ダニ類によって媒介される感染症について
ダニ類によって媒介される感染症
マダニやツツガムシなどのダニ類によって媒介される感染症として代表的なものは次のとおりです。
疾病名 |
媒介する ダニの種類 |
岩手県での報告 | 疫学 |
---|---|---|---|
ツツガムシ病 |
ツツガムシ |
あり |
ツツガムシが媒介するリケッチア症です。かつては山形県、秋田県、新潟県などで夏に河川敷で感染する病気でしたが、現在は一部の地域を除いて全国で発生がみられています。 |
重症熱誠血小板減少症候群(SFTS) | マダニ類 |
なし |
重症熱誠血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Symdrome:SFTS)ウイルスに感染することで引き起こされる感染症です。 岩手県内に生息するマダニからもSFTSウイルス遺伝子が検出されたことが、国立感染症研究所等の調査で明らかになっています。 現在、症例の届出は、主に西日本でみられています。 |
日本紅斑熱 | マダニ類 | なし |
リケッチアを起因病原体とし、野山に入りマダニに刺咬されることにより感染します。 現在は、主に西日本で発生がみられています。 |
流行期
重症熱性血小板減少症候群や日本紅斑熱を媒介するマダニは、春から秋にかけて活動が盛んになります。
マダニは成長段階(幼虫→若虫→成虫)のいずれも哺乳動物を刺咬し、吸血します。
一方、ツツガムシ病を媒介するツツガムシは、幼虫のみが哺乳動物に吸着し、成虫は土中で昆虫の卵などを摂食します。
したがって、ツツガムシ病の発生は幼虫の活動時期に密接に関係し、本県では、春から初夏にかけての報告が多くなっています。
対策
予防には、ダニ類に咬まれないようにすることが重要です。
草むらや藪など、ダニ類が多く生息する場所に入る場合は、次のような対策をしましょう。
- 長袖・長ズボンを着用し、シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用することが望ましいです。
- 足を完全に覆う靴を履き、サンダル等は避けましょう。
- 帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくしましょう。
- 服は、マダニを目視で確認しやすいので、明るい色のものが望ましいです。
また、DEET(ディート)という成分を含む虫除け剤の中には、忌避に効果があるものもあります。
さらに、屋外活動は入浴し、ダニ類に刺咬されていないかを確認しましょう。特に、わきの下、脚の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部(髪の毛の中)などがポイントです。
もしもの時は・・・
マダニに咬まれた場合、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残ってしまうことがあるので、吸血中のマダニに気が付いた際は、できるだけ病院で処置してもらってください。
また、ダニ類に咬まれた後に、発熱等の症状が認められた場合は、病院を受診してください。
このページに関するお問い合わせ
保健福祉部 医療政策室 感染症担当
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