内外情勢調査会盛岡支部懇談会における知事講演「幸福を守り育てる希望郷いわて」

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ページ番号1027736  更新日 令和2年3月9日

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とき:令和元年12月16日
ところ:ホテルロイヤル盛岡

はじめに

 今日は「幸福を守り育てる希望郷いわて」というタイトルで、これは今年度からスタートした「いわて県民計画(2019~2028)」の基本目標の中にある言葉ですが、この幸福という言葉がキーワード、大目標として掲げられている所に特徴がありますので、そういうお話をしたいと思います。

 「いわて県民計画(2019~2028)」、その基本目標は、「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」であります。
 そしてこの幸福ということが大目標であり、キーワード。行政が幸福を目標に掲げてやっていくということで、当初珍しがられたりする向きもありましたが、その辺りの内容を説明していきたいと思います。
 Why、How、What、大きく三つに分けてお話をします。なぜ幸福を目標にするのか、なぜ幸福かということです。そしてHow、どのようにして幸福にするのか。県民の幸福、県民だけではなく岩手に関わる全ての人を幸福にしようと言っているわけですが、それを行政としてどうやっていくかのHow。そういう話をしますと、最後自ずと幸福とは何かということも見えてくる。最後はWhat、幸福とは何かというお話をいたします。

1 [Why] なぜ幸福を目標にするのか

《東日本大震災津波からの復旧・復興》
 Why、なぜ幸福を目標にするのかということですが、まず大きいのは、東日本大震災津波の経験です。
 基本目標の冒頭に「東日本大震災津波の経験に基づき」とありますが、新しい県の総合計画、10年計画を立てるに当たり、その中身はやはり東日本大震災津波を経験した県ならではのものにしなければならないと考えておりました。
 東日本大震災津波の経験、命の大切さということ、そしていざという時の助け合い、またそう助け合えるように普段からしておくことの大切さ、そういった経験の中から、何が人間にとって、また共同体にとって大事かというときに、幸福という言葉が浮かんできました。
 「犠牲者の故郷(ふるさと)への思いを継承する」「被災者の人間らしい『暮らし』『学び』『仕事』を確保し、一人ひとりの幸福追求権を保障する」というのは、復興の基本原則として、3月11日金曜日に災害が発生し、土、日曜日を経て、火曜日3月15日にはこれを発表しています。幸福追求権という言葉は、日本国憲法にも出てくるわけでありますが、東日本大震災津波に遭遇した人たち、またそういう人たちを助け、支えながら、ともに復興を進めようとしている私たちが目指すものを一言で言えば、それは幸福という言葉になってくるのではないかということを感じ、そして復興に取り組んできました。
 ここで復興の歩みをおさらいしますと、沿岸部の災害公営住宅が全て完成しました。復興まちづくり事業は9割が完了し、県立病院や公立学校、警察施設は全て再建されています。漁港や農地の復旧も完了し、商店街の再生や、商店の仮設から本設への移行も進展しています。
 そして、道路の整備が大きく進んでいます。今年の3月に東北横断自動車道釜石・花巻間が全線開通し、三陸沿岸道路につながって、岩手沿岸と内陸が初めて高速交通体系で結ばれました。現在整備中の復興道路、縦軸の宮古から北、八戸までの区間と、横軸の宮古盛岡横断道路は、令和2年度末までに完成予定と報道されているところです。
 こうした進展が見られる一方、中長期的に取り組んでいかなければならない課題もあります。
 被災者一人ひとりの生活の安定と住環境の再建、新たなコミュニティの形成などの支援。そして、被災者の見守りやこころのケアということも避難生活が長期化する中、ますます重要になっています。
 事業者の皆さんが事業を再開したものの、いまだ震災前の水準にまで戻っていないということがかなりあります。販路の回復・拡大、そしてそのための付加価値の向上や、担い手の育成・確保など、事業者支援ということも重要な局面です。
 また、魚種によって漁獲量が著しく減っているという問題が起きておりまして、こうした問題にも対応しながら復興を進めていかなければなりません。
 新しい県民計画の目標に「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組む」とありますように、復興はまだ終わってはおりませんので、今後の10年計画の中でも、復興の計画という部分はかなり大きなウエイトを占め、この「引き続き復興に取り組む」のとおり、復興関係の計画も新しい県民計画に盛り込んでいます。

《今後10年の岩手の方向性》
 
さて、東日本大震災津波との関係で幸福という言葉を掲げたという話の次に、過去10年間のことを振り返って、そして今後10年の岩手の方向性を確認していきます。
 10年前は危機に直面する岩手。県民所得の低迷、有効求人倍率が低く雇用も低迷、そして人口流出が深刻で、また医師不足から地域医療の崩壊ということもマスコミ等で言われていました。12年前、私の最初の知事選挙の際に、危機を希望に、というスローガンを掲げました。それほど様々な危機的状況が、岩手だけでなく、全国の地方自治体共通の課題でもあったわけですが、まずこの危機にしっかり取り組んでいかなければなりませんでした。そして知事に就任して翌年、岩手宮城内陸地震があり、またリーマンショックもあり、さらに危機が深まったような中で、過去10年の県の総合計画が作られたわけですが、やはりこの危機を希望にという危機対応に力を入れた、そういう計画でありました。
 この間、10年間で危機的状況がどうなってきたかと言いますと、まず、キオクシア、旧称東芝メモリの工場立地を始め、北上川流域を中心に自動車・半導体関連産業の集積が大きく進みました。
 また、農林水産業についても、金色の風や銀河のしずくに代表される県産米のブランド化が大きく進んでいます。海外市場への展開も広がりました。
 昨年度、岩手県初となる国際定期便がいわて花巻空港から台北、上海に就航しています。
 医師奨学金などによる医師確保の取組で、平成22年以降、病院勤務医師数が増加しています。12年前、私が知事になった頃、岩手医科大学医学部の定員は80人でしたが、それを50人増やし、130人にしたということで、奨学金制度も組み合わせて、ようやく最近になって、定員を増やした分、新たに医師になって、そして岩手にも残るという、病院勤務をしてくれるお医者さんたちも増えてきています。
 そしてこの10年の間には、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会の成功ということがありました。それから世界遺産、平泉が世界遺産登録され、釜石の橋野鉄鉱山も世界遺産登録されました。また、ILC国際リニアコライダーの国内建設候補地として北上山地が選ばれたということも大きなことであります。
 行政が直接やっているわけではありませんが、岩手ゆかりの県人の目覚ましい活躍ということで、文化面では、盛岡市在住の沼田真佑さんの芥川賞受賞、引き続いての遠野市出身の若竹千佐子さんの受賞。それからスポーツ面では、大谷翔平君、菊池雄星君のメジャーリーグ進出、小林陵侑君、夕べもワールドカップ1位になりましたが、昨年の暮れから今年の初めにかけてスキージャンプワールドカップ総合優勝を果たし、今年県民栄誉賞を差し上げることができました。そういう活躍があります。
 危機を希望へ、と言ってきたわけでありますが、10年前直面していた危機にかなり改善されているところが出てきており、一方でこの希望の中身を考えていく時期ではないかということがございます。
 危機を克服するというだけでは、真の豊かさ、人生にとって大事なことに向かってきちんと進んでいるという手応えが得られるかというと、危機を克服するだけでも良いことではあるのですが、さらにポジティブな目標、プラスの方向性というものを県としても定めていかなければならないのではないか、ということで幸福というところに至ります。
 一言で言えば「危機管理から価値創造へ」です。危機管理がもう不必要になっているわけではありません。復興に引き続き取り組むと先ほど言いました。また、3年前の台風第10号、今年の台風第19号、そういう災害は次々きます。また、それ以外にも様々な経済的、社会的危機というのはあるわけでありまして、危機管理という要素を減らしていいということはありませんが、ただ、プラスして価値創造的なところを膨らませていく必要がある。そういう考え方で、今後10年の岩手の方向性を定めようということであります。

《地方創生》
 
幸福を目標にする第3の理由としては、地方創生ということがあります。
 地方創生というのは、言い換えると人口減少対策です。人口減少対策というのは、ともすれば10年、20年、さらには2050年にはとか、2100年にはとか、そういう遠い将来、人口がもう半分になるとか、もう消滅に向かうとか、そういう未来の話が語られることが結構あるわけですが、私たちは、人口減少問題というのは今目の前の課題だと基本的に捉えておりまして、今目の前にある生きにくさ、結婚のしにくさ、出産のしにくさ、子育てのしにくさ、それが人口減少問題の原因であり、あとは就職のしにくさ、あるいは起業のしにくさ、そういったところをまとめて、生きにくさというものを生きやすさに今すぐ転換を図っていかなければならない。それが地方創生問題の本質と捉えております。
 この地方創生は、他の都道府県との競争という面があります。地方創生の競争に後れを取ってしまいますと、さらに人口減少が加速してしまう。この地方創生という競争に勝ち残るためには、魅力的な目標を掲げて、そして県であれば県民の皆さん、住民の皆さんの暮らしや仕事、あるいは学びが今も非常に良いし、さらに良くなるといったような魅力をアピールしていく必要があります。選ばれるふるさとになるため、大きな目標を掲げようということで、幸福という目標を掲げることにしたというところもございます。

《地方自治のあるべき姿》
 
幸福を目標にする第4の理由、それは幸福が実は民主主義の原点でもあるということです。
 行政が幸福を目標にすることについて、当初、違和感とか、不思議がられたという話をしましたが、日本国憲法第13条に幸福追求の権利が明記されていて、実は憲法に書いてある。今直ちに憲法を守るべき義務が課されている国、それから地方公共団体もそうですが、国は国民の、県であれば県民の幸福追求の権利を今すぐこの場で保障していなければだめなわけです。だから幸福というのは、行政を縛る原理として既に実は実定法上の根拠があるということです。
 幸福追求の権利というのは、アメリカ独立宣言に起源がございまして、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利ということです。これからそのまま引いてきたのが、日本国憲法の第13条であります。生命、自由、そして幸福の追求ということで、およそアメリカが新しい国を作ろうとしたとき、共同体というのは、まずその成員の命を守らなければだめだし、自由を保障しなければだめだし、プラス幸福に向かって行けるようにしなければならないということは、民主主義が始まるときからもう決まっていたことでもあるわけです。
 ということで、民主主義の下では、共同体の存在意義として、生命、自由、幸福追求の権利の保障ということがあり、これができない政府は、それをひっくり返してもいいということがアメリカ独立宣言には書いてあります。時のイギリス政府がこれらを保障していなかったので、イギリス政府に逆らっていいんだと。イギリス政府が作った宗国が支配する植民地体制をひっくり返して、アメリカ、地元の人たちが独自の国を作ってもいいと、むしろ作らなければだめという、その根拠にこの生命、自由、幸福追求の権利の保障ということが言われていたわけです。
 この生命、自由、幸福追求に対応して、命を守るのが安全保障。国の最大の任務とも言われる安全保障というのは命を守ることです。ただ国は、人権保障もしなければなりません。自由を守るというのが、一言で言えば人権保障。
 プラス幸福追求ということも国や、あるいは地方公共団体が保障していかなければなりません。いざという時にちゃんと支えになる社会保障。病気になった時に手持ちのお金がそんなに無くても医療保険でちゃんと必要な医療を受けられるし、それから老後、何歳まで生きるかわからないが、最大限生きる可能性がある歳まで生きる分の貯金をしていなくても、だいたい平均年齢ぐらいまでの貯金をしておけば、それより長生きしても年金という形でちゃんとお金を得て生きていくことができる社会保障。
 それから生活保障という言葉は、福祉や社会保障を研究している学者さんたちが使う言葉ですが、社会保障プラス十分な雇用が得られるような経済政策や雇用政策。社会保障に頼らなくても自力で働いて食べていけるように、そういう政策をきちっとやっていくということと社会保障を組み合わせるのが生活保障と言われています。
 ここまで来ると、幸福追求の権利というと、幸福を追求しさえすればいい、追い求めさえすれば結果は問わないという考え方もあり得るわけですが、かなり結果についてもコミットしています。社会保障もそうですし、さらに生活保障はより幸福追求の結果にコミットしようとしています。つまり幸福保障というところに向かって民主主義は発展してきているということが言えると思います。やはり結果もある程度保障しないと幸福を追求する権利を保障していることにはなりません。チャンスだけ保障すれば結果は問わないという自由主義、民民主主義の解釈もありますが、そういうことを言っていると共同体がもたないというところもあります。
 いずれ民主主義が発展していくと幸福保障の時代へと進んでいくのではないかと考えております。

2 [How] どのようにして幸福にするのか 

 次は具体的に、どのようにして幸福にするのかということに話を進めます。

《目標としての幸福》
 
いわて幸福関連指標という指標を行政に取り入れてやっていこうというのが「いわて県民計画(2019~2028)」の基本的なやり方ですが、そのもとになっているのが、ブータンの国民総幸福量です。1972年に提唱されて、世界中に知られています。
 家族は互いに助け合っているか。あと睡眠時間、大事ですね。あと植林したかということも入っています。医療機関までの距離、これは今の岩手にとって非常に切実だったりするわけですが。そういう指標で国民の幸福量を測ろうというものです。これはGNP、最近ではGDPといった経済の指標だけではなくて、それ以外にも総合的な生活、あるいは人生と言ってもいいかもしれません、また、共同体の在り方というところにも関わりますが、そういう総合的な指標で、経済成長だけではなくて、幸福を捉えていこうという、ブータンがやって世界中に広がったこの考え方を岩手県も取り入れています。
 世界中に広まった最先端には、国連持続可能な開発目標SDGsがあると思います。1から17までの目標を掲げ、そしてそれぞれの目標の下に、さらにターゲットがありまして、全部で169のターゲット。このような17の目標、169のターゲットというやり方と同じようなやり方を今度の岩手の県民計画にも取り入れております。

《幸福度を高める政策体系》
 
SDGsだと17の目標。17というのは少し多すぎると思っていまして、県民の幸福、岩手の幸福を10ぐらいの政策分野に整理しようと、まず「岩手の幸福に関する指標」研究会を立ち上げまして、そこがこの12の主観的幸福感に関連する領域を整理してくれました。
 この12の領域を8本の柱にし、プラス二つの土台で合わせて10の政策分野として整理しました。8本の柱。1から8までは12の領域を組み合わせた格好ですが、12の領域に明示されていない社会基盤、そして参画を9、10に、8本の柱全体に共通する土台として位置付けています。
 ちなみに、この8本の柱の並べ方ですが、左の方がより一人ひとり、個々人目線のものになっていて、右に行くほど県全体、世の中全体のようになっています。
 10の政策分野それぞれには、いわて幸福関連指標を定めています(以降、各政策分野のスライド右に記載)。何を幸福関連指標にするかについては、県民の皆さんからの意見をいただいたり、特に県議会において3度の議会で大いに議論をしていただいて、これはおかしいのではないか、これを付け加えた方がいいのではないか、等々議論を重ねた末に決まったものであります。

(健康・余暇)
 健康・余暇については、がん、心疾患及び脳血管疾患で死亡する人数、自殺者数、健康寿命、元気な高齢者割合、在宅医療連携拠点の事業区域数、余暇時間、県内の公立文化施設における催事数、スポーツ実施率、生涯学習に取り組んでいる人の割合といった幸福関連指標を掲げています。
 これが今どんな状況にあるか、いくつか例を挙げてみますと、自殺者数は、岩手県、10万人当たり20.5人(H30)。これは全国第45位ということで、かなり良くない数字であります。これはやはり改善していきたい数字であります。
 余暇時間は1日当たり373分(H28)、全国第41位。これもちょっと少ないです。
 そしてスポーツ実施率。これは全国平均を上回る水準の61.7%(H29)ということで、これはいい傾向ですからこの調子で伸ばしていきたい、というふうになっていきます。

(家族・子育て)
 次に家族・子育て。この分野では、合計特殊出生率、やはりこれを増やしていきたい。そして待機児童数、これは減らしていきたい。地域の行事に参加している生徒の割合。総実労働時間、これは減らしたいという方です。共働き世帯の男性の家事時間割合、増やしたい方です。犬、猫の返還・譲渡率ということで、ペットとの関係についても、家族・子育て分野の中に入れてあります。
 そして現在の状況をいくつか例を出しますと、合計特殊出生率1.41(H30)、全国第36位。昨年の合計特殊出生率は、それまで岩手は全国平均より高い合計特殊出生率が続いていましたが、だんだんそうじゃなくなってきているということで、やはり何とかしたい。先ほど申し上げました生きにくさを生きやすさにということです。結婚しにくい、出産しにくい、子育てしにくいという今目の前にある課題を改善していく。また、背景にある就職、就業しにくいとか、そもそも今もらっている賃金、収入等で生活しにくいとか、それをしやすいに変えていくということをやって、合計特殊出生率を上げようということが基本になります。
 待機児童数が145人(H30)というのは全国第27位。47都道府県ですから、真ん中ぐらい。
 地域の行事に参加している生徒の割合(中学生)、これが63.7%(H30)で全国第3位ということで、いかに地域コミュニティが充実しているかということが分かります。
 そして総実労働時間、1,840.8時間(H30)は全国第44位ということで、ちょっと働き過ぎなのではないか、もう少し生産性を高める余地があるのではないかということが言えるわけです。

(教育)
 教育分野。意欲を持って自ら進んで学ぼうとする児童生徒の割合、授業で、自分の考えを深めたり広げたりしている児童生徒の割合、人が困っているときは、進んで助けようと思う児童生徒の割合、自己肯定感を持つ児童生徒の割合、体力・運動能力が標準以上の児童生徒の割合、特別支援学校が適切な指導・支援を行っていると感じる保護者の割合、将来の夢や目標を持っている児童生徒の割合、高卒者の県内就職率、県内大学等卒業者の県内就職率。
 試験の点数のようなものを直接持ち込むのではなく、教育の在り方としてうまくいっているかどうか、という指標です。
 現状の例ですが、意欲を持って自ら進んで学ぼうとする児童生徒の割合というのは、なぜこういう指標が出てくるかと言うと、これは毎年きちっと統計が取られて、全国的に比較ができるということがあります。現状(H30)、小学校、中学校とも全国平均を上回っています。
 体力・運動能力が標準以上の児童生徒の割合、これも中学生男子全国第8位(H30)、中学生女子全国第10位(H30)になっています。
 一方、高卒者の県内就職率65.8%(H29)は全国第39位でありますが、旧称東芝メモリ、キオクシアの立地の話が出てくる前の時点での数字であり、また自動車関係も近年さらに工場の拡大や新しい工場の進出の動きがあります。ちょっと前は60%程度でしたので、その頃に比べると、一昨年で65.8%というのはじわじわ増えてきてはいますが、北陸の方の県の高卒者の県内就職率は90%ぐらいありますので、65.8%というのはちょっと低いなというところです。

(居住環境・コミュニティ)
 居住環境・コミュニティ。汚水処理人口普及率、地縁的な活動への参加割合、三セク鉄道・バスの一人当たり年間利用回数、在留外国人数、文化・スポーツ施設の入場者数、県外からの移住・定住者数とあります。
 汚水処理人口普及率、下水や流域浄化設備、また浄化槽など汚水処理人口普及率81.6%(H30)は全国第35位。
 そして在留外国人数、10万人当たり574.9人(H30)は全国順位第45位ということで、岩手は外国人数が少ない方です。この外国人数というのは、多ければいいのか、少ない方がいいのかというと、これは多い少ないだけでは幸福なのかどうかというのは分からないタイプの数字です。まず現状値というのを把握しておくのは大事で、全国との比較も大事ですが、住んでいる外国人、外国人県民という言葉がありますが、外国人県民がちゃんと仕事や生活で幸福度が高まっていくようなことをさらに別の視点で見ていく必要があります。

(安全)
 安全の分野は、自主防災組織の組織率、刑法犯認知件数、交通事故発生件数、食中毒の発生人数ということで、最初の指標は高ければ良いのですが、それ以外は少ないほど良いというものです。
 刑法犯認知件数は、岩手は千人当たり2.76件(H30)で全国第3位。これは良いという意味の全国第3位です。
 交通事故発生件数は、千人当たり1.58件(H30)で全国第3位。食中毒の発生人数は、10万人当たり23.1%(H30)で全国第36位。
 治安の良さというのは、日本総合研究所が発表している都道府県幸福度ランキングで岩手県は総合第31位ですが、子育て世帯の幸福度ランキングでは岩手県は第7位になってまして、それはこの治安の良さということがかなり大きな要素を占めています。

(仕事・収入)
 仕事・収入分野。一人当たり県民所得の水準。GNP、GDPだけが目指すべきものではないと言いましたが、やはり先立つものはあるに越したことはなく、一人当たり県民所得の水準というのもやはり高い方がいいので、これもちゃんと目標にしていきます。
 正社員の有効求人倍率、完全失業率、従業者一人当たりの製造品出荷額、従業者一人当たりの付加価値額、開業率、観光消費額、農業経営体一経営体当たりの農業総産出額、林業就業者一人当たりの木材生産産出額、漁業経営体一経営体当たりの海面漁業・養殖業産出額、農林水産物の輸出額、グリーン・ツーリズム交流人口。
 一人当たり県民所得の水準は、現状値、全国を100とした場合88.7%(H28)。岩手はしばらく8割水準が続いていまして、これが今88.7%にまでなっているのは、半導体・自動車関係の産業集積の伸びもありますが、復興需要、復興事業によるいわゆる復興特需の効果というものもありまして、過去になかったくらい、全国を100とした場合の県民所得水準の高さになってきています。全国水準の90%の県民所得水準をキープできていれば、現金、マネーそういう円で測られる所得、収入、プラス他の幸福関連指標の良さで、全体として岩手が住む場所、働く場所、子どもを育てる場所として選んでもらえればいいと考えております。90%近い水準を維持するというのはかなり大変だと思っておりまして、今の88.7%というのは、これは岩手としては過去の歴史になかったような高さだということは申し上げておきます。
 正社員の有効求人倍率は0.91倍(H30)で全国第37位。これだとやはり人口流出してしまいます。正社員の有効求人倍率、やはり1は欲しいし、また、これは都会との相対的な差によっても、都会の有効求人倍率がこれより低ければ、岩手に残る、岩手に帰るという人口の流れにつながるわけですが、都会の正社員の有効求人倍率はもっと高いので、今のままだと人口流出してしまうので、これは高めていきたいところです。
 完全失業率は1.8%(H30)で全国第12位。これは12番目に良いということです。マッチングということではうまくやっている方ということです。
 従業者一人当たりの製造品出荷額が2,910万円(H29)で全国第37位。半導体・自動車産業集積がかなり進んできているとはいえ全国では第37位。もう少し高くてもいいなというところです。

(歴史・文化)
 歴史・文化。世界遺産等の来訪者数、国、県指定文化財件数、民俗芸能ネットワーク加盟団体数。
 国、県指定文化財件数は565件(H30)で全国第30位。
 世界遺産等の来訪者数というのは、世界遺産がない県もあり、全国的な比較ができないのですが、岩手の魅力、強みとして世界遺産があるということは大きいので、幸福関連指標に入れています。
 一番下の民俗芸能ネットワーク加盟団体数。郷土芸能と言ってもいいのですが、民謡団体も含めますと、岩手は千ぐらいあると言われていて、千ぐらいあるのは沖縄県と岩手県だけのようです。そういう民俗芸能、郷土芸能の団体の多さでは岩手は群を抜いていまして、これもこういう統計は全部の都道府県で取っているわけではないようなので、全国比較はしていませんが、民俗芸能、郷土芸能団体数は全国第1位か2位なわけです。

(自然環境)
 そして自然環境。イヌワシつがい数、これもイヌワシがいない県とは比較ができませんが、イヌワシつがい数、ハヤチネウスユキソウ個体数、自然公園の利用者数、公共用水域のBOD等環境基準達成率、一般廃棄物の最終処分量、一人1日当たり家庭系ごみ排出量、再生可能エネルギーによる電力自給率。
 それぞれ多い方が良い、少ない方が良いとかありますが、一般廃棄物の最終処分量が40,800トン(H29)というのは全国第16位。
 一人1日当たり家庭系ごみ排出量502グラム(H29)は全国順位第14位。これも良い方から数えてということです。あまりごみを出さない方なので、引き続きそういう岩手でいきたいと思います。

(社会基盤)
 社会基盤。モバイル端末の人口普及率、河川整備率、緊急輸送道路の整備延長、港湾取扱貨物量、社会資本の維持管理を行う協働団体数。
 モバイル端末の人口普及率は55.0%(H30)、全国第44位なので、これは改善していかなければならないところです。
 河川整備率は49.1%(H30)。全国平均が約58.0%(H14)ということで、岩手をあちこち回って歩くと、護岸工事がされていない自然のままの川の土手が多く見られると思います。盛岡市内でもコンクリートで固められていない北上川の土手があって、河川整備率が低いです。洪水になりにくい場所であれば、むしろコンクリートで固めない方がいいわけですが、やはり洪水になりやすい場所について、まだ整備されていない所があちこちにありますので、ここは数字を増やしていかなければならないところです。

(参画)
 そして参画。労働者総数に占める女性の割合、審議会等委員に占める女性の割合、障がい者の雇用率、高齢者のボランティア活動比率、ボランティア・NPO・市民活動への参加割合、ということで、参画というのはそういう意味です。
 現状は、労働者総数に占める女性の割合37.5%(H30)は全国第21位。審議会等委員に占める女性の割合は37.4%(H30)で全国第25位。障がい者の雇用率は2.22%(H30)で全国第17位。
 審議会等委員は真ん中より下、それ以外は真ん中よりは上という状況ですが、もっと頑張っていきたいところです。

 幸福というと漠然としていると思われるかもしれないですが、これを行政の事業にまで具体化していって、そしてその成果を幸福関連指標で測りながら、毎年毎年の予算のサイクルの中で、ここにもっと力を入れた方がいい、いやこっちの方も大事だと検討しながら、効果的に県民とそして岩手に関わる人たちの幸福度を高めていくということが基本になります。

《新しい時代を切り拓くプロジェクト》
 プラス新しい時代を切り拓くプロジェクトと題しまして、長期的な視点に立った、新たな価値・サービスの創造と言っていますが、特にこの情報通信技術を活用したプロジェクトというものを11、計画の中に盛り込んでいます。10年計画ですので、さっきまでの話は今目の前の課題を解決するというところに重点を置いていて、これはまず絶対やらなければならないわけですが、それだけだと県の総合計画にはなりませんで、今全く存在しないような事柄を作っていく、またそれができていくのを促す施策を講じる、そういうことも総合計画には盛り込むわけです。

(ILCプロジェクト)
 まずそこに出てくるのがILCプロジェクト。国際リニアコライダーが岩手に作られるように地元としても協力していくということを総合計画に掲げています。
 関連して、イギリスの名門私立学校ハロウ・スクールの、日本で初めてのインターナショナルスクールが八幡平市に設置されることとなりまして、2022年8月の開校に向けて今準備が進められています。
 このハロウ・スクールのイギリス本校は、ウィンストン・チャーチル首相が卒業してますし、インド初代首相のネルー首相も卒業しています。ジャーナリスティックには、イートン校と並ぶハロウ校と言われていて、スポーツの対抗戦もあり、世界で一番古い学校対抗戦がイートンとハロウの間に確かあったと記憶していますが、そういうイギリス流の全寮制私立学校です。映画ハリー・ポッターのあの魔法学校のような学校です。あれは実際にハロウ・スクールの教室でロケをしていたりだとか、色分けされた寮のチームごとにスポーツを競ったり、授業中の減点、マイナス点も競ったりとかというやり方はハロウ・スクールで行われていることを踏まえて描かれています。
 これができますと、ILCができた暁にはそこで働く世界からの研究者の子どもたちが学べるインターナショナルスクール、その選択肢の一つが岩手にあるということになるわけです。

(ゾーンプロジェクト)
 そしてこの北いわて、三陸、北上川流域、と岩手を三つに分けたゾーンプロジェクトも盛り込んでおります。
 まず北上川バレープロジェクト。半導体・自動車関連産業の集積が著しく進展し、日本でも今なかなかないくらい製造業の伸びが見込まれる北上川バレーですが、産業の拠点として伸びていくだけでは足りないと思っておりまして、それに見合う生活の豊かさ、また生活の方にも先端的なICTを活用し、産業集積と生活環境の充実を図ろうというプロジェクトです。
 そして三陸防災復興ゾーン。今年は三陸防災復興プロジェクト2019を開催しまして、岩手沿岸・三陸を一つのステージと見立て、そこで復興の振り返り、防災の学び、さらに岩手沿岸の魅力、食べ物ですとか、郷土芸能ですとか、あとは風光明媚な景色、そして三陸鉄道などをアピールしましたが、復興の成果をそのまま将来の地域振興の力につなげていこうということで、岩手沿岸を三陸防災復興ゾーンと位置付けて進めていこうというものです。
 今年9月には、東日本大震災津波伝承館が陸前高田市内に開館しまして、毎月毎月何万人ものお客さんがいらしてくださっています。世界の防災力向上にも貢献できるような、防災、復興の一大エリアを岩手三陸に作ろうというものであります。
 ここで台風第19号災害について言及しますと、東日本を中心に大きな被害があったわけですが、岩手でも大きな被害があり、三陸鉄道も大きな被害を受けました。しかし、三陸鉄道は、来年3月中には、言い換えると今年度中には全面復旧するという見通しで今作業を進めております。3月22日にオリンピックの「復興の火」を三鉄に乗せて走らせる計画がありまして、それに間に合うようにしたいです。ギリシャからやってくるオリンピックの聖火を、聖火ランナーのリレーにつなげる前に、その火そのものを復興の火と呼びながら岩手、宮城、福島の被災3県で展示して、それが終わってからその火をリレーのトーチに点けてリレーを回し始めるという計画になっておりまして、その復興の火に間に合うように、今年度中に三鉄は復旧させようということになっております。
 そして北いわて産業・社会革新ゾーン。産業・社会革新ゾーンと大きく出ましたが、一見産業集積著しい北上川流域や、復興事業で巨額の予算が投じられインフラ整備が著しく進んだ岩手沿岸に比べ、この北いわてという所が残されているのではないか、という印象を持ちがちですが、岩手県北プラスアルファで北いわてと呼びますが、高速道路や新幹線はもうできていまして、意外に高速交通ネットワークに恵まれた地域であります。そしてブロイラー、高原野菜、最近では果物など、全国有数の農産物の産地でありますし、日本最大の漆の産地でもあります。そして再生可能エネルギー、風力発電が既にたくさん行われておりますし、そういう場所にはまだまだ余地があります。
 また、北海道・北東北の縄文遺跡群が今日本がユネスコに提出する世界遺産候補のリストのトップにきていて、順調に行くと再来年世界遺産登録というペースで進めていますが、岩手県は一戸町の御所野遺跡が構成資産に入っています。北海道・北東北、北海道、青森、秋田、岩手を一つのエリアと考えますと、岩手県北、北いわての辺りが真ん中になります。北海道と言っても、道南、函館中心の辺りまでに限ると、北いわて、二戸市周辺が実は交流・連携の中心になってきて、北に広がる広域連携を考えたときの岩手県北部の拠点性というのは非常にポテンシャルがあります。
 ということで、この北いわてに、地元からは岩手県立大学、そして県外からも東京大学を始め、いろんな大学の先端的な地域振興や再生可能エネルギー関係などを研究して実践したいと思っている人たちに集中的に来てもらって、そういうアカデミーベース、大学をプラットフォームとした地域振興をこの北いわてで全面展開しようということが、北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクトでありまして、そこの志の高さで産業・社会革新ゾーンと大きく出ているところであります。

3 [What] 幸福とは何か

 以上、How、どのようにして幸福にするのかが一段落したところで、最後、What、幸福とは何かというところに着地していきたいと思います。

《ラグビーワールドカップ2019™岩手・釜石開催》
 
ラグビーワールドカップ2019™岩手・釜石開催、これだけで幸福度がばんばん上がると言ってもいいと思います。岩手のみならず、日本中がそうでしたし、また世界のラグビーファン、ひいては世界中に良い効果があったこのラグビーワールドカップ2019™だったのではないでしょうか。
 岩手県としても、これは釜石の子どもたちが復興支援ありがとうということを英語で大きな布に書き、それをスタジアムで広げ、また合唱なども披露し、この釜石市、ひいては岩手県がラグビーワールドカップを通じて改めて世界とのつながりというものを強くすることができて、その中で復興の力や地域振興の力も新たに獲得したという実感があります。
 2試合目のナミビア対カナダ戦は台風第19号で中止になってしまったわけですが、カナダ代表が釜石市内で泥かきを手伝い、ナミビア代表は宮古市内で市民との交流を行って、試合をするのとはまた違った形のレガシーを残してくれたと思っております。
 ということで、この幸福度を高めたワールドカップでありますが、個人個人、一人ひとりがスタジアムに行って楽しかったとか、テレビで見て面白かったということプラスアルファの共同体としての生活の向上という効果があったのではないかと思います。
 そういうこともあるので、来年2020年の復興五輪では、岩手県としても、被災県として普通の県以上に関わっていきますし、そして2022年には、全国植樹祭を岩手県陸前高田市で、あの奇跡の一本松がある高田松原、津波伝承館もできた高田松原で、天皇皇后両陛下をお迎えして行います。岩手県としても、また日本全体としても、こういう行事を通じて、個人一人ひとりの幸福度が高まるというところもあるわけですが、同時に、県なら県、また国なら国という共同体としての幸福度の向上ということがあると思います。

《幸福とは》
 
幸福という言葉をそうやってぽんぽん使いますと、改めてじゃあ幸福とは何なのかという疑問を抱く方も出てこられるかと思います。
 突然アリストテレスを出してきて恐縮ですが、古代ギリシャの哲学者アリストテレス。アリストテレスは、現代アメリカで結構読まれてまして、というのはかなり現実主義的なんですね。プラトンという人は結構理想主義的で、イデアが大事だとか、イメージで語るところがありますが、このアリストテレスという人は、『政治学』なども書き、市民生活を良くしていこうという現実的な問題意識を持っていました。アリストテレスは、幸福とは善く生きるという活動そのもの、と漠然と定義して使っています。定義とは言えないくらい漠然とした言い方だと思います。
 最近の幸福研究の進展、これは一つは心理学からのアプローチ、もう一つは経済学からのアプローチがあって、幸福指標をうまく使って世の中を良くしていこうという研究は、アメリカやイギリス、ヨーロッパで盛んですが、そこでは幸福のことをハピネスと言う他に、ウェルビーイングという言い方もします。ハピネスということと、ウェルビーイングということをもう一緒に使っているというところがあります。善く生きるというのはそのウェルビーイングということで、暮らし向きの良さと言うのでしょうか、ただそれは金銭的な意味だけではなくて、友達と楽しく過ごせるとか、家族とも楽しく過ごせるとか、そういう善く生きるという意味で幸福という言葉を使っています。
 次にイギリス功利主義、あの最大多数の最大幸福。イギリスのこの哲学の流れも非常に現実主義的であります。実際世の中で生活していくのに役立つような哲学として、最大多数の最大幸福を目指しましょう、というときのこの幸福にはあまり厳密な定義はついていません。あなたにはあなたなりの幸福があり、こちらの方にはこちらの方なりの幸福がありましょう、自分は自分なりの幸福がありますが、いずれにせよお互いの幸福が高まっていくということはいいですよね、じゃあできるだけみんなの幸福がそれぞれ高まるようなやり方で世の中回していきましょう、というようなやり方がイギリス功利主義のやり方であります。
 岩手県としましても、幸福の厳密な定義からスタートして県の新しい総合計画を動かしていこうという発想ではなく、むしろさっき言ったような10の政策分野ごとに、ああいう幸福関連指標を参考にしながら、何をすべきかをみんなで話し合って決めてやっていきましょうという中で、自ずと幸福の内容というのはだいたいお互い分かりますよね、というふうに進めていければと思っております。
 一緒に行動しながらそれぞれが見つけることができれば良く、また共同体として、あの人もうまくやっている、あの人もうまくやっている、共同体してもうまくいっている、というようなことをお互い確認しながら進んでいければ良い。一緒に行動し、また一緒に、見つけるのはそれぞれですが、それぞれが見つけているということを一緒に確認しながらやっていくということです。
 それがうまくできると、アイデンティティもより確かに、より強くなっていく。それはラグビーワールドカップの経験、遡れば、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会の経験もそうでしたが、そういうものとして幸福を目指していければいいと考えております。

 おわりに

 最後に宮沢賢治さんで終わりたいと思います。「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」という言葉を残した宮沢賢治さんであります。
 「ほんとうのさいわい」という言葉が、あれは『銀河鉄道の夜』でしたか、「ほんとうのさいわいをさがしに行く」という一節がありますが、『銀河鉄道の夜』だと、仲の良い友達同士でほんとうのさいわいを探しに行こうなんて言って盛り上がっているときに、さいわい、幸せというのを君はどう定義しているのか、みたいな議論にはならず、もう二人で、じゃあ次はあっちに行こう、みたいな行動に移っていくわけです。
 家族の中で、親子の間などで、お前には幸せになってほしいんだとか、お父さんお母さんが幸せになるようにしたいですとか言うときに、幸せをどう定義しているのかという議論はそういう所では始まったりしないわけでありまして、共同体が馴染んで一緒に何かやれるような態勢になっているときは幸福の定義というのはあまり問題にならないと考えております。
 そういう家族の中で一緒にやっていこう、友達同士で一緒にやっていこうというようなやり方を、地域に広め、県ぐらいまで広め、岩手県ぐらいの単位であれば、宮沢賢治さんのイメージもあり、世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない、という言葉も、岩手県内では結構よく語られ、聞かされている言葉なので、岩手県としては、県民みんなでというくらいの規模であれば、そういうことも通じると思っております。
 そういうこの岩手の現状や志を内外に示しながら、全ての岩手県民と、また岩手に関わる全ての人の幸福度を高めていきたいと思っております。
 今ここにいる皆さんの幸福度も岩手で高めていこうというふうにしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたしまして、私からの話は終わります。ありがとうございました。

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