平成25年7月22日知事会見記録

ID番号 N12162

(平成25年7月22日10時30分~10時54分)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。

知事
きょうの発表事項は、「企業ネットワークいわて2013in東京」の開催についてです。7月24日水曜日、帝国ホテル東京で「企業ネットワークいわて2013in東京」を開催します。昨年度に引き続き、震災に関し支援をいただいた企業や首都圏の企業を対象に、一昨年の東日本大震災津波からの復興状況を報告し、そして、立地環境や産業振興施策を紹介するものです。当日は震災支援に対する御礼、本県被災地の復興状況の報告、その他に復興道路の整備、復興に欠くことのできない産業振興における各種支援制度、さらにこれら復興を加速するためのプロジェクトを紹介しながら、工場・事業所の新規立地等、岩手県に対する投資を促進することで、被災地の一日も早い復興につなげていきたいと思います。
講演では、東京大学生産技術研究所黒崎特任教授から、釜石における海洋エネルギー利用の可能性についてご紹介いただき、また、三陸鉄道の望月社長から「あまちゃん」で一層の盛り上がりを見せる三陸鉄道の復興の様子についてお話をいただきます。
以上です。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
それでは、ただいまの発表事項について各社から質問があればお願いいたします。
それでは1つ、参加する企業の規模感としては何社ぐらいが参加されるのでしょうか。

知事
私はあまり数字にはこだわっていないのですけれども、大震災津波以降、やはり関心も高まり、増えているので、その傾向が続けばいいなと思っています。

幹事社
この事項についてはよろしいでしょうか。
それでは、一般質問に移ります。まず、幹事社から1つ。昨日の選挙の結果を受けて、全国的な自民党の圧勝と、県内で言うと平野さんの当選ということですが、それぞれについて知事としてどう捉えられたか、また達増県政の今後についてどういう影響があると考えられているか、お考えをお聞かせください。

知事
国政については、民主党の大崩壊現象というのが第二幕だったのだと思います、去年の衆議院議員選挙に続いて。それで、去年の衆議院議員選挙では自民党も得票数は減ったけれども、民主党大崩壊の中でそれぞれの選挙区で自民党が勝ち、比例も議席が増え、議席では大勝利になったということだったのですが、今回の参院選が前回の、あるいは前々回とか、過去と比較して自民党さんの得票数がどうだったかはまだ知らないので、国民が低投票率の中でどういう投票行動をしたのか、そこに民意を探るヒントがあると思うのですが、そこはちょっと分析してみなければと思っております。
それから、岩手県については、やはり復興を強く願う県民の思いというのが背景にあってこういう結果になったのかなというふうに思いますので、私としても復興を強く願う民意に応えるような県政をしていかなければならないと思っています。もう3年間国政選挙はないと言われておりますので、私の残り任期中はもう国政選挙はないということで、私としても復興に専念することができるのかなというふうに思っています。
また、無所属の候補の当選ということで、岩手においてはどこか1つの政党がおおむね県民に委ねられているという形にはなっていないのかなというふうに思っておりまして、私の方からもそれぞれの政党などに、ここは一致協力してオール岩手での復興を進めていきましょうというような呼び掛けなどしながらやっていくのかなというふうに思っています。

幹事社
ありがとうございます。他に各社からいかがでしょうか。

記者
引き続き選挙のことで質問させていただきますけれども、知事が全面支援した生活の党は厳しい結果になりましたけれども、その件についての受け止めと敗因についてお話しいただければと思います。

知事
私が選挙期間中、選挙運動しているときにも、「あれっ、達増さん、小沢さんは平野達男さんなんじゃないですか」とか、「達増さん、民主党じゃなかったでしたっけ」というような声が、そうですね、選挙戦の最終盤になってもありました。だから、まだ生活の党というものが県民に浸透しきっていないのではないかなと思います。

記者
浸透しきってないということだけが敗因という受け止めでしょうか。

知事
敗因というのはいろいろたくさんあるので、それぞれ分析の必要はあるのかと思いますけれども、そこは党の関係者が丁寧にやるのではないかと思います。

記者
小沢王国が崩壊したのが決定的になったというような見方もあるようなのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

知事
平野達男さんに投票した人たちがみんな反小沢で投票したのか、というとそうではないのかなと感じておりまして、平野達男さんに小沢ブランドを感じて投票した人もかなりいるのではないかなと思っております。また、民主党の候補に投票した人についても反小沢で投票したのかというとそうでもないような感じもしていて、いわば小沢系から3人立候補し、公認は1人だけなのですけれども、そういう中でその中の1人が当選したというふうにも見れるのかなというふうにも思っています。

記者
きのうの参議院選の結果を受けて、生活の党の小沢代表と直接何かやりとりされましたでしょうか。

知事
特にありません。

記者
引き続き参院選のことなのですけれども、生活の党が全国では議席がゼロということで、あと知事もずっと一緒にやってこられたという藤原良信さんも落選されましたけれども、それに関してはいかがでしょうか。

知事
生活の党として多分いろいろ選挙結果を分析して、今後の活動に生かしていくのではないかと思いますので、それを見守りたいと思います。

記者
藤原さんに関してはいかがでしょうか。

知事
同じだと思います。

記者
特に藤原さんは大船渡の出身で、震災復興に関しても達増知事と共に一緒にやってこられたところもあると思うのですけれども、そういったところで共にやってきた1人のパートナーを失ったということに関してどのように捉えていらっしゃいますか。

知事
1つは、参院比例の仕組みは党全体として得票が多ければ個人名の票はとても少なくても当選しますし、逆に党としての票が少ないと個人名の票が多くても当選できない。ですから、個人だけに当落の原因を期することができない仕組みでありますので、そこはいろいろご本人含め関係者が分析して、また今後の活動に役立てていくところかなというふうに思います。

記者
生活の党の先ほどの知名度というか、県内において知事が活動されていて、先ほど「小沢さんは民主党ではないの」ということを言われたとおっしゃっていましたけれども、全国的にも生活の党は浸透していなかったというふうにお考えと捉えてよろしいでしょうか。

知事
民主党大崩壊現象の中で、去年の衆院選では未来の党が振るわなかったのと同じようなことが起きたのだと思います。それは、民主党大崩壊という現象全体のことを分析しないと、結局その民主党本流と正反対の理念、政策、ただそれはイコール前回というか、政権交代のときの民主党の理念、政策、その直前の6年前の参院選のときの国民の生活が第一というのはそのときですから、そのときの理念、政策を掲げた未来の党なり、生活の党なりというのが振るわない原因、理由というのは、よく考えると不思議なことでありまして、ここはいろいろ分析してみないと分からないなと思います。

記者
あともう一つ、ネット選挙に関してなのですけれども、生活の党にも関わるのですけれども、知事がネット上では生活の党というのは自民党に次いで支持されていると。それに関して、ネット上ではそうだったのだけれども、実際は、結果としては敗れてしまったと。それに関してと、あとネット選挙全般に関してどのような影響があったと現時点で見ていらっしゃいますでしょうか。

知事
日本のインターネット利用については、ビジネス、消費に関しては非常に発達しているけれども、社会的な領域、世の中をよくしていくとか、そういうことについてはなかなか発達しない。アメリカやヨーロッパ、特に北欧と比べたりして、ということが昔から指摘されており、その傾向は今でも変わっていないのではないかと思います。
あるマスコミの調査で、投票にネット選挙運動を役立てるかというのが、全体で25%ぐらいしか要らないというのがあったと思うのですけれども、それはおよそ社会的に何か自分の身近なことでもいいので、参加したり、あるいは地域をよくする、周りをよくするとかということにネットを活用している人の割合もそのぐらいなのかなと思います。ですから、今回の参議院議員選挙、ネット選挙運動の解禁ということが世の中をよくしていこう、公のことに参画していこうというときに、このネットを活用するということが増えていく契機にはなったと思います。いろんな工夫、最終日、投票日にも投票に行ったと言ってギネスに挑戦しようみたいな運動もあったし、いろんな運動が提案されたり、行われたりしたというのはよかったと思いますので、今回をきっかけにして公的領域におけるネット活用の発展ということが進んでいけばいいなと思います。

記者
選挙についてお伺いしたいのですけれども、知事の地盤である1区で関根さんは平野さんに対して4万票近く大きく差をつけられたのですけれども、ご自身の地盤である1区でこれだけ差がついたということをどのように受け止めていらっしゃいますか。

知事
やはり名前が、個人名がまず浸透しきらなかったし、あとは生活の党というのも浸透しなかったのだなと思います。

記者
組織の弱体化というふうにも捉えられるのではと思いますが、その点いかがでしょうか。

知事
それは次に……、そうですね、今、次に私が知事選に出たら分かると言いかけて、それを今言ってはまずいなと思ったので、達増後援会というのは達増拓也の選挙を焦点にしながら日常の活動等も応援するものでありますので、次の知事選への私の対応は白紙の状態なので、近々県政報告会みたいなものを開いて、そこでどういう感じに皆さんが対応してくれるかとかということをすれば達増後援会というのが今どうなっているのかが分かるのではないかなと思います。

記者
冒頭で復興を強く願う県民の民意が今回の選挙に反映されたとありました。一方で、生活の党で見ると全国では1議席もかなわず、また岩手選挙区でも議席を取れなかったのですけれども、この点、民意との乖離というのが見られるのではないかと思うのですが、その点いかがでしょうか。

知事
そもそも党の名前が知られなかったとか、党の候補者の名前が知られなかった。あるいは名前は分かっても党の公認だとか、その党の代表が小沢一郎さんだとか、そういうのがよく分からなかったというのがかなり多かったと思うので、そういう意味では民意との乖離とか、そういう話はないのだと思います。

記者
岩手選挙区は無所属の平野さんが当選されたのですけれども、無所属だと国政ではなかなか活躍できないのではないかという懸念の声も多々聞かれるのですけれども、そうした懸念を知事は。

知事
そこは本人に聞いていただきたいと思います。

記者
オール岩手でいけば大丈夫だと、知事としては。

知事
議院内閣制というのは政党をベースにした政治の仕組みですから、そこを無所属でどうやっていくのかというのは、やっぱりご本人に聞いていただかなければと思います。

記者
またちょっと話が戻りますが、生活の党は今回振るわなかったということなのですけれども、以前知事は生活の党と確か一蓮托生というような、強い支持を表明されていたのですけれども、そのスタンスは今も変わらないということでしょうか。

知事
一蓮托生というのはどういう意味で言ったのか、ちょっと正確に思い出せないのですけれども、選挙運動の準備を一緒にしっかりやっているという意味で言ったのだと思います。選挙運動は選挙期間中にしかできないことで、もうそれは終わりましたし、今後私の任期中は、国政選挙はないと思いますので、ですから選挙運動中にやったようなこととか、選挙運動の準備のためにやったようなことは任期中はもうやらなくて済むのかなと思っています。

記者
すみません、もう一度お願いします。今回自民党さんも21年ぶりの議席奪還はならず、民主党さんも内部に分裂といういろんな問題を抱え、生活(生活の党)の方も振るわなかったという、なかなか政党の方ではこれといって思っていたような成果を上げられずに、無所属の平野さんがという結果になりましたけれども、県政界の今後の流れとすれば知事はどんなふうに今後動きが出てくるかとか、見通しはどういうふうにご覧になっていますでしょうか。

知事
それぞれの政党がそれぞれの理念、政策を訴えながら、またそれが実現していくような努力をされるのだと思いますけれども、国政選挙は3年間ないと言われていますし、知事選や県議選も2年ちょっとないわけですから、選挙による競争ということはないので、それ以外の場での競い合い、そういう理念、政策のよさを競い合い、また実現するに当たっては多数を形成するように協力関係を構築していかないと多数を形成できないし、あるいは全ての政党が、特に復興という分野に関しては、全ての政党が意見を出し合いながら全会一致的に物を進めていくということがあってもいいと思いますし、いわば、これは比喩、例えですけれども、戦争の時代から外交の時代に入っていくのだと思います。

記者
そうしますと、例えば県政界においても政党の再編成というか、そうした流れも出てくるとご覧になりますか。

知事
その方がいいと思えば、そういう方向に行くところも出てくると思います。

記者
今、知事がおっしゃった県政界で多数を形成していくという話がありましたけれども、国政では自民党が圧勝して多数を形成しているわけですけれども、国政での与党との付き合い方というのは、今後知事として変わっていくのか、そこについてお伺いします。

知事
まず、政府との関係は、これは何党の政府であろうとも政府同士きちんと国と県としっかり力を合わせて、まず復興を推進していく、復興以外のさまざまな行政分野についても力を合わせてやっていくということでありまして、日本の国の政治の仕組みは議院内閣制で、内閣は政党をベースにしていますから必要に応じて政党の方にもいろいろ働きかけていくということになります。

記者
その政党は自民党なわけですけれども、自民党との距離感というか、そことの付き合い方というのは今後、選挙前とは見直すというか、変わっていくのでしょうか。

知事
選挙前にも政府与党に陳情要望しに行ったとき、根本復興大臣が「党では大島理森さんが復興の本部長をやっていて、大島、根本でタッグを組んでやっている。」と言っていたので、「そこに私も混ぜていただいて、岩手県も入れて復興3本の矢でいきましょう。」と言ったら、根本さんが「あっ、それいいですね、復興3本の矢、そうしましょう。」というような話をしていたので、そういう関係で復興を進めていきたいなというふうに思います。

記者
先ほどは選挙の期間中と今後は違うということをおっしゃっていましたけれども、生活の党の関係というのをあまり前面に押し出さない、そういうふうになっていくのですか、今後は。

知事
そもそも選挙や選挙の準備的な形では政治、国政には関与しないということですね。

広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は7月29日(月曜日)の予定です。

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