平成25年6月25日知事会見記録

ID番号 N12155

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。

知事
きょうの発表事項は、「スマイル130(いちさんまる)プロジェクト」の展開についてです。「130万人誰もが笑顔に」をスローガンに「県民の笑顔のために」、「感謝の笑顔を県外、世界に届ける」を活動のコンセプトとした「スマイル130プロジェクト」の全庁的な取り組みについてお知らせします。
このプロジェクトは、「プロジェクト推進の機軸となる事業(機軸事業)」と、「職員の自発的取組」の2つの柱立てがあります。
まず、「機軸事業」は、県の施策としてプロジェクトの理念に基づき事業を推進し、復興の一層の加速化を図る。本日時点で70事業を機軸事業として位置づけて、事業を展開しています。
それから、プロジェクトの目的・コンセプトに沿った「職員の自発的取組」については、本日時点で28件の取組が登録されており、今後もさまざまな取組が実施されていくことで復興の加速化に資することを期待しています。
なお、このプロジェクト推進のためのシンボルマークを職員から募集、応募のあった134作品の中から選考したデザインと、県のPRキャラクターわんこ兄弟を組み合わせて作成してあります。今後、プロジェクトの理念の浸透などに活用していきたいと思います。
このプロジェクトの展開によりまして、多くの応援職員を含む県職員の自主性を発揮しながら、県民とともに、県内外のさまざまなつながりの力を育てて岩手のあるべき未来に追いつく復興をさらに効果的に推進したいと考えます。
以上です。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
それでは、ただいまの発表事項について、各社質問があればお願いします。

記者
新年度当初予算のときからのプロジェクトだと思うのですけれども、知事ご自身このプロジェクトに期待している部分と、現在までの進行状況をどのように評価されているのかをお聞かせください。

知事
まず、後者については大分事業としてもそろってきたので、本格的な形になってきて、いいなというふうに思っています。期待しますのは、復興の公式として「地元の底力」+「さまざまなつながりの力」=「復興の力」というふうに思っているのですけれども、地元の底力を発揮する中で県職員の底力を発揮するということで、いい企画だと思っています。そして、さまざまなつながりの力と合わせていくわけでありますけれども、実は県職員は今かなりの応援職員に参加をしていただいていますので、実は県職員の底力を発揮するというところにさまざまな力も育てるというのは入っていて、そういう復興の力を発展させていく、そういうダイナミックな展開を県職員の自主性をベースにしながら展開するということを期待しています。

記者
知事ご自身は、今の職員の自発性というのをどのように感じていらっしゃいますか。

知事
I援隊運動の頃から非常にいろんなアイデアが出たり、またいろんな時間を利用しながらそういうことをつくっていくというのがすごいと思っていたのですけれども、今は特に応援職員の皆さんと連携しながらの、いろんな企画がどんどん出ているところが頼もしいなと思います。

幹事社
他に各社質問があればお願いします。

記者
きのう知事からも短いコメントをいただいたのですけれども、区割り改正法案(衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案)についてもう一度、今回の決定についての受け止めと考え方を教えていただきたいと思います。

知事
憲法違反が指摘されている一票の較差を是正していこうということで、まず可決されたということなのですけれども、改めて去年そういう違憲状態で解散・総選挙をしてしまったということはどうなのかという疑問がわいてきているので、そういうコメントをしたところであります。

記者
知事とすれば、それであればこういうふうに対処すべきであったという考え方を教えてください。

知事
3党合意で、まず解散・総選挙をしましょう、その後で定数是正をしましょうという話があったわけですけれども、それであればやっぱりその解散・総選挙というのは違憲な、異常な選挙だということを確認した上でやろうということですから、やっぱりそういう進め方は極めて異常だったのだと思うのです。本来であれば、3党だけではなくて、オール国会としてきちんと違憲状態を解消することをまず国会の責任としてやると、解散云々ではなくですね。それをまず国会として取り組んで、選挙の前の国会の状態で違憲状態を解消するという責任を果たしておくべきだったのだなと改めて思います。

記者
それを受けて、知事のお考え、そうだったと思うのですけれども、実際にこのように改定法案が決まったということを受けて、ではこの辺からどのようにしていくべきだというか、どういうふうに受け止めてやっていくかというところについてもお話しいただければと思います。

知事
1つは、そういう違憲状態と分かっていながら解散してしまった野田内閣という存在、それをつくっていた民主党としての反省というのが改めて問われるべきだと思いますし、また、自民党は自民党で解散、解散、とにかく解散ということを迫って、そういう違憲状態の是正というのを後回しにしてしまった、その反省というのが明らかにされるべきだと思います。

記者
最後にしますけれども、山田町の選挙区が変わりましたけれども、それに対する影響はどういうふうにあるというふうに知事は考えていらっしゃいますでしょうか。

知事
影響といいますか、まず違憲状態を是正していかなければならないというのは国会の責任であると同時に、国民としても違憲状態を是正していくということは、やはり国会を通じて進めていかなければならない、国民全体の責任であると思いますので、一方で選挙区が変更になるということは、それまで選挙に一生懸命いろいろ関わっていた皆さんほどそうではないような選挙の参加の仕方になってしまうことについては、いろいろな思いがあると思いますので、そういった思いは思いとして、やはり政治参加の観点から大事にしつつもまず日本国民としての務めを果たしていくということで力を合わせなければならない局面なのかなと思います。

記者
平泉が(世界遺産)登録2周年を迎えますが、それの現在の知事のお考えと、3年目に向けてどうしていきたいか、どうしていくべきか、それには何が必要かみたいなところでお考えを伺えればと思います。

知事
まず、世界遺産になる前に既に1,000年近く、900年ですけれども、地元の皆さん、そしてそのとき、そのときの統治の任に当たっていたさまざまな主体、伊達政宗とかも含めてですね、がずっと守ってきた文化遺産なので、それはまずこれからも守っていかなければならないし、今までどおりということなのですけれども、一方、平泉の良さとか価値をご存じなかった皆さんが世界遺産ということで注目して知ってくれる、それがあるので世界遺産というのに登録されることは大いに意義があるということで取り組んできたところがありますので、まず世界遺産登録というニュースで改めて平泉のことを知ったという人がこの2年間たくさん増えたことはよかったと思います。引き続き、まだご存じない皆さんにどんどん平泉を知ってもらうということをやっていかなければならないと思いますし、そのためにも既に知っている我々地元の人たちが平泉の良さ、価値を改めて認識するということをしっかりやっていかなければなと思います。

記者
知事は既にご存じかどうかまだ承知していませんけれども、けさ小泉光男県議が自死されたという一報が入ってきたのですけれども、そのことについてもし把握されていれば、ご所感ありましたらお願いします。

知事
小泉県議はしかるべき得票数を得て当選し、県民の負託を得て県議会議員として大変意欲的に県議会でも活動され、質問にも立たれ、今回のことは大変残念なことだと思います。ご冥福を祈りたいと思います。

記者
もう一度、しばらく定例記者会見もないので、参院選の対応について改めてお聞きしたいと思っております。このしばらくの間にどういうふうに関わっていかれるか、生活の党に対してはどういうふうに関わっていかれるかというのはお決まりになりましたでしょうか。

知事
山形の吉村知事さんが義や恩を大切にしたいと議会で答弁されていると聞きまして、うん、なるほど、そのとおりだなと思い、マニフェスト選挙というのがせっかく確立しつつあったのにマニフェスト違反、マニフェストに反する政策を政権与党が強行して、それで政治の信頼が損なわれ、うそや裏切りや何でもありみたいな国会、国政になってきているというのは非常に由々しいことでありますので、吉村知事は個別、具体的な対応を想定して義や恩を大切にしたいとおっしゃったのだと思いますけれども、私もそういう思いは同じくしておりますし、さらに政治全体との関わり方についても、そういう義や恩を大切にするような、そういう基本をきちっと押さえた政治が日本において再生されていくこと、そのためにどういうことができるかというのを考えながら対応していきたいと思います。

記者
今、義や恩ということをおっしゃっていらっしゃいましたが、知事にとって義や恩を感じる人や政党というとどちらになりますか。

知事
そこまではきょうは言わないでおきたいと思います。

記者
確認ですけれども、2007年のときは確か当時の民主党を応援されたと思うのですけれども、そのとおりでよろしいでしょうか。

知事
あのときは階猛候補に私の赤い勝負ネクタイを引き継いで、達増拓也の政治を岩手1区で引き継いでくれということで階猛候補とともに、参院選と同時選挙になっていましたからね、参院選では平野達男候補、最初の選挙のときから私は選対本部長を務め、日本で一番の大接戦を戦って勝利して、平野達男さんに参議院議員になってもらい、2期目も引き続きということで戦ったわけでありますけれども、残念ながら今それぞれ達増拓也あるいは小沢一郎の政治とは違った方向に進んでいるので、そういう意味では2007年とは全然違う展開にならざるを得ないというふうに思っています。

記者
2010年のときには、公示の前ぐらいに民主党を応援されるというふうにおっしゃって、そして全面的に応援されたと思いますが、今回もそういうふうにやっていかれるというふうにお考えでしょうか。

知事
基本はこうでなければだめ、ああでなければだめというのは政治参加する上であまりよくないと思っていますので、そこは自由にやらせていただきたいと思っています。

記者
先週の金曜日に東京電力に対して第4次請求が行われましたが、そのときに併せて、岩手県としてはじめて公開質問という形で東電に対して質問状を手渡したと思うのですが、改めてこれを行う趣旨と、あとツイッターの中でもこの質問状を出すということについて触れられて、そもそも東電と被災者という形自体があまりよくないのではないかというお話もされていますが、その点について知事の見解を教えてください。

知事
平時における民事の争い、対等な当事者同士のトラブルの解決というような枠組みの中で対応を迫られているわけでありますけれども、そういう中で東電側は東電として賠償すべき責任についてかなり制限的に解釈する、あるいは制限的に解釈していると思われるような対応をずっとやってきていますので、そういった基本的な考え方のところから原発、国策として進められてきて、一つの会社に任せられていたそういう原発の運用ということから発生した、また非常に特殊な事故で、それに対して、特に県、市町村など行政は地方自治法に定められる務めを果たす、住民に対しての務めを果たすということで、わかりやすい例で言えば、例えば放射線を測定する機械とかも買ってやっている。しかし、それは買って、それは地方公共団体の財産になったのだから、だから賠償の対象にはならないみたいな理屈が言われているわけですよ。だから、そもそもそうではないだろうというようなことを質問で言っているわけでありますけれども、それを突き詰めると、そもそも対等な当事者間のトラブルを解決するというような枠組みで県や市町村もですけれども、農業従事者、林業、しいたけですね、従事者、産直をやっている人たちもそうですし、また観光関係もそうです。そういった人たちが、対等な当事者間でのトラブルの解決という民事の枠組みでなかなか思うような賠償を得られていないというのは、今はそういう枠組みの中でやらざるを得ないので、東京電力に対して誠意ある対応を強く求めているわけですけれども、政府の対応としては改めて東電に対して直接ペナルティーを科し、そして被害者に対しては賠償というよりも国による補償という形で被害を救済していくという、国の主体的な動きということもやはり検討されてしかるべきではないかと思っているわけです。

記者
この賠償をめぐっては消滅時効の問題等もあると思うのですが、先日国会でADR(裁判外紛争解決手続機関)に訴え出れば一部免除しますというような法案も通りましたけれども、弁護士会も含めてまだこれは不十分ではないかという指摘もあります。知事も今後東京に行かれる機会とかもあると思うのですが、今後国に対して、岩手県としてどのような働きかけをされていくのかということも教えてください。

知事
放射性物質によるさまざまな被害というのは経験したことがないような被害で、またそれに対してどう対応していけばいいのかというのも手探りの中でやっているわけですから、普通の民事上のそういう時効の論理は基本的には当てはまらないのではないかなと思っています。ですから、この3月11日の地震津波に基づく東京電力の原発事故による被害に関しては、民法の何条の時効は援用しないみたいな特別措置法を一本ぱっと決めればむしろすっきりするのではないかなと思います。

記者
ありがとうございました。別件なのですけれども、1つだけ。大谷君が球宴に選ばれたということなのですが、それについて一言お願いします。

知事
今回ファン投票で選ばれたということで、大変すばらしいと思います。実力もあるわけですけれども、オールスターはいろんな選ばれ方があるわけですが、そういう中でいち早くファン投票で選ばれたというのは私としてもとってもうれしく感じます。

広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は7月9日(火曜日)の予定です。

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