平成23年1月26日記者会見(1月)における質疑応答

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ページ番号1006248  更新日 平成31年2月20日

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日時:平成23年1月26日(水曜日)
場所:県庁10階 教育委員室
発表事項:なし
質問事項:

  • 2011年の抱負
  • 平泉の文化遺産について
  • インフルエンザ対応について
  • 懲戒処分等の公表基準について
  • 文化庁長官の来県について
  • モンスターペアレントへの対応について

質疑応答

教育企画室
ただいまから、教育長記者会見を行います。
本日は、教育長からの発表事項はありませんので、教育記者クラブからの質問をお願いします。

幹事社
記者クラブからの代表質問はありませんので、各社から質問がありましたらお願いします。

記者
3点質問します。

  1. 2011年最初の記者会見ですので、本年の教育長の教育全般に関する抱負をうかがいます。特に、北東北インターハイの実施年ということで、所感があれば聞かせてください。
  2. 平泉の文化遺産について、世界文化遺産の登録再挑戦の年を迎えたということで、世界遺産委員会に向けた意気込み、最後の取組などについて聞かせてください。
    また、1月19日現在でイコモスからの追加情報等の要請がないということで、3年前にかなりの追加情報の提出を求められた状況から鑑みると、平泉の文化遺産に対する理解が深まってきたのではないかという期待もありますが、教育長の認識はいかがですか。
  3. 県も注意報を発令しましたがインフルエンザが猛威を振るっています。各教育現場で予防措置を講じていると思いますが、県教委としての総合的な対応や臨時的な措置はありますか。
    また、県立高校入試について、11月の記者会見では、昨年度のような追試験の日程確保等はしていないと回答をいただきましたが、今のインフルエンザ流行に照らして日程の検討等されることはないか、改めて確認させていただきます。

教育長

  1. 平成23年度は、県立高校整備計画、平泉の文化遺産登録(6月19日から29日)、全国生涯学習ネットワークフォーラム(10月15日から17日)、全国中学校総合文化祭(8月18日から19日)、北東北インターハイ(7月28日から8月20日)、国体に向けた競技力の向上と、学校教育、文化、スポーツ、生涯学習のそれぞれの柱のところで総合力を発揮していかなければならない行事などが重なっていて、岩手県の教育行政の中でエポックとなるような年度ですので、気を引き締めて総合力を発揮して乗り切っていければと思っています。
    特に北東北インターハイについて質問がありましたが、一巡して初めてのブロック開催ということで、青森県、秋田県との開催になります。単独開催とは違った初めての取組ですので、不慣れなところもありますが、各県と連携プレーしてやっていければと思っていますし、本県でのインターハイ開催は12年ぶりですが、過去の感動を再現するような、高校生諸君がスポーツで発揮することもそうですが、裏方としても大会を盛り上げ、すばらしい成績を残して、県民に夢や希望を与えてくれればと思います。
  2. 文化遺産登録については、確かに前回はかなり追加情報を求められましたが、今回は求められていません。前回は追加情報を出しても読み込まれていないような感じで、きちんとした推薦書を作り上げないとなかなか登録に向けてクリアしていけないということでしたので、今回の推薦書作成にあたってはイコモスから推薦された専門家等の意見を相当聞いて作り上げています。イコモスの現地調査員の方も推薦書を読み込まれてきてかなり理解度が深まっているのではないかという説明もありましたので、期待はしていますが追加情報を求められない遺産がすべて登録になっている訳ではありませんので、そういう意味では今後何が起こるかわかりませんが、気を引き締めて、国、県、市町、住民の方たちと十分連携プレーして、万全の構えをしていく必要があると考えています。イコモスの調査員の方には、住民の方々が参加して非常によく保存されていることを理解していただいたと思いますが、いずれ実際にどういう登録の経過をたどるかということについては、気を引き締めていきたいと思います。
  3. インフルエンザ対策については、昨年度は最初から予備日を設けて体制を整えていましたが、結果としては数名の追加受検になりました。今週に入って学年閉鎖や学級閉鎖が頻繁に出てきているので、その状況を十分見ながら柔軟な対応をしていきたいと思っていますが、昨年並みの規模であれば通常の季節性インフルエンザ対応と同様ということで、今回はあえて予備日を設けることはしていません。
    インフルエンザの予防対策としては、今のところは臨時的な措置はとっておらず、通常の措置をしていますが、各市町村、各学校に11月30日付けで、予防措置に万全を期すよう協力依頼の通知を出しています。それから、集団感染防止については去年の教訓をうけて、どの程度の人数が出たら休校措置をとるのか、学級閉鎖、学年閉鎖の基準も設けていますので、それを参考にして的確な対応をしていただければと思っています。

記者
他社の報道で、体罰4件を含めた処分が公表されていなかったという報道がありましたが、体罰の公表基準が少しはっきりしない部分があるかと思います。どこまでが公表になるものなのかと、今回発表された内容を体罰として認識されているかうかがいます。

教育長
今回の内容は体罰であることには変わりありませんが、公表していなかったのではないかということですが、公表基準については戒告以上の懲戒処分の場合は公表することにしており、このことについては教育記者クラブとも申し合わせしているところですが、今回はいずれも戒告以下の文書訓告と口頭厳重注意の事案でしたので公表基準に当たらないものと思っています。
いずれ体罰は許されないということが原則ですが、皆さんは体罰であればすべてが懲戒処分以上になるのではないかということなのでしょうが、岩手県では全国的な調査をして公平、公明、公正に標準処分例をつくっています。体罰を受けた方の負傷の度合いによって、負傷がない場合には戒告又は文書訓告としており、結果として文書訓告あるいは口頭注意程度の体罰ということです。

記者
軽いけがの場合でも、けがをさせた場合は文書訓告では済まないということでしょうか。

教育長
状況によりますのですべて文書訓告という訳ではないですが、負傷なしの場合は戒告以下ということで、治療期間が15日未満、15日以上30日未満、30日以上と負傷のレベルで処分が重くなりますが、今回は負傷なしで、状況から見て文書訓告にすべきという判断があったということです。
生徒の髪を切ったという事案がありましたが、学校生活を送っていくうえで、整容指導として服装をきちんとしましょう、髪をきちんとしましょうと再三再四注意して、そうでなければ切りますよと、保護者の理解も得ながらやっていたにもかかわらず、やはり伸びてきた。強制的に髪を切るのはいかがなものかということで体罰にはなるのですが、もう少し言葉で尽くしてあげればということもあったかもしれませんけれども、そういう状況によって、さまざまな処分の仕方があるということです。

記者
報道では、保護者の同意なしに車に女子生徒を複数回同乗させた事案がありましたが、部活動などで先生に送ってもらうことは私の経験でもよくあったことです。高校生にもなって保護者の同意なしにということも不自然な感じがしますが、よろしくない事態があったのでしょうか。

教育長
調べた結果、何事もなかったのですが、小さい町の学校で、数回部活動以外ですが遅くなったから家に送っていこうということだと思いますけれども、周囲から変な目で見られる場合もあるので、そういう誤解を招くような行為は慎んだ方がいいということで文書訓告にしたものです。

記者
教育長は、今の公表基準や処分の判断の仕方を適切であるとお考えでしょうか。

教育長
体罰はしてはいけない行為だということは先ほども言いましたが、すべての体罰を懲戒処分にするかというと、そういうわけにはいかないだろうと思います。お話ししたように、15日以上、30日以上と段階を踏んで処分を強めていますし、また、複数回にわたってとか、複数人にとか、一度注意したにもかかわらず再びやっているようなものは、たとえ負傷がなくても厳重に処分していきますが、体罰は許されないけれども、1回限りとか、その状況でやむを得なかった場合、あまり厳しくしすぎると現場で身動きがとれなくなるということもあり、決して容認するわけではないですが、お互いに気を付けてくれればと思っています、
また、繰り返しになりますが、岩手県の標準処分例は、全国調査をして標準的なものにしていますし、それ以上は職員の身分にかかわることですので、やはり公明、公正にやるべきだと思っていますし、岩手県だけが特に強く出すという考えはないです。

記者
報道記事を引用しますが、県教委教職員課の「かつては体罰が社会的に許された部分もあったが、この事案ならば、今は十分、懲戒処分の対象になる」というコメントがあります。報じられている主な処分事例は2008年以降から去年の7月までの事案ですが、今は十分懲戒処分の対象になるといっているのに、戒告未満ということで懲戒処分になっていません。このコメントと処分の内容が矛盾するような気がしますが、その辺りはどう認識されていますか。

教育長
誰がどう話したかはわかりませんが、先ほどお話ししたように、負傷なしでも複数回になると戒告処分くらいになることもあると思いますし、昔は許される体罰という言い方や、部活動でケツバットなどと言っていた時代もあったそうですが、今はそういったことは全部禁止していますので、やはりそういうことはだめだということを浸透させていくのが必要だと思います。特に部活動で気合を入れるためという話がよく出てきますが、それは気合の入れ方が間違っていると指導しています。

記者
去年、不祥事が重なりまして、県教委として対応策を今年度中に出すというお話がありましたが、現在、具体的なかたちが決まっていれば教えてください。

教育長
まだ素案の前のような状態ですが、先日、教育委員と協議したところであり、その手直しのところをもう一度見直して年度内には対策をきちんと出したいと思っています。どちらかというと教員同士での話合いのようなことをベースに、職場でこういうものをやってくださいというものが出てくると思います。

記者
今度、文化庁長官が来県します。登録に向けて盛り上げる意味では結構大きいかと思いますが、県として特別な対応等は考えていますか。

教育長
長官の提案で開催されたスピーチコンテストへ出席するために来県し、一関市、平泉町を訪れるということでしたので、意見交換のようなことはあるのだと思いますが、対応者等は調整中なのだと思います。

記者
埼玉県で、モンスターペアレントの問題で学校の先生が保護者を訴えるということが起きました。岩手県でもモンスターペアレントに悩んでいる先生が少なからずいらっしゃると思いますが、県教委としての対策はありますか。

教育長
各学校現場では保護者との信頼関係を保つためにさまざまな取組をやられていますが、その方たちをモンスターペアレントと呼ぶかは別問題として、保護者の方と学校現場の話合いがかなり続いているようなものもないわけではないですが、だからといって不眠症になったとか、そういう事例もあまり聞いていないです。そういう保護者の方がいた場合には担任だけで対応しないようにと言っており、先ほど組織力と言いましたが、校長、副校長も含めて、よく事情を聴いて、解決できるものがあるなら解決しようということにしてくださいと、各教育委員会を通じてお話ししています。今のところ訴え出るといった事例は聞いていないですが、一人で抱え込んでしまうと大変ですので、組織で対応してくださいと話しています。

教育企画室
以上をもちまして記者会見を終わります。

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