【災害関連】水害時の衛生対策と消毒方法
河川の増水や高潮・津波などによる床上・床下浸水等の被害の後は、感染症や食中毒などのリスクが高まります。
次のポイントに注意しましょう。
1 浸水後、自宅に戻った時は
(1)ガス漏れがないことを確認した後、戻りましょう。
(2)停電ではない場合、電気系統は安全が確認できるまでブレーカーを切りましょう。
(3)プロパンガスボンベ、車のバッテリーなどの危険物を見つけたら、近づかず、消防や市町村役場等に相談しましょう。
(4)洪水後、数日して自宅に戻る時は、屋内にカビが発生している可能性があります。
素早くドアと窓を開放し、30分以上換気した後、家に入りましょう。
(5)清掃が終わるまで、お子さんやペットは室内に入らないようにしましょう。
2 清掃を行うときは
(1)室内を乾燥させるため、できる限り、ドアと窓を開放します。
(2)けがを防ぐために厚手のゴム手袋、ゴム長靴、ゴーグル、ほこり対策のマスクをつけて、清掃に当たります。
(3)堅い床、壁、金属部分、調理台、シンクなどは、水と石けん(洗濯石けんや食器用洗剤)で洗い流し、
泥や破片を取り除きます。
(4)高圧洗浄機は効果的に洗浄できますが、その際は、マスクを着用し、換気に気をつけましょう。
(5)浸水して洗うことのできない家具(カーペット、布製ソファなど)は撤去します。
(6)可能な場合は、扇風機を使い、乾燥を促します。
(7)浸水した衣類、布類は熱水で洗濯するか、80℃の熱水に10分以上漬けた後に洗濯し、乾燥させます。
(8)清掃作業終了後は、しっかり手を洗い、シャワーを浴びましょう。
(9)清掃時に来ていた服は、汚れていない服と区別して洗濯しましょう。
3 消毒を行うときは
(1)消毒薬は、必ず泥や汚れを取り除いた後で使用します。清掃が不十分だと、効果を発揮できません。
(2)洗浄や拭き取りで十分汚れを除去して乾かした後、消毒します。
(3)消毒は、希釈した次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)や塩化ベンザルコニウム(逆性せっけん)を使用します。
(4)食品を取り扱う場所やお子さんが遊ぶ場所はしっかりと消毒しましょう。
【消毒に関する一般的な注意事項】
(1)消毒薬は色々な濃度のものが市販されているので、効果が発揮できるよう、希釈倍率に注意しましょう。
(2)消毒薬は布に含ませるか、薬液に漬ける方法で使用します。
スプレーは薬品のミストを吸い込んでしまう恐れがあるため、避けましょう。
(3)消毒薬の容器等に記載されている使用上の注意をよく読んで使用しましょう。
(4)消毒薬は使用する時に希釈します。作り置きした消毒薬は十分効果が発揮できません。
(5)ゴム長靴とゴム手袋を着用します。消毒薬が肌についたら、すぐに大量の流水で十分に洗い流しましょう。
【次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を使用する時の注意事項】
(1)「まぜるな危険!」他の消毒薬と混合してはいけません。
(2)ゴム製の手袋・長靴、ゴーグル、マスクをつけて作業します。
(3)次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を希釈又は使用する時は、顔や腕への水はねに注意しましょう。
(4)室内で使用する場合は、窓を開放してよく換気し、蒸気を吸い込まないようにしましょう。
(5)家庭用の塩素系漂白剤は、原液の濃度が5%です。必ず希釈して使用します。
(6)次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)は、時間とともに原液の濃度が低下します。
開封後、数か月以内の製品を使用するか、使用期限内にある未開封の製品を使用しましょう。
【具体的な衛生対策】
家屋などが浸水した場合、次のように洗浄と衛生対策を行います。
1 床上浸水の場合
室内は、食事や睡眠など生活を行う場所のため、泥や汚れを十分に取り除いた後、消毒をします。
(1)水が引いた後、濡れた畳や家の中の不要な物を片付けます。
(2)汚れた家具や床・壁などは、水洗いして汚れをきれいに洗い流します。
(3)食器類や調理器具などは、水洗いして汚れをきれいに洗い流します。
(4)食器棚や冷蔵庫などは、汚れをきれいに拭き取ります。
水没した家電の再通電時には、感電等の事故に十分注意しましょう。
2 家の周囲や床下浸水の場合
(1)土砂等を取り除いた後、水道水で洗い流し、しっかり乾かすことが重要です。
床下の湿気で家の基礎や土台・床組などに影響が出る場合があります。
(2)汚泥や不要なものを片付けます。
(3)庭木や外壁についた泥は、水で十分に洗い流します。
(4)床下換気口のごみを取り除き、床下の風通しを良くします。
(5)床下はスコップや流水で汚泥を取り除いた後、雑巾などで水気を取り、扇風機などで強制的に乾燥させます。
4 食中毒・感染症の予防のために
(1)受水槽は、安全と衛生を点検・確認してから使用しましょう。
(2)水に浸かった食品や、停電で温度管理できなかった冷蔵・冷凍食品は廃棄しましょう。
(3)自家栽培した野菜の生食は避けましょう。
(4)体調に異変を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。
(5)食事の前やトイレ、清掃作業の後などは、「石けん」と「流水」でしっかりと手を洗いましょう。
(6)井戸水は、水質検査を受けて安全を確認してから使用しましょう。
(7)10年以内に破傷風ワクチンを受けているか、確認しましょう。
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このページに関するお問い合わせ
保健福祉部 医療政策室 感染症担当
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