平成25年11月5日知事会見記録

ID番号 N16665

(平成25年11月5日10時30分~11時00分)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。

知事
まず、最初の発表は、「第3回いわてマンガ大賞(マンガ部門)受賞作品の決定」についてです。県と学校法人盛岡情報ビジネス専門学校が共同で開催した「第3回いわてマンガ大賞(マンガ部門)」の受賞者が決定したので、お知らせします。
応募総数64作品のうち1次審査を通過した22作品について、プロの漫画家、漫画雑誌編集者など9名による厳正な最終審査を経て、各賞を決定しました。
大賞は、こちらに張ってありますけれども、「空木由子(そらき ゆうこ)」さんの「桜の木の下で」。施設に入居しているおばあさんが、小さい頃にお母さんを亡くした悲しみの中、石割桜の木の下で出会った不思議な少年と心通わせたことを回想するストーリーです。空木さんは盛岡市在住、心温まるストーリー展開及び柔らかく、親しみやすい絵柄で、特におばあさんの描きぶりから画力が非常に高い評価を得て大賞受賞となりました。
そして、優秀賞は岩手県の「宙一 秀(そらいち しゅう)」さんの「たんじゅんなつやすみ。」、岩手県の「江川大輔(えがわ だいすけ)」さんの「赤鬼と青鬼+アルファ」、同じく岩手県の「―CОЯVIA―(コルヴァ)」さんの「神怪絵師(かなさびえし)」の3本です。その他、特別賞5本の受賞が決定しています。
また、20歳以下の方々を対象としたU-20(アンダートゥエンティ)部門について、金賞2本、銀賞3本、特別賞1本の受賞が決定しました。U-20部門特別賞は、最年少の「いわたなおき」さん10歳の「カパカパ! カパたろう」が高い将来性を評価されて受賞となりました。大賞作品については、県が運営するWEBマンガサイト、「コミックいわてWEB」で本日配信します。そして、来年3月発行予定のマンガ単行本に収録になります。
今後ともマンガを活用した岩手のソフトパワーの発信に力を入れていきたいと思います。
なお、表彰式はきょう11時半から県庁3階第1応接室で開催します。
次に、発表事項の2つ目は「平泉のカエル戯画キャラクター」の名称決定についてです。
柳之御所遺跡から出土した「平泉のカエル戯画」をモチーフとした県の新しい公認キャラクターの名称を公募していましたが、応募総数419作品の中から審査の結果、「ケロ平(ひら)」に決まりました。
語感の親しみやすさ、そして奥州藤原氏代々の「ひら」をとっている由緒正しさ、また、わかりやすく平泉の「平」にしてあるところなどが高い評価を得ました。この名前は複数の応募がありましたので、抽選の結果、「大槌町立大槌中学校1年生の皆さん」を最優秀賞受賞者として決定をしました。県では、「ケロ平(ひら)」を公認キャラクターとし、積極的に活用していきます。平泉町をはじめ関連団体等においても、地域振興や観光物産等のPRなどで有効に活用いただけるよう利用の仕組みづくりを進めていきます。この表彰式も、きょう11時半から県庁3階第1応接室で開催をいたします。
3番目の発表事項は、「知事の訪中について」。11月10日(日)から14日(木)まで(中国)北京市及び昆明市を訪問します。目的は、1つ、中国の有力なバイヤーなどに対する県産品のトップセールス、2つ、中国雲南省との「友好協力協定」の締結です。
1つ目の「県産品のトップセールス」については、11月11日に北京市において、中国の有力なバイヤーや食品商社の方々約50名ほどをお招きし、岩手の優れた県産品を私がプレゼンし、PRするとともに、今回一緒に行きます、岩手県産株式会社の和嶋社長以下、岩手県側の関係者が具体的な商談を行います。
2つ目の「中国雲南省との友好協力協定の締結」についてですが、中国国内における東南アジア、南アジアへのゲートウェーとして、今後ますます発展が期待される雲南省と11月13日、省都昆明市において経済連携協定を結びます。雲南省と経済連携協定を結ぶのは、日本の自治体では岩手県が初めてです。雲南省とは上海万博の共同出展などを通じてプーアル市と交流を行ってきています。今年の2月に、当時の市長さん、瀋培平さんが雲南省の副省長に就任されていまして、瀋副省長からこれまでのプーアル市との交流を踏まえて省レベルで岩手県との一層の交流を進めたいという申し出があり、経済分野を中心とした連携協定を結ぶ運びとなったものです。
今回のトップセールスと友好協力協定の締結は、中国との経済連携を進める上で大きなチャンスとなると捉えています。中国側関係者とも十分な信頼関係を築きながら、より強固な連携を進めてまいります。
以上です。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
それでは、ただいまの発表事項について、各社から質問があればお願いします。

記者
訪中についてなのですけれども、友好協力協定、経済連携協定を結ぶということなのですけれども、知事としてはどういう効果を期待されて締結されるのでしょうか。

知事
まず、プーアル市との間で積み重ねてきたプーアル茶と南部鉄瓶のコラボというところをさらに発展させながら、またそういう物産に関する協力をより広げ、また観光の分野などでも成果を上げていければいいなと思います。

記者
岩手県産の方も同行されるようなのですけれども、特にこういう物産を売り込みたい、力を入れたい産品がありましたら教えていただきたいのですが。

知事
これは、実は売れるものなら何でもという発想でありまして、中国経済の成長は著しく、また富裕層から中間層にかけて日本の消費者と同じような消費パターンが期待できる、そういう人たちがどんどん増えている。そこのところに岩手の物産をどんどん利用していただきたいという、そういう基本方針があります。年に7、8%の成長という成長率は、これは10年で倍になる成長率で、それで中国経済というのは10年で倍以上に拡大してきているわけですので、岩手にとっても将来を考えたときに非常に有力な市場になり得る中国でありますので、今回、首都北京で大いに宣伝をしてきたいと思います。

記者
「ケロ平」についてちょっとお伺いしたいのですけれども、熊本の「くまモン」のように関連商品の売り上げなど、かなり高い経済効果を出しているケースもありますけれども、先ほど知事の言葉からいうと「積極的に活用」というお言葉がありましたけれども、具体的にどのような活用をイメージされているのかというのを教えていただけますでしょうか。

知事
そこはもう民間のいろんな分野の皆さんのアイデア次第というところがあると思いますけれども、一方ではもともと柳之御所遺跡で発掘された木片に書かれていたキャラクターという由緒ある、そういう文化財としても本物に由来するキャラクターですので、まずそこのところを私としてはきちんとアピールし、鳥獣戯画と同じ時代に岩手にもそういうマンガ元祖があったと。このクリクリッとした目などマンガらしさからすればこちらの方が日本のマンガ元祖と言っていいようなキャラなので、まずそういったところをアピールしていきたいと思っています。

記者
知事の訪中の話に戻ってお伺いしますけれども、県内企業が中国進出するに当たって、ブランドを守るということが非常に大事かなと思うのですけれども、南部鉄瓶の商標登録問題ですとか、お米の登録もありましたし、その辺りについて県としての取組、また強化していくようなお考えがありましたら教えてください。

知事
最近も岩手県に直接関わる商標が、いつの間にか申請されていたのに対して、それはだめだという申し入れをして認められた例がありますので、まずきちんと「岩手」とか、あるいは「南部」とか、そういう関係の言葉が岩手県と関係ないところで知的財産権が押さえられることがないように、そこをしっかりやっていきたいと思います。

記者
今のところは、それ専門のプロジェクトチームを整備したりするようなお考えというのは特にございませんか。

知事
ジェトロさんとか、国の方に専門家がいますので、そこと連携をしながら、必要に応じていろいろ法律関係のことをあちこち相談しながら取り組んでいる状況でありまして、まずこういう格好でやって、きちんと成果を上げていければと思います。

幹事社
では、この他で各社から質問があればお願いします。

記者
楽天の日本シリーズ優勝につきまして、喜びの声を被災県の県知事として、またあと普代村出身の3番打者の銀次選手が大活躍をこのシリーズでも、最終日はちょっとあれでしたけれども、頑張ったということでコメントをいただければと思います。

知事
東北楽天ゴールデンイーグルス、東北のチームがリーグ優勝、そして日本シリーズでも優勝、初の日本一ということで本当にうれしく思います。
東日本大震災津波、チームや関係者も被害を受けたわけでありますし、また応援しているファンの皆さんも被災された方々が多く応援している、そういうチーム、これが大震災直後から野球の底力で復興支援という、そういう志を持って戦って、そしてついに勝ち取った日本一ということで、本当にすばらしいと思います。私自身も含めて被災地、被災県の人たちが大きな力をいただいたと思います。感謝したいと思います。
また、銀次選手はこのチームがリーグ優勝、そして日本一になるという中で、もうなくてはならない存在としてチームを引っ張り、勝利を重ねていくことに大貢献をしましたので、大したものだと思います。この調子で、さらに頑張ってほしいなと思います。

記者
まず、きのうの会合で小沢代表が知事の3選に向けて期待感を示したのですけれども、きのうもマスコミから取材を受けられましたが、一夜明けてそれについて受け止めで何か変わった点とかありますか。

知事
復興のために頑張ってほしいという、そういう強い励ましの言葉をいただいたなと思っておりまして、今やっている復興の仕事をますます頑張らなければなと思いました。

記者
知事はずっと3選については、どちらかというと否定的な考えでしたけれども、その辺についても考えとしては全く変わりがないのでしょうか。

知事
まだ2年も先のことでありますし、基本的に考えていません。今の仕事、また仕事をきちんとやっていくための個人的な活動も含めてですけれども、そこに専念しなければなと思っています。

記者
基本的に考えないということですが、逆に言うといつ頃考えることになるのですか。

知事
そのことも含めて白紙の状態です。

記者
分かりました。ありがとうございます。先月下旬に政府自民党が減反政策の見直しについて検討を進めるということで、進めている段階ですが、それについて知事の所感をお願いします。

知事
減反政策の見直しという表題の中で、一体何をするのかというのが、まだまだはっきりしていないと思うのですけれども、一つ心配していますのは、その中で小さな農家を切り捨てていこうとしているとすれば、それは大変よくないなと思っています。大規模農家をさらに強くして、小規模な農家は切り捨てていくというようなことは、一種机上の空論だなと思っていまして、小さな農家が今の農業に果たしている役割とか、地域社会において果たしている役割というのをしっかり見て、また私は評価すべきところは大変多いと思っていまして、そういう人たちをどうしようとしているのかということですね、小さな農家をどうしようとしているのか。同じ減反政策の見直しでも、かつて自由党という政党が主張していたのは戸別所得補償で小さな農家をしっかり守りながら、大きい農家が自由競争するのであれば自分のリスクでやればよい。ただし、一定の収入があるように小さい農家はきちんと守った上で、大きな農家がリスクを冒していく分については構わないというような政策を自由党は主張していたわけですけれども、どうも今回は逆で、大きい農家を保護して、小さい農家は切り捨てるという正反対の話であるとすれば、今小規模で農業をやっている皆さんにやめてどうしろというのか、どこか移住せよというのか、そういう本来公の政策というのは生身の人間をどうするかという話ですから、先程机上の空論という言葉を使ったのですけれども、言葉や数字をいじるのが政策であってはならないわけで、生身の人間をどうするのかということを本当に考えてほしいと思います。小さな農家もそれぞれの家計を支える中で農業が重要な役割を果たしているわけですし、また地域社会の中で集落営農という中でいろんな役割も果たしている。さらに地域社会というところで見ればお祭りでありますとか、そういう伝統文化の継承でありますとか、あと農業の多面的機能という環境保全的な役割も果たしているわけで、小さい農家、そういうことを全てやめて何をしろというのかというところを明らかにしながら、そういう政策は語られるべきだと思います。

記者
今おっしゃっていたリスクの方なのですけれども、その大きな方がリスクを冒してもというのは、大規模農家が加工用の米をつくるとか、あとはブランド米に走るとか、そういった点については、そこで利益を上げるということについては賛成だということですか、ただ小規模な農家の手当てをという意味ですね。

知事
そこはいろいろ聞くところによると、ベトナムに行ってそこで農業をやるという人もいるようですし、それを止めるわけにはいかないと思っています。そういう意味では、力のある農家はどんどん今の状況下でもいろんなことができるわけですので、何か具体的に制度を変えたいという話があれば、それについて検討すればいいと思いますけれども、むしろ日本の農業でしっかり手当てしていかなければならないのは小規模な農家の方ではないかなと思います。

記者
議論が欠けているというお気持ちですか、今は。

知事
そうですね。あたかも一気に小規模農家を排除して、日本からなくして、そして大きい農家だけを保護しようとしているように見えまして、それは本来あるべき政策の正反対の方向性かなと思います。

記者
そういう意味では、減反というのを見た場合に、見直しするとすればどういった見直しがあり得ると知事はお考えですか。

知事
減反という言葉にこだわらない方がいいと思います。厳密にはもう減反という制度は今ないのです。正確には戸別補償制度とか、いわゆるかつての減反というのはもう終わっています。かつてあった負のイメージを持つ言葉でばっさり切って、そして今本当にきちんと手当てしていかなければならない人を一気に切り捨てるというようなプロパガンダとして減反という言葉が使われるのはよくないなと思います。

記者
あともう一点です。復興大臣が、根本さんが震災遺構の関係で取り扱いについて、政府で指針を検討するということを表明していますが、それについては知事いかがでしょうか。

知事
岩手県でもジオパークのサイト選定の際に、たろう観光ホテルをはじめ幾つかの津波遺構というような場所を保存したいということを決めていて、具体的に宮古市のように復興交付金でという申請をしているところもありますので、やはり国費を投入して津波遺構を保存していくということは必要だと思います。

記者
保存するものに関してなのですけれども、宮城県だと村井知事が、県がリーダーシップをとって取りまとめをしていきたいと発言しているようですが、岩手では取り扱いについては、知事はどのようにお考えですか。

知事
ジオパークでサイトに指定したところについては、地元の皆さんの保存したいという思いと、あと専門家の観点から見て、これはやはり2011年3月11日の大震災津波の遺構にふさわしいという、そういう専門家の観点も含めて選んでいるので、まずそれが一つの基本になると思います。

記者
県として取りまとめるとか、そういったことは今のところ考えていらっしゃらないですか。

知事
もう選ばれているわけなので、まずそれをしっかりジオサイトとしてそれぞれが保存され、活用されていくように県としても取り組んでいきたいと思います。

記者
既にジオパークで選ばれているものを基本にということですね。

知事
はい。

記者
何回もすみません。11月3日に警察官の逮捕という案件がありまして、県から旅費ですとか、研修費の詐取という事件があったのですが、このことにつきましてご所感というか、旅費、研修費の適正な執行のあり方につきましても含めてお言葉をいただければと思います。

知事
岩手県警察本部の中で、きちんと対応されていくものと思いますので、私から具体的なああすべき、こうすべきという言及は避けますけれども、やはり県民の信頼にきちんと応えながら仕事をしていかなければならない。東日本大震災津波の際にもそうした県民からの信頼というのがベースにあってさまざまな人命救助や、本当に身を挺しての、あるいは犠牲になってまでの警察官の皆さんの行動、活動があったわけで、警察の仕事全般、そういうふうでなければならないと思いますので、ここはしっかり対処してほしいと思っています。

記者
こういうような事例が他にないかどうかというようなチェックとか、調査というのはなさるお考えはありますか。

知事
そこは県警察本部の中でしっかり対応されると思います。

記者
分かりました。ちょっと話が楽天に戻ってしまうのですけれども、銀次選手の活躍につきましてですが、今後県の方で顕彰だったり、表彰だったりということはお考えでしょうか。

知事
これで終わりだとは思わないので、もっといい成績を出したり、もっと活躍をしたりとか、その辺をしっかり見ていきたいなと思います。

記者
もうちょっと頑張れるというか、評価の部分についてはまだ伸びしろがあるというか、まだ評価の対象にならないとか、そういうことでしょうか。

知事
評価の対象にならないと決めているわけではないのですけれども、オリンピックやワールドカップみたいに4年に1度、この数日間で全てが決まるというのとはまた違うので、そこは見ていくスパンもそこはちょっと違ってくると理解いただければと思います。

広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は11月18日(月曜日)の予定です。

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