東日本大震災津波の被災者が受けた義援金等の生活保護における取扱いについて

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ページ番号1003507  更新日 令和3年4月15日

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平成24年8月31日

このことについて、昨年3月11日に発生した東日本大震災津波では、沿岸部を中心に、死者、家屋の倒壊など甚大な被害を受け、生活保護を受給していた世帯においても多くの被害が発生し、義援金、生活再建支援金及び弔慰金等の支給が行われました。
本県においては、次のとおり、保護受給世帯の自立更生に向けて、これらの義援金等の取扱いが適正に行われています。

1 生活保護制度における義援金等の取扱い

  • 生活保護制度は、生活保護法に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的に実施しているものです。
  • 生活保護制度では、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のため活用することを要件として行われるものです。
  • 今回の東日本大震災津波において被災した方々に対して支給された義援金、生活再建支援法に基づく生活再建支援金及び災害弔慰金の支給等に関する法律に基づく弔慰金等についても、原則として、その世帯の収入として生活の維持に活用されることが求められるものです。
  • この義援金等の取扱いについては、被災した世帯の将来の生活再建を含めた今後の自立更生に充てられる額を収入として認定しない取扱いとされ、自立更生に充てられる額を超える額について収入として認定する取扱いとされています。

2 県の指導等

県では、前記1の生活保護制度の取扱いが適正に行われるよう、生活保護の業務を行っている市福祉事務所及び町村部を所管する県の広域振興局に対して、義援金等の収入認定に関する次のような取扱いについて通知するとともに、会議及び生活保護法施行事務監査等において適切な対応を行うよう指導等を行ってきました。

  1. その世帯の将来の自立更生のために充てられる金額の確定等について、十分に世帯と話し合い個々の世帯ごとに「自立更生計画書」の作成を指導し進めること。
  2. 担当職員のみで処理するのではなく、ケース診断会議等を活用し、組織としての取扱いを判断すること。
  3. 義援金等を収入認定した結果、停止、廃止となる場合には、今後の不安解消のため、丁寧な説明を行うこと。
  4. 転居等の将来の自立更生に充てる経費が多額となる場合等については、その金額が目的に沿って安全に管理、活用できるよう、岩手県社会福祉協議会に一定期間通帳等を預託する制度の活用を検討すること。

3 義援金等による廃止等の状況

  • 生活保護制度では、その世帯の最低生活費と収入の比較を行い、6箇月以上生活が可能であれば保護廃止となり、6箇月未満の場合には保護停止という取扱いとなります。
  • 発災した平成23年3月における県内の生活保護世帯10,606世帯(15,097人)のうち、平成23年5月以降平成24年6月末までの間に438世帯に義援金、被災者生活再建支援金及び災害弔慰金が支給されており、そのうち221世帯が保護廃止、8世帯が保護停止となっています。
  • なお、去る7月3日に岩手弁護士会から県に提出された「被災地の生活保護の運用についての会長声明(平成24年6月29日付)」において、被災地の被保護世帯の自立助長を考慮した適切な取扱いについて配慮するよう要請がありました。
  • 義援金等の全額を収入認定の除外とすべきといった弁護士会の主張など、生活保護制度の運用上の解釈については、国や県の見解と相違する部分はあるものの、本県における義援金等の取扱いについては、自立更生計画書の簡略化や個別の世帯への指導など、制度の運用が適切に行われている状況について弁護士会に説明し、一定の理解が得られているところです。

このページに関するお問い合わせ

保健福祉部 地域福祉課 指導生保担当(生活保護班)
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5425 ファクス番号:019-629-5429
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