賢明な選択へようこそ~意思決定支援~

ページ番号1066933  更新日 令和6年1月4日

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賢明な選択へようこそ~意思決定支援~

日常生活で意思決定を行う場面は多々ありますが、医療においてもどうするか決めないといけない場面が多くあります。自分に有利な方(確率)を選択するのが通常ですが、その判断の元になる知識や経験は人それぞれです。ヘルスリテラシー(health literacy:健康や医療に関する正しい情報を入手し、理解して活用する能力)と言いますが、経験は兎も角、知識は地域住民と共有可能です。

保健所の業務に「地域保健に関する思想の普及及び向上に関する事項」があります。この度、奥州管内に住む県民のヘルスリテラシーを向上させるためのコーナーをホームページ上に設置しました。

ヘルスリテラシーは「健康情報を入手し、理解し、評価し、活用するための知識、意欲、能力であり、それによって、日常生活におけるヘルスケア、疾病予防、ヘルスプロモーションについて判断したり意思決定をしたりして、生涯を通じて生活の質を維持・向上させることができるもの」と定義され、異なるレベルや次元があります。科学、市民、文化の次元を考えた4次元のリテラシーとして、基本的リテラシー(fundamental literacy)、科学的リテラシー(scientific literacy)、市民リテラシー(civic literacy)、文化的リテラシー(cultural literacy)が米国のザーカドゥーラス(Zarcadoolas)らにより提案されました。さらに簡便な、オーストラリアのナットビーム(Nutbeam)が提案する機能的(functional)ヘルスリテラシー、相互作用的(interactive) ヘルスリテラシー、批判的(critical)ヘルスリテラシーもあります。

保健所としては根拠に基づいた健康情報を提供したいと考えています。科学的リテラシーと批判的リテラシー向上のため「Choosing Wisely」(賢明な選択)を今後紹介して行こうと考えています。Choosing Wiselyキャンペーンは、米国内科専門医機構財団の主導で2012 年に発足し、全米の臨床系専門学会に対して「再考すべき(無駄な)医療行為」をそれぞれ5つずつリストアップすることを求めたところ,大部分の専門学会が根拠文献とともにこれに応じたことで大きく注目されました。これまでevidence-practice gap(根拠と診療の隔たり)といえば,実施すべき医療が実施されていないことを指していましたが,このChoosing Wiselyキャンペーンが,臨床的有用性についての根拠なしに実施されている過剰な医療に着目したことは,EBM(evidence-based medicine,根拠に基づく医療)の今日的展開という意味でも,また,医療技術評価論の立場からするlow-value care(低価値医療)への警鐘としても,特筆に値すると考えるからです。特に高齢者医療での活用を考えています。今後をお楽しみに!

                                        (文責:所長 星 進悦)

 

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