JICA海外協力隊:浅田 瑠理さん(ブータン王国派遣)

ページ番号1069583  更新日 令和5年10月24日

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  • あさだ るりさん
  • 青年海外協力隊(野菜栽培)
  • ブータン派遣(2022年5月から)

あなたの近況を教えてください。

お住まいの国(地域)はどんなところですか。(地理、気候、言語、宗教、食事、文化・風習など)

 ブータンはインドと中国という大国に挟まれた小さな国で、人口は約77万人、面積は九州の9割ほどです。ヒマラヤ山脈の麓に位置し国土の多くが山であることから、人々は平地というよりも谷間に住んでいるようなイメージなんです!
 国内の標高差も大きく、南部の海抜100mから始まり北部に進むにつれどんどんと高くなっていき最後は7500mを超えます。そのためトロピカルな南部から遊牧民族が暮らす北部まで、地域によって気候も文化も様々です。

 ローカル言語が約20言語、公用語としてゾンカがありますが、ブータンでは英語で教育が行われているため多くの人が英語を堪能に話します。普段は私も基本的に英語で会話をしています。

 また、もう一つの大きな特徴は国民の多くが敬虔な仏教徒であることです。チベット仏教を深く信仰しており、政治的な場面や日常生活までいたるところに仏教が根付いています。

 ブータン料理といえば「激辛」。油・塩・唐辛子が必ずと言っていいほど、どの料理にも多用されます。そのことから、世界一辛い料理なんて言われることもあるんです。赴任当初は辛い食事でしょっちゅうお腹を壊していましたが、今では辛くないと物足りなくなってきてしまいました。

あなたの活動(仕事、勉強、取組)について教えてください。

 私の配属先は、Farm Machinery Corporation Limited(農業機械公社、略称:FMCL)という政府組織から分離した国営企業で、簡単にいうとブータン全域をカバーする農機具屋さんになります。

 ブータンでは日本の農家さんのように各自が農機具を購入するというのはなかなか難しく、またほとんどが小規模な農家さんであるため手作業や機械のレンタルが一般的です。FMCLはそのような農家さんに農機具を貸出・供給する役割を担っています。

 私はFMCLが新規事業として5年前ほどから始めた農場で、野菜栽培の指導をするという活動を行っています。実際は指導というよりも、農場で一緒に農作業をしたりカウンターパート(隊員と一緒に活動をしてくれる現地のスタッフ)と相談したりといったことが多いです。今までの活動では、日本の有機肥料(ボカシ肥)の作成や、新しい作物としてイチゴの導入などを行いました。今後はイチゴの溶液栽培に着手する予定です。

職場の同僚と
職場の同僚との集合写真
トマト収穫
現地での活動の様子(トマト収穫)

・印象に残っている出来事はありますか。

 ブータンにはお墓がないことに驚きました。通常、人が亡くなった後は火葬をし、その後、川に遺灰を流して散骨を行います。散骨前にツァツァと呼ばれる10cm程度の小さな仏塔の形をした焼き物に遺灰の一部を練り込み、聖地や崖などに並べ風化し自然に還すこともあります。また、10歳ぐらいまでの小さな子供の場合は火葬をせず、山にご遺体を捧げる鳥葬をするのが一般的です。
 ブータンでは輪廻転生が信じられており、亡くなった後はまた何かに生まれ変わると考えられているため、お墓や位牌はありません。私の同僚も「あの犬は私のおばあさんだったかもしれない」と言っていたのが印象的でした。

 このような話をするとブータンと日本の仏教は異なるようにも思えますが、初七日や四十九日など共通点もたくさんあり、非常に興味深いです。

ツァツァ
崖に並べられるツァツァ

岩手に関することについて教えて下さい。

岩手(日本)を離れて、あらためて感じた岩手(日本)の良いところはありますか。

 自然が多く残りながら歴史や文化が共生しているのが岩手県の良いところだと思います。岩手の雄大な自然は私の内面に深く根付いています。あとは町にゴミが落ちていないとことです。笑
 日本全体としては、日本人は職人気質で特に「食」への探求心が凄いな、とブータンに来てから強く思うようになりました。一般家庭でも色々な国の料理を作りそれを楽しむというのが当たり前、と言える食文化の多様性が良いなと思います。

岩手について話題になったことや、PRしていただいていることはありますか。

 同僚とお互いの地元の写真を見せ合ったりします。岩手の風景(特に山)は「ブータンにそっくり」と言われますよ!私も到着したとき「八幡平…?」と思いました。

岩手県の皆さんにメッセージをお願いします。

ブータンの人々は日本のことが大好きです!ぜひこの不思議な国を訪れてみてください。

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