平成24年5月21日知事会見記録
ID番号 N4824 更新日 平成26年1月31日
(平成24年5月21日 10時30分から11時4分)
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表事項はございません。
幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
県内で放射能汚染の影響で県内の公共牧野、多くの牧場が国の基準値を上回り使用できない状況になっていると。これについて、具体の対策と、あと今後何年で除染を進めるのか。遠野では5年をめどにと打ち出していますけれども、県は具体的に何年で除染を進めようとしているのか伺いたいです。お願いします。
知事
できるだけ早く使えるよう牧草を処分するとか、すき込んで問題のない土を地面の上のほうに上げていくとか、さまざまなやり方について、それぞれ現場、現場で工夫しながら対応すると承知しています。セシウムの半分は半減期が短いものであり、去年と比べても同じ場所の線量が下がる傾向にあるという話も聞いておりますけれども、そういう自然の放射線量の削減を待つのではなくて、さまざまなその場所、場所に応じた対策を講じてできるだけ早く使えるようにするのが基本と考えます。
記者
済みません、同じような質問になってしまうのですけれども、具体に年数というのはこれからでしょうか。
知事
できるだけ早くということです。
記者
復興交付金について伺いたいのですけれども、復興交付金の第2回の配分が近々あると思います。第1回の配分では、本県は90%以上ということですね。高い配分の割合だったとは思うのですけれども、災害公営住宅のほうを前倒しで配分されたみたいなもので、トータルとして外された、計画されたところも多かったということを聞いています。第1回については、宮城なんかは査定庁ではないかみたいな非常に物議を醸したところもあると思いますけれども、第2回に向けて、今事前の調整みたいなものも行われていると思いますけれども、その辺をどのようにお考えかお聞かせ願います。
知事
大きく農地の土地改良について事業希望が多いことと、あとは道路整備の関係で、国が直轄でやる復興道路につながっていくような地域と地域を結ぶような道路の整備についても希望が多いところであり、その辺を県としても復興庁のほうにそれぞれきめ細かく調整してお願いをしているところです。できるだけ地域のニーズを反映して交付金を決めてほしいと思っています。
記者
ありがとうございます。あとちょっと別な質問なのですけれども、震災ガレキのことなのですけれども、きょう対策協議会も開かれると思いますけれども、ガレキが当初の想定よりも増えているということで、大体90万トンぐらい増えているのではないかということのようですけれども、そのあたり今後あと2年弱という期間でどのような処理を目指していくかということをお聞かせ願えますか。
知事
そこを今日の午後に開催される岩手県災害廃棄物処理対策協議会でデータを踏まえながら相談して、基本的な方向を決めていこうというところだと思います。災害廃棄物、いわゆるガレキは仮置き場に一次撤去が済んだとはいえ、そもそもその場所はさまざまなことに使える用地ですので、できるだけ早く最終的な処分まで持っていきたいですし、町の中にそれが大きく存在することは、特に暑い時期になってくると衛生上も、それから生活環境上も被災者の皆さんにとって、また被災地の復興にとって非常に大きな一種の壁として残るものですので、それをできるだけ早く処理していきたいという基本方針には変わりなく、その方向で国、県、市町村の行政がフルセットで一体となって取り組んでいこうということだと思います。
記者
関連しましてお伺いします。宮城県では、広域処理に回すガレキの量の推計がかなり減ったという話ですが、岩手県ではどのようになられる見込みかということを教えてください。
知事
そこも今日の午後に相談をしてその方向性を決めていくわけですけれども、4月に細野環境大臣が岩手県庁にまでいらっしゃって、それで今手を挙げてくれている都道府県で大体岩手のほうで必要としている広域処理分について調整していけば全部引き受けていただける目途が立ってきたのでそのとおりお願いしようと、そこのところも見直しが必要になってくるとは思いますけれども、基本はやはり手を挙げてくださっているところであり、特にも地元のほうで受け入れ準備、さまざま試験焼却までやって進んでいるところもありますので、そういうところからどんどん受け入れの作業に入っていき、そして発災から3年以内に災害廃棄物、ガレキを処理できるようにしていこうという考え方は基本的に同じだと思っています。
記者
やわらかいネタなのですけれども、きょうは全国的に日食が話題になっておりますが、知事はどこでそれをご覧になったか、どんな状況か、あとは天文学への興味など教えてください。
知事
家族と一緒に見ました。かなりしっかりしたガラス製の日食観察グラスを入手して家族で交代で見ました。ピーク時のほとんどリングに近いような状況も見ることもできました。大ざっぱに言えば100年に1度ぐらいの規模だそうですね。天文学への関心というよりも、そういう経験というのは後々、孫子の代に語って聞かせたりとかするのに良いと思って、自分自身もですけれども、子供とか家族にも経験してほしいと思って、みんなで一緒に見ました。
記者
お子さんの反応など教えていただければと思います。
知事
最初は眠そうにしていて、起きてこないようなところもあったのですけれども、実際に見たら、やっぱり「おっ」というような感じになりまして、やはり見せてよかったと思いました。
記者
ガレキの話で、率直に見直した結果、100万トンという大きな数字が増えたということになると思うのですけれども、率直にその数字についての印象といいますか、そのことについてはいかがでしょうか。
知事
数字については、今日の午後の会議に間に合うように担当のほうで数字を含め必要な資料を詰めていると承知をしています。
当初の発災直後の見積りよりも増えるということについては、それだけの当初見えてこなかったものがさまざま作業を進める中で見えてきた、また海底、湾内の清掃作業などから当初見えなかったものが見えてきたということで、基本は被災地の生活や、そして復興に向けてのそうしたサイクルの中で、やはり3年で最終的な処分までということが一つの目安であり、それはどのくらいやらなければならないかというニーズがあって、そしてそのニーズに対応したアクションを、計画を立てていくということなので、そこをしっかりやっていかなければならないと思います。
記者
午後の会議で話し合われると思うのですけれども、その解決のためには先ほどおっしゃった広域処理ですとか、あと先週も伺った不燃物のガレキの処理をどうするのかという問題があるのですが、今の段階でそのあたりについてお話しできることがあればお願いします。
知事
災害廃棄物の処理については、去年の3月の段階で、当時環境政務官だった樋高剛議員が現地に飛んできて、そして県庁の中で環境省の関係の人たちプラス水産庁とか、国の関係の環境省以外の人たちもいろいろ集まり、そして市町村の代表も集まって、その災害廃棄物処理の基本方針を決めていったという経緯があり、まさに市町村・県・国の行政がフルセットで被災地に寄り添う形で対応していくべきことでありますので、今日の午後もそういう形の会議を開いて決めていきたいと思います。
記者
もう一点、海岸復旧工事の入札ミスの話について伺わせてください。先週釜石市の漁港などの復旧工事の入札で最低制限価格を下回る価格で業者が落札していたことがわかりました。まず、このことについて知事のご所感をお願いします。
知事
あってはならないことであり、遺憾に思います。今その原因を明らかにしながら再発防止のための、こういうことが再び起きることがないように研修とか、関係の部署を横断的に今後どのように作業をしていくべきか、この事務をしていくべきかということを確認する作業をやっているところです。
今回も防潮堤や漁港関係の施設についての今までしばらくやったことがないような調査に関する発注ということで、その規模もそうなのですけれども、内容的にもやったことがないような形のことをどんどん進めていかなければならないという状況なわけでありまして、それはやらなければならないことですので、そういう今までやったことがないような質、量の仕事をきちんとやっていけるような、そういう自己改革を私から県の職員には求めたいと思います。
一方、漁業土木と言うんですか、今回問題になったような分野の専門家も含めて、先週金曜日に開催された全国知事会で、さらに専門家の派遣をお願いしたところであり、そうした体制の強化についても図っていきたいと思います。
記者
一番懸念されるのは防潮堤。知事もご存じだと思うのですが、防潮堤はまちづくりの一番基本、根幹になる部分ですので、そこの復旧工事の遅れが懸念されるということが一番の心配だと思います。地元の対象となる市民へのお言葉と、改めて今後の県の対応あれば一言お願いします。
知事
担当のほうからは、4年で完成させるというスケジュールの中で遅れが出れば、それは取り戻すというように聞いています。
記者
県民のほうに一言ありますでしょうか。
知事
最初に戻りますけれども、この入札、契約に関するミスというのはあってはならないことであり遺憾に思います。特に歴史的な東日本大震災という岩手県だけで5,900人を超える死者、行方不明者が出ており、今仮設住宅や、それに類するところに4万人を超える方々が避難して住んでいる、そういう状況の中でしっかり進めていかなければならないことについてのミスがあったことはお詫びを申し上げたいと思います。
記者
先ほどのガレキの広域処理の関係で、細野大臣が来られたときに、それから知事がおっしゃったように、今受け入れを表明している自治体を基本に、そこで間に合わせたいような趣旨のお話があったかと思うのですけれども、今さっき知事がその部分についても見直しがもしかしたら必要になってくるかもしれないということだったのですけれども、今まだ表明していない、具体的に進んでいない自治体にも再び働きかけをしていくお考えがあるかどうかと、あとその際に問題になっている不燃物についてのガレキについても積極的な受け入れを求めていく考えか教えてください。
知事
この受け入れ先の自治体の状況については、政府、環境省で取りまとめてもらっている状況であり、また岩手県以外の、特に宮城県の災害廃棄物をどれだけ広域処理しなければならないかということについても環境省に確認しなければならないと思っており、そうした入りの数字、出の数字、そこを見ながら必要な調整を今後進めていくということになると思います。
記者
不燃物のガレキ、それについての広域処理の今後の進め方についてはどうでしょうか。
知事
広域処理については、可燃物、不燃物と分けてはいますけれども、要はこの3年以内に被災者の皆さんの目の前から、そして復興を進めなければならない被災地から災害廃棄物をなくそう、3年以内に最終処分まで持っていこうということでありますので、その方針に沿って対応していきたいと思います。
記者
今週末東北六魂祭がいよいよ盛岡で開催になります。かなり宿泊施設のほうも埋まっている状況かと思うのですけれども、DC前半終了しましたけれども、それについての知事の受けとめと、あと六魂祭への期待などあればお願いします。
知事
DCについては、かなり良い数字が出ているというように聞いています。そして、その全体としての数字の良さに加えて、それぞれの地域が平泉のように伝統的なお祭りを中心に今までやってきたことをさらに発展させるような取り組みで成功しているところもあれば、今までやったことがないようなことを新しく工夫して、それで成功しているところもあると聞いています。今までやったことないということの関連で言えば沿岸の被災地視察ツアーでありますが、これも非常に計画を上回る参加者数が実績として出てきているというように聞いており、大変良いことだと思います。復興という目標を掲げて、観光に関して今まで以上の底力の発揮ということを地元が頑張っていて、そこにさまざまな新しいつながりも増えてきていて、地元の底力とさまざまなつながりの力、それは観光の力であると同時に、復興の力、それが大きく伸びているという格好になっていて、DC前半はなかなか良い感じで進んでいると思います。
後半戦に入っているわけですけれども、六魂祭という非常に大きなイベント、東北6県県庁所在地6市の皆さんが企画し、実行委員会をつくってやってくださっている。これは東北観光博、政府がやっているそういうオールジャパン的な背景の中でやってくださる、そういう大型イベントをこの岩手県盛岡市で今回やってもらえるというのは非常にありがたいことだと思っています。そして、六魂祭が終わって6月に入ってからもさまざま地域で、地域のお祭り、チャグチャグ馬コとかそういう大きなイベントもまだ6月にもあちこちの地域でありますので、そこに向けてDC後半戦の最後の最後まで盛り上がりが続くことを期待します。
記者
入札ミスの件なのですけれども、現状では落札した業者の方に作業を中断してということをご依頼していると思うのですけれども、県の方針として今後落札した業者の方に契約の解除を求めて、再入札するというのが今の県の方針でしょうか。
知事
県の担当のほうでまず全ての業者さんを回って説明して、そして公正な契約ということ、公正な発注ということをやっていきたいという趣旨で説明して歩いているということを聞いています。そういう方向性の中で、現場において適切な対応がなされるものと承知しています。
記者
それは適切な対応というのは、契約解除もあれば、そうではない場合もあるということになるのでしょうか。
知事
そこは発注者のところできちんと対応すると考えています。
記者
そうすると、目途として、早ければ早いほどいいと思いますが、何らかの結論に至って再入札であれば再入札の準備、もしくは契約続行であれば契約続行という判断を下す時期としてはいつごろを目途に考えられていますか。
知事
まず、できるだけ早く事業は進めなければならないということがあります。一方で、公の契約、発注は公正でなければならないということがあります。それはもうそれぞれ実現しなければならないことですので、発注者のその現場担当において、今その方向で調整を進めているということです。
記者
先ほど六魂祭の話題が出ましたけれども、盛岡で開催するに当たって、これまでにないような、例のないような規制をかけなければいけないということで、楽しんでいただくと同時に、去年あったような混乱がないような準備が必要かと思うのですけれども、そういった安全面とか交通規制に関しての取り組みに関してはいかがでしょうか。
知事
事故が起きたり、また事故に至らないまでも混乱が起きて、きちんと見てもらうべきものが見てもらえなくなったりとか、お客さんが不快な思いをしたりするというのはむしろ本末転倒なことになってしまうので、そうならないようにするために、これはもう観客一人一人のマナーというようなところから、あとは警察力による取り締まりというところまでさまざまな対応があるわけですけれども、盛岡市の中心部、さんさ踊りなど、それから八幡さんのお祭りもそうですけれども、大きなイベントを安全に楽しくやる、そういう地域力というのはあると思います。ただ、全く初めてのイベントで、そういう過去の経験蓄積が通用しないところもあるのだと思います。したがって、最終的には実行委員会のところでぎりぎりの判断をしたり、苦渋の決断をしたりしながら体制をつくっていると思うのですけれども、お祭りとか、イベントというのは、やはり参加する人、お客さん、観客含めてみんなでつくっていくものですから、日本全体いろいろなお祭りの話を聞くと暴れる人が出てちょっと問題になるとか、いろいろありますけれども、東北六魂祭というその主題に思いを寄せればそうそう変なことにはならないのではないかと期待しています。
記者
関連してなのですけれども、交通規制のあり方で安全を重視するためにかなり今までに例のない規制をかけるということで、周知が不十分で、一般の日常生活にこれではどうなのだというような声も上がっているようなのですけれども、その辺はいかがでしょうか。
知事
そこはまだ1週間ありますので、周知は徹底しなければならないと思います。いろいろ日常の生活とか、商売とか、あるいは医療、福祉などに関係する移動などもあるわけですので、規制によってお祭りそのものと別のところでさまざまなトラブルや不便などが生じないように、ぎりぎりまで頑張っていかなければならないと思います。
記者
国会の会期末まであと1カ月になりましたけれども、衆院選の時期がいろいろと取りざたされているわけですけれども、知事としては来年8月の任期満了までの期間のどのタイミングでこの衆議院選挙やるべきかというお考えがあればもし聞かせていただければと思います。
知事
衆議院は4年の任期と決まっていますので、特に何かなければ4年間任期満了まで務めるのが原則だと思います。国民の生活とか、あるいは日本の国益とか、そういうところにかんがみて、ここは民意を問わなければというときには解散総選挙ということができるというのが憲法の仕組みであり、今がそうかというと、今は民意を問うというよりは、前回の衆院選、前回の参院選で民意ということがはっきりと出ていて、何回も言っていますけれども、格差拡大、そして格差社会化が進行していくような日本の経済社会ではだめだと、貧困が深刻化していくような日本ではだめだと、やはり生活が第一というセーフティーネットを厚くした上で自由に経済社会活動ができるような、それはある程度経済が成長していく中ではないと、そういうセーフティーネットを厚くしながら自由な経済社会活動というものもできないのだということで民主党菅政権で突如消費税を引き上げを公約にしたら参院選で大敗したというような、民意はもう出ていると思うので、その民意に国会や内閣がきちんと向き合うことこそ今必要なのだと思います。
記者
ありがとうございます。関連して、今橋下大阪市長を中心とした維新の会が注目されているのですけれども、維新の会が岩手に候補を立てるかどうかわかりませんけれども、維新の会の動きについて、知事何かお考えがあれば一言いただけないでしょうか。
知事
前回の衆院選や参院選で示された民意に、今民主党が全体としてそれに沿ったことをしていないという状況があるわけです。それを補う勢力として頑張ろうというのであれば、これは大変結構なことだと思いますし、あと先ほど言い忘れましたけれども、民意は前回の衆院選、参院選で示された民意に加えて、やはり復興をしっかり進めなければならない、原発事故の収束をきちんとしなければならないというところにも民意が見えてきているので、復興が第一だ、頑張ろうというような政治勢力が出てくることは、これは大変結構なことだと思います。
広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。
次の定例記者会見は5月28日(月曜日)の予定です。
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