【移住者インタビュー】最新号
【第33回】囲炉裏 鉄板 静流(飲食業)飯山 耀さん、飯山 直起さん
『夢の飲食店を陸前高田で』

飲食業(鉄板焼き)
インタビュー実施日:2023年2月14日
―ご出身はどちらでしょうか。
(直起さん)出身は神奈川県です。生まれも育ちも神奈川県です。
(耀さん)出身は東京都ですが、小学生のときに神奈川県に引っ越しました。
―陸前高田市に「囲炉裏 鉄板 静流」をオープンされました。移住前も飲食店を営まれていたのですか?
(直起さん)
神奈川県で鉄板焼き屋の店舗を経営していました。学生の頃、最初は営業マンを目指していたのですが、大学時代のアルバイトで鉄板焼きと出会い、経営のおもしろさや、目の前で調理し、お客様と会話を楽しめる鉄板焼きに魅力を感じ、飲食業(鉄板焼き)の道を選びました。
(耀さん)
飲食業に関わる仕事をしていました。小さい頃から「飲食店をやってみたい」と思ってて、大学卒業後は、色々な飲食店に関わることができ、たくさんのつながりもできると考え、飲食店に勤めるのではなく、メーカーへ就職する道を選びました。結婚して、子どもが生まれてからは子育てに専念していたため、「飲食店をやりたい」という夢は一旦中断していました。
―移住をしようと思ったきっかけを教えてください。
(直起さん)
鉄板焼きの店舗を経営していたときに、コロナの影響でお客様が来ない時期が続きました。神奈川県の支援金制度等を活用していましたが、先行きが見えず、「いつお客様が戻ってきてくれるのだろう」と不安を感じていました。店舗が60席の大きさだったので、毎月の固定費も高く、「もう少し小さな店舗でやり直そうかな」とも考えていました。その後、固定費削減のため、一旦お店を閉じました。
色々夫婦で話し合ったときに、移住しても面白いんじゃないかという話をし、大学時代にご縁があった陸前高田市の方に相談し、一度、陸前高田市に来ました。
その後、移住を決め、2022年の6月に移住しました。
(耀さん)
先ほどの、直起さんの店舗がコロナの影響を大きく受け、移住の話が出たときに、これからどうしていこうか、と話していたとき、直起さんが、私の「飲食店をやりたい」という夢を知ってくれていたので、「サポートするから、飲食店をやってみてもいいんじゃない?」と、言ってくれました。
直起さんのゆかりのある陸前高田市に来た時に、地元の人の温かさに触れ、この場所で子育てをしたいな、と思ったこともきっかけです。
―移住をするにあたって重視したことはどんなことですか。
(直起さん)
子どもがのびのび過ごすことができる子育て環境であることが2人の重視したところでした。
移住前は、コロナで閉塞感をすごく感じていて、その状況を打破したいと思って、開放的な環境で子育てをしたいと考えていました。陸前高田に1度来た時に、地元の人の温かさに触れたことも大きいと思います。
―移住を考えて始めてから、どのくらいの期間で移住しましたか。
(直起さん)
移住を考え始めてから、5か月で移住しました。
2022年の1月に移住を考え始め、陸前高田市には3月末に1回、5月にもう1回行き、6月に移住しました。
―神奈川県から岩手県への移住。周りの反応はいかがでしたか。
(耀さん)
びっくりされました(笑)。「岩手?なんで?」と言われました。両親からは、「自分たちの人生だから」と応援してもらいました。
(直起さん)
大学時代にご縁があった陸前高田市の方に移住のことを話したら、「本当に来るの!?」とびっくりされました(笑)。「仕事はどうするの?家は決まったの?」など、心配していただきました。
そのくらい、移住までのスピードが速かったんだと思います。
―今、お店を構えているチャレンジショップや支援金の情報など、情報収集はどのようにしましたか。
(直起さん)
自分たちで調べたり、陸前高田市役所の方に相談したりしました。
移住者向けの支援策も自分たちで調べましたが、残念ながら私たちに当てはまりませんでした。
(耀さん)
他には、直起さんが大学時代にご縁のあった陸前高田市の方に相談したり、その方に他の方を繋いでいただきました。現在お店のあるチャレンジショップも知り合いの方に教えていただきました。
―住まい探しはどのようにされましたか。
(直起さん)
3月に、陸前高田市に来た時(1度目)に、3軒ほど内見しました。陸前高田市に来るときは、まったく収入がない状態で、私たちがやりたいことをやって、お客様が来ていただけるかも分からなかったので、「なるべく家計の支出を抑えたほうがいいよね」と二人で話して、家賃や家の設備など、様々な条件を考えて県営住宅に住むことにしました。
―お店のコンセプトや大事にしていることについて教えてください!
(直起さん)
鉄板焼きの魅力を感じて今までお店をやっていて、料理を口に運んで、味を感じるだけでなく、目で見たり、焼く音を聞いてから食べるとおいしさが変わると思っていて、そういった楽しさを感じることができるお店づくりを目指しています。
カウンター5席の距離感のお店も陸前高田にあまりなかったので、五感で楽しめる飲食店を目指しています。
夜のメニューは居酒屋寄りのメニューや、鉄板焼きを楽しめるメニューを用意していますが、神奈川と岩手の食材は全然違うので、岩手の旬の食材を楽しめるメニューをご提供できればと思っています。
―神奈川県と岩手県、食べ物の違いで驚いたことはありますか?
(直起さん)、(耀さん)
お米がおいしいです!食べたとき、粒が立ってて、今まで食べてたお米と全然違くて、美味しさにびっくりしました。
お店では、たかたのゆめや、ひとめぼれ、銀河のしずくを使っています!
陸前高田市は山も海もあって素敵だなと思います。

カウンターからは、耀さん、直起さんの調理が間近で見ることができ、料理を食べる前から音や香りで楽しむことができます。
―移住してからビックリしたことはありますか?
(直起さん)
鹿、タヌキが多い!
後は、ご近所さんにおすそ分けしていただけるところもビックリしました。家でもいただく機会がありますし、お客様がお店に自転車でいらっしゃって、野菜をおすそ分けいただく機会もあります(笑)。人の温かさを感じます。
(耀さん)
自動車の前向き駐車が多いことがびっくりました(笑)。
後は、車を運転している時、横断歩道を渡る小学生がいたので止まっていたら、小学生が渡り終わった後に私にお辞儀してくれたんです。関東では、(歩行者目線で)車が止まるのが当たり前と思っている人が多いので、びっくりしました(笑)
子どもが公園で遊んでいるときも、「すべり台がこわい!」と話している子どもがいたら、「一緒にすべろうか?」って声をかけて、助け合っていたり、他の子どもと仲良くなって帰ってきたりして、びっくりしました。
―陸前高田市や気仙地区で好きな景色、場所はどこですか?
(直起さん)、(耀さん)
一番最初に思ったのは、箱根山からの景色です!
後は、日常生活で車を運転しているとき、住田町方面に向かっている時や、(市内の)矢作町、竹駒町を運転している時に何気なく見える景色も好きです。
―地域性の違いは感じますか?
(直起さん)
人の温かさ以外にも、助け合う気持ちが強いところだと思います。自治会の活動も、子ども会活動の延長にとどまらずに、住みやすい地域を目指してみんなで物事を決めたり、実行していくことに驚きました。
まだ引っ越してきて1年も経ってませんが、自治会の役員に選ばれました(笑)。
移住前は、そういった活動が希薄だったと思います。
―今後の目標や、やってみたいことはどんなことですか?
(直起さん)、(耀さん)
今のお店のサイズ感だから出せる良さもありますが、カウンター5席のお店では、お店の大きさが足りないと感じる日が来ると思います。市街地に本設できる日が来たときは、お店の雰囲気やスタイルは違ったものになるかもしれませんが、飲食に限らず、自分たちがやりたいと思うことを楽しみながらやっていきたいです。今は、このお店でできることを最大化していきます。
子育ての面では、神奈川にいたときは、保育園の迎えの時間や熱を出した時の迎えなど、子どもに迷惑をかけたと思います。子育て中心に陸前高田への移住を選んだからこそ、そういった状況を打破できればと思います。
―移住を考えている人にメッセージをお願いします!
(直起さん)
私の先輩の移住者が、陸前高田に移住する決め手になった言葉で、先輩から「『移住』は『定住』とは違うから、覚悟を持って移住するのではなくて、あまり身構えずに挑戦してみたら?」と声を掛けられたそうで、その話を聞いて、確かにそうだなと感じました。よく移住はハードルの高いものと思われますが、移住先を外から見るのと、中から見るのでは得られるものも違うので、移住に迷っていたら、挑戦してみたほうがいいと思います!
(耀さん)
私たちの場合、子どもがいるので、私自身は、定住する覚悟で陸前高田市に移住しました。
ただ、直起さんの話のように、「移住したら絶対に移住元に帰れない訳ではない」ので、気負いすぎずに、挑戦してみてみるのもいいと思います!
お店紹介
「囲炉裏 鉄板 静流」
住 所 岩手県陸前高田市高田町字荒町104番地7 チャレンジショップA-1
営業時間 ランチ 12時00分~15時00分(ラストオーダー14時00分)
ディナー 17時30分~21時00分(ラストオーダー20時00分)
席 数 5席
予 約 電話(0192-22-8207)やLINE公式アカウントより
このページに関するお問い合わせ
沿岸広域振興局経営企画部大船渡地域振興センター
地域振興課
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