令和7年3月28日教育長記者会見における質疑応答

ページ番号1082588  更新日 令和7年4月3日

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日時:令和7年3月28日(金曜)
場所:県庁10階 教育委員室 
発表事項:なし
質問事項:

(1)令和7年度高校入試特色入試について
(2)不祥事再発防止について
(3)南昌みらい高校体育館の整備について
(4)大船渡市林野火災で被災した児童生徒への支援の状況について
(5)高校の授業料無償化に伴う影響について

質疑応答

(教育企画室)
 ただいまから教育長記者会見を始めます。
 本日は、教育長からの発表はありませんので、幹事社の進行によりまして、質問にお答えするかたちで進めます。よろしくお願いします。

(幹事社)
 よろしくお願いします。
 代表質問はありませんので、各社から事前通告している質問がありましたら、挙手の上、社名、氏名の後に質問してください。

(記者)
 まず、高校入試についてお尋ねします。今年の高校入試から、特色入試が推薦入試に代わって導入されたと思いますが、364人が合格したと発表されています。公表されている志願状況では盛岡の進学校が人気だったということだったと思います。この制度導入の目的としては、志願倍率の低下への対応があったかと思いますが、初年度の手応えや成果・課題意識等について教えていただければと思います。
 併せて、多様な能力を評価して、高校の特色化・魅力化につなげるということもあったかと思いますが、個別の学校にどこに何人合格したかですとか、どこの学校でどういう問題が出されたということが、今後、求める生徒像、アドミッション・ポリシーを踏まえて受験する中学生の関心で、今後の準備等に繋がるのではないかなと思っております。合格の状況ですとか学校毎の出題についての県教委の把握の状況ですとか、中学生に伝えていく必要性について、併せて教えていただければと思います。

(教育長)
 特色入試につきまして、大きく2点のお尋ねでございます。まず1点目、特色入試を実施した初年度の手応え、成果、課題等についてから御説明させていただきたいと思います。まず、特色入試は、各高校が魅力化の取組やスクール・ポリシーなどを踏まえて、特色入試において求める生徒像を示して実施するものでございます。特色入試を導入することで、生徒一人ひとりが、各高校の求める生徒像を参考に、その多様な能力・適性や意欲・関心に基づいて、自分の進路希望を実現するために、より適切な高校を主体的に選択できるようになったものと捉えております。令和7年度入試の特色入試の志願倍率は、県全体の0.83倍に対し、盛岡地区は1.35倍と、盛岡地区が高い状況でありました。盛岡地区の学校は一次募集全体の志願倍率が高い傾向にあり、そのような学校を志願するに当たりまして、複数の選抜機会が得られるよう特色入試に志願した生徒が多かったと捉えております。また、全日制で特色入試を実施した学校の割合を見ますと、県全体の約56%に対し、盛岡地区では約86%と、実施する学校の割合が高かったことから、志願する生徒も、結果として多くなり、志願倍率も高くなったものと考えております。来年度以降、この実施結果等を踏まえて、選抜方法の見直しなど必要な対応を行うとともに、各学校においては魅力化の取組やスクール・ポリシーなどを踏まえ、より良い選抜方法にしていけるよう取り組んで参ります。
 2点目の特色入試の内容等についてでございますが、特色入試は、各学校では、求める生徒像を踏まえ、面接、小論文、作文、実技、口頭試問、プレゼンテーションなどの中から1つ2つ程度選び検査を実施しております。各学校の検査の内容につきましては、各学校の選抜方法等を記載している「実施概要」を県教育委員会でまとめまして、あらかじめ、今年度は11月当初でしたが、公表しております。検査に関する内容は、各学校が特色入試の検査で確認したい能力に応じて異なっておりまして、例えば、プレゼンテーションや小論文、作文のテーマについては、限られた検査時間で考えをまとめる力を測るために、テーマを「実施概要」に記載しない学校もあれば、テーマを事前に示すことであらかじめ回答案を構想できるようにしている学校もあるなど、各学校において決めております。「実施概要」により、あらかじめ各学校がどのような検査を行うのか可能な範囲で生徒に示すことで、受検に向けた準備の参考にしてもらえるようにしております。来年度以降も、各学校の具体的な選抜方法等を「実施概要」であらかじめお示しし、志願者がしっかりと準備ができるようにしたいと考えております。
 なお、3月14日の記者レクの際に、特色入試による学校毎の合格者数について御質問を頂戴した旨報告がありました。これは重要な情報でありますので、今年度から速やかに公表すべき事項だと考えまして、本日午後に、「令和7年度岩手県立高等学校入学者選抜学力検査実施概況について」の記者レクをさせていただく際に、特色入試における学校毎の合格者数についても御報告させていただき、併せて、ホームページで特色入試の学校毎の合格者数について公表させていただきたいと考えております。

(記者)
 個別の情報が出るということで、ありがとうございます。
 次に別のテーマについてお尋ねしたいと思います。不祥事の再発防止についてお尋ねします。再発防止「岩手モデル」が本年度策定されました。導入の効果と現場への浸透がどの程度進んだかの見方、新年度、不適切指導、教職員の不祥事防止にどのように取り組んでいくのか教えていただければと思います。

(教育長)
 「岩手モデル」についてのお尋ねでございます。策定時に、各県立学校長に対して、不適切な指導を許さないという風土の醸成と適切な人事管理などについて指示したほか、児童生徒・保護者に対しても学校を通じてモデルを周知したところであります。また、市町村教育委員会と小中学校長、私立学校長に対しても、会議や研修の場でモデルの概要等について説明いたしました。
 併せて、故人の命日は7月3日でございますが、7月中に各県立学校においてTSUBASAモデル研修を実施し、県教委が配信した岩手モデルの理解を深めるための研修動画の視聴のほか、学校では「宣言」を作成し公開、教職員等個人は「宣言書」の作成に取り組みました。「宣言書」は、モデルに掲げる具体的な取組を理解し、児童生徒の人権を尊重した指導を行うといったことのほか、個人毎の目標についても併せて宣言する内容としたところでありまして、このような取組等により、学校現場の教職員等一人ひとりに、教職員等による不適切な指導の根絶を図るというモデルの趣旨が、浸透してきたものと捉えております。モデル策定後は、県立学校・市町村立小中学校等いずれにおきましても、暴力・暴言等の不適切な指導を理由とする懲戒処分事案は現時点で発生していないところでありまして、モデル策定による一定の効果が表れてきているものと受け止めております。先程申し上げましたとおり、今年度、再発防止に向けた様々な取組を行ってきたところでございまして、次年度においても引き続き取り組んで行くこととしております。また、これらの取組の推進状況等の自己点検や、外部専門家によるモニタリングを令和7年度から実施する予定であり、モデルの継続的な点検と不断の見直しを図ることとしております。本県において、教職員等による暴力や暴言等の不適切な指導によって、児童生徒のかけがえのない命が奪われるようなことを二度と起こさないよう、不適切な指導の根絶に向け、引き続き鋭意取り組んで参ります。

(記者)
 ありがとうございます。

(記者)
 関連する質問があるので、順番に行います。特色入試の学校別合格者数を示していただけるということは、ありがとうございます。ただ、今日示すものを今日やりますよというのはルール違反だと思います。前日なりに教委から投げ込んでください。同じように、合格発表の日に、合格発表のついでのように入試のトラブルも含まれました。それも結局のところ、入試の結果は紙資料さえあればよいと思う社と、ちゃんと聞きに来た社に分かれるわけですね。トラブルがあったのであれば聞きに行ったという社も確実にあったと思うんです。何か発表事項があるのであれば、当日急に言うのではなくて、そのために記者クラブがあるのですから、ペーパーを投げ込むなり、幹事社通すなりやっていただきたいんですが、そのへんはできますか。

(教育長)
 我々も検討を踏まえて速やかに御報告しましょうということで、速やかに行ったという次第ですが、今お話いただいたようなことも踏まえて、なるだけ事前にこういうこともしていきますということもお伝えしながら出していきたいと考えております。

(記者)
 なるだけじゃなくて、レクありますくらいは出せるんじゃないですか。やりますか。もらえないですか。

(教育長)
 どういうケースが今後想定されるか分かりませんが、我々とすれば、なるだけ、都合がつく限り対応させていただきたいと思います。

(記者)
 2点目です。先程の質問の中で、不祥事の質問がありましたが、質問の回答が、暴力行為、不適切指導だけに言及して、なぜか飲酒運転や不適切事務処理に対する回答がなかったので、そこもください。

(教育長)
 先程は、「岩手モデル」のお尋ねに対してお答えしたものです。飲酒運転につきましては、今年度3件、7月、9月、11月に発生したということで、非常に深刻に受け止め、それぞれ通知、私の動画等での訓示ということで、徹底を図っております。3月17日に3件目の処分を行ったところでありますが、今後も、各種会議、研修会の場など様々な機会を捉えて、繰り返し、繰り返し、飲酒運転の悪質性、重大性、絶対行ってはいけないということを徹底して指示、周知して参りたいと思います。

(記者)
 不適切事務処理についてはいかがでしょうか。

(教育長)
 不適切事務処理についても、各公所に対して様々な通知、オンラインを含めた会議、研修の場を設けておりますので、引き続き徹底して取り組んで参ります。

(記者)
 ありがとうございます。次に、南昌みらい高校の体育館の問題です。1月の会見のときに、何が問題だったのか公表できる状況にないという話でしたが、そもそもどういったことがあって、今どういう状況で、今後どうしていくということを教えていただければと思います。

(教育長)
 この体育館につきましては、令和3年度から共創という考えの下で、それぞれの持っている資源等を出し合って遊休土地に体育館を建設しましょうということで取り組んで参りました。3年に渡る様々な協議、あるいは住民説明会なども行いながら、最終的には両者で覚書を交わしながら建設に着手するということで取り組んで参りました。今年度に入りまして、ゼロベースで検討しましょうという申入れが町の方から入りまして、建設を中止するに至ったという状況であります。今現在、工事請負業者さんからの経費、実際どれくらいかかったのかの御報告をいただいて、それを精査しておりますので、関係部局等とも連携しながら、その金額を確定させる取組を行っております。事務的な整理をしつつ、一方で、子どもたちの授業に支障のないように万全を期す取組をして参りたいと考えております。今申し上げられることは以上です。

(記者)
 例えば、町側からゼロベースにしたいと言われた際に、何が原因でとか、何が問題でとか、そういったことはあったのか、公表できるかどうかも含めて教えてください。

(教育長)
 (県)2:(町)1の費用負担の覚書を踏まえて建設するということについての見直しということであります。

(記者)
 最後です。読者から指摘があったんですけども、この会見の議事録が出るのが異常に遅いと。

(教育長)
 失礼しました。

(記者)
 知事会見はすぐに出ますし、他の自治体も会見が終わったらすぐに出ますし、5か月、6か月出ないということを聞いておりますので、対応をお願いします。

(教育長)
 速やかに公表いたします。

(記者)
 ありがとうございます。

(記者)
 3月14日の記者レクで、特色入試の学校毎の合格者数を求められて、重要な情報なので公表することにしたとお話がありました。レクから2週間経っています。今日公表すると決めた協議の過程を教えて欲しいです。

(教育長)
 私のところに具体的な報告があったのがつい最近です。そういう御意見があったが、その会見では、来年度以降の対応ということでお話させていただいたという報告がありました。私はその報告を受けて、来年度でいいのか、速やかにお出しした方がよろしいのではないかということで、昨日、明日に実施概況の記者レクがあるということでしたので、それに併せて、個別の数字をお出ししましょうと、資料を整理できるか確認したところ、できるということだったので、出すということをこの2日くらいで決めた話というであります。

(記者)
 報道関係以外にも、例えば生徒さんとか中学校さんだとかそういったところから要望はなかったんですか。

(教育長)
 特にありませんでした。私のところには聞こえてきておりません。ただ、重要な情報だと思いますので、ホームページに速やかに掲載いたします。

(記者)
 令和8年度以降の対応はどのように考えていますか。

(教育長)
 今回のケースを教訓にして、同時期に公表するスタイルとしたい。

(記者)
 合格発表と同じタイミングで公表ということですね。

(教育長)
 はい。これまでも、推薦合格数も出し、一般入試の合格者数も出しておりますので、今回仕組みが変わりましたが、やはり個別に出す必要があると思いますので、来年度以降も対応したいと思います。

(記者)
 大船渡市の山火事に関連して、被災した児童生徒の支援など、今検討されていることはありますか。

(教育長)
 先般、補正予算を3月25日に議決いただいておりますが、まず、教科書購入費等給付事業費、大学等進学支援一時金給付事業費ということで、これは一定の所得以下の世帯の児童生徒で住宅が全焼又は半焼した場合等に、必要な教科書相当額、修学旅行費等を支援するというものと、大学等に進学する際の一時金を給付する制度を立ち上げました。学びの継続と今回の災害を理由に進学を断念することのないような支援の取組をするということです。それから、高等学校の授業料減免ということで、授業料、入学料あるいは寄宿舎料を減免する制度の手続を、今速やかに進めているところです。

(記者)
 ありがとうございます。

(幹事社)
 他にございますでしょうか。
 1点よろしいでしょうか。前に会見で言っているかもしれませんが、私学の無償化が始まります。県立学校は倍率がなかなか1倍に届かずというところで、私学無償化に対する危機感というか対策というか、どのように考えているか、お考えを教えていただければと思います。

(教育長)
 まず、授業料無償化については、2月25日、国の政党間におきまして、高校授業料無償化に向けた就学支援金制度の所得制限を撤廃する合意がなされて、現在、国会において審議中であるということであります。公立学校分の所得制限の撤廃については、令和7年度から実施する動きもあるので、現時点で国から通知はありませんけれども、これがなされることになれば必要な事務が発生してきますので、遺漏なく対応して参りたいと考えておりまして、国の動向を注視して参ります。
 私学無償化という話も出ておりまして、本県では、公立高校63校、私立高校13校と公立が多くを占めていますので、立地の点でも私立は盛岡地域を中心とする内陸部に立地していることから、大都市と比べると影響はある程度限られたものとなるのではないかと思われますが、令和2年度に私学の授業料の実質無償化がなされた際の状況を見ましても、県立高校から私立高校への若干の移動を確認しておりますので、県立高校の充足率は全日制で0.78倍、私学も0.81倍という状況でありますので、今後、我々としても、これがどういうふうな影響を及ぼすかについては、注視して参りたいと考えております。

(教育企画室)
それでは、以上をもちまして教育長記者会見を終了させていただきます。

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