岩手フロンティア産業人座談会(平成21年1月9日)

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ページ番号1000950  更新日 平成31年2月20日

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対象地域:県北広域振興圏
開催場所:久慈市

県政懇談会「岩手フロンティア産業人座談会」懇談記録(県北広域振興圏)

  • 日時 平成21年1月9日(金曜日)14時30分から16時00分
  • 場所 久慈地区合同庁舎 6階 大会議室

開会

和嶋局長
皆様、こんにちは。これから県政懇談会の「岩手フロンティア産業人座談会」を開催させていただきます。
皆様には、本日の知事との懇談会に出席をお願いしましたところ、快くお引き受けいただきました。大変ありがとうございました。また、県議会の先生方にはご多忙のところお越しくださいまして、まことにありがとうございました。私は、本日の進行役を務めさせていただきます久慈地方振興局長の和嶋と申します。よろしくどうぞお願いを申し上げます。

知事あいさつ

和嶋局長
それでは、開会に当たりまして知事からごあいさつを申し上げます。よろしくお願いします。

達増知事
皆様、こんにちは。それぞれお忙しい中、ようこそおいでくださいました。この県政懇談会「岩手フロンティア産業人座談会」といいますのは、一種の作戦会議でございまして、この地域の中でそれぞれの分野、またそれぞれの地域で活躍されている皆さんにそれぞれの近況報告をしていただきながら、県として今後地域振興をどういうふうにやっていけばいいのかというのを参考にし、また皆様にとってもそれぞれビジネス、あるいはこの地域活動の参考にしていただければと思っております。
そして、これは県北、沿岸、県央、県南、4つの広域振興圏ごとに行っておりまして、特に県北は沿岸と並んで地域振興ますます頑張らねばという問題意識を県のほうでも持っているところでありまして、ぜひ県北振興ということにもつながっていく会議にしたいと思っております。
それから、もう一つ、県は来年で現行の12年計画長期計画が終わりまして、その次の長期計画を今年、来年のうちにつくってしまわなければなりません。10年後の岩手をどうするかということについては、特にこういう変化の激しい時代でもあり、いろんな10年後の人口とか、経済とか、そういうものを計算して決めていくというよりは、今岩手県民が10年後何をしたい、10年後どういうふうになってみたい、そういう県民の希望を束にすることで県の10年後の姿が見えてくるのではないかと。10年後、世の中どうなっているかというのはその所与の条件に合わせて我々を決めるというよりは、我々がどうしたいかによって10年後の経済社会情勢は決まってくるというような時代でもあるかと思います。そういう10年後を目指した長期計画の策定も参考にしたいと思っておりますので、当面の課題について語っていただくのも大変参考になるのですけれども、そういう将来的なお話も伺えると大変いいなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

懇談

和嶋局長
それでは、懇談に入ります前にご出席の皆様から一言ずつ自己紹介をお願いしたいと思います。
それでは、一野辺さんのほうからお願いいたします。

一野辺崇
きょうは県北の一戸町から参りました一野辺製パンの一野辺崇と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
私は、一野辺製パン株式会社というところに勤めておりまして、この会社は私の祖父が創業した会社になります。昭和23年創業の会社で、私の今の現在の仕事は営業企画を担当しておりまして、販売促進等の仕事でありまして、営業のサポートをしておりますけれども、今回は岩手県産のひとめぼれを御飯にしたごはんディッシュという御飯入りのパンのことでお招きいただきました。ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

尾山健二
三陸鉄道で北リアス線運行本部の尾山と申します。
三陸鉄道はより地域に密着した鉄道になろうということで、一昨年組織を変えて、今までは久慈鉄道事務所と言って本社から指示を受けていろんなことをする組織だったのですが、北リアス線運行本部という形で組織を変えて、より地域に密着したいろんなことをやっていこうということで組織ができて、私が一昨年からここに来ました。どうぞよろしくお願いいたします。本日は、特に観光担当ということで呼ばれておりました。

木下侃
軽米町産業開発の木下でございます。
私は3月まで全農にいまして、大手町のほうの。それで軽米町の招請にこたえて4月から産業開発に赴任しています。私が軽米で感じたことの中で、今後必要だなと思うのは、やっぱりより多くの人に県北を知っていただくと、これ一番大事かなと思っています。いわゆるファンづくりですね。軽米町では、昨年3つの生協さんと交流会をしました。その方たちが口コミで生協の組合さんにいろいろ軽米の話をしてくれるし、また生協の広報紙でも軽米との取り組みということで紹介していただきまして。そういう部分で、実際に来ていただいて歴史なり、文化なり、あるいは体験をやっていただく。
ある九州のところで、おたくの観光の目玉何ですかということでお聞きしたら、町そのものであると。何にもないところだけれども、町自身が非常に整備されて、そこは常緑広葉樹をメーンとして取り組んでいるのですけれども、やっぱりそういう部分でいかに知っていただくかということ。
例えば二戸地方振興局さんのご提案で全国雑穀サミットイン軽米ということで、9月の12日、13日にやるということで、関係市町村と相談しています。たまたまの機会に二戸振興局さんからこういうものどうだと、賛同を受けまして、ではみんなでそれやろうというようなことになったわけですけれども、やっぱりそういうイベントもあくまでも地域で終わるのではなくして、消費地と組んだ形のものが必要かというような感じを思っています。
それから、観光といいますと、やはり景観づくりです。きれいなまちづくりです。軽米は花のあるまちづくりということで、一つテーマとしていますけれども、そういう中でこれから生協さんと手がけていくのに里山再生というテーマが上がってきていました。
私どもの軽米町で、今年1万本の木を茨城に持っていきます。本来は茨城県北でシイタケをつくっていただきたいのですけれども、残念かな、今生産者が非常に減っているということで、それで計算しますと、そこは46万本扱っているのです、年間。それでやりますと20年で1,300平米ですね、この面積が里山になるわけです。里山になるに当たっては消費と同等にした形で里山運動ですか、オーナー制度とか、こんな感じも必要ですし、それからやはり県北では、いろいろつくっておられるのだけれども、売り場を持っていないのですよね。要するに、つくるのは皆さん上手なのですけれども、売り場を持っていない。売り場づくりをしていない。だから、売り場から発信するというか、それがやっぱり求められます。
私どもも野菜の売り場づくり、生協さんに今年初めて取り組みますけれども、あれは去年やったのは八戸市場向けの野菜栽培、これは家庭菜園に毛が生えた人ですけれども、地域で、部落で頑張っているといいますか、こういう部分が非常に部落には元気が出てきています。だからそういうものですね。あるいは軽米の雑穀なり、エゴマなりあるわけでございますけれども、それはやっぱり県北で売るには量をさばき切れないのです。だから、東京といいますか、首都圏でいかにファンをつくって、いかに知っていただいて買っていただくかと、こういうことかなと思っています。
それで、県のほうにお願いしたいのは、やっぱり地産地消の取り組みはどうしても欠かせない。例えば直近の話では、つぶっこまんまが、閉店しましたけれども、どうして閉店したのかという部分ですね、あそこは県外からは、結構客が来ていたのですよね。結局地元の住民が利用しなかったということではないかと思っています。
だから、そういう中において、今後そういう地域で頑張っているモデルになるところをどうやってこれから支えていくか。それで、一例として岩手県の青少年の家というのがあるのですけれども、あそこは民間に業務委託されていて、食材は地元ではないのです。やっぱり地元になりますと価格が高い。やっぱり価格競争の中においての一定の単価でメニューを抑えないといけないと、こういうことだと思うのですけれども、そういう部分はやはり県の取り組みとして、そういう地元食材を活用したところには何らかの対応を今後お願いしたいと思っています。
それから、最後になりますけれども、こちらに来て感じたのは縦割りですよ、すべてが。本当に縦割り、びっくりする、これは。やはりどうしても縦割りで、例えばボランティアなども今までいろんな分野があるわけなのですよ。それもみんなそれぞれがお持ちなのだけれども、自分の売り場でしかしゃべっていないのですよ。だから、例えば肉、魚、農畜産物いろいろありますけれども、それを総合的なトータル的に営業する部署、これはプロジェクトでもいいですよ、各業界に参加した方の。こういう部分で軽米町の役場もおられますけれども、非常に縦割りで、隣が何しているか知らないというか。そうでなくて横断的にとにかく肉もわかり、魚もわかり、雑穀もわかると、こういうプロジェクトをつくっていただいて、そこで取り組まれたら地域で活性化になると、このように考えています。

島川良英
野田村から来ております下安家漁業協同組合の総務課長をやっている島川といいます。
うちの組合は大きい組合ではないのですけれども、サケのふ化放流事業がメーンで、あとは川のアユ、ヤマメ、あとサクラマスの放流、そういう事業をやっております。まず、ごあいさつなのですけれども、今年サケいろいろ好不漁ありまして非常に悩んでいるところもあります。私の仕事自体は小さな組合なので、まずサケから事務からすべてやっております。
以上でございます。

杉沢康身
私は、二戸市と合併したわけですが、浄法寺町の杉沢康身と申します。現在は酪農をやっております。今全部で乳牛が79頭、それに黒毛和種が10頭やっておりますが、黒毛のほうは今ETを利用しながらふやしてきたわけですが、そのほか土地は今19ヘクタールぐらいあります。その内容はデントコーンが大体6ヘクタール、そのほか水田がそのうちの0.25、少しやっておりますが、そういうことで、皆さんもご存じのとおり去年の半ばあたりから急激に大変悪化になりまして、ようやく明るみが出たという段階になりました。今年の3月に8円乳価をアップしてもらうということで決まったようでございますし、今月1月から配合の値段も30%から40%ぐらい上がっていました配合も、今月はトン1万円下げてもらうということが決まっております。それで、どうにか明るい兆しが見えてきたというのが現状でございます。
私だけではなくて肥料そのものの部門も結構高騰、7月から6割ぐらいの高騰、それから普通の業者さんからすれば倍ぐらいに値上がりしているということで大変な経営をしているわけでございます。
そういうことで、私個人としてはそのような現状でございますが、去年から二戸の指導農業士の会長を仰せつかっておりまして、まだ年が若輩者でございますが、ひとつ今日はよろしくお願いします。

林下千一郎
林下と申します。洋野町の大野から参りました。
旧大野村で取り上げていた一人一芸という標榜を掲げて産業起こしの一つのシンボルとして、先生からの教えを受けながらやっていたわけですけれども、今現在は、本来であれば木工をもっともっと進めていかなければならないわけですけれども、あそこのキャンパスの現状という部分でいいますと三八地域を中心としたお客さんの入りでもってあそこを支えているところが今現在ありますけれども、そこでもって、三セクでもって運営を指定管理を受けてやっておりますけれども、そこの事務局長をしております。

日當和孝
久慈市でマルヒ製材という会社がありまして、製材所の専務をしております。15年ほど前に補助事業でプレカット事業を共同で立ち上げまして、そのプレカットを主体にしながら東北一円に県産材を中心とした住宅資材を販売しております。
以上です。よろしくお願いします。

和嶋局長
ありがとうございました。
皆さんから自己紹介を一通りお願いをいたしました。本日は、県北広域振興圏内の県会議員の先生方にもおいでいただいてございます。ご紹介を申し上げます。
工藤大輔議員でございます。
中平均議員でございます。
嵯峨壱朗議員でございます。

和嶋局長
それでは早速、一部ご提言等いただいてございますけれども、懇談に入らせていただきます。
先ほど知事のほうからあいさつにもありましたが、今県では新しい長期計画の策定に取り組んでございます。そういうことで、本日の懇談は新しい長期計画の策定に向けて、皆様から「岩手でしたいこと」ということをテーマにしまして、これからの岩手について自由にご意見等をお伺いしていきたいと思います。それぞれの日ごろの活動状況なり、岩手でしたいことについてお一人ずつ発言お願いしたいと思います。進め方としては、一通り皆様方からご発言をいただきまして、その後に自由な形でフリートーキングしていきたいなというふうに思ってございます。
それでは、一野辺さんのほうからこのパンのご紹介も兼ねながらお願いいたします。

一野辺崇
もう既にごはんディッシュの具材入りのものが目の前にありますので、食べてもらいたいと思います、知事さんとか食べていただければと。
このパンは岩手県産小麦ゆきちからという品種と岩手県産米のひとめぼれ、これを御飯にした状態で小麦粉と一緒にまぜて、皿状に成形したパンになります。お手元のほうに資料がございますので、見ていただきたいと思います。
このパンのご説明しますと、こちらのほうは下にバターライスを敷いていまして、こちらはあきたこまちだったのですけれども、それに豚みそ、それと上にとろけるチーズを乗せて、こちらは既に二戸の喫茶店のほうでメニューとして出されている部分になります。
商品開発したのが昨年の11月ごろで発表会がありまして、それを受けて、このような地産地消素材を使ったパンをつくったということで地元の飲食店さんに使っていただいて、それで集客につなげていただければなということで、今私が一戸町、二戸、主にそういうお店、飲食店さんやホテルさんに働きかけて使っていただけるように呼びかけております。
発表会のときには、岩手銀行さんや各マスコミさんにも取り上げられて、全国紙にも12月10日に掲載されたのですけれども、こちらの記事に出てから、全国的にも注目を浴びた中だったのですけれども、あくまでもこの商品は地域ぐるみの地産地消の推進というのをコンセプトにして、二戸地方振興局さん、県庁の流通課さんとのご協力を得て開発した商品ということで、全国的に通信販売ができるのですけれども、あえて外にはできるだけ出さないというふうな方針で、食べたい方はぜひ二戸、一戸のほうに来ていただいたたいというふうな方針でいるところでございます。
実際、二戸の喫茶店のほうで出している商品は結構人気がありまして、結構な注文をいただいているところであります。まだまだ取り扱っているお店自体は少ないのですけれども、一戸町では御所野遺跡がございまして、先日世界遺産の暫定リストに載りましたので、これを機に御所野遺跡にちなんだメニューというふうな開発に絡めてパンも使っていただきながら、商工会さん等々と一緒に御所野遺跡の機運も盛り上げていきたいなというふうに考えております。というのも暫定リストに載ってから一戸町に何が変わったかというと、何も変わらないような状態なのです。私たちも知識もありませんし、ですからまず御所野遺跡に関する知識をみんなで勉強しながら、まず一戸町に来て、見て、食べるところまでですね、私たちがバックアップというものを少しでもできればというふうに考えております。
資料はいろいろとお持ちはしたのですけれども、一々説明していると時間もなくなっていくと思いますので、一番メーンのところは5ページのところを見ていただきたいと思うのですけれども、今米粉パンというのは世にたくさん出ているところなのですけれども、米粉というのは非常に高価なものでして、岩手県内の給食でも使ってほしいというふうな働きかけはあるのですけれども、なかなかコストの面で使っていただけないという問題がありまして、それではうちのほうで学校給食もやっているわけなのですけれども、米粉のパンもやっているのですけれども、その回数が少ないということで、加工しない御飯という形でパンに取り入れてみたところ、製造コスト自体も安く上がりますし、おいしいと。

達増知事
御飯というのは炊いた御飯をという意味なのですね。

一野辺崇
炊いた御飯ですね。炊いた御飯を入れることによって、製造コストも安く上がりますし、おいしいパンができるということで、今はまだ量産体制ができていないものですから、知事さんも先ほど言われたように農商工連携ということで、今ごはんディッシュをつくる道具を盛岡市の業者にご相談して量産体制をできるような道具をつくってほしいということで今依頼しているところになっていました。
余り時間もないですから、大体私はこの辺で。

和嶋局長
どうもありがとうございました。
それでは、尾山さんお願いいたします。

尾山健二
今回三陸鉄道は観光ということで呼ばれたのですけれども、三陸鉄道の観光という取り組みは平成16年からです。というのも、それは三陸鉄道の経営改善計画の一つであるということと、新幹線の八戸開業ということもありました。
新幹線が盛岡でとまっているときには三陸までお客さん運んでくるときは北上山地を往復しないといけないというのがあって、三陸鉄道にお客さんを連れてくるのは難しかったのですけれども、八戸ということになったので、八戸から自然に南下してくれば三陸を縦貫してそのときに、多くはバスのツアーなのですが、そのときにちょっとだけ汽車、三陸鉄道に乗っていただく、特に景観、景色がいいところを乗っていただくということで成果が出てまいりました。
この取り組みを始める前、ほぼゼロだったのが平成19年度、トータルで8万人くらいで久慈駅の乗降客は、平成19年度のツアー客は6万人までになりました。ただ、今ちょっと残念なのが6万人のお客さんが久慈駅から乗ってそのままおりてしまって、地域経済に余り貢献しないというのが残念なのですけれども、ただこれについてももう少し地域の皆さんとも相談しなければならないと思っております。
これからあとこういったツアー客のお客さんというのが大体50代、60代が中心なのです。旅行をする方というのがほとんど50代、60代が中心で、観光のいろんな業界でも若い人は何にお金を使っているんだと話題になるぐらい旅行が少ないです。私どももこれどうやっていいかわからなかったのですが、昨年の10月にキャラクター久慈ありすというのがありまして、それを使った企画をしたところ、若い人が2,500円のイベントに参加するために遠くは長崎県、高知県、兵庫県、名古屋とか首都圏からいっぱい来ました。これには正直言って私どももびっくりしました。若い人を呼ぶには、この辺にもしかしたらばヒントがあるかなと思っております。
今後したいことということなのですが、今一番大きいのが、新幹線が青森までいったときに、青森開業に、来年12月ですからね、どうやって新幹線のお客さんをまた三陸に足を運ばせるかということなのですが、日本海側にしらかみという高級列車が入っています。それと同じような形でJR八戸線、三陸鉄道北リアス線、JR山田線を結ぶ、新幹線の駅と駅を結んで高級列車をつくってほしいなというのがあります。これをすることによって、この企画はJRさんに高級列車をつくってもらって、JRさんに売ってもらって、まさにおんぶにだっこなのですけれども、でもこれをやってもらわないと新幹線が青森に行ったときに、やっぱり三陸に目を向けてもらえないのではないかなと思っています。これは、三陸鉄道だけでは力不足なので、県や市町村からもご協力を得て、JRさんに働きかけてほしいなと思っております。
もう一つ、さっき言った鉄道むすめのキャラクター、久慈ありすをどうにかして活用したい。今社内で考えていることがイラストを描く人たちがすごく多い。久慈ありすというキャラクターを地元の人たちとか多くの人にイラストを描いてほしいということで、イラスト大募集をしたいと思っております。これは、版権元のご了解も得て今進めておりますので、ぜひ地元の人たちも、日本じゅうのイラストをかく人たちもこの久慈ありすを描いてもらって、もっと興味持ってほしいなと思っております。

達増知事
インターネットでも素人さんが玄人裸足のイラストを描いて紹介し合うというサイトが非常にはやっているそうですからね。

尾山健二
このあたり鉄道むすめのシリーズを勝手に描けないのかなと思ってらっしゃると思うので、三陸鉄道が募集をしても版権元から了解を得てますよという形で、あとこれが三陸鉄道で入賞すればヘッドマークにしたり、駅に飾ったりということでいろんな多くの人の目にとまるようになりますということで、かなり効果があるのかなと思って期待をしております。

達増知事
インターネット検索も今は言葉で検索するほかに画像、動画とか。特に画像というのは絵で検索、イラストで検索というのがかなりもう主流化してきているから、それはいいと思いますね。

和嶋局長
よろしいですか、どうもありがとうございました。
木下さん、先ほども大分ご意見等伺いましたけれども、木下さんは長崎県ご出身で、関西の大学を出られたというふうにお伺いしていましたけれども、そして去年の4月にこちらのほうに赴任して岩手の印象なり、こちらのほうの印象というか、可能性というか、どのように。

木下侃
私は軽米の町民なり自然が大好きで、それまでの仕事の関係で人間関係があったもので来たのですけれども、東京から見た場合、遠いなと。特にバスが盛岡から1便、二戸から何便ですか。ということで、お客さんが来られたときに、やはり必ず二戸駅まで迎えに行かないといけないというのがちょっとしんどいかなという感じですね、1つはね。
それから、もう一つは、やっぱり町の空き店舗ですね。お客さん連れてきたときにちょっと寂しいなと、もうちょっと空き店舗を活用した形でもうちょっとにぎやかさというか、楽しさというか、そういうことが演出できたらなというような感じで、ほとんどあれは……山は一緒に行って歩くのだけれども、まちなかは歩かないのですよね。みんな店舗も空いているものだから。

達増知事
インターチェンジおりてすぐのところに町があるわけですよね。

木下侃
はい、そうです。軽米インターチェンジ。

達増知事
だから恵まれたロケーションでもあるのですが。

木下侃
場所は最高なのです。だから、そういう部分がですね。それと地元主義といいますか、地元だけで回っているなと、物事がすべて。外というか、例えば農協さんは大型品目は前沢、東京市場まで持っていっていますけれども、細かい品目は全くさわっていないし、東京で勝負するというか、そういうのが僕はちょっと弱いなと。私の仕事は、先ほど言いましたファンづくり、軽米町応援団。それとやっぱりそのためにはエゴマのオーナー制度なり、里山応援団なり、いろんな形の応援団を1人でも2人でもつくっていきたい。そういう人間関係を通してそこに関係している売り場に県北の商品を売っていきたい。特に私が営業しているのは雑穀とエゴマ、それから我が町のあずまえびすですか、この辺を特産品としてお願いしていまして。

和嶋局長
どうもありがとうございました。
それでは、島川さんお願いいたします。

島川良英
私のほうは水産関係ということで来ておりますけれども、特にサケ、今年の結果でいいますと金額的には101%、12月末まででなっているのですが、大体100億産業になっています、県全体で。ところが、サケのふ化放流というのは、大体4年後におおよそ帰ってくるのですけれども、今年は河川に上がってくるサケの量が匹数で大体60%切っているのですよ、対前年比で。ということは放流用の稚魚の卵、4年後に帰ってくるサケにすごく不安要素が出るような今年の結果です。これは水産業にとってみればサケ漁はものすごい大黒柱になっています。これについて、サケ、マスというのは放してやればオホーツク海とかベーリング海とかからたんぱく質、脂肪を持って黙っていても帰ってくるわけですよ。エネルギーや油が省エネでとれる魚です。それを、今年のように不漁の年もございますけれども、これをやっぱり柱にして、そのほかに、水産業ですから養殖の、ワカメ、ホタテ、カキ、いろいろございますけれども、養殖業とかが金額的にはこういうものが柱になる。ところが、私たちがメーンにやっているふ化放流事業というのはふ化場なんかの施設が今非常に古くなっています。新しいものでも20年以上ですね、30年ものもあります。すると能力が落ちているのもあります。それからふ化放流事業をするときの設備が30年も前の設備で技術が変わってきているのです。そこら辺が実際に合わなくなっている。今年みたいにこのような遡上、川に帰ってくるサケの量が少ないと、こういう事業をやっている組合にとっては苦しい。
そこでお願いしたいのは、こういう施設の充実というものをやっていただかないと、これ結果が4年、5年先に出てきます。そのときにもう一回と思っても、これはなかなか回復するのに10年ぐらいあっさりかかるのです。そこら辺を県のほうでも重点的に考えていただきたい。
それともう一つがサケというものは漁期が秋から冬にかけてで、そのほかに養殖業とかもろもろやっていますけれども、そこら辺の春先から夏にかけて、またこれはあく時期がございます。これ今うちのほうでやっていますサクラマスの増殖事業というのがあります。漁期は春から夏にかけてある程度やれば理想は通年でサケ、マスがとれると思います。そこら辺のものをやっぱり指導、計画できないかと思うものがあります。
それとこれは流通網ですけれども、やっぱり値段というのがすごく、今年は不漁で値段がよくて、結果的に対前年比を超えていますけれども、ただ値段がこの景気の中で悪かったりなんかするとダブルパンチ食らう可能性があります。ですから、やっぱり流通というもの、交通網ですね、もちろん加工等も含まれるでしょうけれども、そういったものもやはり今後考えて持っていかないと、幾ら量がとれても豊漁貧乏になりかねませんので。
どうしてもここら辺は、久慈地区は今年はいくらか魚価の単価よかったのですが、低いのですよね、県南と比べてですが。今年は不漁のおかげで高くなったという結果になっていますけれども。ですから、やっぱりそこの基礎となる放流する事業、育てる事業というものを、やっぱり基盤をきちんと整備していかないと、よい結果が得られない可能性を含んでいますので、そこら辺を我々としてはお願いしたい。計画の中に10年後、今からやっても10年後にようやく結果が出るかどうか、そういうようなオーダーでなっていると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
それともう一つが、今年サケの稚魚になる卵が不足する部分、多くなる部分、地区、地区で過不足が出たわけです。そこら辺こういう場合の災害とか、津波とかではないのですが、こういう不漁のときの危機管理をどうしたらいいか考えて欲しい。

達増知事
前年比60%ということで足りないところが出てきたと。

島川良英
そうですね。これ全県下で100%超えているところもあります。それから、ぐんと下がっているところもあります。ですから、そういうときの危機管理、これ危機と言ったらいいのかちょっと言葉は分からないのですけれども、やっぱりこういうような調整管理というのが、長年今までサケとか、魚というのは順調にとれてきたものだから、とれるものだという意識であるわけです。ところが、突然ぱたっと消えたときに対応するというシステムというのが何か後手に回っているような気がしましたので、そういったものも危機管理という中に入れるべきと思う。言葉ではどういう言葉が似合うのかはわかりませんけれども、あったほうがいいと思います。そういったところです。

和嶋局長
今年は不足分は宮古とか大船渡のほうから。

島川良英
はい、1,560万粒、2トン近くになりましたかね、重さで。買ってきて入れてようやく間に合いました。

和嶋局長
その後はどうなのですか。

島川良英
その後はまあまあ入ってきていますけれども、うちの川では対前年比70%ぐらい。今の12月下旬からのサケが来ても結局春先までに大きくなれない状態になりますので。ですから、12月までにうちらは必要量が5,800万ぐらいの卵の数が必要なのです。ですから、それを12月上旬ぐらいまでに確保しないと春先の順調な放流が難しくなるというような今年の結果になっています。

和嶋局長
それでは、杉沢さんお願いいたします。

杉沢康身
それでは、私から、先ほど来紹介ができれば、私自身のお話で本当に恐縮でございましたが、酪農そのもの、畜産そのもの自体はもう大体そういう厳しさで今現状維持してきているということなのですが、これからの農業がどうあればいいかというのは、私自身も前途全く暗いという現実から、現実的には脱皮できていないものでございますから、ちょっとショックが大き過ぎて本当にどのようにやっていったらいいのかなということをまず考えて、それで去年の事業には県のほうからいろいろお世話になりまして、自給率を高めるということで、今現在進行形中なのでございますが、山を起こして、3ヘクタール起こして乾草をとるように、牧草をつけることにしております。
それで、今までは大体私の規模で200万ぐらいの乾草購入をほかからしていましたのですが、それでこのように厳しい中になってしまいましたので、何とか軽減したいということで、一つは牧草地をふやすということで、その分若干購入費を少なくする。もう一つは、できるだけデントコーンを作付して、配合比を減らしていくというその2つを目標にして、去年何とかやろうかということで、普及所の方々にもいろいろ協力いただきまして、それを今やっている最中でございます。その結果は今年の冬、まず来年の春あたりは出るかと思いますが。
それで、一番の問題点は、今いろいろ取りざたされておりますクマの被害なわけです。それで、私は毎年なのですけれども、大体4分の1ぐらいクマの被害を受けまして。

和嶋局長
デントコーンですね。

杉沢康身
ええ、デントコーンです。そのデントコーンやるのがもうばかくさいと思いつつも、堆肥処理に困るわけだからどうしてもデントコーンの畑が必要なわけです。うちの近くの酪農家はほとんどデントコーンやめました。それで、浄法寺では2軒しかデントコーンやっておりませんが、恐らくそういうことでほかの地域でも結構やめたというのを聞いておりますし、そういうことでひとつクマの被害等を何とか食いとめるための完全な……完全まではいかなくても何とかそれを防ぐことができるような方法が欲しいなということが1点でございます。
それと、最近私も利用しております牧野の関係でございますけれども、これは将来長い目で見ればぜひ必要なものだと思うのです。たまたま我々の地区は酪農は減り、短角も減ってきました。そして、ふえているのが、かろうじて今値段がいい和牛の分野が結構ふえているようでございます。そう思って、私も和牛を若干置いてやっているわけですが、これも最近はまずね、肉の値段というのはとにかく上がり下がりが激しいわけですから、いつも。それは一応覚悟しておるわけでございますが、いずれ牧野の管理というものについては非常に不安を感じるわけです。人数が少ないということは、非常に手がもうかからなくなってくるわけですから、結構粗雑になるわけです。そういう意味で、この先それを維持していくための何かの方法を考えてほしいなということが一つあります。
それで、それを解消するためにもできればその頭数の少ない部分、そしてまた機械の入れる部分においてはできるだけ、我々が借りたいというときには個人にもひとつ利用させていただけるような配慮がほしいなと、勝手ながらですよ。ただ、これはだんだん使用人数がふえてくると当然それはできないわけですから、そういう意味で維持管理していくためには何かかにかのそういう方法を使いながらやらせていただけることも必要かなと、このように思います。
私も今まで牧野等は毎年利用しているわけですが、やっぱり牛そのものの管理をやっていくには、育成時期が一番大事ですし、もちろん売るときにも足がしっかりしていれば結構牛も長もちするわけですから、その分牧野というのは絶対欠かせない、なくせない施設と思って私も利用させていただいております。
それともう一つ、これからの将来、地方分権云々と言っているわけでございますけれども、これは具体的には地方では、だんだんには国の事業が県あるいは地方に分権されてきているわけですか。

達増知事
地方がやると言えば、今すぐにでもやれます。

杉沢康身
そうなのですか。それで、そういうことになれば、ヨーロッパあたりでは結構……農業というのはもちろん人、人間が生きるためには一番大事な産業だと思います。それで、最近いろいろ、去年特に中国の食品の問題等々で結構不安な思いをした年でもありました。それで、そういうことを見るにつけ、もっともっと自給率を高めるための努力していくべきは政治家なり、我々農業の人たちが一緒になってやっていかなければならないと、こう考えるわけでございますが、そういう中で、やっぱり我々も、幸い私の場合は去年から息子が来て手伝いしてもらっているわけでございます。ただ、全般的に見ると結構後継者不足というのは年々言われてきた話ではございます。ただ、そのゆえんというのは何かというと、結局農産物が安いがゆえに生活、息子に給料を与えられないというのが現状になってきているのです。今、私は息子に来ていただいて、隣近所の人たちは「いいな、おめさんところは息子さん来て、跡取りあってもう安泰だ」なんて言われるのですけれども、実際は中身的には大変なものなのですよ。余り高い声では言いたくないのですが、もちろん息子はかかあをもらわなければならない。そして、子供ができる。そうすれば1世帯の分はもちろん金を払わないと生活できないわけですから。それを払うのに大変なわけです。だから、やっぱりそれを払うためには規模拡大も当然ながら、農産物の価格安定というもので一応計画を立ててその規模を考えるというところからやっぱりある程度の農産物の補償というものを政府なり、あるいは県なりがある程度考えていただければ、これから先々安定した農業というもの、そして自給率を高めるということになると、そういうふうな安定したものが必要なのかなと、私個人なりに感じておりました。
以上でございます。ありがとうございました。

和嶋局長
牧草地はどの程度お持ちと。

杉沢康身
19ヘクタールです。19ヘクタールのうち6ヘクタールがデントコーン、それに水田が0.25やっております。ほかは草地になってございます。

和嶋局長
草地というのは放牧か何かされているのですか。そうじゃなく……

杉沢康身
採草、全部採草です。

和嶋局長
かなりの面積の採草地をお持ちだというふうに伺っていましたけれども、どれぐらいの。

杉沢康身
13町歩です。今年は農管公社もちょっとおくれたということで、さっき農管公社の担当者が二戸のほうに来ていましてちょっと会って話しましたが、仕事そのものがおくれてきまして、それで仕事はもう来年度のものになるだろうということで、結局は21年度の事業に延びてしまったということを言われて、残念ながらがっかりしたのですけれども、いずれそれはやってもらわないと、私自身の計画でしたので、やってもらうことにしました。そういうことです。

和嶋局長
どうもありがとうございました。
林下さん、お願いします。

林下千一郎
2点お話しさせていただきたいと思います。1つは観光の分野に関することと、もう一つはバイオマスエタノールのお話と2点させていただきたいと思います。
1点目の観光といいますか、自分もその中に携わっているものですから。現在私たち大野キャンパスとしても、町としても取り上げてやっているのがグリーンツーリズムの一環として農業体験をということで取り組んでいるわけなのですけれども、住民にお話をしているのは1次産業の衰退そのものは、これは自分もその地域にいるものですから目に余るものが確かにあって覇気をなくしているというのもあって、その中でもうけにはそれこそならないけれども、元気を取り戻す一つの策として体験を取り組んでみないかということで農家の人たちにお話をしながら拡大を進めている最中なわけですけれども、特に私たちは三八地区を主眼に置きながらやって、今現在既存の施設を利用してもらったり、あるいは農家の体験を、それを組み合わせながらさせていただいておりますけれども、最近民泊を希望する方もいらっしゃいますし、こっちから意識的にその分野に入っていかなければということも考えていまして、ここでは山形町がこの辺では非常に教育旅行を誘致して一生懸命取り組んでいるわけなのですけれども、そういった分野に入ろうと思っても宿泊が可能な形に農家を、小さなものだとトイレの変更だとか、厨房関係の変更だとかなんかに割と農家の人たちは戸惑いを感じているというところもありまして、その辺ハードになるのかもしれませんけれども、ハードのちょっとした変更なんかの援助がいただければよりもっと進んでいくのかなという感じがしております。
観光に関してもう一点ですね、これは末端のほうに行けば特にそうなのですけれども、市町村の役場でも、窓口が一本化されていないということがありまして、例えば役場なんかですと相手から問い合わせがあったら、体験が受け入れ可能なのかどうかをまた農家なり、あるいは既存の施設なりに確認してからまた返事しますということが多いわけなのですけれども、それをエリアごとといいますか、この県北でいけば二戸エリアと久慈エリアでもって一本化できれば最高にいいんだがなという感じがしておりまして、久慈には今観光協議会があるわけなのですが、そこなんかが大きな窓口になっていただいて、各市町村あるいは施設関係との連絡を密にとりながら、問い合わせがあったら、できるだけその場でもって返事ができるような体制にしていければいいのかなという感じがします。各市町村広域でもって取り組んでいけばといってもなかなかそれぞれの市町村の主張もあったりしてうまくいかない部分もありますけれども、そういうときにはやっぱり県でもって主導してやっていただければそのほうが非常にスムーズに進むのかなという感じはしております。
この件は以上でございまして、もう一点は1次産業に関係あるようなことなのですけれども、バイオマスのエタノール関係をぜひ県北に誘致できればいいのかなという感じがしているのです。田畑の遊休地が非常に多いのですよね、二戸に向かう道路なんかでも非常に目立って、最初は草が生えていますけれども、そのうちに木が生えて、もともと田畑であったということがわからないような状態にまでなっているわけなのですけれども、そういうところを利用していくにも役立つのかなという気がしておりまして、全国では北海道、沖縄、新潟なんかがバイオエタノールの誘致企業があるようなのですけれども、隣の秋田県もちょっとあるようなのですが、最近はサトウキビだとか、有名な砂糖になる材料だけではなく、雑草だとか、海草だとか。そういう分野に開発が進んでいっているようですので、そういう遊休地を利用して草地をそのままでいけるような形だとか、あるいは海岸では海草、売れる部分はもちろん売ったほうがいいのだろうけれども、それなりのものなんかをこういうバイオマスのエタノールの原料に使えればいいのかなという気がしておりまして、私は大野地区ですので、海を知らないで育ったのですが、サトウダイコンが昔はつくられていた時期があって、今はもう全然ないのですけれども、北海道は多分これを利用しているのかなという気がしていますけれども、寒冷地でも育つサトウダイコンですので、それなんかを奨励して、畑作に奨励していけばそういうのでとっかかりになっていけるのかという気がしておりまして、正直に申しますと自給率を上げるために畑作なんかを一生懸命やってほしいとかという運動だけでは、今の現状の1次産業もちょっとやそっとでは立ち直れないのではないかと、正直なところ。担い手が、先ほどの杉沢さんもお話ししていましたけれども、次の世代の人たちが継いでいないというのが現状ですので、そう考えるとかなり思い切ったものがないと無理なのだろうなという気もしておりますので、ぜひこういうエタノールの工場なんかができ上がってくればかなりまた違った部分が出てくるのかなというふうに思っておりまして、それこそそういうのが来るときにはぜひとも洋野町でなくてはいけないのですけれども、洋野町には30町歩ぐらいの土地が2つほど牧野がありますので、そこら辺なんかの活用にもつながるかと思いますので、ぜひ検討していただきたいなというふうに思います。
以上でございます。

和嶋局長
先ほどの窓口一本化の話ありましたけれども、今まさしく広域観光協議会で2年前から取り組んでおりまして、受け入れ体制の整備と、あとはコーディネート機能ですか、のところで取り組んでいますので、もっともっとそこのところを充実させながらやっていくように頑張りますので。

日當和孝
10年間のこれからの目標というようなことなのですが、我々の商売の種になっています木材、特に山林というのは10年の単位ではとても済まない。50年、100年という単位です。その中で、10年というキーワードで思いつくことは、最近この10年間というのは森林、木は切られているのですが、造林がなかなかこの10年間ほとんど行われておりません。この10年間の空白というのは将来50年後、60年後に大きな問題として出てくるわけですので、次の世代に健全なる、県土の8割弱な森林面積なわけですので、質は問わなくても豊富な森林資源があるということは、これから21世紀が環境の世紀と言われて久しいわけですので、やはり岩手県が全国に、そして世界に向けて発信するにはこの豊富なバックヤードである森林をうたっていくことが必要ではないかなというふうに、ぜひ再生産できる資源ですから、山に対しての注目ができる計画を織り込んでいただきたいというふうなことです。
そのときにどうしてもテーマに乗るのがやっぱりお金はどうするのだというふうなことになると思います。我々ほとんど事業者ですので、経営の3要素は人、物、金だと思います。物は今のような形で豊富な資源があるという前提に立ったときに、やはり人のリーダー養成とそれからお金ですね、この辺がこれから問題になってきます。そのときにはお金は、県内にとどまらず、こういった、特に最近では企業のCSRの一環で森林のフィールドを活用したことに対して援助なり、また資金を提供してもいいというふうな企業さんが、それも全国引き手あまたあるわけですので、そういったところを呼び込んでマーケティングしていくということが必要ではないかなというふうに考えております。そのマーケティングを、お客さんのほうに呼ぶというマーケティングと、みずからの木材製品、私の立場で言うと木材製品を消費者へ売っていくというマーケティングと2つあると思うのですが、それをしっかりと戦略を見据えて進んでいくことが必要だと思います。
もう一つは、やっぱりそのことを実現するには人材が必要です。産官学と言われて、これはいつも言われているのですが、ネットワークからいうと残念ながら我々民間のほうが行政の皆さんよりはネットワークは広いでしょう。そういったことを活用しながら一つの目標に進んでいくというような基盤整備づくりがこれからは必要ではないかなというふうに考えております。
以上です。

和嶋局長
どうもありがとうございました。一通りお話し伺いましたけれども、知事のほうから何かありましたら。

達増知事
農林水産業をベースにしながら商工連携で広げていって、そして観光とも結びつけていくというのが県北振興の基本パターンなのだと思うのです。そういう中で、いろいろ参考になる意見を伺うことができたと思います。
農業の関係で、自給率との関係で、やはり所得の保障的なことというのは、まさに国のほうで議論されているところなのですけれども、どんどんビジネスとして伸びていく部分は自由にやっていかなければならないのだと思うのですけれども、ライフスタイルとしての農業といいますか、まずとにかく先祖伝来の田畑をちゃんと維持していくというような部分について、なかなかそういうのを全部ビジネスに転換していくというのは難しいし、またセーフティーネットというのですかね、ビジネスというのはリスクをとりにいくことだから失敗の可能性は常にありますので、日本全体あるいは地域の農業が全滅するというのはまずいですから、どこかセーフティーネット的なところで、それが自給率向上ということにもつながるのだと思うのですが、やはり所得保障的な政策というのは必要なのだと思います。これは随時私も国のほうに要望しているところであります。
そういう中で、やはり消費者のところに、今世界全体お金はあり余っているのですよね。日本だけでもお金は実はあり余っていて、ただそれが地方経済の中には全然回ってこないし、国や地方も借金でお金はないわけですけれども、余ったお金が使い道がわからなくて、それでは、石油を買おうということで石油の値段が上がったり、穀物も高くなるだろうからといって穀物に流れて飼料価格が上がったり、そうやって使い道を探りながら非常にお金の無駄な動きが世界でも、日本でもあるわけですよね。本当にいいもの、消費者が求めているものであればお金はあるところにはありますので、やはりそこは攻めの姿勢でいかなければならないと思います。中国から入ってくるものについて食の安全でいろいろ事件が相次いで、日本はもちろん、アジア全体、世界全体として安全安心な食へのニーズが非常に高まっているので、まじめな日本の食、特に岩手の食というのは、そういうのがいいし、またそうでなければだめだというこだわりを持った人たちが何千万人も東京のあたりには住んでいて、何千万人すべてに提供しようというわけではなく、その何千万人の0.何%でも軽米なら軽米というのを認知してくれれば軽米でつくるものは全部売れるくらいのそういう消費力が首都圏にあって、日本全体から見ると岩手は東京に近いというのはすごいメリットだと思います。これは九州や四国に比べれば近いわけですからね。首都圏に近いというメリットを農林水産業の分野ではどんどん生かしていかなければと思いますし、観光もそうですね、首都圏に近いというのがメリットで、いろんな趣味にこだわる人たちも、東京の人、首都圏のすべての人が趣味にこだわる人ではないのですが、0.数%だけで三鉄の企画が満杯になってしまうぐらいのそういうのがあるわけですし、グリーンツーリズムでもそうだと思います。
私は岩手全体を学びの場ということでPRしていくといいのではないかなと思っていて、人が育つ岩手、人を育てる岩手と、これは先人が岩手からたくさん出ていて、人材輩出がすごい岩手というのを踏まえてなのですけれども。人生にとって本当に大事なことは岩手に来れば学べるという、これは子供にとってもそうだし、大人になってもそうだし、外国人でもそうだと思うのです、農業体験ですとか、木に登ったり、サッパ船アドベンチャーみたいなものとかありますしね、そういうのがこれからどんどん見込みがあるし、それでファンになってくれた人たちは岩手の県北の産物を買ってくれるということで、観光と物産はやっぱり不可分ですから、相乗効果で伸ばしていきたいと思います。

和嶋局長
一通りお話を伺いました。あと20分足らずでございます。言い足りない部分とか、あるいは先ほどの話でぜひとも補足したいというのがございましたら、どなたか。

杉沢康身
先ほど2つばかり言い忘れまして。私も35年前、40年ぐらい前になりますが、アメリカに1年お世話になってきました、実は。それで、結構そのときの、ろくに言葉もわからない国に行ってどのように暮らすかという、そういう不安、そういう気持ちで行って、そして1年間どうにかしがみつきながらもやってきましたけれども、そのときの教訓というのはすごい自分に張りがあったし、今の自分をこのように育ててくれたと、こう思っております。これは私たちの国際農友会という、実は県のほうの窓口で行われています会なのですが、これは国のほうの予算がかなり削られていまして、それでぜひとも継続していくように県のほうからもひとつ協力をお願いしながら、何とか青少年というか、農業をやりたいという人たちの教育の場としてあれをぜひ貫かせていただきたい。そしてまた、知事さんからもひとつ拾えるよといったらひとついろいろと協力を惜しまないでお願いしたいなと、このように思います。
海外研修というのはいろいろな方法というのがあると思うのですけれども、先ほど来自給率の関係からいろいろなそういう意味で結構国際農友会を通じた人たちの後継者というのは結構多いものですから、ひとつよろしくお願いしたいと思います。それが1点です。
それから、畜産を利用したさっきの達増知事さんからのお話もありましたが、教育を利用する、教育を農業に利用するというのは、非常に私も指導農業士を仰せつかりましてから何回か中学校に行って適当なお話をしたことがあるのです。そうしたらすごく関心を持たれまして、特に酪農というのはいろいろな分野が入っているのです。というのは、とにかく牛が分娩しないと乳が出ないという生理的な作用がありまして、結局、性の問題やらいろいろなものが凝縮されているわけですよ、普通の農家の仕事と違いまして。そういう意味では結構話に関心があったような記憶がございました。そういうのをうまく利用した教育というのはいいのかなと。
今年も首都圏の大学の生徒さんたちが二十何名二戸市に来たついでに寄ってくれまして、牛乳を飲みながらお話しをした経緯もあります。これも4年目になりますか、だんだん先生も覚えまして、今いろいろ親しく年賀状をやりとりするような仲になりましたが、そういう利用の仕方というのは非常にいいのかなと私も共感いたしました次第でございます。
以上でございます。

和嶋局長
あとどなたかございますか、日當さんは先ほど大分遠慮されたようですけれども、どうでしょうか、今後外材とかいろいろ。

日當和孝
そうですね、先ほど自給率という話が出たのですが、食料と同じように木材にも自給率というのがありまして、総需要の大体2割ぐらいが国産材でして、建築に限って言うと4割ぐらいなのです。ですので、結構国際的な価格に翻弄されているというところがあります。幾ら我々がコストを積み上げ方式で価格を提示しましても、大消費地に行くと外国からの価格がベースになる。外国の価格というのはもちろん現地価格もありますが、大きくはフレート、石油値段とか、それとややこしいのが円ドルレートなのです。最近これにユーロも入ってきております。それとややこしいのが最近木材を一番供給していますロシアの情勢でして、これが大変大きいです。ですから、国内の森林を扱ってはいるのですが、実際のビジネスの場というのはそういう国際環境に大分影響されております。ですから、岩手の片田舎にいるとそういった情報に触れることは少ないのですが、願わくばそういう情報がタイムリーに入るような環境があればいいなというふうなこと。
それと、先ほど人を育てると知事さんからお話しありましたけれども、やはりまさしく同感でございまして、森も育てるというふうなことが必要かと思います。そういった意味では、単に守るだけでは森は育ちません。やはり適切な、人為的な人の手を介すことによって育っていくものですので、そういった意味ではこれからますます森林を育てるというふうなことが一つ木育ということも出てきていますけれども、そういった時代にもなってくるのではないかなというふうに考えております。

和嶋局長
ありがとうございました。

達増知事
他県の事例を小耳に挟んだのですが、ある外国の建築物の再建に国内から木を持っていくという話で、やっぱりまとまった量をその外国の中で調達できないらしいのですよね、いいものを。だから、そういうまとまった量が調達できるというのはすごく大事なことだなと思ったのです。

日當和孝
そうですね、特に伝統的な木材というのが、日本でもお城とか結構あちこちにありますけれども、実はこれほとんどがアカマツでできているのです。最近では熊本城とかありましたけれども、結構本県からもアカマツが行きました。

達増知事
熊本城に行っているのですか。

日當和孝
行っています。

達増知事
ちょうど熊本で全国知事会の会議があって、熊本城も見たのですが、実は、あの板は岩手から行ったのですか。

日當和孝
多分これから名古屋城も出てきますけれども、また江戸城という話もありますけれども、これアカマツが主要になりますので、ぜひ自慢していただきたいと思います。

和嶋局長
林下さん、いわゆる体験型のところをあそこで取り組んでいるようですけれども、教育旅行への取り組みはいかがでしょう、これからの展望として。

林下千一郎
それなんかの収入を得ながら民泊の部分を充実させなければなというふうに取り組み始めたばかりなのですが、なかなか農家の方を説得するのが大変でして、始まってしまえばそれなりに感動は必ずあるはずだということで話はしているのですけれども、まだ実は6軒、7軒の段階でして、これをもっと進めようと思っていました。

和嶋局長
島川さん、回帰率向上がここだけではなくて岩手県の一番の課題になっているようですが、そのために久慈振興局では独自の振興費で北海道に研修等を今やっていましたけれども。

達増知事
3%が2%になっているということですよね。

和嶋局長
2%ぐらいになっているそうですものね、1%ぐらい落ちているそうなのですが、これを回帰率向上に対しての今後の取り組みとかに対して何かありますか。

島川良英
技術的なものでいえば、やっぱり施設が古いというのがあって、井戸の地下水を使って卵のふ化をやるのですけれども、20年も30年もたつと井戸自体も能力落ちるのです。それと川の近くですからぐんぐん、ぐんぐん吸うと周りの河川水が自然に入ってきて、水温が本当は冬場は温かい水が欲しいのです。だけれども、川の水と一緒に井戸が下がっていくのですよね、古くなってくると。ですから、そういうものの設備の改善というのかな、そういうことをしないとやっぱりいい稚魚ができてこない。放してやってもどこかの魚のえさになっている状態の稚魚が多い可能性が出るので、やっぱり元気なものを育ててやらないと帰ってこないというようなものだと思います。
それとさっき言った人の人材とかという問題で、去年ですか、中学生の職場体験で中学生五、六人来ていたのですけれども、去年ぴたっと来なくなったのです。やっぱり先ほども言ったように畜産もそうでしょうけれども、食という魚を食べる、肉を食べると。子供たちはスーパーでパックに入ったきれいなものしか見てないのではないかなと思って、それがどこでとれて、どういうように加工されてというのを知らせることが必要ではないのかなと思います。やっぱり魚とか肉とか牛なんかもありがたくいただくというもののシステムというのかな、こうなっていますよというのをやっぱり子供たちは知るべきではないのかなと思います。
以上です。

和嶋局長
一野辺さん何か言い足りなかった部分ありませんか。

一野辺崇
先ほど知事さんおっしゃっていた、人が育つということで、人を育てるというキーワードがちょっと気になっていたのですけれども、具体的に県北で食にかかわるような部分で知事のお考えが何かありましたら聞かせていただきたいのですけれども。

達増知事
県北の食文化というのは非常に特徴があるし、あとは欧米に理解されやすいと思います。ヨーロッパに似ているところがあって、まず小麦中心の文化で、おもちやせんべいも小麦でつくってしまう。あとは酪農、畜産が盛んで、そういう乳製品とか、そういうのもあるので、ヨーロッパに似ていますので、国際交流なんかにも向いているのではないかと思います。ですから、そういう特徴というのは日本国内でも、やっぱりおもちとせんべいが小麦でできているというのはびっくりされると思いますよ、首都圏や関西のほうの人たちから見れば。逆に関西は小麦文化があるので、そういう人たちが来て喜ぶかもしれないですし、そういういろんな可能性が広がる地域だと思います。あと雑穀が物すごいヘルシーでありますし、ヘルシーといえば県は雑穀とヤマブドウと短角牛のヘルシー3点セットクラスター計画とかでやるわけですけれども、ただ珍しい、おいしいだけではなく、健康にいいというところが県北の食文化のアピールだと思います。

和嶋局長
人の交流とか外貨の獲得というような、そのような話等出ていましたけれども、それは観光が一番の総合産業だと思いますので、尾山さん、ひとつこれから観光の地域、特にもこの地域の観光振興についてまとめていただければ。

尾山健二
今実際観光旅行に来る人たちというのは、50代、60代の人たちは毎月のように旅行に出ている。ですから、既に全世界を旅している、既に日本じゅうを旅している。でも、なぜ旅を続けるのかというのを実際旅行者と接してみて感じるのが、行ってみて初めてわかるということは気がつきたいのだと思います。行ってみて、初めてわかる。だから、行ってみて、写真のとおりだったならばそれはつまらないのだと思うのです。行ってみて初めてわかった、そういった意味ではこの県北・沿岸地域というのは情報が少ない分、行ってみて初めてわかったことというのは多いと思います。
ですから、そういった意味で今まで開発された有名な観光地ではなくて、それを求めている人たちも多いので、それはJRの駅からハイキングだとかという武器をJRさんのを使って、本当に驚くようなことを、こっちでは、地元では当たり前のことを向こうの人は、東京の人はこうやって毎月のように旅をしているような人たちは驚くかもしれないです。ですから、そういった仕掛けをつくっていけば、こちらでは主流だけれども、全国的にはマイナーな食材とか、何とかのインパクトが与えられて、すごく印象に残るこの地域になるのではないかなと思っております。

和嶋局長
ありがとうございました。最後に、木下さん何かございますか。

木下侃
今お話をお聞きして、私も非常に元気になるなということがいっぱいあります。先ほど食育とか木育とかありましたけれども、県北では小さなときから雑穀をですね、メーンたるはやっぱり食育、それから先ほども話しましたけれども、いろんな公共の機関では、必ず県産がまず優先で、それに対しては何らかの対策を講じると、こういう感じで、先ほどの話ではないけれども、県北のものを食べるよと、そういう部分を今後の観光でも生かしていただきたいというふうな感じがします。

和嶋局長
ありがとうございました。大体時間になりましたけれども、大変皆さんありがとうございます。

知事所感

達増知事
今日は農林水産業関係者の全分野からご参加をいただいて、またそういったことをベースにした観光や農商工連携等、最先端の動きに連なっていただいている方々にもいらしていただいて、改めて県北の地域資源の全貌とこれからの可能性が見えてきたのではないかと思います。県のほうでもこれを参考にして県北振興をさらに強力に展開していきたいと思いますし、岩手の中でおくれた県北というようなイメージがともすればあるかとも思うのですけれども、逆に今岩手全体がこういう経済情勢もあって苦しんでいて、特に県南のほうが失業などがあって大変なときに県北のほうから希望の光を岩手全体に照らすこともできるのではないかというふうに思っておりまして、よろしくお願いしたいと思います。これと全く同じ形で第2回この会議を開けるかどうかはわからないのですが、今日ですべて終わりというわけではなく、今日ご参加の皆様には今後も引き続き県政のほうにいろいろお力添えをいただきたいと思っていますので、また何らかの形でいろいろ一緒にやらせていただくと思いますが、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

和嶋局長
大変貴重なお話をたくさんいただきまして、ありがとうございました。今知事のほうからもお話しありましたように、いずれこの場でも言い足りなかった部分多分おありだろうと思いますので、そのことにつきましては私ども振興局のほうでも、あるいは本庁のほうでも構いません。どんどんお寄せいただければと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

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