平成26年3月5日知事会見記録

ID番号 N22258

(平成26年3月5日10時30分~10時52分)

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。
 
知事
 発表事項の1番目は、「平成25年度岩手県スポーツ賞受賞者の決定について」です。この賞は、スポーツ競技大会において優秀な成績を挙げ、県民に明るい希望と活力を与えることに顕著な業績があった選手やチームの栄誉をたたえることにより、青少年の健全育成と次代を担うスポーツ選手の育成に資することを目的として、平成18年度に創設された制度です。本県関係の学生や生徒を対象にしています。今年度は、インターハイ、ウエイトリフティング競技において優勝した県立水沢高校の及川佳将君をはじめとする個人7名、ペア1組、団体4組を受賞者として決定しました。受賞者、そして個別の受賞内容については配布資料を参考にしてください。表彰式は3月10日、月曜日、午後2時半からエスポワールいわて(で開催する予定)です。
 
 発表事項の2番目は、「岩手・青森県境不法投棄産業廃棄物の撤去完了について」です。国内最大級の不法投棄事案であります、平成14年から県が実施している行政代執行(により)、最大の課題でありました廃棄物の撤去が3月26日に完了する見通しとなりました。当日は、9時50分から二戸市の現場において、地元関係者の皆さんとともに、知事出席の最終搬出式を挙行します。事案の発覚から本県が一貫して掲げてきた全量撤去が実現するということは大きな前進であり、引き続き、土壌浄化等を着実に進めて、一日も早く原状回復を達成できるように万全を期していきます。
 なお、県においては、この事案を教訓として、廃棄物が適正に処理されるよう、廃棄物処理モデル施設の整備、産業廃棄物税を財源とする3Rの支援、監視体制の強化など、総合的な取り組みを実施してきたところであり、今後とも一層の推進を図ってまいります。
 
 発表事項の3番目は、『コミックいわて from WEB』の出版についてです。『コミックいわて from WEB』、これを3月20日、県内外の書店等で発売します。この本は、昨年9月から県が運用を行っている『コミックいわてWEB』でインターネットを通じて先行配信した13本のマンガ作品と単行本用の新作描き下ろし作品1本、合わせて14本を一冊にまとめ発行するものです。また、掲載したマンガの内容と連動した「題材紹介マップ」、「あまちゃん」、「ケロ平(けろひら)」、「ILC」の紹介記事なども収録して、岩手の歴史・文化や風土など、さまざまな魅力が伝わる作品集となっています。このコミック単行本の出版とインターネットを活用した情報発信の相乗効果によって、これまで以上に全国の皆さんに岩手の魅力を感じていただくことができるものと期待をしています。
 以上です。
 
広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。
 
幹事社
 それでは、ただいまの発表項目3件について、各社から質問があればよろしくお願いします。
 
記者
 県境産廃の撤去完了についてなのですけれども、平成14年から代執行してきたわけですが、改めて撤去完了についてのご所見を伺いたいのですが。
 
知事
 10年以上かかってようやくここまで来たということで、まずは周辺の住民の皆さんにようやくここまで来ましたということを本当にお伝えしたいと思いますし、またこの撤去の事業に関わってきた皆さんに対して、改めて敬意と感謝を示したいと思います。
 
記者
 1点目のスポーツ賞の受賞者についてなのですが、今年度、これから始まるパラリンピックの阿部友里香選手も表彰になったということですけれども、今後の、特に国体も控えておりますので、選手強化などについて、今回のスポーツ賞受賞者の決定の意義というか、知事の所感も含めてお願いします。
 
知事
 今回特に高校生中心に、若い皆さんのスポーツでの活躍が目立った岩手の1年だったと思います。国体があって、その国体の先にはオリンピック、障害者スポーツ大会があって、その先にパラリンピックというのと一緒になっているわけですけれども、そういう流れの中で、ますます頑張ろう、やろうという機運がこれから活躍する若い世代の皆さんの中にどんどん広がっていると期待しますし、また指導する側とかその環境を整備する事務方の方でも競技力強化にしっかり取り組んでいく。指導者、事務方、さらにさまざまスポンサーになってくれたり、それから学校を卒業した人を雇ってくれる企業の皆さんとも一緒になって、そういう意味では県民一丸となって競技力向上に頑張っていきたいと思います。
 
幹事社
 (他に)無いようなので、発表項目以外で各社からの質問があればお願いします。
 
記者
 きのう(県議会の)常任委員会で山田NPOの県の検証委員会の報告書が出たと思うのですが、質問した議員全員からは、ちょっと検証になっていないですとか、委員の構成で身内に甘くなっているという指摘がありましたが、それを受けての知事の所見はいかがでしょうか。
 
知事
 私も読んでおかなければと思って、商工労働観光部長からもらった報告書を今読んでいるところでありまして、まだ読んでいる途中ですので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 
記者
 委員構成が8人中6人が県職員ということで、それについてもかなり批判がきのうあったかと思うのですが、委員構成を第三者にして検証し直すですとか、そのあたりの方向性についてはいかがでしょうか。
 
知事
 補助事業の実務のかなり細かいところ、具体的なところまで立ち入って検証するということで、実際やったことがある人とか、担当している人とか、その関係者というのは不可欠だったのかなと思っておりますし、県職員以外の皆さんにもそういった現場の実態について、かなり勉強してもらいながら検証してもらったかなという印象を、まだ全部きちっと読んだわけではないのですけれども、そういう印象をとりあえず今受けているところです。
 
記者
 委員の中に県職員が入っていること自体はそうだと思うのですけれども、8人中6人という構成に関してはいかがですか、外部識者が2人しかいないということに関しては。
 
知事
 県の補助事業の実態に即して検証していくということで、検証の目的が果たされたかはちょっと報告書をきちっと読んでみないと言えないとは思っているのですけれども、そういう目的に向かう体制としてはきちっとした体制かなと思っています。
 
記者
 きょうの定例会見が震災3年を迎えるに当たっての直前の会見ということで質問させていただきたいのですけれども、震災から3年を間もなく迎えるに当たって、被災地職員のマンパワー不足ですとか、事業用地の確保、取得の難航など、さまざまな課題がある中で、岩手県としてこれまでの3年間を振り返ってみて、この取り組みを振り返ってみての知事の実感、所感と、あとまたこれから来年度から第2期の復興実施計画もスタートします。その中で、特に岩手県が取り組まなければならないという課題など教えていただけますでしょうか。
 
知事
 事業の数の数え方にもよるのですけれども、300とかそのくらいの数になる事業。復興というのは、これは極端な比較なのですけれども、戦争と比較すれば分かりやすいと思うのですが、戦争というのは戦争に勝つという目的がはっきりしていて、敵国を降伏させて、降伏文書にサインさせれば、そこでもう戦争は終わり、勝ち、目的は達成。往々にして、そこに至るプロセスではかなりの犠牲が払われたりするわけでありますけれども、復興というのは被災者一人ひとりが復興していかなければならない。学ぶべきことを学び、働くべきところで働き、そしてしかるべき生活をできるようになるということを果たしていかなければならないわけでありまして、そういう意味では戦争のように明確に、誰が見てもここで終わったとか、そういうふうに見えないものだと思いますし、またどのくらい進んでいるかということについては、結局は被災者イコール復興者一人ひとりがどこまで来たかという、そういう実感なのだと思います。
 そういう中、岩手県としては、最初の3年間、被災者に寄り添いながら、現場本位の、被災者本位の復興というものを、まず計画をつくる段階からしっかりつくり上げ、そして実行してきたと思っております。そして、そのプロセスの中で、さまざま、さっき言ったような課題もどんどん見えてきているわけですけれども、その見えてきた課題について前例のないような対応をしたり、また国にもそういう前例のないような対応を求めたり、そういうまさに必要に迫られて復興の現場で創造的な復興、今までやったことがないようなこともやられるようになっていく、そういう創造的な復興ということができていると思います。
 1つの象徴としては、高田高校の卒業生、この前卒業式に出てきたのですけれども、仮校舎での3年間ではあったのですけれども、クラブ活動、生徒会活動、生徒会活動は地域でのボランティア活動を盛んにやっているのですけれども、そういったものが、今までできなかったようなことが生徒たちできるようになるという、そういう創造的な復興というのを高田高校の生徒たちも示してくれたなと思っておりまして、そういうことが岩手の被災地各所で起きてきている。これからの3年間につきましても、やはり被災者イコール復興者一人ひとりがきちっと前に進んでいくことができるということを実現していく本格復興として、どういう事業がそのために必要かという計画は、今パブリックコメントも経て、いよいよ最終的に固まりつつあるわけでありますけれども、第2期の復興実施計画をしっかり実行に移していくことで、本格復興を果たして、全体としての岩手の復興の成功に持っていきたいなというふうに思います。
 
記者
 先ほどこれからの3年間もしっかり本格復興を実施していくということでしたけれども、特に事業用地の取得の緩和など、国に今後どういうスタンスで特例を求めていくとか、国に対してどういうスタンスで臨んでいくというふうに3年目以降お考えでしょうか。
 
知事
 答えは現場にあるということを最初の頃から言っているのですけれども、その現場の実態をきちっと国に伝え、理解してもらいながら、問題、課題を解決していく方法を一緒に考えるという中で、今までやったことがないようなこともやる。そういう覚悟、決断を国にとってもらうというやり方でいけばいいと思っています。
 
記者
 山田町のNPO問題の報告書の件にちょっと戻してお話聞かせてください。先ほど知事おっしゃいましたが、報告書を今読んでいるところだということでしたが、ちょっと私の感覚からで恐縮ですが、一連の大きな問題だったので、まず知事が目を通して報告書として完成版ができて、きのう県議の方に配布されるのが自然なのかなと思ったのですけれども、どうもそういうことではなかったので、その辺どうなのかなということが1つと、あときのうのやりとりで、常任委員会で説明がありまして、そのやりとりの中で決算特別委員会で全員を前にしていろいろ審査があって、さらに検証委員会を設置して検証するということをお話ししたので、県議の方としては、県議の方全員が聞くような場を設けてほしいというお考えがあって、ただそれに対して商工労働観光部の方からは、今回の商工文教委員会の説明で、特に他に説明する場は考えていないということだったのです。それについて、知事、ご所見どのようにお持ちか。この2点お願いします。
 
知事
 今回の報告書は、かなり補助事業の執行の実務の具体的なこととか、細かいところにも立ち入って検証していくということで、基本的に私は特にああしろ、こうしろとか、内容には一切口を挟んでおりませんので、できたものを見せてもらう立場ということで今読んでいるところです。
 そして、そういう趣旨の報告書なわけで、商工労働観光部としては、その説明には商工文教委員会での説明ということが適当という判断で、議会の方に説明しているということなのだと思いますけれども、一方で議会として議会をどういう運営でやっていくかということは、議会の自治の問題として議会において決定することでありましょうから、執行部は議会の決定で、議会から依頼があればそれに応えていくということかなと思います。
 
記者
 ありがとうございます。もう一つ、別件で、阿部友里香さん、ソチパラリンピック、これから競技されるわけですけれども、改めて期待というか、エールみたいなものを知事からいただければと思います。
 
知事
 まず、ソチパラリンピックが予定どおりきちんと開催されてほしいと思います。それを脅かすような国際環境については、それぞれの当事者がきちんと平和の実現ということに向けて努力してほしいなと思っています。
 阿部さんは、障がいがあるにもかかわらず、中学校時代からさまざまスポーツで活躍して、そして今高校生としても全国を舞台に大活躍してくれていて、阿部選手がソチパラリンピックで活躍することは、岩手県民みんなにとって、特に障がいを持っている人やその家族、関係者の皆さんにとって、とても大きな希望と励みになると思いますので、大活躍を期待します。
 
記者
 ちょっと戻るのですけれども、先ほど震災の3年を迎えるに当たっての話で、3年目以降、特に知事として取り組んでいかなければいけない問題を挙げるとすれば何になりますでしょうか。
 
知事
 基本的考え方は、これもいろんな数字の扱い方があるのですけれども、まず仮設住宅等にお住まいの方々3万3,000人いらっしゃるという、そのお一人おひとりがそれぞれ違うニーズがあって、ある人にとってはとにかく子供が学校に行くということが最大の重要事項、ある人にとっては親の介護、そしてある人にとっては水産業の再生であり、ある人にとっては商工観光の再生、被災者イコール復興者、それぞれにとっての復興がきちっと進んでいくように、それだけのニーズに対応する陣容を県はそろえているわけで、あらゆる分野に対応する体制、そしてあらゆる分野に関する事業を今計画しているわけであって、これをしっかり進めていく。進めていくに当たっては、市町村や国、またさまざまな主体、団体、企業、それから個人、そういった皆さんと力を合わせて、被災者イコール復興者一人ひとりの復興が実現していくようにしていくということです。
 
記者
 被災した人たちそれぞれ一人ひとりの復興に合わせて、それに県が合わせていくというような形で、何を特にというわけではなくて、それぞれのニーズや必要とするものに合わせていくというスタンスなのでしょうか。
 
知事
 復興というのはそういうものではないですかね。
 
記者
 そういうものというのはどういうことになるのでしょうか。
 
知事
 被災者イコール復興者一人ひとりがきちんと自分の暮らしや仕事や学びを復興させていく。前提として、安全を確保できるようになるということをやることです。県の計画としては、その全体をまとめれば、「いのちを守り 海と大地と共に生きる ふるさと岩手・三陸の創造」ということを実現するというのが復興の目標であって、それを着実に推進、実現するということです。
 
広聴広報課
 それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

 

次の定例記者会見は3月25日(火曜日)の予定です。

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