年度始めにおける知事訓示

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ページ番号1019042  更新日 平成31年4月2日

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とき:平成31年4月1日(月曜日)
ところ:県庁12階 特別会議室
対象者:全職員

年度始めにおける知事訓示

 平成31年、新元号元年、2019年度の始めに当たり訓示を行います。

 新しい県の総合計画、「いわて県民計画(2019~2028)」と共に新年度を迎えることができ、大変うれしく思います。特に、この計画によって、岩手が、「お互いに幸福を守り育てる」、即ち、お互いを幸福にする、ということを明確に目標として掲げる県になったということを、私はとてもうれしく思います。宮沢賢治さんも銀河のどこかで喜んでいるのではないでしょうか。
 4年間、専門的な深い議論や県民的な幅広い議論を重ねて、岩手県議会の議決をもって決定した計画でありますので、県内外に大いに示しながら、大切にしていきましょう。

 ということで、新年度は、「いわて県民計画(2019~2028)」の初年度であり、亥年ダッシュでロケットスタートし、計画を軌道に乗せる年にしなければなりません。
 そのためには、基本となる取組として次の四つが必要であると考えます。
 第一に「目標提示」:「いわて県民計画(2019~2028)」の基本目標の普及。
 第二に「政策推進」:「いわて県民計画(2019~2028)」の復興推進、10の政策分野と11のプロジェクトの推進、4広域振興圏の振興、行政経営の展開。これらは、アクションプランの推進ということでもあります。
 第三に「連携構築」:市町村、団体、企業、個人との連携体制の構築。
 第四に「実態把握」:政策の評価、県民生活の実態把握、です。
 この四つの基本取組を一言で言うと、「幸福保障体制の確立」と言えるでしょう。

 近代民主主義に基づく共同体は、国家であれ、地方自治体であれ、一人一人に対する「生命、自由、幸福追求の権利」の保障が存在意義です。
 生命を守るのに安全保障、自由を守るのに人権保障、幸福追求のかなりの部分を守るのに社会保障と、民主主義の発展と共に「何とか保障」というものもかなり発展していますけれども、今、私たちは、幸福追求を守る時代、言い換えますと一人一人が幸福追求に結果を出せるようにする時代、即ち、幸福保障が可能であり必要である時代に生きています。
 ちなみに、幸福保障は国家よりも地方自治体に向いています。「生命、自由、幸福追求の権利」の保障をうたったアメリカ独立宣言の13州は、当時、人口合わせて約280万人でした。中でも、コモンウェルスを名乗ったマサチューセッツは約32万人、ペンシルベニアは約33万人、ヴァージニアは約58万人でした。人口規模からして、国家というより地方自治体です。
 幸福の形は人によって違いますので、幸福追求は、まず個人、そして家族、次にコミュニティと、個人や個人に近い小集団が向いています。防災でいう、「自助、共助、公助」という考え方が、幸福保障でも有効だと思います。
 このことから、幸福保障体制の確立のためには、個人に近いところにある基礎的な自治体である市町村との連携が極めて重要だということが言えるのですけれども、詳しくは四つの基本取組の第三「連携構築」のところで話します。

 まずは四つの基本取組の第一「目標提示」ですが、「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」という基本目標を高く掲げ、胸に抱き、県民的に共有していこうということです。
 それはまず、東日本大震災津波の経験を、県政の基本に据える、あらゆる政策や事務の執行の基本に据える、ということです。今年の3.11にも共有したことですが、あの大きな犠牲、あの大きな被害を決して忘れず、犠牲になった方々の故郷への思いを引き継ぎ、難を逃れた人々、直接の被災者も、そうでない人も、オール岩手で、幸福追求の権利を保障しあうのだ、という原則を忘れないということです。
 また、私たちが、必要な真剣さを失いそうになったり、あるいは目の前の困難にくじけそうになったりした時に、東日本大震災津波の経験に立ち返ることで、真剣さを取り戻したり、困難を克服する勇気を得られると思います。
 いずれにせよ風化させないことが大事で、今年、3.11から三陸鉄道リアス線開業にかけて高まった震災と復興への関心を、三陸防災復興プロジェクトからラグビーワールドカップ岩手県釜石市開催へとつなぎ、そして高めていきましょう。
 基本目標の真ん中部分は、「引き続き復興に取り組む」です。「いわて県民計画(2019~2028)」は、その中に復興計画を含んでいますが、基本目標の真ん中に復興を位置付けている趣旨からしますと、当初8年分で作られた岩手県の復興計画が、その後に向けて、県の新しい総合計画を飲み込んでできたのが「いわて県民計画(2019~2028)」であるともいえます。
 復興の取組なくして「いわて県民計画(2019~2028)」なし、です。ハード事業ソフト事業、それぞれ、被災地=復興地、被災者=復興者に寄り添いながら、力強く推進し、SDGs(エスディージーズ、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略)にも通じる「誰一人として取り残さない」という理念のもと、「ビルドバックベター=より良い復興」を進めましょう。
 そして基本目標の最後の部分、「お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」については、それを提示することが、直ちに四つの基本取組の第二、「政策推進」とならなければなりません。復興推進に加え、10の政策分野とILCをはじめとする11のプロジェクト、4広域振興圏の振興、行政経営の展開を、アクションプランに沿って全面展開しましょう。

 さて四つの基本取組の第三「連携構築」です。あらゆる主体、市町村、団体、企業、個人との連携体制の構築ですが、先ほど述べたように、幸福保障体制の確立のためには、市町村との連携が重要です。
 ここで、市町村との連携の重要性を強調するために、県内全市町村の目標・スローガンを確認したいと思います。県内市町村、それぞれの幸福の形を表したものといっても良いかもしれません。

 盛岡市:ひと・まち・未来が輝き 世界につながるまち盛岡
 宮古市:「森・川・海」とひとが共生する安らぎのまち
 大船渡市:ともに創る 三陸の地に輝き躍動するまち 大船渡
 花巻市:市民パワーをひとつに歴史と文化で拓く 笑顔の花咲く温か都市 イーハトーブはなまき
 北上市:自ら創造し、いきいきと支えあい、笑顔咲きほこるまち
 久慈市:子供たちに誇れる 笑顔日本一のまち 久慈
 遠野市:永遠の日本のふるさと遠野
 一関市:みつけよう育てよう 郷土の宝 いのち輝く一関
 陸前高田市:夢と希望と愛に満ち 次世代につなげる 共生と交流のまち陸前高田
 釜石市:三陸の大地に光輝き希望と笑顔があふれるまち釜石
 二戸市:挑戦します!次代へ紡ぐ ふるさとづくり
 八幡平市:農と輝の大地
 奥州市:地域の個性がひかり輝く 自治と協働のまち 奥州市
 滝沢市:誰もが幸福を実感できる活力に満ちた地域
 雫石町:みんなが主役 誇らしく心豊かなまち しずくいし
 葛巻町:未来を協創する 高原文化のまち
 岩手町:めぐみの大地 笑顔が結ぶ ひと輝く 健康福祉の いわてまち
 紫波町:楽しく活力ある「環境と福祉のまち紫波」
 矢巾町:希望と誇りと活力にあふれ 躍動するまち やはば
 西和賀町:未来へつなぐ 豊かな自然 豊かな心 笑顔あふれる健幸のまち
 金ケ崎町:人と地域が支えあうまち 金ケ崎
 平泉町:やすらぎと文化をおりなす千年のまちづくり
 住田町:里山で暮らし続けるため、基礎的な生活機能が保証され、住民から住みやすい・住み続けたいと思われる「住みたい町:住田」
 大槌町:魅力ある人を育て 新しい価値を創造し続けるまち大槌
 山田町:個性豊かに ひとが輝き まちが潤う 山田町
 岩泉町:大きな樹が育ち明日が見える岩泉
 田野畑村:人と自然が織りなす 心豊かな協働の村 たのはた
 普代村:笑顔が満ちあふれた、北緯40度の地球村 ふだい
 軽米町:豊かな自然の恵みと彩り、歴史と食文化の薫るにぎわいのまち
 野田村:「やりがい」と「生きがい」を実感でき、住んでいることを誇りに思えるむら
 九戸村:小さくても活力と笑顔溢れるしあわせの郷 九戸村
 洋野町:海と高原の牧場 絆をつなぎ 輝く未来を拓くまち
 一戸町:みんなが生き生きと繋がって賑わいをつくり出しているまち
     みんなが自然や文化がもつ魅力を引き出しているまち
     みんなが安心でき、これからも暮らし続けたいと思うまち

 県と市町村が連携する体制としては様々な会議や意見交換の場がありますが、人口減少対策、ふるさと振興を強力に推進するためにも、市町村との連携はますます重視していかなければなりません。例えば、それぞれの部局、分野で持っている市町村と共同を図る組織について、新しい計画にふさわしいものになっているか、あらためて点検し、必要な見直しを行うなど、連携を強めていきましょう。
 さらに、団体との連携は、いわて未来づくり機構、いくつかの協議会、県民運動組織、等々、バラバラではなく、連携組織間の連携もより一層強化する工夫を行いながら効果的に取り組みましょう。

 四つの基本取組の第四「実態把握」ですが、いわて幸福関連指標、参考指標、具体的な推進方策の目標、そして県民意識調査の結果を活用しながら、県民の幸福度が高まるように、評価をさらなる政策推進につなげましょう。
 また、普段から、県民生活の実態というものに関心を持ち、問題意識を持って、困っている人、困っている地域を見逃さないようにしてください。数値化できる面と、数値化が難しい面と、両方の面から、県民生活の実態を把握し、岩手が今、どうなっているかを知るよう努めましょう。

 以上、新年度の始まりにあたって早急に取り組むべき「幸福保障体制の確立」について話してきましたが、「幸福保障体制の確立」には、県の人と組織についても、「お互いに幸福を守り育てる」ようにしていかなければなりません。内部統制によるリスクマネジメントなど、県民の信頼に応える行政経営を推進し、県民とともに歩む行政を目指していきましょう。そのためにも、岩手県職員憲章に定める五つの信条、県民本位、能力向上、明朗快活、法令順守、地域意識を肝に銘じながら、お互いに健康に留意し、ワークライフバランスを図りながら、業務に精励してまいりましょう。

 最後に、スティーブ・マラボリというアメリカ人、自己啓発の本を書いたり講演をしたりセミナーをしたりしている人ですが、そのマラボリさんの、幸福に関する言葉を紹介したいと思います。ネットで結構引用されているものです。
 “Happiness is not the absence of problems; it’s the ability to deal with them.”
 日本語に訳すと、「幸福とは、問題の不在ではなく、問題に対処する能力である。」となるでしょう。
 幸福が、問題対処能力であるならば、それは高めることが可能です。一人一人の努力と工夫によって、そして人と人、集団と集団が力を合わせることで、問題対処能力を高め、幸福の度合いを高めていきましょう。
 終わります。

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