。

木村 朗子
 ありがとうございます。

保室長
 ありがとうございました。
 それでは、武田さんお願いします。

武田 侑二
 武田です。
 私たちの地区では、先祖代々、昔から引き継がれている一方井ヤンサカ踊りというものがありまして、その踊りというのは、盛岡さんさにも通ずるような踊りと聞いているのですけれども、それを私ともう一人酪農の先輩がいるのですけれども、その方と一緒にもう一度復活させようということで5年前に復活させたのです。その前は7年ぐらい休んでいる期間があって、それ以前もやったり、途切れたりというのを繰り返していて、今回また復活しようということで地元の方を集めて復活させました。
 町で郷土芸能発表会というものがありまして、それはその町の十何団体が一堂に集まる芸能発表会ですが、そこに向けて練習を取り組んでいます。そして、ヤンサカ踊りというのは盆踊りの要素があり、昔は盆踊りとして踊っていたという話を聞きまして、盆踊りはもう17年ぐらい休んでいたのですが、そのヤンサカ踊りを5年前に復活させてから、その2年後に盆踊りももう一回復活させようということで、私たちでまた復活させました。
 それをやる意味を活動しながら考える中で、やはり私たちが小さい頃はそういうものが盛んに行われていて、地域の方たちとつながる、交流を持つ機会がもっとたくさんあったと思うのです。でも、人がいなくなるという中で、そういうものがなくなってきて、どんどん地域の方々との交流がなくなっているという現状です。実際に田舎というのは近所の方とつながりがあるイメージだと思うのですけれども、意外とそういうこともなくて、近所なのだけれども、全然会わないという現状だと自分としては思っているのです。何もないと本当に会わない。自分のひいじいさんや、親の世代はつながりがあって屋号で呼んでみたり、「こことここはいとこだよ。」というようなつながりがよく見えるのですけれども、今の20代や30代前半の人たちは、多分全然知らなくて、どんどん田舎を出て行ってしまうという現状がすごく見られます。こういうヤンサカ踊りや、盆踊りを復活することによって、小さい頃からそのイベントに出て子どもたちと集まる機会や地域のおじいさん、おばあさんと関わる機会というのを持つことで、誇りや地元に帰ればこういうことをやっている、あんなことをやっているという何か帰るきっかけや戻るきっかけになると思うのです。そういうものがないと、戻っても何もないし、つながりもないから帰らなくてもいいという思いになって、なかなか戻ってこなくなってしまっているのではないかということをすごく地元で仕事をしていて感じていて、特に20代の後半と30代、40代ぐらいまでの方というのは、意外とこういう活動に参加してこないのです。活動が無償のボランティアになってしまって、利益が出ないところで「何で出るの。」みたいな話も聞こえてきたりする中で、芸能などが引き継がれてなかった時代というのは地域に対する思いが弱いという思いがあって、今の小さい子たちにもう一回そういう芸能や、地域とつながる機会を作っていくことによって、地元に住もうとか、出て行っても、もう一回戻ってきて、この人とまた交流をしたいというような活動になればいいと思って、この盆踊りやヤンサカ踊りを復活させてやっています。
 活動を続けていく難しさは本当にあるので、活動している人たちがきつくなってしまわないように伝統というものを引き継ぎながら、自分たちは今の時代に合った新しい活動というのを見つけ出しながら取り組んでいって、先ほども言ったように若い世代達がここに住みたいとか、戻ってきたいと思えるようなことを今の私たちの世代で残してつなげていければいいというように思って活動をしています。

保室長
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして松森さんお願いします。

松森 政仁
 松森です。よろしくお願いします。私が所属している滝沢市商工会青年部活動と地域、そして業との関わりについてお話しさせていただきます。
 5~6年ほど前までの滝沢市商工会青年部活動というのは、若手経営者の交流の場としての要素が強く、地域と関わることといえばお祭りなどで屋台を出したり、自主的なサークルのような活動が主で、何のための活動なのかがよくわからないという感じでしたが、部員の増加とともに現在では全体で活動意識が高まってきています。何のために、そして誰に、何をどのように行動し、地域にとってどんな存在になりたいのか、私は昨年事業承継による第二創業を目指し、経営理念の策定から向き合い、進むべき道をつかんだといった実感がありましたので、青年部事業をする上で、いま一度、理念作りからみんなでやろうと、そこから常任委員会提案し、そして本年度みんなで描いたビジョンは、「滝沢市のヒーローになる」というように決まりました。その理念に基づいた事業を考えるようになりました。
 現在、イベント事業以外の取組として、3年前から滝沢市内保育園七カ所で鬼役として節分、豆まきを行っています。地域と関わる事業がそこから始まり、本年度は地域担い手育成事業を立ち上げました。担い手育成事業という気持ちは、志はあっても何をしたらいいのだろうというところから始まったのですけれども、最初は現状把握として岩手県立大学へ赴き、インターンシップの取組や地域と大学との関わりについて学んだり、岩手ジョブウェイ合同企業説明会、資料を基にまとめたところから滝沢市の行政の方も交えてワークショップを行いました。最初の活動としまして、滝沢市ふるさと交流館の指定管理者が行っているチャグホ塾という小学生低学年を対象に夕方の居場所作りや地域の様々なふれあい活動との合同事業としてワークショップに現在取り組んでいます。青年部内の様々な業の方を講師とし、年4回取り組み、年度末には成果発表する予定で、木育や雑穀アートなどの創造的な取組と交流を通じて双方の情操を養い、地域の未来を作っていくことを目的としてやっています。また、本活動は実践型インターンシップとしての評価もいただき、滝沢市経済産業部地域振興課の方やNPO法人wizさんより視察いただいています。
 私たち中小、小規模企業若手経営者が取り組むべきものとして、単なるインターンシップのみならず、実践的なまちづくり感覚を持って地域の可能性を探究し、そして取組を実践していく、その学びと気付きの中でこそ関わる人たちとの間で自己の可能性の広がりやこの地域で生きていく、そういう可能性を育んでいけると確信しています。今後は産学官連携によるまちづくり感覚の事業を検討しています。
 また、今年10月15日には青年部が密かに進めていたプロジェクトである滝沢総オタク化計画の最初の試みとして、手探りで始まったイベントでしたけれども、コミックマーケットという東京ですごく大きなイベントがあるのですが、それの岩手版としてイワケットというネーミングで開催しました。県内外から約500名の参加をいただき、盛り上がりました。今達増知事からお言葉を頂戴したように、新聞各社の掲載や、ツイッターなどでも実際に参加された方でにぎわいがあり、運営側としてはすごくうれしい反応をいただきました。
 地域活性化イベントとしてのイワケットを岩手県滝沢市においてサブカルチャー発信ができる場として、そして継続性のあるイベントとして今後定着させ、市外、県外からの来訪者を増加させ、さらには岩手県立大学や滝沢市、IPUイノベーションセンターを中心としたIT産業との融合も行い、観光誘致及び販売イベントを通じ、地域産業の活性化を目指しています。
 ただ、今後の課題と展望としては、補助金に頼らず、地域の業を巻き込む、そういうダイナミズムな構想と、だからやるのだという意義と、そしてストーリーをきちんと見出し、さらに来場者、来県者をもてなし、そしてそれを私たちの業につなげるというストーリーに沿った場づくりやコンテンツづくりとまだまだやるべきことがたくさんあると感じています。
 また、本業においては人の暮らしとともに成長する家具というコンセプトの家具を今年開発しました。そちらが先日プレオープンした滝沢市交流拠点複合施設のビッグルーフ滝沢内のふれあい広場へ導入を果たし、おかげさまで好評いただいています。また、先日には経営革新の承認取得を果たし、関わるパートナーとともに私自身と会社の更なる成長を目指しています。
 右手にロマンと左手にそろばん、そして使命感を持って取り組む覚悟を決めた、その仲間たちと今明るい未来を見据えています。
 以上となります。ありがとうございました。

保室長
 ありがとうございました。
 それでは、知事お願いします。

達増知事
 武田さんの話で、一方井ヤンサカ踊り、今何人ぐらい踊れるようになっているのですか。

武田 侑二
 おじいちゃん、おばあちゃんたち、本当は踊れるのですけれども、ひざが痛いなど、今は踊っていない人もいます。現在は、孫たちが多く出てきていて、小さな子たちを入れれば20名ぐらいです。

達増知事
 子供に教えれば、結構子供たちが覚えて踊り手になるわけですね。

武田 侑二
 そうなんです。すぐ覚えますね。

達増知事
 中断期間はあったけれども、昔からあるものだから、お年寄りも知ってはいるわけですね。

武田 侑二
 そうですね。ひいおばあさんたちの頃から踊っていた踊りなので。

達増知事
 なるほど。やはり、そういう意味では復活させてよかったですね。実は潜在的には結構共有できるものなのですね。
 岩手町の郷土芸能の会に出て、十何団体あるというところがすごいですね、岩手町はもともとそのくらいあるのですね。

武田 侑二
 そうですね。それこそ休んでいるところもまだあるので、実際はもう少しあるのでしょうけれども、今出ているのは実際18団体ぐらいだったと思います。

達増知事
 何となく中断してしまった、何となくやめてしまったようなものはもったいないですからね。それを復活させたというのは大変いいのではないかと思います。
 それから、松森さんの滝沢市の商工会青年部は人数が急増しているということ、これは岩手の商工会の中でうらやましがられているところではあるのですが、商工会青年部ということで経営理念をしっかり詰めて、それに沿って活動しているというところはさすがだと思います。ロマンとそろばんというのは渋沢栄一さんの「論語とそろばん」をもじっているわけですね。やはりそういう温故知新なしっかりと経営という感じがすごくいいと思います。
 オタク化計画については、そういうサブカルチャーは、やはりどこでなければだめというのはなく、今都道府県で一番盛んにサブカルをやっているのは案外徳島県が一番大きいイベントをやっているかもしれないと思っているのですけれども、それは徳島県である必然性というのは基本的になく、そういうサブカルチャー関係の会社が徳島県にあって、その人が一つの中心で県行政とたまたま結びついて、県もコミットしてものすごく人が集まるサブカル祭りを毎年やっているのですよね。四国の一角なのですけれども、徳島県というのは関西、近畿の一角もあって、確か関西広域連合に徳島県も入っていて、いずれ近畿という枠の中に入っていて、結構、何かやると大阪や兵庫の方など、人が集まるし、それなりに交通の要衝ではあるわけですよね。四国の交通の中心というのは徳島県の中にあったりしますしね。四国を十文字に移動できる交差点は徳島の中にあったりするし、滝沢市はインターチェンジもあるし、鉄道もあるし、だから企画運営の人もそれなりに大勢いるし、そして何かやった時に人も集まりやすいので、あとはもうやる覚悟さえあれば、やれると思うので、それを始めたというのはすごくいいのではないかと思います。

保室長
 お待たせいたしました。
 辰柳さんお願いします。

辰柳 勝之
 私は、青年部などいろいろやらせていただいているのですけれども、特に葛巻なので、今人口も減ってきて、生産額も減ってきて、町長が今中心となって畜産クラスター絡みの畜産振興、生産額を戻そうということでいろんな活動をやっているのですけれども、そんな中で、うちでも経産牛で50頭、総頭数80頭くらいを飼養しているのですけれども、酪農家も100軒を切って、一時は120トンくらいあった日量生産額もどんどん減ってきて、葛巻はそれに関わる人が多いので、それに附随して雇用の場所も自然となくなっていくような現状です。といっても、農協青年部でやらせてもらっていて感じるのは、割と農家の後継者が葛巻はいる方で、県内の青年部の人たちと会っても、若手が多い方だと思っています。ただ、多分、今、手を打たないと、今後は次の世代が「もう継ぎたくない。」とか、「やりたくないです。」と言います。中山間地域なので、まちの方に行くにも交通が不便です。やはり仕事はきっちりとしていかないといけないということで、葛巻は林業もありますけれども、まず酪農ということで、若い人たちといろいろ話をした中で、何をしたらいいかと思っていた時に、青年部の活動の一環として発表や青年大会などもありますので、それに向けて、葛巻支部で出前授業を小学校にやろうということになりました。酪農家の子どもたちも多いので、知っている子も多いのですが、改めて、お父さん、お母さんたちはどういうことをしていて、葛巻はどういうような歴史があるなど、炭を作ったり、酪農、牛はいつ頃に入って、共進会などいろんな活躍をしている人も多いので、そういうことを町内の小学校全部、とりあえず今年は試しでやってみることになりました。葛巻町内の各小学校でやって、割と子どもたちもいろんな質問が出たり、わからないこともあるみたいで、おもしろくやりとりをさせていただいて、先生たちにも酪農振興や地域のことをわかってもらうことで、将来は子どもたちに理解してもらって、まず酪農をやってみたいという思いが持てるようにと思って活動したところ、先生たちからも「おもしろい。毎年やれたらいいな。」という話もいただき、今後ともやっていきたいということを考えています。
 あとは酪農経営の方はまずそういうことも含めてアグリフロンティアスクールにもお世話になりましたけれども、理念という話もありましたけれども、恥ずかしながらそこに行って理念や目的などいろんなものが大事だということを学べたので、とてもありがたい機会だったと思いますので、今後ともそういう勉強する場所があれば農業経営者にとても助かると思いました。
 以上です。

保室長
 ありがとうございました。
 それでは、またお待たせしました。板垣さんお願いします。

板垣 敬重
 昨年の7月にスポーツ庁が発足したわけですが、その発足とともにスポーツ振興行政というのは大きく変わってきました。総合型地域スポーツクラブについては、スポーツ庁の組織がこれまでの文部科学省に加えて、スポーツを通した健康増進分野で厚生労働省、スポーツを通した地域活性化で国土交通省、スポーツを通した経済の活性化ということで、経済産業省が組織の中に入ってきまして、複合的な施策が実施されるようになってきました。これは、平成28年~29年の予算も出ているのですが、そこに如実に出てきているというように思っています。そこの中で、私たちの総合型地域スポーツクラブも地域の多様なニーズや地域課題に応えるために新たな取組によるクラブを発展させなければいけないと、今感じて活動しているところです。
 私が所属しているまつぞのスポーツクラブは、県内でも最大級の団地である松園ニュータウンをエリアとしています。このエリアは、後でできたサンタウン松園、小鳥沢ニュータウンを入れると二万人弱の団地構成になるのですが、発足当初から地域の自治組織、学校との連携を図りながら活動の周知に努めてきたところでありますが、団地というのは残念ながら少子高齢化の社会の波をもろに受けるところであります。そこで、自分たちで言うのもあれなのですが、私たちは公益性の高い総合型地域スポーツクラブとして、誰もが気軽に参加できる受益者負担型の教室及びサークル活動を展開しているところであります。その中で、健康増進運動の一環として、高齢者向け教室を今は週一回ペースで3年前から実施しています。最初は5人ぐらいの参加だったのですが、今はいきいきスポーツクラブで3教室をやっていまして、一コマ一時間半の中に10人から15人の方が毎週のように通ってきていただいています。その中には二つの教室等々もかけ持ちされる方もいて、スポーツ、運動が日常の中に入り込んでいるというのをものすごく実感しているところであります。健康維持や増進、健康寿命の延伸、あとは医療費の削減等々の一翼を担っていると実感しており、これが総合型なのだというように自負しているところであります。
 その一方で、乳児、母親を対象にしたママとベビーのハッピータイムという子育てプログラムを提供したり、児童生徒向けのジュニア教室、あとは中学校の部活支援など、文字通り赤ちゃんから高齢者までの多世代にわたる多様なプログラムを提供して地域の方々に喜んでいただいているところであります。
 スポーツというのは、やはりルールに基づいてなされるもので、特に子どもたちに規則やルールを教えるには一番いいツールというように思っています。健康な体は健康な心を育み、そこには経済の源となる健全な家庭が生まれてくるというように思っています。
 これらの活動は、県内の総合型でも事業規模やプログラムの内容等は異なりますが、各所で実施されています。この公益性のある総合型の活動を維持、継続させるには、今苦労が絶えない状況にありまして、特に自主財源の確保というのが大きな課題となっています。課題解決に向けては、僭越ですが、業務委託などの行政のバックアップ体制の充実が欲しいということを考えており、受け皿として私ども総合型地域スポーツクラブもスキルアップして応えていきたいと思っています。その好循環が地域の底上げにもつながってくるというように思いながら、今頑張っているところであります。
 トップアスリートを育てて大きな大会を誘致するのももちろんですが、県民皆さんに運動習慣を根づかせるような活動、例えばお祭り的な大会等々もやはり必要というように思っています。
 そんな中で、去年の9月なのですが、私ども盛岡市内の五つの総合型が連携して共に支え合う盛岡市総合型地域スポーツクラブ連絡協議会というのを、通称「もりスポネット」と言いますが、それを発足させました。新しい公共という概念があるのですが、それを担う新たなプラットフォームとして動き始めたところで、正に今晩これから、その法人化の設立総会を迎えているところで、準備しているところです。
 このような動きは、他県でも県、広域行政、市町村行政が支援を始めて、成果を上げ始めている自治体もあります。岩手県でも来年度スポーツ健康課が教育委員会から知事部局へ移るということが発表されて、キャッチフレーズが「個性と創造性あふれるココロパワー・カラダパワーいわて」に決まったようです。これは、総合型地域スポーツクラブの活動の場と考えており、総合型のネットワークを大いに利用していただいて、いわて国体で盛り上がったスポーツ機運のレガシーとして「ココロパワー・カラダパワーいわて」の醸成に取り組んでいくことも視野に入れて頑張っていきたいと考えています。
 以上です。

保室長
 ありがとうございました。
 では、知事からお願いします。

達増知事
 辰柳さんは、アグリフロンティアスクールはやはり役に立ちますか。

辰柳 勝之
 そうですね。まず理念、目的など、そういうものがいかに大事で、経営に持っていくときに、普通に今までだと申告を見て、青色申告を出して、何が経費で多いや、牛がたくさん死んでしまったから何をするなどという技術的なことだったのですけれども、「あなたは何をこの地域でしたいのか。」などそういう部分で目的をしっかりと持って、そこからまずいろんな数字を立ち上げていくということが大事なのだとすごく感じました。

達増知事
 地域で何をしたいのかという関連で、出前授業ということで、小学生たちの反応はどんな感じですかね。

辰柳 勝之
 各小学校に分かれて、私は本当にすぐそばの地元の小学校に行ったのですけれども、私が行ったところでは、不思議そうな顔をして、クイズ形式で三択にして牛や酪農のことを明らかにわかるようにしたのですけれども、結構わからないみたいで、飽きずに聞いてくれたし、葛巻の中心の方の小学校だと茶化す子や騒がしい子もいたけれども、基本的にはおもしろがって聞いてもらえたので、伝えることはまだまだあるのだなと感じました。

達増知事
 そういう機会があって、初めて知るということもあるのでしょうね。

辰柳 勝之
 そうですね。そこからさらに、実際に今度は牛を触ったり、共進会に取り組んでいる人たちが青年部の中にいまして、その中にプラトーという共進会をやる会場があるのですけれども、そこで牛何頭かの毛刈りや牛を引っ張るということも最後に一回やったのですけれども、そういうことにつなげて、今後もやれたらと思っています。

達増知事
 板垣さんは総合型地域スポーツクラブということで、岩手県も国体・障害者スポーツ大会をやって健康増進、体力向上というものをレガシーとして残していかなければと思っていますので、教育委員会の中で体育、スポーツをやっていた体制から知事部局の方で文化と合わせてスポーツをやろうと、正に体育ということだけではなくて地域振興や経済効果みたいなものも視野に入れて、あとは介護予防も含めて取り組んでいきたいと思っています。特に高齢者や、あと50代、60代のまだ若い人たちでもなかなか運動をする機会がないので、そういう人たちにとっては総合型地域スポーツクラブというのはありがたい存在だと思うのですよね。話の中で高齢の皆さんにクラスが幾つかあって、10人か15人ぐらいずつというのは何歳ぐらいの方が多いですか。

板柳 敬重
 いわば団塊の世代以上の方々、65歳から上、大体70歳平均。先ほども少しお話しましたが、最初は5人ぐらいだったのですが、それが今では、例えば天候が荒れようが、何をしようが、こちらで教室を今日は閉めようかなと思っても、会場にいらっしゃったりと、本当に自分の生活のリズムの中に入っているようです。その方々を見ていると、やはり、目に見えて健康というわけではないのですが、ただ内面からかなり健康になっている。周りの方々とのコミュニケーションもしっかりとるようになっているのが見えてきていますので、これは成果の一つであるというようには感じています。

達増知事
 わかりました。

保室長
 ありがとうございました。
 ここまでは、「だから、岩手で暮らす!」という、岩手のいいところを生かしていろいろとやろうということについてのお話でしたけれども、まだ時間もございますので、ここからはこのテーマに関わらず、せっかくの機会でございますので、これまでの話ですともう少し行政でこういうことをして欲しいというような話は余り伺えていないという感じもしましたが、そういうことがもしあればと思いますし、自由に、手を挙げていただいても結構ですので、お願いしたいと思います。
 どうぞ。

板垣 敬重
 先ほどグリーンツーリズムのようなお話が出てきたと思うのですが……。武田さんだったと思いますが、我々の中でもスポーツツーリズムというのがあるのです。何で二つに分かれていなければいけないのだろうという疑問がありまして、融合してできるのではないかということですが、その融合させる云々というのは、多分我々も意識しなければいけないことでしょうし、行政の方々も意識してもらうことで、ひょっとして一挙両得ということもあるのかなと思いながら、今話をさせていただきました。一つの課題として、我々もスポーツツーリズムで大会を持ってくる、もしくは合宿を持ってくるなど、その辺のことも視野に入れながらいろんな活動はさせてもらっているのですが、違うところでアグリツーリズムなど農業と抱き合わせしたり、いろんなものと抱き合わせすることで選択肢がものすごく増えてきてやりやすい面も出てくるのではないかというように思ったところです。

保室長
 農業に限らず、例えば松森さんの木工であったり、酒づくりもいいかもしれないし、そういう組み合わせとツーリズムとスポーツみたいなことを全部まとめるというのはあるかもしれませんね。

板垣 敬重
 どこが主体になってもいいと思うのですけれどもね。

保室長
 先ほどのお話を一通りお伺いしていまして、やはり皆さん自身なり、自分の仲間の人たちの意識は非常に地域で盛り上がって一生懸命やっているということもありましたが、意識されていることとして、これを続けていくには、子どもだったり、もっと若い人たちにもわかってもらわなければいけないというようなことをすごく意識されて、活動されているなという感じがいたしましたけれども、何かそういう面でこういうようにしたいとか、こういうことが必要ではないかというようなことがもしあったら、どうぞ。

砂壁 純也
 すごく粗い説明だったので、わかりにくかったかと思うのですが、我々の活動の中で、この1年間やってきて、ちょうどプロジェクトの中で総括している途中なのです。課題というほど大げさなものではないのですけれども、来年も持続的に来年、再来年もやっていくに当たって、今懸念しているのが農家の経営としての資本性の問題と、あとは社会性、何となく楽しんで人を呼んでやっているのだという社会性の方だけ評価されているところが実は大きいような気がするのですけれども、見せ方としてそういう見せ方を我々もしていたのですが、今総括していろんな計算をしていくと、酒米というのが実は今回の食米の買い取り価格、これの1.4倍の値段なのです。経費は食米よりも圧倒的にかからなくて、収益面で見ると約1.9倍、2倍ぐらいの価格で取引されているのです。ただ、壁は非常に大きくて、農協には出せないという、全て自分で契約してこなければいけないのですが、普通の会社員から見ると当たり前の行為だと私は思うのですのですけれども、そういう経済性もとても優れているというのが今回1年間でわかりました。
 ただ、一方で11月2日に、共同精米所というのが紫波町にあって、そこに米を持っていったのです。何とびっくりしたことに、県外産の米の多いこと、多いこと。もうとんでもない数なのです。それを見てびっくりして少し調べたら、県産米、岩手県の酒蔵さんで使っている岩手県産米というのは、実は総量の二割強しかないそうなのです。

達増知事
 そうかもしれないですね。

砂壁 純也
 約7割以上が県外からの仕入れとなっていて、岩手県で作られたお酒の岩手県で消費されている量が70%、秋田県は90%超えているのです。米は高いのだけれども、なぜ岩手県の米が使われないのだろう。これを今度は酒蔵さんの研究所の方にこの間行って聞いてきたのです。そうしたら、酒蔵さんは菌を使ってお酒を作っているのですが、農家の我々が余りにも量を求めるが余りに農薬を使い過ぎてバクテリアを殺してしまっているそうなのです。だから、本来の岩手のお酒ではないお米を作ってしまっているのだというのを杜氏さんから聞きまして、言葉はすごく悪いのだけれども、米価が下がっている中で、農家が「苦しい。苦しい。」と言っていて、実はもうけ口があるのにみんな見て見ないふりをしている。すごいチャンスなのに、そんな面倒くさいことには誰も農協なんかは目も向けない。量を作って何とかしようとなっているのだけれども、農家さんというのは、先ほど」も誰かの話で出ましたけれども、人口が減ってきて、人手が減っている。先ほど言った収益2倍ということは、面積半分にしても今の売り上げが維持できるということからいくと、今大農家にばかり目を向けていますけれども、中小の農家が生き延びる道、もしくは雫石町みたいな原風景を守るという意味でも、酒米が全てとは言いませんけれども、一つの生き延びる道になるのではないのかと、この1年やって見て思っていたところなので、2年、3年持続してやってみて胸を張って、「こういうことをやればこういうことになります。」と提案をさせてもらいたいというように考えているところです。
 今回のテーマと違って農業行為の話しになってしまいましたけれども、そんなことを今回感じました。

木村 朗子
 砂壁さんに少しお尋ねしていいですか。
 ひと雫の酒の発信をあえて外部にしたというのはどうしてですか。

砂壁 純也
 これも皆さんがいるところであれなのですけれども、僕は外に住んでいる時間が多かったので、生まれも育ちも雫石なのですけれども、帰ってきて、やはり田舎は村根性が強いと思ったのです。だから、今言った経済性を前面に出すと、町で僕らはもっと否定されるのです。だから、僕らはお金ではなくて、この風景を守りたいのだということと、ここに人を呼びたいのだということを前面に出しているのですけれども、ここからどうやって農業を守るかという1個の強いミッションをもっているので、価格の高い農産物で、かつ労力がなくて、新規の投資がない、今稲作で持っているコンバインや機械を全て汎用性あるものでということで目をつけたのが酒米だったのです。ということで、「なぜ雫石の人ではなく外部に発信したのか。」という質問に対して答えると、村根性が強いからという思いで、僕らには時間が余りなくて、仲間に入れることができなかったので、二つ目の課題は今おっしゃった、どうやって町の人を今度取り込んでいくかということで、来年はそれを強くやっていきたいなと思っています。

保室長
 意外と1回外に出られたり、さきほどJターンという話もありましたけれども、そういう目で見ることに一つ何か新たな視点というのが出てくるのですね。

松森 政仁
 いろいろ覚悟を持って取り組みたいというようなお話をさせていただきましたけれども、例えば会社組織であれば小さく始めて、大きく育てるとか、また何かあったらといろいろ考えられるのですけれども、様々経営者の集まりとして、商工会員全体の資質向上だったり、それを通じていろいろな取組を通じながら懇親も図りつつやっていこうというのが商工会なのですけれども、そこで一番大きな課題になってくるのが、今お話も出ましたけれども、やはり資金面です。志に対する資金面が追いつかないのです。
 今、仲間内だけで小さくやっているときには補助金には頼らず、自主財源でやっているのですけれども、会員数が大きくなっても会費だけでは到底賄えない部分で、ただやはり人数が増えると規模が大きい事業が増えてきます。そうなってきた時に行き詰まるのが資金で、結局、当てはまる補助金を行政の人たちと一緒に探して、そもそも何のためにやっているのかわからなくなってしまうようなところが正直あるのです。だから単発ではない、本当に持続性のある継続したものとしてやっていきたいはずなのに、どうしても補助金となると単年度でしかやれない、あといろいろどうしても条件、縛りがありますので、今私が構想しているのは、地域の業に、本当に振興につなげるのであれば、それをきちんと理解していただける、先ほど申し上げたようにストーリー、何でやるのかという意義をきちんとまず私たちが見出して、巻き込んで、だからやるのだというように、例えば何か協賛金を募ったりする部分も単に「お金をください。」ではなくて、外部発信はすごく重要だと、私も今すごく思っていますので、「何か団体でみんなの業につながるような動画をみんなで作ったり、そういうブランド的な付加価値を高める方向で、そういうところから地域振興につなげるから、協賛金を募ります。」など、この中で見える形での予算できちんと事業を行っていくとか、本気で、青年部だけの事業では終わらせないという感覚が必要と思っていますけれども、ただこれがきちんと形になっていくにはある程度の年数が必要になってくると思いますので、私たち滝沢市はまだ会員数は多いですけれども、他の単会さんは非常に人数も少なく、結構疲弊していますので、その辺の何かサポートを頑張っているところには資金面以外でも何かいただけると非常に助かると思いました。

保室長
 ありがとうございました。
 他にありませんか。

辰柳 勝之
 私は農家なので、県の職員の方、特に農業普及員の方とよく接することがあるのですけれども、帰った時から、例えば申告のことや、投資の仕方や、おすすめの補助制度など、いろんなことを教わりながら、また、一緒に牛舎見学にも行かせてもらったりしてお付き合いさせていただいている。うちの町の場合だと、今盛んに牛舎を建てましょうと、生産額も守って、まずそこから六次化だったり、いろんな可能性を広げて、葛巻自体がワインや、エネルギー、牛乳もタカナシ乳業というブランドの牛乳があったりするので、そういう中でまず各農家基盤をまずがっちりと固めていこうとしている。それでまず青年部の中で、例えば私もなのですけれども、岩手大学で勉強させていただいて、少し加工を勉強しましたので、将来やれればと考えていまして、そんな中でいろんな基盤をきっちりと県のバックアップ、今までも支援いただいたのですけれども、今後ともまず末長い支援をいただけるとすごく基礎が固まるので、ありがたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。

保室長
 ありがとうございます。
 皆さん、大変どうもありがとうございました。今いろいろお話しいただいた部分で、様々県として取り組めることなどにつきましては、私ども今日、話したことを持ち帰って、様々検討して行きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

達増知事
 補助や支援のメニューについては、広域振興局にいろいろありますので。

浅沼局長
 よろしくお願いします。

知事所感

保室長
 最後に、それでは知事から一言お願いします。

達増知事
 この盛岡広域は、私が一番長い時間生活や仕事をしているエリアなのですけれども、改めて話を聞いて、新しい動きがどんどん展開しているというように感じました。非常に頼もしく感じたところでありまして、是非この調子でそれぞれ分野、地域で頑張っていただきたいと思いますし、県の方としてもそういう皆さんの頑張りが実を結ぶような形で県の政策全体もそういう方向に持っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。

閉会

保室長
 それでは、これにて懇談会を終了させていただきたいと思います。皆さん大変どうもありがとうございました。

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