県立高等学校再編の取組み

県立高等学校新整備計画策定と前期の取組み

岩手県における中学校卒業者数は、平成元年3月には22,833人でしたが、年々減少し、平成10年3月には18,425人となり、さらに、平成20年3月には13,964人となっています。この20年間で、約8,800人という大幅な減少となっており、今後も引き続き減少することが見込まれます。
このような中、県立高等学校は、引き続く少子化による生徒減少と多様化・複雑化する社会状況の変化の下、大きな過渡期を迎えています。生徒の興味・関心や進路希望等に一層の多様化が見られ、また、生徒数の減少に伴って学校の小規模化が進んでいます。
こうした課題に対応するため、県教育委員会では、平成12年1月に「県立高等学校新整備計画」を策定し、平成12年度を初年度とした10ヵ年の県立高等学校の再編整備に取り組んでいます。

この計画は、県立高等学校の現状を踏まえながら、5つの基本的な考え方により進めています。

県立高等学校新整備計画の基本的な考え方

1. 「自分さがしの旅」を扶ける環境の整備
2. 適正規模の学校の配置
3. 特色ある学校・学科の配置
4. 地域の産業や郷土を理解する教育の推進
5. 県立高等学校長期構想検討委員会報告の尊重

「社会の変化に対応した県立高等学校の在り方について（報告）」（平成10年9月17日　県立高等学校長期構想検討委員会）

社会の変化に対応した高等学校の在り方について検討するため、平成9年3月に外部有識者を委員とした「県立高等学校長期構想検討委員会」（船越昭治委員長）を設置し、県立高等学校が取るべき望ましい方向性についてまとめたもの。

前期計画での取組み（実施結果）

平成14年度

• 花巻南高校（普通高校）を花巻南高校（総合選択制高校）に改編
• 千厩高校（普通高校）・千厩東高校（農業科・工業科）を千厩高校（普通科・専門学科併設校）に統合

平成15年度

• 花巻農業高校（農業高校）・北上農業高校（農業高校）を花巻農業高校（農業高校）に統合
• 花北商業高校（商業高校）を花北青雲高校（総合的専門高校）に改編

平成16年度

• 紫波高校（普通科・農業科・情報科）を紫波総合高校（総合学科高校）に改編
• 黒沢尻南高校（普通高校）を北上翔南高校（総合学科高校）に改編
• 一関第二高校（普通科・福祉科）・一関農業高校（農業高校）を一関第二高校（総合学科高校）に統合
• 久慈農林高校（農業高校）・久慈商業高校（商業高校）・久慈水産高校（水産高校）を久慈東高校（総合学科高校）に統合

後期計画の策定と後期の取組み

平成12年度から実施している前期計画や、生徒、保護者、地域住民、産業界のニーズなども踏まえながら、平成17年度からの後期計画では、次の5つを基本的な考え方として進めています。

県立高等学校新整備計画（後期計画）の基本的な考え方

1. 自立した個の確立と学びの環境の整備
2. 望ましい学校の配置
3. 特色ある学校・学科の配置
4. 地域や産業との連携
5. 家庭への期待

後期計画での取組み

後期計画では、前期に引き続き再編統合を行うとともに、総合学科高校や　多部制・単位制高校、併設型中高一貫校など新しいタイプの高校などを設置する予定としており、計画に基づく現在の実施状況は次のとおりです。

平成17年度

• 一戸高校（普通科・福祉科）を一戸高校（総合学科高校）に改編

平成18年度

• 大東高校（普通高校）・大原商業高校（商業高校）を大東高校（普通科・商業科併設校）に統合
• 千厩高校（普通科・農業科・工業科）・藤沢高校（普通科）を千厩高校（普通科・専門学科併設校）に統合

平成20年度

• 高田高校（商業科）・広田水産高校（家庭科）・大船渡農業高校（農業高校）・大船渡工業高校（工業高校）を大船渡東高校（総合的専門高校）に統合
• 高田高校（普通科）・広田水産高校（水産科）を高田高校（普通科・水産科併設校）に統合
• 釜石南高校（普通高校）・釜石北高校（普通高校）を釜石高校（普通高校）に統合
• 花巻北高校（普通高校）・東和高校（普通高校）を花巻北高校（普通高校）に統合
• 水沢高校（普通高校）・胆沢高校（普通高校）を水沢高校（普通高校）に統合
• 分校の統合　遠野高校情報ビジネス校（商業科）・宮古高校川井校（普通科）・久慈高校山形校（普通科）を遠野高校（普通高校）・宮古高校（普通高校）・久慈高校（普通高校）へ統合
• 浄法寺高校（普通高校）を福岡高校浄法寺校（分校）に分校化
• 久慈高校長内校（定時制高校）を久慈高校長内校（多部制・単位制高校）多部制に

平成21年度

• 釜石工業高校（工業高校）・釜石商業高校（商業高校）を釜石商工高校（総合的専門高校）に統合
• 岩谷堂高校（総合学科高校）・岩谷堂農林高校（農業高校）を岩谷堂高校（総合学科高校）に統合
• 杜陵高校水沢分室（通信制高校）・水沢商業高校定時制課程・黒沢尻工業高校定時制課程を陵高校奥州校（多部制・単位制高校）多部制に
  （注）通信制併設
• 一関第一高校（普通高校）を一関第一高校（普通高校）に改編
  （注）併設型中高一貫校、県立中学校併設

• 今後の高等学校教育の基本的方向