平成24年9月18日知事会見記録

ID番号 N4794 更新日 平成26年1月16日

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平成24年9月18日 15時30分から15時50分

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それではお願いします。

知事
今日の発表事項は、一般会計9月補正予算第3号についてです。9月27日招集の岩手県議会9月定例会、ここで平成24年度一般会計補正予算(第3号)を提案します。
お手元に配布している資料をご覧ください。今回の補正予算の規模は約314億円、補正後で1兆1,851億円を超える予算額となります。予算編成の考え方は、大震災津波関連では、農林水産物の放射性物質被害対策を強化するほか、国の震災枠予算の確定などに合わせて補正予算を計上します。また、通常分では、今年発生した凍上災(冬期の低温によって道路の地盤中に霜柱が発生することによる地面の隆起等により道路舗装面にひび割れなどが発生する災害)や豪雨被害に対する災害復旧事業など、必要な予算を計上するものです。
大震災津波関連補正予算の主な内容についてですが、第1に「安全の確保」としては、河川の津波対策や復興道路の整備などの予算を追加するほか、放射性物質除去や低減技術の提案を受け、県として実証していく予算を計上しています。第2に「暮らしの再建」としては、被災者の住宅再建に対する補助を増額するほか、医療費の一部負担金や福祉サービスの利用料について、免除措置を続けようとする市町村を支援する予算などを計上しています。第3に「なりわいの再生」としては、県産農林水産物の安全性の確保や風評被害の対策として牧草地の除染や牧草・ほだ木を処分する経費などを増額するほか、市町村の取り組みへの支援を拡充する予算も計上しています。また、商工業では、被災企業が一体となって行う施設や設備の復旧に対する補助、いわゆるグループ補助金の予算を増額しています。観光分野では、ディスティネーションキャンペーンの効果をさらに県内各地に広げる取り組みや、ドラマ「あまちゃん」の放映を契機として、様々なプロモーション活動を行っていく予算などを新たに追加しています。通常分では、今年発生した凍上災や豪雨被害に対する災害復旧事業などの予算を計上しています。
6月にも約340億円の補正予算を組みましたが、今回も300億円を超える大型補正予算となりました。これからも適時適切に補正予算を編成し、地域や被災者一人ひとりに寄り添いながら復旧・復興を着実に進めていくとともに岩手県全体の安全・安心の確保や地域の振興にも全力で取り組んでまいります。
以上です。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
それでは、ただいまの知事からの9月補正の発表について質問がある社がありましたら発言してください。

記者
今回予算の新たな取り組みなどを見ると、やっぱり放射性物質への対策というのが結構いろいろ上っているように思えるのですけれども、この時期に来てそういったところはかなり心配になっているというか、対策の必要性というのは深刻になっているのでしょうか、そのあたり知事の御見解をお聞かせください。

知事
今年度本予算から様々な事業を立ち上げてきていたのですけれども、やはりやってみていろいろ対象が増えるとか、様々時間が経つにつれて事情が変化していることが多いために適時適切な予算措置というが必要になってきているという感じがしています。

幹事社
予算関連ではほかによろしいでしょうか。
ないようでしたら、本日は記者クラブを代表しての質問がありませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記者
今現在反日デモといいますか、中国のほうではかなり過激になってきていますというか、広がりを見せていると思うのですけれども、外務省出身である知事から見て一連の領土問題から発展したこの反日デモというふうなものをどのように見ていらっしゃいますでしょうか、ご所感をお聞かせください。

知事
1つ感じるのは、暴力はよくないなということであります。これは過去の歴史、両国あるいは広くアジアの中で、これは中国の皆さんも、また日本の人達も深く胸に刻んでいるところが平和の大切さであり、また暴力ということの何て言うのですかね、自衛のためであれば認められる場合はあるのですけれども、自衛と言っても自衛でいろいろ拡大解釈で問題も起きたりするわけですが、セルフディフェンスというのは自衛とも訳されますけれども、正当防衛というふうに訳すこともあり、というか国内法上、セルフディフェンスというと正当防衛のことを言うので、だから正当防衛の場合には急迫不正の侵害に対して殴ってきた人を、それを殴られないための必要な範囲内で物理的にあれするというのはあり得るわけですが、それ以外の暴力というのはやっぱりだめだろうということがやっぱりあるのだというふうに思います。なお、日中関係全体については、中国側にも、日本側にも過去のこと、未来のこと、それぞれの国内のこと、いろんなことを知り、分かろうとし、またそれを踏まえて発展的な関係をつくっていこうと努力している人たちがたくさんいまして、岩手県内にもいますし、岩手県との関係で中国側にもいますし、そういう人たちが力を合わせて将来に向かっていけば日中関係全体についてはそれほど心配しなくていいと思っています。

記者
今最後のほうにちらっと出たのですけれども、そういった本県との、県でも大連との交流というのもあると思うのですけれども、今回のそういう影響というのはどういったところに出ると見られていますでしょうか。

知事
幾つか中止になった様々な交流事業等があると聞いていますけれども、安全上の配慮からだというふうに聞いていますので、やはり安全を脅かすような暴力はいけないなということを全ての関係者といいますか、両国国民が深く自覚することが大事なのだと思います。

記者
最後にもう一点なのですけれども、今週金曜日、札幌のほうから中国総領事がいらっしゃいますけれども、その対応については今のところ知事はどういうふうにお考えでしょうか。

知事
去年中国から来ている方々、岩手で働いていた方々、沿岸のほうで犠牲が出たり、被害があったりしていますし、また、(当時の駐)札幌総領事さんご本人が県庁に飛んできて、そしてすぐ沿岸に入られ、県のほうでも協力して中国国籍を持って働いている皆さん、暮らしている皆さんが何百人もいらっしゃいましたので、そういう皆さんの避難でありますとか、帰国でありますとか、そういうことをやったので、まずは改めてお見舞いを申し上げなければと思っていますし、またそうした災害直後の対応、そしてこれから復旧、復興というフェーズに入っていく中、様々連携、協力できるようなことを確認できればいいのではないかと思っております。また、中国全体からも大震災の時には緊急援助隊が入ってくれましたし、義援金や物資の支援がありましたし、またその後も中国から東北に観光客を増やそうという観光ミッションが県庁にも来てくれましたし、日本の物産を東北、被災地の物産を中国でどんどん売ろうというような、広州などでのそういうプロモーションで、特に岩手、宮城、福島、被災3県のブースを特別に用意していただいて、温家宝首相がそこを直接訪ねるとか、本当にかなり大震災以降お世話になっていますので、そういったことへの御礼を改めて申し上げたいと思っています。

記者
そうしますと、今のところは影響なく、予定どおり表敬を受けてお話、懇談されるということなのですか。

知事
何か特別なことは特に聞いていないし、またこちらでも考えていません。

記者
先ほどの質問にちょっと重なるのかもしれないのですが、今回の補正予算の中で放射性物質の風評被害に対する対策もかなり重点的に盛り込まれているかと思うのですが、先週末東電のほうにも直接お話に行ってきましたし、まだ問題は長引くかと思うのですが、改めてこの問題に対してどのように取り組んでいくか、知事のお考えをお聞かせください。

知事
牧草で国の基準値以下の数字ではあるけれども、風評被害対策として除染をしたいという、そういう市町村への支援といったようなものが今回の補正予算に盛り込まれています。こういう事情については、先週東京電力の会長、社長など幹部にも伝えたところでありまして、まず賠償をしっかりするよう引き続き求めていきたいと思いますし、また賠償の完了を待たずに作業はどんどん進めていかなければならないですし、また風評被害というものはもう既に生じているわけですから、そこは県で、生産者が安定して経営できるように支援していかなければならないと思っています。また、そもそも風評被害が起きないようにというような対策、岩手の食の安全性をアピールして消費者の安心を獲得していくようなこともまた並行して進めていきたいと思います。

記者
またその続きになってしまうのですけれども、今、食の安全を農業の面からおっしゃっていただきましたけれども、例えば県南に住んでいる方々の健康面での取り組みに関しては知事の一言ちょっといただきたいと思うのですけれども。

知事
仮設住宅などで避難生活をしている皆さんの健康についてということですか。

記者
例えば一関とか、奥州とか、そういうちょっと放射性物質高いと指定を受けていたりするところでのお子さんの心配をされる父兄さん方が結構いらっしゃったりすると思うので、そういった方々への放射性物質への対策、県としての対策、知事としての考え方を伺いたいと思います。

知事
国の基準で年間1ミリシーベルト以上の被曝をしないようにしようというものがあって、それを基準に食品の基準であるとか、あるいは地域の線量について1時間当たり0.23マイクロシーベルトという基準があったりするのですけれども、1年に1ミリシーベルトというのは100年間それが続いて、つまり100ミリシーベルトに被曝量が至った段階で、例えばタバコの習慣、喫煙の習慣がある人の発がんリスクの大体10分の1ぐらいのリスクが生じるということなわけですけれども、基本はまずそういうリスクを防ぐということで、0.23マイクロシーベルトパーアワーというところの除染を進めていくと、市でそういう除染計画を立てて、まず子供に影響の直接あるようなところから順番に除染していこうということで取り組んでいるわけでありますので、100年もかからないわけで、ここ数年のところでそういう先程言ったような累積100ミリシーベルトを防ぐだけの除染などの対策は十分可能だと思っています。

記者
ちょっと前ですか、記者会見でも再三質問が出ている衆議院1区への対応についてなのですけれども、前々回知事のご答弁の中で、県民のためになることを自由にさせていただくというご答弁があったと思うのですが、この自由にさせていただくというのは、知事のご判断で県民のためになるという判断であれば知事の任期が途中で辞めるということになっても別の形で県民のために働くということもこの自由という選択肢の中には入ってくるという理解でよろしいのでしょうか、あるいは知事の任期一杯務めるというのは大前提としてあるという考え方なのでしょうか。

知事
知事の進退的なことについては、頭の中には全くありません。

記者
頭にないというのは、現時点では自由にさせていただくと言っても、知事を任期一杯務めるのは、もちろんそれは大前提とおっしゃって、その上で自由にさせていただくというご答弁だったという理解ですか。

知事
岩手1区における政治状況云々ということでの主役はあくまで岩手1区に住んでいる皆さんだと思うので、まずはその皆さんが今まで全国的にも改革の最先端の地というような政治状況をつくってきた担い手でもありますので、そういう皆さんが日本の政治の流れの中で誇りある、名誉ある地位をさらに占めていかれるように、どういう形でお手伝いができるのかなというのが基本スタンスであります。

記者
今の質問に関連してですけれども、つまり2期目の4年間の任期を全うされるという今の発言と考えてもよろしいですか。

知事
知事として知事の仕事をきちんとやっていくということについて、それを何かどうこうというようなことは頭の中にはありません。

記者
わかりました。知事を続けてしっかりとお仕事されていかれるというご発言と取らせていただきましたが、そのとおりでよろしいですか。

知事
何か特別なことは考えてないわけでありまして、それは恐らく今、日本中にいる都道府県知事さんと大体同じで、特に違うこと……。ただ、大阪のように自ら政党の党首になっている人はまた違う考えをするのかなとも思いますけれども、それ以外の都道府県知事さんと比べて何か特別なことを考えて仕事に臨んでいるわけではないと思います。

広聴広報課
よろしいでしょうか。それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は9月27日(木曜日)の予定です。

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