ヒメマスあれこれ

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ページ番号1008662  更新日 平成31年2月20日

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ヒメマスとは

ヒメマス(Oncorynchus nerka nerka 英名Kokanee 北海道チップ)

ヒメマスは、ベニザケが海に下らず、湖で暮らすようになったものです(陸封型)。
日本では、もともと阿寒湖とチミケップ湖(網走川)に生息していましたが、1890年代以降移植放流によって各地に分布しました。
有名な十和田湖、中禅寺湖をはじめ、日本各地に移植され増殖しています。
岩手県では、昭和40年代に当時の岩手県養鱒場に稚魚で搬入された記録があり、現在も岩洞湖では種苗放流が行われています。
肉は淡水養殖サケマス類の中でも非常に美味しく珍重されていますが、ヒメマスは病気、ストレスに非常に弱いため、人が飼育するのは難しく、一部の養魚場でしか養殖されていません。
もともと、ベニザケですので、とても美味しい魚です。
天然のサケマスを刺身で食べるのは危険ですが、養殖した魚は餌付けの段階から配合餌料を与え、きれいな湧き水で育っていますから、寄生虫の心配が無く、
また、餌を充分与えて、大型になっていますのでヒメマス特有の上品な脂ものり、お刺身で食べると最高!!もちろん塩焼きでも美味しい魚です。
長年の努力の末、岩手県内水面水産技術センターでは、ヒメマスの大量種苗生産に成功しました。
内水面の新しい養殖魚として、今売り出し中です。

ヒメマス親魚の写真

ヒメマス親魚 11月から12月にかけて採卵します。
やっぱりベニザケらしくなります。


採卵の写真

採卵は、親魚のお腹を押してしぼります


発眼卵の写真

発眼卵(卵の中に眼が見える様になった卵のこと)

ヒメマスはサケ科の中で発生が最も遅く、積算水温(注1)400度位で検卵(注2)します。
ちなみに、ニジマスは230度、ヤマメは280度で検卵します。


ふ化仔魚の写真

ふ化仔魚

お腹の卵嚢(らんのう)の栄養を使って、しばらく底の方でじっとして暮らします。
栄養を使い切ったら泳ぎ始め、自分で餌を食べはじめます。


(注1)積算水温:採卵後、毎日の水温を足していったもの。水温10度の水ならば、10日で100度になります。
(注2)死んだ卵、受精していない卵を取り除く作業。目玉がちゃんと2つ見えている卵だけ残します。

湖沼のヒメマス

原産地のチミケップ湖や阿寒湖から、そしてベニザケ種卵も加わって支笏湖、洞爺湖、十和田湖、中禅寺湖、富士五湖等国内各地の冷水性湖沼に移植放流されています。

  • 主に遊漁対象として人気が高いが、十和田湖では漁協組合員による漁業(刺網)対象種としても貴重です。
  • 姿が美しく、美味であることから地元では特産物として珍重され、貴重な観光資源となっているところが多くあります。

天然のヒメマスはどの様になっているでしょう

十和田湖の漁獲量の変化


十和田湖のヒメマス漁獲量の折れ線グラフ

漁獲量の変動が激しい

  • 10年に1回から2回、数十トンの豊漁があり、その後数トンレベルの不漁が数年続いています。漁獲量が安定しません。

最近の不漁傾向の原因は

  • ワカサギと餌の競合が原因?
  • 湖内の環境が変化?
  • 餌料プランクトンの発生が減少?

といろいろ言われています。

十和田湖のヒメマス放流量


十和田湖の放流量の折れ線グラフ

漁獲量と同様に変動が大きい

豊漁年に親魚も多く、採卵数が多くなるため放流数も多くなります。
しかし放流数が多ければその後の漁獲が多いとは限らない様です。
最近は収容力を勘案し、20万尾程度の放流に留めています。

資料: 十和田湖増殖漁業協同組合

中禅寺湖の不漁

平成18年、平成19年とも極端な不漁
近年は不漁が続き採卵用親魚が不足しています。

漁の原因は大型魚食魚による食害?

  • 湖内の環境が変化?
  • 餌料プランクトンの発生が減少?
  • 遺伝的多様性の低下?

とこれも、いろいろ言われているようです。

ヒメマスの養殖

養殖の基本技術は他のマス類と同じですが、飼育していると魚病に弱く、池の移動、選別等の取扱いにも弱い魚です。
マス類の中でも特に美味であり、特産物として珍重されていますが、天然魚が大半で、養殖は北海道、山梨などで少量おこなわれているのみです。

ヒメマスの生産量(平成18年)

全国の統計です

  • 種卵生産量:195万粒
  • 放流出荷量:120万尾
  • 成魚取扱量:食用出荷 2.6トン
  • 放流、釣堀等:12.1トン

第32回全国養鱒技術協議会資料:全国サケ科魚類種卵・種苗生産状況調査 マス類流通加工実態調査

ヒメマス生産の特徴

生産量が微量なうえほとんどが放流向けで養殖用はほんの少し

全国の生産量です。

  • 稚魚生産量はヤマメの23分の1
  • 成魚取扱量はヤマメの40分の1
  • 生産された稚魚と成魚の大半は放流向け

岩手県の養殖への取り組み

岩手県では内水面水産技術センターで、名水(金沢清水)を直接飼育用水として使用して生産しています。
養殖を推進するため肉色改善、バイテク技術等の開発に取り組んでいます。
現在はある程度の量を作れるようになりましたが、知名度が低く、販路開拓が大きな課題です。
養殖技術では歩留まり向上が必要となっています。

このページに関するお問い合わせ

岩手県内水面水産技術センター
〒028-7302 岩手県八幡平市松尾寄木1-474
電話番号:0195-78-2047 ファクス番号:0195-78-2549
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