平成25年7月9日知事会見記録

ID番号 N12157

(平成25年7月9日10時30分~10時59分)

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。

知事
きょうは、上野副知事の退任を発表事項といたします。このたび上野副知事が7月17日に退任し、理財局次長として7月18日付で財務省に復帰することとなりましたので、お知らせします。
上野副知事は、平成22年9月1日就任以来、平成24年2月までは宮舘副知事と、そして現在まで千葉副知事とともに県政のトップマネジメントを私と分担し、また東日本大震災津波発災後には復興局長の職も兼ね、獅子奮迅の活躍で応急対応から復旧・復興に大いに貢献をしていただきました。
後任につきましては、引き続き財務省から招聘したく調整をしているところです。
以上です。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
それでは、ただいま知事の発表につきまして、各社から質問があればどうぞお願いします。

記者
7月の退任ということになりますが、後任については財務省から招聘する方向でということなのですけれども、時期についてはいつごろということになるのでしょうか。

知事
今年度の財務省人事が通常国会が終わって行われる中で、上野副知事の人事も今回あったわけですけれども、次は来年度の財務省人事に向けて調整をするということであります。

記者
めどというのは、まだ立っていないということになるのでしょうか。

知事
それは全くこれからというところです。

幹事社
他はございませんか。
では、一言。先ほど知事は獅子奮迅の活躍をされたというお話がございましたけれども、改めて振り返って特に1つ挙げるとすればどういった点でありますか。上野さんが頑張ったという。

知事
1つといいますか、大きく言えば、いわば復興院の事務総長のような仕事をしてくれたと思っています。復興院というのは、今もし後藤新平さんがいたら、東日本大震災復興院、東北復興院というものをつくっていただろうということで、実際にはできていないのですけれども、今ある復興庁よりももっと大きなオールジャパンでの復興を進めていく大きな枠組みの中の要の役割を果たしてもらったと思っていまして、市町村、県、国が一体となって進める復旧・復興ですから、岩手県内において復興に貢献してくれただけではなくて、国の復興構想会議の提言の作成や、それが内閣の復興の基本方針、基本的考え方になっていく、そうしたところもいわば司令塔の役割を果たしてくれたと思っておりまして、これはもう本当に計り知れない貢献をしてもらったと思っています。

幹事社
ありがとうございました。

幹事社
それでは、本日は幹事社としての質問は用意していませんので、各社からそれぞれ質問させていただきます。

記者
ちょっと投票率についてお聞きしたいのですが、期日前投票が最初の3日間で岩手でも3,000人余り多くなったということでした。それに対する所感を……

知事
3,000人多くなった?

記者
多くなったと。岩手県内で。全国的にも……

知事
前回の参院選と……

記者
比べてですね。

知事
3年前の参院選と比べて。

記者
はい、そうです。3年前の参院選と比べて3,000人余り多くなりました。全国でも増加はしているのですが、岩手では60%増と大きくなっています。それについての所感を、投票率が低くなることが懸念されている中で、なぜ投票率が大切かということを知事の口からお願いします。それに対する所感をお願いします。

知事
制度の周知が広がってきているのだと思います。投票をしやすくする、その投票日に都合が悪い人が投票しないでしまわないようにというための制度なので、それが活発に活用されているというのはいいことだと思います。そして、国政選挙、常に大事なわけですけれども、投票に行くということが大事ですので、ぜひ投票所に足を運ぶよう、あるいは期日前投票をするよう、私からも呼びかけたいと思います。

記者
それに加えて、ネット選挙運動が今回から解禁になって、それについても各候補がツイッターや動画サイトを使って情報発信している中で、そういったものも投票率のアップに寄与するのではないかと言われていますが、その辺についてもどうお考えでしょうか。

知事
今までにないような切り口から選挙に関心を持ってもらえる、そういう可能性が広がったと思います。ネット選挙運動解禁ということも、この投票率向上要因に資するようであればいいなと思います。

記者
繰り返しになるのですけれども、投票率が低くなるということ自体はどういうことを懸念されて、だからこそ投票率のアップが必要なのだというのを、もう一度お願いできますか。

知事
何かマスコミ報道等を見ていますと、今回の参院選は投票率が低くなるのではないかと言われていると思います。東京都知事選の投票率が低かったことや、去年12月の衆院選の投票率が低かったことから懸念されているのだと思います。去年の衆院選から選挙の争点が見えてこない、何を決める選挙なのかよくわからない、そういうところが投票率が下がるのではないかという見方につながっていると思うので、確かに2つの大きな勢力が拮抗しながら政権交代なるかならないかとか、また政権交代をかけた選挙ではっきりしたマニフェストが競い合われているとかいう形には、確かに今回なっていないような感じもしますので、それぞれ有権者の皆さん、またさまざま報道に携わる皆さん、それから盛んにアピールをする政党、候補者、そして応援する人たちがそれぞれ今まで以上に工夫をして、今回の選挙の意義というものをそれぞれが発掘して、そしてそれを提示し合いながら今回の参院選の意義を高めていく努力をみんながしていかないと、投票率が下がってしまいそうな、そういうところがあるのだと思います。という中で、まずは投票に行こうという、そういう思い、まずは投票しようという、そういう思い、そしてネットも活用して今回の参院選の意義を高めていこうという、そういう活動、そうしたものがプラスになっていけばということを期待します。

記者
全国知事会議での内容について教えてもらいたいのですけれども、道州制につきましてかなりいろんな意見が出て、なかなかまとまりにくくなっているというふうに伺っています。知事は、その点についてどのようにご覧になっていますでしょうか。

知事
その内容がはっきりしないまま、何年以内に道州制を実現するというような法律が準備されているということで、妙に締め切りがある中で、そもそもそういう内容も決まっていないのに締め切りを決めて準備を進めていくのはいかがなものかというところから、議論が拡散ぎみなのだと思います。やはりいまだに道州制というものは、結局それで日本がどうなるのかというイメージがないまま語られているようなところがありますので、なかなか議論がまとまらないのだと思います。
地方分権というのは大事だし、また地方分権は進めなければならないと思います。もう地方主権と言えるくらいにまで徹底していく必要があると思っているのですが、一方、今の道州制ブームみたいなものに危うさを感じるところもあって、それは道州制にしさえすれば、それで何でも良くなるというイメージの中で、本来国がやらなければならないようなことを、道州制にすれば国はもう地方のことを考えなくていいとか、これは市場原理に委ねさえすれば、経済のことは政府は責任をとらなくていい、そこで弱肉強食になっても、それが市場原理だから、それでいいのだみたいな、政府の国民に対する責任を放棄していく大きな流れの中で、市場原理主義的なものがブームっぽくなったり、また道州制がブームっぽくなっているような、そういう危うさを感じます。
今ある県や市町村がやらなければならないこと、またやれることもたくさんあるわけで、そういったところを進めていくことにエネルギーを割く方が、何か姿かたちのない道州制ということに過剰な期待を抱いていくよりはいいのではないかなと思っています。

記者
ありがとうございます。もう一点お願いします。参院選についてなのですけれども、宮城県知事が10日に自民党の応援のために岩手県内に入るということが決まりまして、そしてその理由にILCの誘致実現のためには、政権与党への力というのが必要と考えていて、岩手のためにも自民党を応援したいというふうに会見でおっしゃっていたそうです。そのことにつきまして、知事も一生懸命生活の党を応援されている立場でいらっしゃいますし、どのようにお感じになっているか教えてもらえますでしょうか。

知事
選挙に参加していくに当たって、どういう思想、信条の下に行おうと、またどういう理念、政策を唱えようと、それは憲法が保障する基本的な自由でありますので、宮城県知事さん含め、いろんな方がいろんな形で選挙に参画していくのは、選挙戦を盛り上げて、選挙全体の意義を高めていくという中では、影響力ある人がいろんな形で選挙に参加していくということは、基本的にいいことだと思います。

記者
岩手のためにも自民党を応援したいとおっしゃっていることについてはどうでしょうか、いかがお感じでしょうか。

知事
日本全体のためには、生活の党を応援した方がいいと僕は思っていて、日本全体の中には宮城県も入っています。岩手県も入っているし。

記者
もう一つ、10日の日は、知事は参院選に関して何か応援だったり、活動されるご予定はありますか。

知事
今は白紙状態です。

記者
今の村井知事の件で、関連してお願いします。ILCの誘致のために自民党を応援するという、そういう言い方だったようなのです。最終的には政治的決着、あるいは与党の方を応援すれば、応援した結果、北上山地になるというような発言とも受け取れるのですけれども、ILCイコールやっぱり自民党応援という構図というか、形みたいなことに対しては、知事はどういう所感をお持ちでしょうか。

知事
ILCの立地については、研究者の皆さんが科学的な根拠に基づいて非政治的に決めるということになっていて、まさに実際にそういうふうにしていると思います。そういう意では、立地の場所とか、あとその設計については、この選挙の結果というのは基本的に関係ないと思っていますし、それを研究者の皆さんが決めたことを日本政府として実行していくということについても、それはまともな政党であれば、どの政党が政権を取っても、そこはしっかり進めていくのではないかと思います。超党派の議員連盟でも、超党派議連に参加しているような政治家や、その背景の政党とかの皆さんであればどこでもいいし、そこに参加していなくても、ILCに関心を持ったり応援したりしている人や政党関係はどこでもいいと思うのですけれども、いずれそうやってわっしょい、わっしょい、ILCというふうにこの選挙の中で、いわば今回の参院選というのをILCを日本につくるための参院選と位置付けて、私もそれもあると思っていて、そこは例えば岩手の関根敏伸さん(生活の党)は、岩手の県議会のセルン視察団の団長までやられた方なので、そういう方が参議院議員に当選し、仲間の生活の党の人たちと一緒に力を込めて運動してくれれば、それは大いにILCの日本建設に資することにもなると思うし、そうやってわっしょい、わっしょい競い合うということはいいのではないかなと思います。

記者
まず国内候補地ということですけれども、政治的な決着で決まるものではないというふうに知事は捉えていらっしゃるのでしょうか。

知事
それはもう選挙前からみんなそう言っていることで、政治的に決まるのだという話は、私は聞いたことがないです。逆に、ノーベル賞を取られた小柴先生みたいに、絶対そういうことがあってはならないとか、非政治的に決めなければならないという発言の方が、まず研究者の皆さんはそう発言されていると思いますし、政治家の皆さんもここは研究者の皆さんに決めていただくのだとかいうふうに発言していて、そして今政府がやろうとしているのは、日本学術会議に方向性も定めてもらって、政府はそれを尊重するみたいな話なので、基本的にそういう研究者、専門家主導の体制で進んでいくものだと思います。

記者
その意味では、村井知事が会見でILCのためにと言ったのは、違和感みたいなものというよりは、影響力のある人が参加すると、冒頭おっしゃったことの延長で、特に違和感を覚えるとかというようなことはないということですか。

知事
僕は、わっしょい、わっしょいという趣旨で話されたのではないかなと思っておりまして、詳しいというか、厳密な趣旨はご本人に聞いていただきたいと思います。

記者
先週末に参院選に関してマスコミでも各社情勢調査の序盤の調査が出ましたけれども、その中で知事が応援されている生活の党の関根さんは、ちょっと数字というか、情勢として苦戦しているというような状況が報道されたと思うのですが、それについて全体の情勢も含めてどのように受け止めているか教えてください。

知事
私が衆議院選に初当選したときは、もうスタート時点でもダブルスコアぐらい離されていたということで、公示日とか、あとその直後の調査というものが選挙の結果と全然違うということは経験しておりますし、2回目の選挙も事前の調査では遅れをとっていたようなふうに記憶していますし、あれは結果の予測ではなくて、その時点での調査報告ということで報道されているのだと思いますけれども、それはそういうことなのだと思います。
一方で、私の場合に、序盤戦とか、あるいは選挙前とか、当選したにもかかわらず調査では低い数字だったというのは、有権者の関心がやっぱりまだ高まっていなくて、まだ決めていないとか、考えていないとかいう状態の中でそうだったので、さっきの投票率の話とも関係しますけれども、今回の選挙、かなりまだ決めていないとか、まだ考えていないとかいう人が多いのではないかなというふうに見ています。

記者
そうすると、今後投票態度を皆さんが決めていく中で、生活の党への支持も伸びていくはずだというふうに考えていらっしゃるということですか。

知事
その質問に対してはかなり応援演説風なことを話さなければならず、こういう記者会見の場でどこまで応援演説的な話をしていいのかというのは、ちょっと考えるところもありますが、特にまだきょうは県議会本会議もありますので、県議会本会議があるときのこの定例記者会見というのは、かなり議員の皆さんにも注目をされていて、議会のあり方から何か疑問を抱かれるようなことを言うと、議会で取り上げられたりするわけですよ。でも、議会でさまざま取り上げるのは、これは議会の自治、議員の皆さんの自由でありますから、私は私で、記者の皆さんとの関係で聞かれたことに答えようと思いますけれども、関根敏伸さんが言っている理念、政策、生活の党の理念、政策なのですけれども、これはやはり21世紀、新しい日本にふさわしいものだと思いますので、これは選挙戦が進んで、有権者の皆さんの関心が高まれば高まるほど支持はどんどん広がり、増えていくと思います。国政は全くの新人ですから、県議会議員時代の実績、自由党の頃から県議会議員をやっていて、岩手で自由党、民由合併、政権交代、マニフェスト選挙、そういうものを岩手の中でしっかりつくり、そして全国に発信して、日本全体の政権交代とか、マニフェスト選挙による日本の民主主義の新しい段階への進化とか、そういうものに今まで貢献してきたということもこれからどんどん知られていけば、支持はどんどん広がり、高まっていくと思います。

記者
週末には、紫波とか盛岡市内で関根さんと一緒に知事も街頭に立たれて応援演説をされていたと思うのですけれども、そのときの有権者の反応とか、そういった手応えとか、今後は同じように週末を中心に一緒にそうやって回るのか、今後どういうふうな形で応援をしていくのか、具体的に教えてください。

知事
関根さんを初めて見たとか、握手、初めて触れ合う機会があったという人がいて、やはり選挙がスタートして支持が拡大していくのはこれからなのだなというような印象を受けました。私がどういうふうに応援していくかということは、それは日々私の使える時間との兼ね合い、またご本人や選対本部のさまざまな動きとの兼ね合い、そして選挙情勢全体とか、日本全体の世論のトレンドとか、そういうものを見ながら、自由に対応といつも言っているのですけれども、それはまた戦略的にという意味でもありますので、対応していきたいと思います。だから、絶対こうやるとか、必ずこうやるというものではないですので、選挙のそういう運動というのは。自由にかつ戦略的に対応していきたいと思います。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は7月16日(火曜日)の予定です。

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