令和8年度 年度始めにおける知事訓示

ページ番号1097659  更新日 令和8年4月3日

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とき:令和8年4月1日(水曜日)
ところ:県庁12階 特別会議室
対象者:全職員

年度始めにおける知事訓示

 令和8年度、年度始めの訓示をします。

 東日本大震災津波の発災から、15年が経過しました。

 震災を経験していない世代が増える中、東日本大震災津波を伝承し、復興の姿と感謝の気持ちを国内外に発信していくことは、私たち岩手県民の責務です。

 これまで、地元の底力と、様々なつながりの力を合わせて復興を進めてきましたが、ハード面の復興のほとんどが完成し、令和8年度中には、残る閉伊川水門が完成予定です。復興道路や三陸鉄道を軸に、多くの人が三陸地域を訪れています。「みちのく潮風トレイル」が海外からも高い関心を集め、外国人観光客やクルーズ船の寄港も増加しています。

 一方で、「いのちを守り 海と大地と共に生きる ふるさと岩手・三陸の創造」という目指す姿の実現に向けては、こころのケアや水産業の再生、大船渡市林野火災からの復旧・復興など、やらなければならないことがあります。

 被災地の課題として、人口減少が著しいということが指摘されていますが、県北・沿岸市町村からの転出は、県外より県内への転出が多く、むしろ、転出先と転出元の連携により、広域的に暮らしや仕事がうまくいくような工夫をしていくことで、「東京一極集中」を、復興の現場から裏返していく、「地方多面分散」を実現できる可能性を感じています。

 今年のはじめに、国土交通省が作成した「都道府県別の経済的豊かさ」という資料では、可処分所得から、基礎支出と通勤に係る機会費用を差し引くと、岩手県が、全都道府県で経済的に最も豊かな自治体であるとして紹介されています。何事も「東京が優良」で、「地方が劣悪」というのは、「あくまでもイメージ」であることが示されています。

 「世界に開かれた地方創生」と「地方多面分散」を組み合わせ、新しい地方創生の形を、被災地・復興地から創り出していきましょう。

 令和8年度当初予算は、県民一人ひとりの暮らしを守り、世界に開かれた地方創生を進めていくという意味で、「県民一人ひとりの地方創生予算」と名付けました。

 若者・女性に選ばれる岩手であるため、「ジェンダーギャップの解消」と「市町村や地域の状況に応じた取組の強化」を2本の基軸とし、「自然減対策・社会減対策」のより一層の充実・強化を図り、「GXの推進」、「DXの推進」、「安全・安心な地域づくりの推進」を含めた4つの重点事項を中心に、「いわて県民計画」に基づく施策を着実に進めていきましょう。

 昨年の初めから、「世界に開かれた地方創生」というコンセプトを掲げ、インバウンド観光と輸出の拡大を軸に、施策を展開してきました。

 今、日本の、「豊かな自然と歴史に育まれた食文化に代表される質の高い生活文化」が世界中から求められています。そして、その代表的存在が岩手であることが、2023年に盛岡市を紹介したニューヨーク・タイムズ紙の記事によって示されました。

 世界経済における日本の比重が相対的に低下している今、世界全体を視野に入れ、海外の成長と接点を持つことが欠かせません。海外の需要、海外の人材、海外の発想とつながることで、自動車・半導体に代表されるものづくり分野や農林水産業も含め、岩手の産業の発展や県民の暮らしの向上に、新たな循環を生む可能性があります。

 令和8年度は、シンガポールのベンチャーキャピタル、インシグニア・ベンチャーズ・パートナーズ社と連携し、国際スタートアップカンファレンスを開催し、アカデミーの準備を進めます。

 国境や県境を越えて起業家や投資家が岩手に集い、岩手を舞台にした交流や連携、協業で、新たなビジネスや投資を創出し、岩手から世界に羽ばたくスタートアップの育成や成長の好循環を創出する「世界に開かれたスタートアップ・エコシステム」の構築を目指します。

 昨年末に閣議決定された、国の「地方創生に関する総合戦略」は、地方の経済成長率を東京圏以上にすることや、スタートアップの創出、地場産品の輸出促進といった、地方の「強い経済」に力点が置かれており、これは、これまで岩手県が発信し、取り組んできたものです。

 こうした国の動きを好機と捉え、地域産業クラスターの形成・拡大や地場産業の成長に向けた「地域産業成長プラン」の策定を進めます。

 国際情勢の不安定さが、世界経済、日本経済に影響を及ぼし、資源・エネルギー価格の上昇や円安による物価高騰の長期化、実質賃金の減少により、県民の暮らしや仕事が苦しい状況にあります。

 また、気候変動を背景とした災害や異常気象、野生動物被害の頻発化、全国的な人口減少・少子化による人手不足の進行なども、県民の暮らしと仕事に影響を与えています。

 令和8年度当初予算に計上した、家計負担の軽減や観光需要の喚起策など、生活者・事業者を支え、県民の暮らしを物価高から守るための支援策を、必要な方々に速やかに届け、福祉・消費生活関連相談拠点施設、中山の園など、必要な福祉関連施設の整備を着実に実施し、県民一人ひとりが安心して暮らせる岩手を実現していきましょう。

 特にクマ対策については、先月から、ガバメントハンター5人を任用していますが、さらに本日より、新たに専門職員1人を任用するなど、体制を強化したところです。市町村や猟友会、警察等の関係機関とも緊密に連携しながら、県民の安全・安心の確保に向け、全庁を挙げて取り組んでいきしょう。

 今年の5月25日、明治9年の県域確定から150周年を迎え、令和8年度は、県政150周年期間の最終年度になります。

 また、世界遺産登録から、「平泉の文化遺産」が15周年、一戸町の御所野遺跡を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」が5周年を迎えます。令和9年2月には、「白銀の 世界で輝く 夢・絆」をスローガンに、「いわて八幡平雪ゆめ国スポ」が八幡平市で開催されるなど、様々な場面を通じ、岩手の魅力をPRするチャンスの年です。

 岩手の、豊かな自然と歴史に育まれた先人たちの先進性が、今の岩手を創り、その精神は現代にも受け継がれています。これは、次の50年、100年先にもつながります。歴史や自然を尊重し、県民一人ひとりを大事にしていくことで、これから先も、さらに岩手県は発展していくことができます。

 こうした岩手県の歩みを後世に伝え残していくため、「岩手県史」の作成を進めます。

 県域確定日である5月25日には記念式典を開催するほか、三陸地域の多様な魅力を発信する記念イベントや、岩手の未来を担う高校生等の海外派遣など、記念期間の締めくくりに相応しい様々な事業を実施します。

 県政150周年を通じ、県民の皆さんと、岩手の歴史を振り返り、岩手の未来を展望しながら、国内外に、希望に満ちた岩手県の姿を発信していきましょう。

 県職員は、県民からの負託を受け、その期待と信頼の上に職務を担っています。職員一人ひとりが、県民全体の奉仕者であることを改めて自覚し、それぞれの職務に真剣に向き合い、県民の期待と信頼に応えていきましょう。

 県政推進のためには、その職務を担う職員が、心身ともに健康で、安心して意欲的に働ける職場環境づくりが大切です。

 その中で、職員の健康と安全を脅かすだけではなく、職場全体の士気や生産性を低下させるハラスメントは、絶対にあってはならないものです。

 全ての職員がハラスメントについての認識を共有し、誰でも声を上げやすい体制を構築することで、ハラスメントのない風通しの良い職場をつくっていきましょう。

 引き続き、岩手県職員憲章に掲げる5つの信条、「県民本位」、「能力向上」、「明朗快活」、「法令遵守」、そして「地域意識」に常に立ち返りながら、力を合わせて業務を進めていきましょう。

 今年度もよろしくお願いします。

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