平成25年10月25日知事会見記録

ID番号 N16664

(平成25年10月25日10時30分~11時02分)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表事項はございません。

幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
先日、安倍首相が東日本大震災の復興まちづくりに関して、防災集団移転促進事業などの用地取得の期間を縮小させるということで特例措置を講ずる考えを表明されました。それで、本県でも用地取得が課題となる中で、復興の加速というのが期待されますけれども、その点についてのご所感をまずお願いいたします。

知事
総理の発表の後、復興庁のホームページの方にも詳しく政府として決定した内容が掲載されまして、それで岩手県庁の方でも内容を吟味しました。さまざま現場のやりくりで加速化を図る工夫がいろいろと盛り込まれていまして、既にやっているようなことも含めて、それを体系的にまとめたようなところもあるのですけれども、それはそれで大変いいことだと思っております。
一方、岩手県の方からこういったところ、やはり立法的な措置をした方がより加速できるのではないかと提案しているような部分については、まだそれについて対応されてないようなところもありますので、引き続き岩手県としては市町村と連携しながら復興加速のために、この用地取得について、ここはこういうふうにした方がいいのではないかという提案をやっていきたいと思います。

記者
ありがとうございます。その中で、コンサルタントや司法書士に対して用地取得に関する交渉などを外部委託するということを国の方で進めているようなのですけれども、それについての課題等々もあるかと、人対人の交渉になると思うので、課題等々もあると思うのですが、それらを含めて課題はどのように捉えているのか、ちょっと教えていただけますか。

知事
大きく復興加速のための課題としては、用地の手続、人材の不足の問題、予算の自由度の問題と大きく3つあり、特にマンパワー不足の問題というのは用地手続の問題と密接に関連していて、人が少ないが故に手続が遅れるというところもありますので、ここはそういう人材を確保すること、特に専門家ですね、用地の交渉とか、そういった専門家をどんどん現地に入れていただきたいということはずっと言っておりまして、それは全国の市町村からどんどん用地の経験のある、主として市職員の皆さんを派遣していただいているところもあるのですけれども、民間の会社の方でもそれはいいわけでありまして、そういったところはもうオールジャパンのありとあらゆる人的資源を被災地に集結させるような工夫をやはりしていかなければならないと思います。

記者
きょう9月の定例議会が閉会する予定で、しかし決算の審査が3年連続延びるということになりました。それについていかがでしょうか。

知事
今回決算認定をお願いしているものは、平成24年度ということで、復興2年目で、これは平成23年度に引き続いて巨額の国費をいただいて、そして市町村と一緒になって市町村への補助事業という形で市町村に一生懸命執行してもらった、そういう事業の決算でありますので、オールジャパン、日本国としても国民的な関心があると思いますし、また被災市町村もそれぞれ関心が高いと思います。それに加え、これも平成23年度に引き続きですけれども、多くの寄附金をいただいて、国内外からの寄附金をいただいて、それも合わせて予算執行をしての決算でありますので、そういう善意の寄附をしてくださった方々も決算には関心があると思います。岩手県としましては、予定どおり9月定例会において認定いただけるようにしっかり準備して提出をいたしましたし、また会計監査、監査委員においてもしっかり監査していただいてこの9月定例会に提出をしていただいているところであります。この9月定例会において認定をいただきたいという思いはそのとおりでありますが、ただ一方、議会の運営に関しては、これは議会の自治、議員の皆さんが決めて進めていくというところもありますので、そこは議員の皆さんが話し合って決めて、取り進めるということについては、その決定に執行部は従うということであります。

記者
特に山田町のNPO問題で参考人招致が決まったということが大きな要因ですけれども、まずそれの所感と、やっぱり県が一度検査したものを認めたものが再度検査したら1億6,700万円もの不適切な支出があったということもありましたので、それについてまた今後の検証なり、対策なりはどういうふうに考えているのかお願いします。

知事
まず、決算認定との関係では、決算の認定というのは決算の数字について議会としてそれを認めるというものでありますので、これは議会に認定いただけるようなものとして、執行部として提出しているということはそのとおりであります。一方、県行政のあり方について、議会においてその都度チェックしていくということは、これは大事なことでありますし、「大雪りばぁねっと。」をめぐる問題については、県としても二度とああいうことがないようにしていかなければならず、どうしてそういうことになったかということについてはきちっと認識を持って再発防止に取り組んでいかなければならないと思っています。

記者
もう一度、やっぱり一度検査したものが認めたのにも関わらず、不適切な支出があったということについてはいかがお考えでしょうか。

知事
山田町においてNPOに委託をし、そして国からの国費が入った予算の執行をしていくということで、これはきちんと適正に行わなければならないものであります。ただ、この当該NPOのお金の使い方については、これはもう裁判になっていることでありまして、社会常識から見てもあまりに常識からかけ離れたお金の使い方をしていて、そこは本来NPOにおいて説明してしかるべきところ、例えば山田町が検証委員会をつくって検証したときにも非協力的であって、実態がどうだったということを検証委員会にもきちっと説明せず、そういった中で山田町の検証委員会は報告書をつくったというふうに承知しておりまして、そういったNPOの側の説明というのは、これは今も山田町民に対して、そして岩手県民、日本国民に対して求められているというふうに考えます。

記者
最後に、やはりまた山田町は5億円返還して、さらに1億6,000万円以上も返すということは、町民の税金ですので、改めてそれについてはいかがでしょうか。

知事
もともと国の方の復興関連予算として来ているものでありますから、日本国民に対する責任として、本来使われるべきではなかったところに使われた分については、これは返還しなければならないので、そこはきちっとしていかなければならないと思います。

記者
同じく関連で山田のNPO問題について伺いたいのですけれども、ただいまの答弁で知事からNPO側の説明責任が求められているということでしたけれども、今回の委員会で参考人招致が決まったということの背景には、これまで県のこの問題に対する説明責任が果たされていないという意味の議会の意思表示でもあるのですけれども、県の説明責任については、知事はどのように捉えられているでしょうか。

知事
問題になってさまざま議論が行われるようになってから、その都度県としては説明をしてきていると思いますけれども、一方、議会の運営として議会側がさまざま質問の場を設けたいとか、あるいは議会としての調査の場を設けたいということについては、これはもうその決まったことに執行部は従うということであります。

記者
昨夜、集中審査で障害福祉サービスの復興支援事業の件について、知事と副知事が出席されて審査されましたけれども、きのうのやりとりによって、県議の方から指摘が出ている分に対しては疑念みたいなものが払拭できたとお考えかどうか、まずお聞きしたいと思います。

知事
基本的に質問に答えるということで、どういう疑問があるのか、何を質問したいのかというのは、それは議員の皆さんの方で用意することでありまして、質問されたことに対してはきちんと答弁をしたというふうに思っています。

記者
それで、やりとりの中で、知事としてはどういうところが県議の方が指摘をされる、県議の方はひっかかりがあるというふうに分析されますか。

知事
これはどんなことでも質問には答えるし、また議員の質問権というのは、これは非常に重要な、県民を代表して、自己の判断でそれはどんなことを聞いてもいいわけでありますから、それはもう執行部の側から予断をもってああいうことを聞くのだろうかとか、こういうことを聞かなければならないのではないかとかという予断は持たずに、聞かれたことには何でも答えるという姿勢で臨まなければならないと思っていますし、きのうもそのように対応しました。

記者
繰り返しになりますけれども、そういった意味では疑問みたいなものに答えきれたというか、そういう疑問みたいなものを払拭はできたと。

知事
議会での質問には誠実に答弁をしなければなりませんし、きのうもきちんと答弁することができたと思います。

記者
山田町のNPO問題に戻るのですけれども、先ほど知事はNPO側に説明責任があると、そして県としては説明の場をこれまでつくって説明してきたという話をされていました。
改めてのお伺いになるのですけれども、今回参考人招致で山田町の元町長であったりとか、県の関係者であったりが呼ばれることになっていますが、知事の所感として、今回のNPO問題、県側、町側、NPO側、問題の根幹はどこにあったと考えていらっしゃるのか、所感をお伺いできますでしょうか。

知事
これは、山田町の報告書にもあるように、さまざまな要因が結びついてこういう結果になっているので、誰が悪いとか、何が悪かったとかというのをどこか1つに絞り込んでやるというのは文学の世界とか、あるいはジャーナリズムというか、意見発表的な、そういう分野ではあり得るのかもしれませんけれども、行政としてはここをこうしておけばよかったというようなことについては、満遍なく目を配ってそこにしっかり対応していくということだと思っています。
ただ、当該NPOの買い物の仕方、仕事の仕方というのが極めて異常だったというのは、これは社会常識に照らして言えることでありまして、発災直後の被災地山田町、あれだけの被害を受けたところで犠牲になった人や、発災直後困っている人たち、そうした人たちに対して、やはりもっと誠実に仕事をしていただきたかったというふうに思います。

記者
ちょっと別な話題なのですけれども、先ほど国が示した復興加速化プログラムへの所感にお答えありましたけれども、その中で県から立法的措置を講じた方が加速化できるのではないかと提案した部分とあったのですけれども、これは先ほどおっしゃっていた復興加速の課題の用地手続の部分ということで理解してよろしいのでしょうか。

知事
そうですね、今、政府の新しいプログラムを受けて、改めて県としての用地問題に関する提案を整理しているところでありまして、機会を捉えて改めて政府の方に提案していく格好になると思います。

記者
これまで県は用地取得の手続に関して特措法も視野に入れた対応を求めてきたのですけれども、国もこの前、小泉復興(大臣)政務官がいらっしゃったときに、有事であるとの認識で対応したいというお答えあったのですが、にも関わらず今回示されたプログラムは現行法の枠内にとどまっているのではないかと見られるので、ちょっとその辺り県と国とで認識のずれというのがあるのではないかと思ったのですけれども、知事としてはいかがでしょうか。

知事
菅内閣、野田内閣の頃から用地取得の問題については、まず実際に着手してみて、そしていろいろな不都合が見えてきて、それを現場のやりくりで解決できるなら現場のやりくりで解決し、どうしても法律を変えるのが必要だったら変えましょうという、そういうやり方でやりますという流れができていて、安倍内閣もその延長上でやっているわけですね。ただ県、そして市町村もそうなのですけれども、地元の方からは着手しなくても大変な作業になるのは、これはもう火を見るより明らかであって、早い段階でもう法律を変えてスピーディーに手続が進むようにしないと時間がかかってしまうのではないかということを最初から言っていて、そういう事態へのアプローチの違いというのは最初からあって、そこをどう交渉の中でうまく実行に移していくかというのが実態です。その中で、現場のやりくりで加速化するということについては、かなり発達してきてはいると思うのですけれども、やはり少しでも早く進めばその分仮設住宅暮らしを短くすることができ、被災者の生活支援ということに大きく貢献できるわけですから、もっと早く、もっと早くということは県の方からどんどん提案していきたいと思っています。

記者
全国学力テストなのですけれども、文部科学省の方が市町村の判断で結果公表をできるよう検討しているということですけれども、知事に対するアンケートもあったようなのですが、知事の公表に対するお考えをお聞かせ願いたいと思います。

知事
テストを受けて、ここはできた、ここは間違ったというような結果、それを踏まえて、基本的には一人一人の生徒がどこでつまずいたのかとか、あるいは良かった点についてはいいのですけれども、できなかったなというところについてどうしてそうなのか、また授業の内容をどういうふうに変えていけばいいのかということは、基本的には個々の学校の中で行われることでありますので、学校においてデータを外に出した方が中での作業というか、生徒一人一人への教育がより良くなるという判断をその学校としてするなら、それは学校の判断で公表すればいいのだと思うのですけれども、要は生徒一人一人の教育を受ける権利がきちんと全うされていくということと、それができる学校であるということで、一義的には学校ごとにそれはやっていかなければならないことなのだと思っております。

記者
もう一点、きのうのプロ野球ドラフト会議で県内関係者3人が指名を受けたわけなのですけれども、これに対する感想の方をお願いします。

知事
すごいですね。私が子供の頃は、プロ野球というのは、岩手からは縁遠い感じがしていたのですけれども、最近はどんどん岩手からプロ野球に入って活躍する、そしてプロ野球界全体を引っ張るような選手も出てきて、今年のドラフト会議でもそうやって3人も指名されたというのはとってもうれしいなというふうに思います。

記者
平成24年度の決算が継続審査になる見込みということで、今の段階では見込みということですが、継続審査になるということについて、知事さんとしてはご感想といいますか、残念に思うとか、そういうこととかというのはどうなのでしょうか。

知事
議会として、それは決めることでありますので、執行部としては決まったことに従うということだと思っています。

記者
なぜ継続審査になるのかというと、多くの県議の方が県の説明に納得されていないということだと思うのですけれども、県としては説明を山田町のNPO問題にしても、障害者の支援事業にしても、説明は十分に果たしており、適切に対応はされたというご認識ということなのでしょうか。

知事
それはもう議員の皆さんの質問権というのがあるし、また議会の運営については議員の皆さんが自分たちで決めてやる権利もありますし、さらにこれも聞きたい、これも聞かなければということには常にお答えしていきますので、だからこれ以上答える必要はないとは全然思っていません。これ以上答える必要がないとは全然思ってないわけで、さらなる質問があればいつでも答えますというのが執行部の姿勢です。

記者
今の時点では、説明は十分説明責任は果たしているというご認識でいらっしゃるということでしょうか。

知事
これは、議会から求められれば、さらなる答弁は、それは求めに応じていたします。だから、これから質問があればそれには答えるので、責任を果たしたかという質問がこれ以上は説明しなくていいのかという意味であれば、そんなことはありません。

記者
あと1点、「あまちゃん」が終わって1カ月ぐらいになりますけれども、知事さんとしては、あまロス症候群に陥ったりはされていないでしょうか。

知事
「あまロス」というのはどういう意味かよくわからないところもあるのですけれども、まずブルーレイ、DVDが出ていて、それを買って見たりしていますので、引き続き「あまちゃん」を見る生活というのは終わってないです。また、「あまちゃんナイト」という「あまちゃん」ファンが集まる集いが岩手県内、盛岡市内でも開かれて、そこに出たりして、「あまちゃん」ファンの皆さんと交流し、そこで全国有数の「あまちゃん」ファンである中森明夫さんとも初めて会うことができて、いろいろ話もすることができて、そういう意味では「あまちゃん」放映時以上に「あまちゃん」ファンの人たちと深い交流を「あまちゃん」放映終了後にできたりしているところもあり、そういう私の経験からしますと、全国の「あまちゃん」ファンの皆さんも放映終了後に、放映中以上の「あまちゃん」の楽しみ方とか、「あまちゃん」を巡る何か充実した体験というのができますよということを言いたいです。そういえば、最高のあまロス対策は久慈に行くことだというふうに言っている人もツイッターで見ましたし、「あま絵」を盛んに書いていた漫画家の方で弾丸久慈旅行(22時間弾丸あまちゃん久慈ツアー!)と久慈を訪れる忙しい旅とかをやっている人もいるし、そういう意味では「あまロス」というのは「あまちゃん」をさらに楽しみたいという思いなのだと思うので、それはものすごくありますし、全国のそういう皆さんには、よしっ、一緒に楽しみましょうというふうに呼びかけたいと思います。

記者
そうすると、「あまちゃん」効果というのはまだ引き続いてあるということですか。

知事
そうですね、中森明夫氏が岩手に来るなんていうことは放映中にすらなかったことなので、放映中以上のそういう「あまちゃん」効果が見られるところもあるというのが「あまちゃん」終了後の岩手だと思います。

記者
宮城県知事選のことでお尋ねします。知事が現職の応援演説にマイクを握られたということで、改めてどうしてそういうことになったのか、なぜそういうふうにされたかというのを説明お願いします。

知事
特に東日本大震災発災以降でありますけれども、村井知事と一緒に復興の仕事をし、また政府に対して物申すようなことも一緒にやったりしました。東京電力本社に一緒に行ったこともあります。そういう意味で、さらに宮城の復興、そして東日本大震災からの復興全体、オールジャパンとしての復興というところでも、それぞれやるべきところはそれぞれやり、協力してやるところは協力してやっていきたいという思いから応援したいと思っていて、あのときはちょうど県南の方で仕事がありましたので、また遊説日程が村井知事が宮城県北の方に来るということだったので、ちょうど合流できるなということで応援に行きました。あとは大衡村ということで、トヨタ(自動車)東日本株式会社の向かい辺りでやったのですけれども、自動車産業集積とか、あとデスティネーションキャンペーンなどの観光振興とか、あとILC誘致ですね、そういうところでも一緒に力を合わせてやっているので、引き続きそれもやっていきたいという思いで応援をしました。

記者
こちら側、達増知事の方から申し出たということなのですか。

知事
ええ、私の方から「応援に行きたいのですが」と言って、「じゃ、いいですよ」というやりとりで行きました。

記者
参院選のときにはちょっと違った対応だったかなと、両知事がですね。そのことは影響はなく、知事の方から申し出たという経緯ですか。

知事
さっき言ったような理由でありますし、国政選挙の関係と地方選挙というのはイコールではないということが一般的には言えるのではないかとも思います。国政選挙に関して言えば、私はかなり頑張って自らの志を共有する人たちと一緒に頑張ろうということでやったのですけれども、それは国政は国政。今、県政に関しては、全ての政党、会派の皆さんと一緒に岩手の復興を進めようというスタンスでやっていて、国政での競争の仕方と、それから地方政治での競争の仕方というのはそもそも違いますからね、そこの議会の議席のバランスとか、そこの県なら県での政党間の政治関係というのがオールジャパンのそれとまた違ったりもしますし、さまざま異なる政治的環境の中でも、私であれば知事としてやらなければならないこととか、またやりたいことというのはあるわけで、そこは自分のやりたいこと、やらなければならないことを優先してやっていいと思ってやっております。

広聴広報課
それでは、これをもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は11月5日(火曜日)の予定です。

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