平成25年4月1日知事会見記録

ID番号 N4758

平成25年4月1日10時40分から11時11分

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表事項はございません。

幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社からご質問があればお願いいたします。

記者
週末、政治関係ですけれども、民主党参議院議員の平野達男さんが離党して参院選に無所属で出馬する意向を周囲に伝達しました。復興大臣も務めて、知事も個人的に親交があると存じますけれども、まずこのニュースに接してのご感想があればお願いします。

知事
特にどうということはないのですけれども、まだ党本部など離党しないでほしいと慰留をしているようですので、まだ決まった話ではないのかなというふうに思っております。

記者
かつて知事も民主党に所属されて、党派の同志という形だったのですけれども、方向性の違いから党派の関係では袂を分かって、昨年の衆院選を経て自民党圧勝という結果を経て、今回そういう離党する意向を判断したと。生活の党との連携は明確に否定された一方で、自民党との連携が取り沙汰されているというような状況について、これまでの国政の流れから見て平野さんの判断について、何か知事のお考えがあればお願いします。

知事
いろんな意向は持っているのでしょうけれども、まだ辞表を提出したり、離党届というのですか、提出したとは聞いていないので、判断はまだしてないのかなというふうに思っています。

記者
今の質問に関連してなのですけれども、もちろんまだ判断はこれからということですけれども、このタイミングで無所属になることも考えるというような、いろいろ与党との関係も考えたかもしれないのですけれども、そういったことをこの時点で前の復興大臣だった平野さんがなさっているということに関しては、知事は改めてどんなふうに感じていらっしゃいますでしょうか。

知事
何か皆さんは私に政治のあるべき姿を説教してほしいかのような質問が続いているのですけれども、本人がまず説明をしなければならないということで、今のところまだ本人からの説明がないというふうに聞いていますし、私自身も本人からの説明とか相談とかは受けていませんので、本人の説明というものが、まずなければならないのだと思いますし、まだないという状態では結論がどうなるのかもわからないのかなと思っています。

記者
関連してなのですけれども、まだ説明はないということで、知事自身もご判断、ご発言しかねるということだったのですけれども、仮にご判断が正しいとして、県政界への影響ですとか、参院選の構図への影響というのはどのようになるというふうにお考えでしょうか。

知事
それはやはり結論が出てみないと影響とかというのは予想できないというふうに思っています。

記者
関連ではないのですが、山田のNPOの問題ですが、あす第三者協議会(「山田町緊急雇用創出事業委託に関する第三者調査委員会」)報告書が出るやに聞いていて、県の責任についても何らかの追及があるかもしれませんが、知事ご自身県議会でも追及があったかと思いますが、県の責任について、改めてこの問題において、県は何ができたのか、責任があるとすれば何か反省すべき点は何なのか、県の立場から、県の監督責任という観点からどのようにお考えなのか改めてお願いします。

知事
今まさに県としてのお金の使い方の調査の最終段階に入っているわけで、そこをきちんと調査をし、補助事業としてその適正さをチェックして、返還を求めるべき部分について返還を求めていく、それが県の責任だと思います。

記者
途中で県が何らかの形でこの事業を止めるまではできないまでも、途中でお金の使い方をチェックして、見直しさせるとか、そういったこともできるタイミングがあったのではないかという意見もあるのですが、その点についてはどうでしょうか。それはこういう混乱期はある程度仕方ない部分があったと思うのかどうなのか。

知事
結果としてこういうふうになっているというのは遺憾に思っています。一般論なのですけれども、行政がさまざまな行政以外の主体、民間企業とか、団体とかに対して協力を呼びかけて、そして協働、協力して働くという、そういう協働のスキームを進めていくに当たっては、名乗りを上げた企業や団体というのがきちんと適正に書面を提出していれば、なかなか行政の側から切ることが難しいということがあります。そこはこれからの課題として、かといってこういう結果になってはいけないわけなので、そういう企業や団体と一緒に契約を交わして作業をしていくときに相手方があえて契約に反する行動をとったときに、あるいはとりそうなときにどうするかということですね。契約違反が確定しないと手続的にあれこれ行政の側からするのが難しいのが現状なのだと思うのですけれども、そういった仕事の仕方(そういった場合の対応)、ここをきちんと工夫していかないと、民間と連携して仕事していくということが発展していくことへの妨げになるので、工夫をしていかなければならないと思います。

記者
いよいよきょうから新しい年度がスタートしました。復興の加速に向けて、改めて決意、意欲をお聞かせいただきたいと思います。

知事
きょうは人事異動で新しい職場あるいはポストに就いて仕事を始める、また新規採用職員の皆さんも、きょうから仕事ということで非常にフレッシュな気持ちで新年度を迎えることができたと思います。この新鮮な気持ちというのを復興の加速ということにつなげていくことが大事だと思っていますので、引き継ぐべきところはしっかり引き継ぎながら新しい工夫、新しい努力を加え、復興を加速していきたいと思います。

記者
特に新しい工夫が必要とされる部分というのはどのようなことだとお考えになっていらっしゃいますか。

知事
まず、引き継ぎの中でそれぞれ部署ごとにそこを考えるようにという指示を既に出しておりまして、再来週ですか、知事への業務報告という形で新体制においてそれぞれの所掌事務についてどのように今年度やっていくかという報告ということではありますけれども、それに対して私が意見を言う機会もありますので、そういったやりとりの中でまず工夫していきたいと思います。

記者
新年度に特に重点的に取り組むべき施策、課題等ございましたらお聞かせいただけますでしょうか。

知事
これは復興の全局面、また県民生活や県内の産業経済に関わるあらゆることが大事でありまして、やらなければならないことというのはもう県の予算と、そして事業の中に盛り込まれておりますので、これを全部しっかりやっていくことだと思っております。

記者
復興に関することなのですけれども、先週の復興ウオッチャー調査(「いわて復興ウォッチャー調査」)、それから復興実施計画(「岩手県東日本大震災津波復興計画 復興実施計画」)の中で遅れ、それから生活の改善状況に関しては被災者から以前よりも厳しい数字が出ております。今年度はガレキ処理を完了させる年度ですけれども、そういった現実的には加速といっても厳しい数字が出ておりますが、それに関しては改めていかがお感じでしょうか。

知事
ガレキの処理については、ものすごい勢いで加速できている分野でありますので、まずこの調子でやっていけば年度内にということについては目途が立っていると思っています。一方で、仮設住宅から次のところへの移転でありますとか、あとは被災地における経済の回復、なりわいの再生というようなことについて遅れ感が出てきて、それが復興ウオッチャー調査にも出ているのだと思いますので、こういったところはまさに加速していかなければならないところなのだと思います。
復興が後退しているわけではなく、先に進んではいるのですけれども、変化の率、変化の割合が急速な復興から変化の度合いが弱まってくる中で停滞感が感じられているのだと思いますので、一つはまず加速していくことなのですけれども、あとはその変化の中身について、特に用地(取得)手続ですね、これが目に見えないけれども、これが何カ月あるいは何年とかかかる手続、それの実態ということがあまり世の中には知られていないので、全国駆け回り、また外国にまで行って用地(取得)の手続をしているのだという、実は復興のプロセスの中でも非常に劇的な部分だと思っておりまして、外には何にも見えないで、行政が何もやってないかのごとく見えるのだけれども、実はここで話がつけば数カ月早く着工できる、でもここで話がつかなければ数カ月着工が遅れるみたいな非常に劇的な勝負を展開しているという、その辺をきちんと伝えられるようにできればなというふうに思います。

記者
仮設住宅の方も1年延長になって4年間という期限になるということなのですけれども、それに関しては、改めて今の最後のところの部分と関連して、被災者に対して、よりどう具体的にそれを伝えるか示していこうとお考えでしょうか。

知事
まず、あさって午前中は三鉄南リアス線の盛―吉浜間の開通式に出るのですけれども、午後から片岸(海岸)防潮堤のところの国がその用地(取得)手続簡素化のモデルケースとするという、そこに行きまして、地元の皆さんとも意見交換する機会を持ち、まずその辺を突破口にしていきたいと思っています。

記者
そこで具体的によりわかりやすく、どのように説明されようと、今年度通してなのですけれども、思っているのでしょうか。

知事
実は今何をやっているかということはマスコミの皆さんには公開されているので、マスコミの皆さんにどう説明するかというのが一つ大きいと思っています。具体的なこととしては。

記者
もう一つお願いしたかったのですけれども、お聞きしたかったのですけれども、ちょっと話題は変わりますけれども、先週、衆院選の区割り審の勧告(「衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定案についての勧告」)が出まして、それで0増5減で、県内の影響としては2区の山田町が3区に合わさるという案が出ましたけれども、知事はこの間のコメントでは余り賛否についてはお話しなさってなかったのですが、その賛否についてご意見を伺えればと思います。

知事
賛否というよりも定数是正というのですか、一票の重みを均等にしていくということは、これはもう憲法の理念に従ってやらなければならないことであって、政府というか、第三者機関も使って、そういう一票の価値の均衡化について作業を進めているというふうに認識しております。

記者
一票の重みというのも非常に大事な問題ではありますけれども、実際地元の首長からは地域性をもっと考えてほしいという反対の声なんかも上がっています。知事としては、その辺に兼ね合いというか、バランスというか、その辺についてどう思われますでしょうか。

知事
盛岡市玉山区のこともそうだと思うのですけれども、全国的には市が2つに分けられたり、あるいは東京の区が2つに分けられたり、同じ郡が分けられたりということはあるのです。それは一体としてやれるなら一体としてやれるにこしたことはないと思うし、基本にはそれを尊重しているのだと思います。人口比で、数で機械的に決めるというのを徹底すれば明治維新直後に大区、小区というのがありましたでしょう。既存の町村という枠組みと全然関係なく人口で地方に大区、小区という区割りを決めて、それで地方制度をやろうとして、結局町村でやる方がいい、効率的だから大区、小区というのは廃止になった経緯があるのですが、ただ選挙制度の組み立てとして理屈で突き詰めて考えれば、大区、小区というのがあり得るにもかかわらず、基本的に市町村ベースに今でも選挙区割を考えているというのは、まだ配慮はしているということなのだと思っております。
あとこの機会に言いますと、さはさりながら衆議院議員選挙の選挙区割り、各県にまず1議席割り当てて、そこからあと人口比を考える等々、過去、地方の人口の少ない県に有利な決め方がずっとされていたわけであります。今さまざま最高裁の判決も出て、そういうことはやめましょうという流れになっているのですが、日本国憲法の国会、衆議院に関する決め方を見ると、やはり衆議院は全国民の代表でもあり、地域代表というよりは全国民の代表としての人口割りで決めていくということが基本なのだなと突き詰めれば思います。ただ、それは特にここ10年、20年、経済情勢プラス経済政策のせいもあって人口流出が異常に続いて、本来あり得べき以上に都市の方の人口が、人口集中が都市に向かったという中で、全国民の代表である国会議員の皆さんがよほど日本全体のことをしっかり考えないとますます地方切り捨て、格差拡大型の政策が続いて、さらに地方の人口が減り、地方から選ばれる国会議員が減るという悪循環に陥っていく危険性は指摘しておきたいと思います。ですから、東京の方などで選ばれた国会議員の皆さんも全国民の代表なのだという自覚をしっかり持って地方切り捨てにならないような、日本全体がよくなるような、そういう政策論の次元で地方の少数派を守っていけというのが日本国憲法の理念なのかなと思います。だから、山田町というのは被災地の中でも最もきついところの一つなわけですから、全国民の代表たる国会議員全員が山田町のことをしっかり考えてくださいということです。

記者
あさって3日、三陸鉄道の南リアス線が部分再開するわけですが、地域の足として期待するところも大きいと思いますが、知事として期待する部分をお聞かせ願いたいのですが。

知事
本当によかったと思います。この2年間ずっと地元の声、早く乗りたい、使いたいという声が聞こえてきていましたので、まず予定どおり年度初めの開通となってよかったと思います。早く三陸鉄道の他のところも直して、今年度中に直し、来年度からは全面開通というふうに早くしていきたいと思います。

記者
一方で、接続しますJR山田線などまだ見通しが立たない部分もあるのですけれども、これから早期再開に向けて、県としてJRにどのように呼びかけていきたいと考えているでしょうか。

知事
今までも働きかけ、さまざまなルートでやってきているわけですけれども、南リアス線が釜石まで延びていくという中で、山田線の部分の開通というのを早く実現してほしいということをさらに伝えていきたいと思います。

記者
再び民主党の平野達男さんの問題について伺いますけれども、現時点で今夏の参院選に向けて、生活の党との連携はないということだけは現時点ではっきり明言されていると思います。その点について、何か感想等ありましたらお聞かせください。

知事
よくわからない話でありまして、なぜそうなのかという説明がないので、では生活の党が言っている消費税に慎重にとか、TPPはまずいのではないかとか、そういうことに強い反対の姿勢でいるのかと思ってしまうわけですけれども、そうなのかもしれませんが、それも含めて本人が説明をしなければならないところだと思います。

記者
知事は「国民の生活が第一」の県連設立時に、かつての同志だった階猛さんに合流を呼びかけたという経緯がありましたけれども、今回も平野さんにそういった連携を呼びかけていくというお考えが現時点でありますでしょうか。

知事
誰がというよりも、実現すべき理念や政策、選挙は就職活動ではありませんので、現職の皆さんが現職でいたいという就職活動のために選挙があるわけではありませんので、民意を束ねて新しい形にしていくのが選挙なので、どういう訴えを選挙で行い、そしてどういう新しい民意の形をつくっていくかということを競い合うのが選挙でありますので、そういう意味では衆院選で大敗を喫した後の民主党というのは、去年の夏ごろの三党合意で消費税というのに突っ走っていたころの民主党とは何か違うものを目指しているのではないですか。そこは民主党の方に聞いてほしいところではあるのですけれども。ですから、誰がということでもなく、また何党ということでもないと私は思っておりまして、ともすれば地方切り捨て、格差拡大型の経済、社会政策が国によって行われ、それが復興の妨げにもなってしまう。菅内閣のときにも消費税増税、TPP、そっちの方を優先で復興への手当てがどんどん遅れていった、ああいうのはよくないと思っているので、民主党がもうあれこそ民主党なのだと、今度の参院選でもああいうことを訴えて戦うのだというのであれば、それはちょっと私としては嫌だなと思いますし、また民主党の中にいる人がそっちの方向に行きたいのであれば一緒にやりましょうというわけにはいかないし、要は復興が加速して、岩手のためになるような理念、政策、それはひいては地域の活力、地方の活力を生かしてよりよい日本をつくっていこうという方向性だと思うので、そういう方向に日本が大きく動いていくような参院選になればいいなというふうに思っております。

記者
参院選の関係なのですけれども、昨年の衆院選では、知事は生活の党の前身でもある日本未来の党の勝手に応援団という形で候補者の方と一緒に動いたりということをされていたと思うのですが、夏の参院選ではどういった立場で、どういうふうに動こうと考えられているのか、現時点でどのように考えているかお聞かせください。

知事
未来の党というのはオリーブの木を日本でやろうとしていたわけで、理念、政策で一致できる勢力が結集していく、そういう枠組みが未来の党だったわけで、それであのときもそういう未来の党を応援する、賛同者になると言いつつも、他にもこれから入ってくる人がいるかもしれないし、政党としては未来の党に入らなくても同じ理念、政策でやろうという人たちは応援したいということでいたわけです。それは今でも変わっていなくて、さっき言ったような理念、政策の方向性で行くというのであれば、何党であれ、誰であれ、その理念、政策は実を結ぶような形で関わっていきたいというふうに思っています。
だから、民主党がかつて国民の生活が第一マニフェストを掲げて、そして一気に政権交代だと言っていたような時期、ああいうときであれば民主党の党員になって、今こそ政権交代を私も応援しますというような形で国政に関与できたのですけれども、今は全然そのときと違いますので、あのときとは国政への関与の仕方も、おのずから違ってくるというところです。

記者
基本的には生活の党と行動をともにされるということでよろしいのでしょうか。

知事
繰り返しますけれども、何党だとか、誰だとかという点で決めるわけではないのですが、ただ生活の党というのは今言ったような政権交代のときの国民の生活が第一マニフェストの理念、政策をしっかり引き継いで、あれを日本で実現しようとしている党だとは思っていて、それは大変結構なことだと思っています。

記者
TPPの交渉参加について撤回を求めていくという考えをこれまでも示されていますけれども、現時点で具体的な対策、例えば民間との連携ですとか、県庁内に対策を考える組織を設けるですとか、そういったお考えがもしありましたら教えていただきたいと思います。

知事
そうですね、そういうことも引き継ぎながら県の新体制の中でそれぞれ関係のところで検討していってもらおうと思います。

広聴広報課
それでは、これをもちまして記者会見を終わります。
次の定例記者会見は4月8日(月曜日)の予定です。

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