平成25年5月7日知事会見記録

ID番号 N4752

平成25年5月7日10時30分から10時48分

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表事項はございません。

幹事社
きょうは記者クラブを代表しての幹事社からの質問はございませんので、各社から質問があればお願いいたします。
ないようでしたら、私から質問したいと思いますが、ガレキの処理に関して幾つかお伺いしたいことがあります。先ほど10時から東京の方で石原環境大臣が記者団の質問に応じまして、そのときの回答として、岩手県内では広域処理の受け入れ先のめどが立ったことや、あと県内での処理の処理先のめどが立ったということで、もともと目標としていた来年の3月というか、年度内ですかね、その処理が間に合う見通しになったということを発表されたようです。これに関して、まず、めどが立ったというふうに国の方が言ったことに関する知事の所見からお伺いしたいと思います。

知事
広域処理については、漁網とか幾つかの専門的な分野で調整中のところもあると聞いていたのですけれども、調整中のところも含めて、まず基本的にお願いしている分について、また、お願いする予定の分についての処理が基本的に順調に進んでいるということはあると思っていますので、処理いただいている自治体や関係の皆さんに感謝したいと思っております。
ガレキの処理全体についても、津波堆積物など、まだ行き先が確定していないようなところも量的には少なからずあるという報告は受けているのですけれども、一方、かなりの部分は資源として使えるものであって、ガレキというよりも資源というようなものの次の行き先を調整していくという段階に入っているということで、3年以内にガレキの処理をするということが、おおむねそういう方向で進んでいるというのは、いいことだと思っています。ただ、報道で、ある町で子供にガレキを見せたくないから、その町から岩手内陸の方に引っ越す人もいたと知りました。そういう意味で、ガレキ(の処理)は早ければ早いほど処理が行われる方がいいわけでありまして、3年なら3年かける必要というのはないわけですから、さらにできるだけ早く処理を進められるよう工夫できればと思っています。

幹事社
今の知事の発言の中で、津波堆積物の話が出ましたけれども、復興資材の利活用ということを今おっしゃられたのですけれども、その利用率が伸び悩んでいるということも一つ大きな課題だと思います。
あと工事の発注が、例えばどんどん、どんどん、遅れれば遅れるほど、せっかく資材としてあるものが使えないまま残ってしまうという課題もあると思うのですけれども、こういった津波堆積物をどう利用率を高めていくか、どうやってスムーズに復興資材として使っていくか、この辺りに関して知事のお考えをお伺いしたいと思います。

知事
基本的には、今、県、一方では市町村と、また一方では国と、そして関係の企業、団体等と一緒になって足りない資材、余っている資材をどのように復旧、復興に使っていくかというのを調整しながら進めていますので、そこでうまく調整が図れればというふうに思っています。ただ、国の方にもオールジャパンでの資材に関する情報、あと、それと関連して人手についても情報、またノウハウが国の方にもあるので、特に復興加速化という中で、オールジャパンで資材、余るものを使っていく、また足りないものを補っていく、そういうところも国の方でもいろいろ考えてもらえればというふうに思います。

幹事社
もう一個、ガレキに関して。今回広域処理でお願いしている分以外に、今後不燃系の混合物ですか、これに関してもしかすると10万トンくらいは自分たちの県で処理できない、岩手県内で処理できなくなる恐れがあるというふうな形で計画に盛り込まれたのですけれども、こういうことに関し、どういうふうに取り組んでいくのか、あるいは、もしそれがめどが立たなくなった場合は県で広域処理先を探すのか、あるいは国にもう一度お願いするのか、この辺りの見通しも含めて教えてください。

知事
広域処理は、そもそもの趣旨が被災地におけるガレキの処理を一日も早く終わらせることに被災地以外の地域も協力したいという発想から出ていますので、そういう話が今後また新しく出てくるということは歓迎をしたいと思いますし、そういう中でうまく調整が図られるということは好ましいことだと思っています。ですから、そういうときに自治体が手を挙げていく展開になるのか、あるいは国が調整するかということについては、その調整の状況の中で出てくる話なので、必ずこういうやり方でやらなければならないということはないのではないかと思っています。

記者
釜石の片岸地区のモデル事業ですね、17人でしたか、契約にこぎ着けたということなのですけれども、これから一番問題になるいろいろな地権者との交渉が始まると思うのですけれども、このモデル事業についての知事の見通しですね、それと前から市町村の権限をもう少し拡大するような抜本的な法改正のようなものを求めていらっしゃったと思うのですけれども、これはあくまでも今のモデル事業ではなかなか難しいというお考えなのか、その辺りのご所見をお聞きしたいのですけれども。

知事
国の方でもモデル事業をやりながら、国の制度を大きく変えることが必要であれば、それはやぶさかではないという基本的な考えだと私は理解していますので、実際、今既存の制度の中で年単位でかかることが数週間で終わったりというような、非常に加速されている部分もあるのですけれども、一方でそういった既存の制度の中のやり方でカバーできない部分というのがあるというのも並行して見えてきていますので、今ある制度の中でどんどん改善的な加速化をしていかなければならないし、それはそれなりの効果があるというのが見えると同時に、それでカバーできない、やはり抜本的な、改革的なことを必要とするところもあるというのも見えてきているのではないかと思いますので、それぞれなのだと思います。それぞれをやはり県から国に要望していかなければならないというふうに思います。

記者
手続を進めるに当たって、かなりマンパワーが不足しているのではないかと、いずれにせよモデル事業をやるにしても、振興局等々の人員が非常に不足しているという声が出てきているわけなのですけれども、これについては県として、あるいは国に対してもう少しマンパワーの強化みたいなものを求めていくお考えはないのかどうか。

知事
これは現状でも既存の制度の中で、主として他の自治体からの応援を増やしてほしいということを他の自治体にお願いしつつ、また国にもその支援方お願いしているわけでありますけれども、同時に国独自の、国の予算で人を雇うような、そういう国が直接人を確保して被災地を支援するというやり方も要望、提案しているところですので、これも引き続き力を入れていきたいと思います。

記者
憲法の改正について改めてお伺いしたいと思うのですけれども、憲法記念日がありまして、また参院選などもあったりして各党がいろんな考え方を打ち出しているところですけれども、改めて知事のご所見を伺いたいのと、96条の関係で先行してそこをという話もありますけれども、その件についてお考えをお聞きしたいと思います。

知事
私は衆議院議員時代に自由党の憲法改正案の取りまとめの事務局をやったりとか、あとは民主党の憲法調査会の総論部門の座長をやったりとかしていて、よりよい憲法をつくっていくということには関与していたのですけれども、基本的には憲法というのは国政の理念というのを明確に踏まえた上で統治機構をはじめ現状に照らして変えた方がいいところを挙げていくというような包括的な議論を今までしてきましたし、衆参に憲法調査会、国会の中にも憲法調査会が設けられて、非常に大部の議事録ができていて、私も衆議院の憲法調査会にも何回も出て、いろいろ理念的な議論に参加し、包括的な議論をした記憶があります。だから、それぞれの党としてどういう憲法をつくっていくのかというのは、包括的な全体像を示すというのは、100条ぐらいしかないわけだから、それはきちんとできるはずなので、そういう中で国民的議論が進んで、日本国憲法をこういう方向に持っていくべきというのが国民の大多数の合意になっていくというあり方が望ましいのだと思います。ずっとそういうやり方で国会もやってきましたし。だから、ある特定の国政選挙に間に合わせるために、えいっとやってしまうというのは短兵急でよくないと思っていますし、ましてや改正手続だけ先に変えるという議論は今までなかったと記憶しておりまして、今までの国会のやり方とか政府のやり方からしても改正手続だけ変えるというのは何か変だなという感じがしております。

記者
別件でもう一つお願いしたいのですけれども、9日に東北電力の方の公聴会で値上げについて意見を述べられるということですけれども、知事はその場でどういった意見を被災県として述べてこようと思っていらっしゃるのか、お考えをお聞きしたいと思います。

知事
まさに本番ぎりぎりまでそこは直したり、つけ加えたり、いろいろしていくわけなのですけれども、大ざっぱに申し上げますと県民生活の点、あと県内経済の点でどういった問題があるのか、特に復興という観点からどういう問題があるのかというのを述べていくような形になると思います。

記者
現段階では値下げがいいとか悪いとかということについては、どのように考えていらっしゃるでしょうか。

知事
基本的には今のままでもさまざまな困難はあるわけでありまして、ですから、いくらならいいとかという、いくらの値上げならいいという話にはならず、やはりこれだけ困っているという話が中心になると思います。

記者
富士山が世界遺産に勧告がされましたけれども、平泉が世界遺産になって2年経って、昨年は増えたものが今年になってから若干観光客の落ち込みなども出てきたというところで、この辺りをどうとらえているかというところと、あとそれの効果持続に向けて何か考えがあるとすればどういうことを考えていらっしゃるかということをお伺いできればと思います。

知事
富士山の世界遺産登録というのは大変すばらしいことで、まだイコモス(国際記念物遺跡会議)からの勧告の段階であって、正式にはこれから世界遺産委員会で正式決定という運びではあるのですけれども、順調に登録されるという前提でお祝いを申し上げたいというふうに思います。
平泉の件についてでありますけれども、もともと国宝や重要文化財等、国内的に価値が認められた歴史的、文化的な場でありますし、また観光地としての歴史も長いところでありますので、一過性のブームのようなものがなくなったらどうしようというような心配はあまりしておりません。世界遺産登録ということで、もともと平泉が持っていた価値と魅力ですね、その価値と魅力というのを世界遺産ということで今までまだ知らなかった皆さんにも世界遺産ということで注目していただいて、どんどん知らせていく、国内のみだけではなく外国の皆さんにもですよね。それについては、まず岩手県民がその価値と魅力をきちんと理解して、そして人にも説明できるようになっていくということで、それで平泉授業のような授業も県でやっているのですけれども、そうした地道な取り組みを重ねていきながら100年とか、1,000年とかというスケール感で平泉については取り組んでいけばいいというふうに考えています。

記者
主権回復の日(主権回復・国際社会復帰を記念する式典)にご出席されたそうですけれども、そちらについての感想をお聞かせください。

知事
いろいろ考えさせられる日であり、また考えるべき日ということで、なぜ日本が主権を制限されるような事態に立ち至ったのかとか、また敗戦、占領から独立という中で、真の独立を今日本はきちんと持ち得ているのかとか、そういったことをいろいろ、また深く考えるいい機会になったと思っております。

記者
出席をされたのは自然の流れでしたでしょうか。

知事
政府から正式な招待がありましたし、天皇、皇后両陛下もご出席なさると聞いていましたので、そこには出席しようということで出席しました。

記者
一部の報道では、最後の方に天皇万歳三唱もあったようですけれども、そちらについては知事はご参加されたのでしょうか。

知事
国体の開会式の日の夕方に天皇、皇后両陛下をお迎えしての各県役員団の懇親会というところで、天皇、皇后両陛下が退場するときに、いつも誰かが音頭をとって天皇陛下万歳をやるのです。そういう何か行事があったときに、天皇、皇后両陛下が退場されるときに自然発生的に天皇陛下万歳が起こるというのは経験していたのですが、一方で改まった場、例えば国会の開会式とか、そういう改まった場で天皇陛下が退場されるときに万歳はしないわけでありまして、だから改まった場のはずだけれども、そうでもないのかなとか考えている間に、私は万歳をしそびれた格好なのですが、私の周りは知事さん、副知事さんの席だったのですけれども、その辺りはみんなどうしていいかわからないような感じになっていたように見えました。

記者
先日1日でしたっけ、県教委が県内の小中学校に体罰の調査をしたところ、68件99人に体罰があったという結果が出ました。結果についてのまずご所見をお願いいたします。

知事
体罰はあってはならないことなので、そういう体罰が岩手県でもあったというのは遺憾なことであります。なくしていかなければならないというふうに思います。

記者
今後体罰をなくすためにどうしたらいいか、何かお考えありましたら教えてください。

知事
今回の調査も含めて県の教育委員会の方で、市町村の教育委員会とも連携をしながら、まず学校など教育の現場における取組をさまざま工夫して、そういう現場における取組を工夫させるということを教育委員会としても工夫をしながら取り組んでいくということで、県の教育委員会については大津市(大阪市)の事案が発生して以降、さまざま担当者、関係者が集まって議論したり、また取り組みを強化するというふうにしていますので、その方向で岩手からいじめ(体罰)をなくすということが実現していけばいいというふうに思っています。

広聴広報課
それでは、これをもちまして記者会見を終わります。
次の定例記者会見は5月13日(月曜日)の予定です。

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