平成25年10月11日知事会見記録

ID番号 N16663

(平成25年10月11日10時30分~10時52分)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事お願いします。

知事
きょうの発表事項は、復興フォーラムを県内外で開催するということです。東日本大震災津波から2年半以上経過していますが、県内外の方々に大震災津波の記憶を永くとどめ、被災地の状況に関心を持っていただき、幅広い参画とつながりのもと、一日も早い復興に向けた機運を高めていこうとするものであります。
まず、県内において11月2日、土曜日、大船渡市民文化会館リアスホールを会場に「いわて三陸復興フォーラム」を開催します。社団法人RCF復興支援チーム代表、藤沢烈さんから講演をいただき、沿岸被災地で活躍する女性・若者を中心としたメンバーによるパネルディスカッションを行います。
そして、中部圏において12月19日、木曜日、愛知県名古屋市の愛知県女性総合センター「ウィルあいち」を会場に「いわて三陸復興フォーラムin名古屋」を開催します。河村たかし名古屋市長から講演をいただき、県内外で復興に取り組む方々によるパネルディスカッションを実施します。
県外においては、これまでの全国からの支援に感謝を伝えるとともに、震災の記憶の風化防止や復興に向けたさまざまな主体との持続的な連携の促進、そして県内においては若者・女性をはじめとしたあらゆる方々の参画、オール岩手による復興の推進や産学官やNPOなどの各団体の活動の連携やネットワーク化の促進を図っていきたいと考えており、多くの方々にぜひ参加していただきたいと思います。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
それでは、先ほどの発表事項について各社から質問があればお願いします。
では、他に各社から質問があれば順次お願いします。

記者
JR山田線について、先日JR東日本の方からBRT化について沿線自治体の方に再提案されました。それで、沿線自治体の方では改めて拒否というか、受け入れられないという姿勢を示しましたけれども、これについて県としてのご所感と、今後どのような取組をされていくのかについてお伺いしたいと思います。

知事
地元の方からは、鉄路復旧ということで言っているので、そういう中でBRTについて新しいアイデアがJRさんの方から提示されたけれども、やはり鉄路復旧でという地元からの声を受け、また鉄路の復旧のさせ方というところで話し合いを進めていくことになると思っています。

記者
議論の長期化というのが予想されますけれども、例えば国なりJRに対して働きかけというのは、今後どのように強化されていかれる予定でしょうか。

知事
いろいろ専門的な知見に基づいて、我々が考えなかったような新しいアイデアが出てくるということについては、鉄道事業者としての本質からして、そういうこともあるのだとは思うのですけれども、被災地の側からすれば、被災地のまちづくりの中で鉄道が果たす役割が非常に大きいということで、そろそろ駅を核とした市街地の新しいまちづくりということも具体化していく段階に入ってくるので、そういったところをJRさんの方にも理解してもらって、一緒に決めていくというふうに持っていきたいと思います。

記者
ありがとうございます。それから、同様に岩泉線についてなのですが、先日、鉄路復旧とは切り離した形で、並行して走る国道の改良についても検討されていくということでございましたが、今後その見通しについてどのようになっていくのか、どのようにしていくのか、お伺いできればと思います。

知事
宮古市、岩泉町、それぞれ鉄路復旧という主張はあるわけですけれども、一方で住民の足として、その機能を早く回復したいということもあり、それについてさまざま専門的な、いろんなJR側の考えをきながら検討し、進めていくということになると思います。

記者
岩泉線についても、やはり鉄路復旧を求めていくという姿勢でよろしいでしょうか。

知事
岩泉線については、一日も早い足の確保ということについて、今その議論がテーマになっていると理解しています。

記者
3点あるのですけれども、1つが現在行われている東京国体、県勢の少年成年女子が400メートル(リレー)で1位になるなど、非常に活躍が目立っておりますが、いわて国体の開催に向けて、今後の選手の具体的な強化策など、知事としてこういうふうにやった方がいいのではないかとかという、何かプランとか、今後の選手強化の方針などありましたらお願いします。

知事
この400メートルリレー女子の優勝というのは、ものすごいことだったと思います。私は、どういう練習をしてそういうことができるようになったのかというのは、もう想像もつかないところもありまして、ただマネジメントとしてスーパーキッズ育成以来の低年齢、小学校からの総合的なスポーツ振興、体力、また技能の向上といった、そういうシステマチックな、国体との関連で言えば競技力向上ということが、まずうまくいっている例かとは思うので、私はどっちかというとそういう県全体の体制のあり方について、関係者と相談しながら工夫をしていくというところで、ただ、やっぱりどういう練習をすればああいうことができるようになるのかというのも、私も勉強していきたいと思います。

記者
それに向けて、スーパーキッズ以外のというお話もありましたけれども、知事がいわて国体に向けて具体的に何かこうやった方がいいのではないかみたいな。

知事
この機会に勉強してみたいと思います。

記者
2点目なのですけれども、TPPに関してです。自民党が重要5項目について関税を撤廃できるかどうか、できる品目はないか検討を進めるということになりましたけれども、それに関して知事の所感をちょっとお願いできたらと思います。

知事
話が違うということだと思います。ですから、5品目(項目)を守らないのであれば、その理由とか改めて説明し、国民が納得できるような形にできないのであれば、そういう関税撤廃に向けての作業というのはやらないでほしいと思います。

記者
その5項目、586品目の中で、撤廃ができるものがあるかどうか検証を進めるということですけれども、その自民党の姿勢というのは話が違うということですけれども、やっぱりおかしいという認識なのでしょうか。

知事
私は、そういうことはしないというのを前提に、TPP交渉に入ったと理解しています。

記者
3点目なのですが、きょうは復興交付金の第7回の申請の締め切りになると思うのですが、その中で宮古市の「たろう観光ホテル」などの震災遺構の保存費用なども申請されるということですが、「たろう観光ホテル」に関しては一度国の方からはねられているのですけれども、そういう震災遺構なども含めた保存、今回復興交付金申請するに当たって、知事としてどのように保存していったらいいかというような所感をお願いできたらと思います。

知事
「たろう観光ホテル」については、ジオパークの中にも位置付けられ、さまざま地域の皆さんはもちろんなのですけれども、オール岩手的な理解の中で震災遺構として残していこうという方向性が出ていると思うので、そこのところをちゃんと国の方にも理解してもらえれば、話はスムーズにいくのではないかと期待しています。

記者
震災関連事業の入札不調の問題について、これまでさまざま問題になって会議もできて、対策を県でもとっていると思うのですけれども、改めて入札不調をなくすためにどういう対策をとっていったらいいか、改めてになるのですけれども、知事のご所感をお願いします。

知事
まず、大きく復興に必要な事業を着実に進めるということ、ただし、そこは拙速であってはならず、きちんとした公正性、それが必要であるということがあります。そういう中で、入札不調というのはそれぞれ理由があって起きているということで、その理由に応じてさまざまな対策も講じられているところですので、引き続き復興の着実な推進ということ、ただし、それは決して拙速であってはならず、きちんと公正に、デュー・プロセス、適切な手続に沿って行われなければならないと、こういうことを両立させていくということだと思います。

記者
これも改めてになるのですけれども、2020年の東京五輪が決まって、そちらもかなり工事関係、人材、資材に関しての需要が高まる中で、復興との両立ということが必要課題になってくると思うのですけれども、その辺についての知事のご所感、改めてお願いします。

知事
私は、さらにそこにILCもつけ加えていくべきで、日本にはそれだけの力があるし、またそれだけの志を日本は持たなければならないと思います。そういった中での人手や資材の調整というのは、日本という国にはできるはずですし、また視野を中国、韓国も含め、アジアに広げ、アジアの力を結集してというところまで視野を広げればできないことはないと思います。

記者
国体関連で改めてなのですけれども、東京国体で総合成績が23位だったということで、強化委員会の目標では、今年は30位台で、来年は20位台という設定だったと思うのですけれども、来年の目標を既にクリアしてしまったという言い方もできるかもしれないのですけれども、今後目標の上方修正というのはあり得るのか、最終的にはいわて国体で8位以内という目標にしていますけれども、これに関しての上方修正はあり得るのか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。

知事
予想を上回る順位を獲得できましたので、素直に素朴な気持ちからすれば、まずそれを生かして、さらなる発展を目指していくという、そういう気持ちは県民広く共有するところなのだと思います。そういう気持ちを持ちつつ、あとは競技力強化に関する専門的な見地から目標の設定の仕方、これは科学的に詰めていかなければならないところもあると思いますので、その辺は専門的な話し合いもしながら、もし修正が必要なら修正していくということになると思います。

記者
あともう一点なのですけれども、先日議会の方で冬季国体の方も開催したいというふうな意向を表明されたわけですけれども、改めまして冬季もやるとなると、負担の方も大きくなるとは思うのですけれども、知事の意気込みといいますか、お願いしたいと思います。

知事
時間をかけて競技団体や、また開催地になる市町村の意見も聞きながらやると決めたところであります。東日本大震災からの復興、それはオール岩手の復興であり、またこの復興の過程上、この7、8、9月の豪雨や台風による災害もあって、この災害の深刻さは被害の額だけではかれるものではないのですが、5年前の岩手・宮城内陸地震をはるかに上回る被害額が出ている。そういう災害もあって、そういうところも復旧・復興しなければならないというような、オール岩手の復興を進める中での国体の準備、開催ということではあるのですけれども、国体の準備、開催ということを復興の力にしていくということについて、広く県民的な合意が得られていますので、完全国体という岩手が今までやったことのないことですけれども、今までやったことのない復興をなし遂げるという中で、今までやったことのない完全国体も成功させて、岩手としてしっかり未来に進んで、希望ある岩手にしていきたいと思います。

記者
先日、宮城県の村井知事が安倍総理に対して東北に医学部を新設してほしいと要望しまして、安倍総理も下村(文部科学)大臣に検討するよう指示したということなのですが、そのことについてどのようにお考えになっているかということと、あと、今、県内でも医師不足など、そういう問題が深刻になっていますので、そのあたりとちょっと絡めてお話しいただければと思います。

知事
まず、岩手として医師不足を解消していかなければならないという問題意識があります。そして、それは東北全体としても広く共有する課題だと思います。そういう中で、いろんなやり方があり、それぞれいろんなやり方についても検討しながら進めていけばいいのだと思います。
新しい医学部を東北にということについては、さっきのスポーツの話ではないですけれども、医療の専門家の皆さんのさまざまな考え方とか意見とかもあると思うので、そういったことをよくすり合わせながら検討されていけばいいと思います。

記者
今の質問に関連してお尋ねしますけれども、東北に新しい医学部ができた場合に、教官等に、今働いている先生方のかなりの数が取られるのではないかという懸念もあって、医師会からは以前から懸念する声なども上がっていますけれども、具体的に東北地方に医学部ということを念頭に置いた、具体的なそういったことを検討するための場とか、例えば協議会のようなものとかを具体的に準備していくようなお考えはないでしょうか。

知事
岩手としては、平成20年ごろから始めた岩手医大の定数増、それによって平成20年からだと8年たつ平成28年、3年後にようやくその成果として岩手県内に新しくお医者さんになる人が増え始めるということが、ようやく3年後にスタートしていくということで、まずそこをうまく離陸させて、岩手の医師不足、また医師の偏在という問題を解決するということにしっかり取り組んでいかなければならないと思っています。そういう意味で、既に医学部があって、その定数を増やすというところから10年近く先になってようやくこの効果が出始めるということでありますから、今、議論になっている新しい医学部の問題ということも長期的な視野の中で議論がされていくのかなというふうに思います。

記者
そうしますと、今のところは、知事とすればまだ具体的にどうのということではなくて、推移を見守るというか、今、目の前でやっている取組を進めていくということになるのでしょうか。

知事
岩手県内においては、岩手医大さんの他にうちで医学部をやりたいという声が出ているとは聞いていませんし、また岩手医大の定数増、それによる新規医師の増加ということをきちっとやっていかなければならないということに、まず集中しなければならないかなと思っています。

広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は10月25日(金曜日)の予定です。

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