平成24年7月17日知事会見記録

ID番号 N4810 更新日 平成26年1月16日

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平成24年7月17日 10時30分から10時48分

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、お願いします。

知事
今日の発表事項は、第71回国民体育大会、大会愛称・スローガンの決定についてです。
4月中旬から5月にかけてそれぞれ募集をしてまいりましたが、審査の結果、大会愛称は「希望郷いわて国体」、スローガンは「広げよう 感動。
伝えよう 感謝。」と決定しました。また、優秀賞作品として、大会愛称については「イーハトーブいわて国体」、「いわて希望国体」、「岩手黄金ゆめ国体」の3作品が選ばれ、スローガンは「つながる心 広がる未来」、「熱いエールを力にかえて」、「この力 この感動が ひらく明日」の3作品が選ばれました。
およそ1カ月半の公募期間中、大会愛称3,074件、スローガン2,642件の応募がありました。うち約4割は県外からの応募で、全国からもたくさんの応募があったということに感謝をいたします。今日の記者会見終了後に受賞者の表彰式を行います。
先週、2巡目となる岩手国体の内定を日本体育協会からいただいたところでありまして、今後とも開催に向け準備を着実に進めてまいりますが、県民の皆様方のより一層のご協力をよろしくお願いします。
以上です。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
それでは、ただいまの発表事項について各社から質問があればお願いします。

記者
全国からたくさんの応募があったことに感謝したいというご発言がありましたけれども、全国から注目を集めて応援もいただいているということについて、知事の所見を一言お願いいたします。

知事
岩手での大震災から、その大震災が起きた年の5年後に国体をやるということについては、日本体育協会でも非常に普通の国体と違うという感じで対応していただいていますし、全国的にも直接の関係者以外でも高い関心を持って見ていただいているのではないかと思います。地元の底力とさまざまなつながりの力を合わせて復興の力とするというのは、復興全体がそうなのですけれども、この国体についてもそのようにしていければいいと思います。

記者
今日、大会愛称とスローガンが決まったわけですけれども、改めて知事ご自身として、愛称とスローガンにどのようなご所見持たれていますでしょうか。

知事
愛称・スローガンは、岩手国体より前に開催するようなところは、どんどん前面に出してアピールしているところであり、ようやく岩手もそういう体制、本格的な国体をやりますということを対外的に伝えていくことができるようになったなというように感じまして、非常にありがたいと思っています。

幹事社
本日は、記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
ちょっと戻って恐縮なのですけれども、国体の愛称とスローガンが選ばれた理由というのがあれば教えてください。

知事
厳正な審査の結果選ばれているわけでありまして、審査員の皆さんに改めて感謝を申し上げたいと思います。いろんな観点から審査されたのだと思いますけれども、選んでいただいた愛称・スローガンともに岩手にふさわしく、また復興というテーマにもふさわしいものだと思っています。

記者
先日の共同通信の世論調査で、小沢代表による新党に対する期待というのが調査の結果出たのですけれども、期待しないという数字が81%、逆に期待するという数字が16%という数字が出たわけですが、そのことに関して、知事どのようなご所見持たれているでしょうか。

知事
政治全般に対する期待の低さということが影響しているのだと思います。一方で、どこの政党を支持するか、あるいは次の選挙でどこに投票するかということについては、民主党の3分の1、あるいはそれを上回るくらいの数字が出ていますので、スタートとしては結構いい支持率、また投票しようという率を得ていると思います。

記者
今の質問に関連してなのですが、先週、知事は新党に参加されるということで、東京の結成大会にも行かれたと思うのですが、知事が新党に参加するということは、例えば県政であったりとか、県民の暮らし、それから復興という意味ではどのように影響があるというか、メリットがあるのかということを教えてください。

知事
およそ全ての日本国民が政治に積極的に参加することは意義があると思いますし、都道府県知事、市町村長、そういう役に就いている人も政治家として選ばれているわけであり、その政治家としての政治活動を盛んにすべきということは、長野県知事の政務秘書が政治運動していることについて裁判になった時、いいのだという判決が出ています。裁判所は判決の中で、首長も政治活動を自由に行うことが日本の民主主義の発展にも資するし、地域のためにもそれがいいことだとしており、私はそのとおりだと思っています。
また、首長さんによっては、政党から距離を置くとかいろいろと工夫されている方々もいますが、それはそれで非常に高度な政治的判断に基づくものであり、中立もまたある意味積極的な政治活動ですので、そういう意味で政治活動をしていない首長さんはいないと思います。それぞれがそれぞれの考え方に基づいて、日本のため、地域のために様々な政治活動をしているわけで、そのことにより何かマイナス、ネガティブな影響があるとしたら、それは民主主義のあり方の問題としてどこかにゆがみがあるので、そちらのゆがみのほうこそ直すべきなのだと思います。

記者
そうすると、要は県民であったり、もっと言うと日本国民の政治に対する関心だったりとかを高めるという意味では、非常に意味があることだというとらえ方ということでよろしいですか。

知事
意識を高めるということは入り口でありますけれども、およそマスコミの存在意義もその辺にあると思うのですけれども、民主主義の発展ということにつながるわけでありまして、それは基本的にいいことということなのではないでしょうか。

記者
それから、今週末に野田総理が被災地のほうに入られまして、その中で住宅再建などの場合には消費税の減免であったりですとか、住宅取得の際のいろんな措置みたいなものを検討しなければいけないというようなお話もされていましたが、それについて知事はどのように受けとめていらっしゃいますか。

知事
そもそも消費増税をしないことのほうがいいと思っています。消費増税をしない上に、県の予算では現行の被災者生活再建支援法のスキームに上乗せして持ち家再建に補助するようにしていますが、土曜日も釜石市でも更にそれに上積みをしていきたいという話を野田市長がしていましたけれども、国に対しても更なる持ち家再建支援についてはお願いをしているところであります。だから消費税の減免とか以前にもっと手厚い支援をしてもらわないと、持ち家再建はかなりきついなというように思っています。

記者
最後に1つ、消費税の増税法案は衆議院は通過して、今後そのまま参議院も通過するのではないかと言われていますが、被災県の代表の知事として、今後消費税の増税というものに対してはどのようにして対応されていくのかということを改めて教えてください。

知事
法律は、両院の議決があって初めて成立しますので、衆議院の議決しかまだ出ていない段階で、あたかも国会全体で決まったごとく言うのは、まさに参議院軽視ということになると思いますし、また経緯からしても3党合意ということがあっという間に決まって、もともとの政府案から大きく後退した内容にもなっていて、衆議院での審議もほとんど時間がとられていなかったわけですので、それは何かもともとの会期末までに衆議院を上げなければ(議決しなければ)ならないという根拠のない目標、タイムスケジュールがあってそうなってしまっていて、だから参議院での十分な審議、その中での修正あるいは廃案ということも私は大いにあり得ると思っていて、やはり2年後であったとしても消費税の増税ということは日本の経済、社会にとって相当きついと、被災地にとってはなおきついと考えています。また、他に何か相当の経済対策とか、あとは格差拡大につながらない、貧困の深刻化につながらないセーフティーネット的な手当てを十分にやっていくということが見えない限りは、やはり消費税増税には反対していきたいと思います。

記者
今度新渡戸博士の生誕150周年を記念したイベントに出席されて、知事もパネルディスカッションに参加されるとお伺いしております。新渡戸先生は、知事も尊敬する人物の一人に挙げていらっしゃると思うのですが、そのあたりの意気込みというか、期待を聞かせていただければと思うのですけれども。

知事
大友啓史監督と一緒に「武士道と映像」というテーマだったと記憶していますが、特に映画やドラマにしていくとどうなるかみたいな話になると思っております。新渡戸博士の生涯というのは、実は非常にドラマチックで、文字どおり劇的で、ドラマや映画にふさわしい、そういうところを改めて地元の皆さんと確認できればいいのではないかなというように思っています。また、武士道で、「武士道」に書かれている徳目というのは非常に大事であり、新渡戸博士は「武士道」を書いた後に「平民道」という論文も書いていて、武士は階級としてはなくなった、今はデモクラシーで平民がいる、その平民が武士道を引き継いで、そしてデモクラシーをきちんと確立していけばいいのではないかということを述べておられます。やはり先ほどの質問でもデモクラシー、民主主義の話が出ましたが、日本における民主主義の確立というのはまだまだ大きな課題でありますので、新渡戸博士の生涯を振り返り、改めて日本におけるデモクラシーの確立ということもみんなで誓い合えるような感じになればいいなと思います。

記者
震災復興への意識を高めるという点ではいかがでしょうか。

知事
そうですね、新渡戸稲造博士の生涯と震災や復興などということは直接関連はないかもしれない、ぱっと今は思いつかないのですけれども、ただ先ほど言ったようなダイナミックな生涯、既存の制度にとらわれず、過去の常識にとらわれないで新しいことをどんどん思い切ってやっていくという感覚、これは復興にも非常に大事だと思います。それから一方できちんと伝統的な筋を通していく、守るべきものは守るという、そういう武士道から平民道へという感覚、これも復興に大事だと思います。民主主義的感覚がぐらぐらしたままでは、命を守り、そして生活やなりわいを再建していくという復興はおぼつかないと思っていまして、やはりそこできちんとデモクラシーの筋を通していくということがこの際確認されていくと、それは復興にも大いに資すると思います。

広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は7月23日(月曜日)の予定です。

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