平成25年1月28日知事会見記録
ID番号 N4770 更新日 平成26年1月16日
平成25年1月28日10時34分から10時59分
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、お願いします。
知事
きょうの発表事項は、「県産農林水産物の風評被害対策・販路回復対策」についてです。県では、これまで放射性物質による影響防止のための生産管理対策の周知徹底や除染対策、県産農林水産物等の計画的な検査など、消費者に提供する県産農林水産物等の安全・安心の確保に努めています。また、放射性物質の検査結果を速やかに公表し、本県の食の安全・安心の確保のための取組をアピールする消費者向けのメッセージの発信などの風評被害の防止に努めています。
県産農林水産物の安全・安心の確保と消費者の信頼回復、震災等により縮小した販路の回復・拡大を引き続き進めていくために、お手元の資料のとおり県産農林水産物の主な販売先となる首都圏や、買い控えなどが懸念される関西圏、九州圏の駅、空港に、ここ(記者会見場)に展示しています県内の安全・安心、県内の生産者の「一生懸命」をテーマにした4種類のポスターを掲示し、県産農林水産物の安全・安心をアピールします。
また、県産農林水産物の魅力を紹介するテレビ番組を制作し、報道、放映することとしています。さらに、県内の被災事業者等と首都圏等の流通業者とのマッチングを図る商談会を、東京、福岡、大阪で開催します。福岡については、先週終了しましたが、来週以降、東京、大阪と順次開催することとしており、私も東京の商談会に出席し、県産農林水産物やその加工食品の品質の高さ、おいしさ、安全性などをアピールします。また、食品バイヤーなどの流通業者向けに県産農林水産物や加工食品を広く紹介する冊子を作成・配布し、販路の回復・拡大に役立てていきます。
このように消費者の皆さんに向け、またバイヤー等に向け、県産農林水産物の安全性をアピールする情報発信や、流通業者と具体的な商談を行う取組を支援し、県産農林水産物の風評被害の防止や販路の回復・拡大を進めていくこととしています。
以上です。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
それでは、ただいまの発表事項について、各社さんから質問があればお願いします。
記者
今回のポスターだったり、商談会で改めて知事が期待したい効果というのと、あと今回のポスターだったりテレビ番組、商談会以外で今後さらに何か対策というのをお考えでありましたらば教えていただきたいと思います。
知事
県産農林水産物の展開というのは、これは復興の大きな柱の一つだと思っております。岩手の農林水産業が東日本大震災で大きな被害を受けたわけでありますけれども、水産業関係、水揚げ量でありますとか、加工工場の操業再開でありますとか、それから農業や林業においてもさまざま復旧・復興が進んでいると。そして、これらがどんどん売れていくことによって、この「なりわいの再生」から「生活の再建」へというふうに被災地の復興も進んでいくわけでありまして、それが風評被害ということでブレーキがかかっている状態を克服して軌道に乗せていくということが、今大事だと思っております。まず、きょうは今回やることの発表でありまして、今頭の中にあるというか、やると決めていることは全部発表し尽くしたところですので、よろしくお願いします。
記者
今回農水産物ということなのですが、以前にもガレキの処理を広域処理ということで、特に関西から西日本にかけてガレキを受け入れることに対する住民のアレルギーというのが多くて、いわゆる放射能で汚染されていない地域になぜ汚染されたガレキを持ってくるのかというような言い方をしているのですが、ガレキにおいてそういうことですので、特に農水産物についてもっとセンシティブな問題を、感情を持っているのではないかと思うのですけれども、そういう住民の皆さんについてどういうふうに知事はご所見をお持ちでしょうか。
知事
消費する側の動きとしても、生協のような団体で日本の農林水産業を守っていくことが中長期的に日本の消費者の安全安心を守ることにもつながるということで、きちんと検査を行って、一定の基準以下であればそれはどんどん買って利用するのだというふうにやってくださっているところがあります。突き詰めれば食という営みは個人の好みや、そして信念といいますか、健康観に基づいて行うものでありますから、ある一定のものを食べないということはいろんな分野にあるわけでありまして、そういう中で選択の自由というのはあると思っておりますけれども、一方で消費者の皆さん、消費者団体の中に岩手を含め東北、東日本が置かれた状況に対する理解をいただいているところがかなりあると思っていますので、そういったところからご理解、ご支援を広げていければいいなというふうに思います。
幹事社
よろしいでしょうか。そうしましたら、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社さんから質問があればお願いします。
記者
明日、来年度の政府の予算が閣議決定ということで、現段階で復興予算が増額されるという見込みになっておりますが、このことについてまずご所見をお伺いしたいと思います。
知事
19兆円ではとても足りないということを今までずっと言ってきましたので、その枠が取り払われて増額されるということは大変いいことだと思っています。
ただ、記憶をたどりますと東日本大震災発生直後の政府の復興に必要な経費の見積もりという中で、たしか19兆円から25兆円というような幅の見積もりが出て、その低いほうに合わせられてしまっていたというところが大問題なのですが、ただその25(兆円)という数字についても、それはまだ津波被害、特に津波被害の深刻さということがどれだけ踏まえられての見積もりだったかというと、そこはまだまだこれから復旧・復興が進んでいく中で、必要な事業はやらなければならないという、「やらなければならぬことはやらなければならぬものです」という、「ならぬことはならぬものです」をもじった復興の覚悟からすれば、当然上の方向への見直しというのはあるものというふうに思っています。
記者
関連してですが、その中で知事をはじめ主に被災3県のほうから復興予算の自由度が低いということを再三政府のほうに要望されたと思いますが、増額はされても自由度が高くならなければ被災地での使い勝手はよくないということだと思いますけれども、そのことについてもご所見をお願いできますでしょうか。
知事
それは大事なことでありますので、特に市町村、現場の自治体にとって使い勝手のいいような自由度の高い財源として、この復興予算というのは活用されていくことを期待したいと思います。
記者
具体的に、現段階でこういったところでもう少し柔軟な対応とか、そういったところがあれば。
知事
交付金について枠をはめず、本当に交付金として自由に使えるようにするとか、あとは基金の形でまたこれも自由に使えるようにするとか、そういったところが特に中心になると思います。
記者
関連するところもあるかとは思うのですが、本日から3日間、来年度予算編成に向けて、知事の査定が予定されておりますけれども、予算編成に向けて知事の考え方をお聞かせください。
知事
今回かなり時間をかけてこの知事査定をやることになっていて、復興については、これはきちっと進めていかなければならないのですけれども、それと並行して県のさまざまな事業についてもう一回思い切った予算の組替というような見直しをしてもらいながら部局ごとの要望を上げてもらっています。そういう中で、思い切った新しい事業とか、あるいは事業枠のような提案もしてもらっていますので、そこを時間をかけて検討していきたいと思っています。
記者
今のところの上がってきた事業を見た印象というのは、何かお感じになっている部分ありますでしょうか。
知事
かなりいろんな工夫をしてもらっていると思います。そして、そういう工夫には大震災や、それからその後の復旧・復興への取組ということも経験しながらオール岩手の活力を高め、「希望郷いわて」に向かっていくという、そういうアイデアが出てきているので、頼もしく思っています。
記者
もう一つなのですけれども、給与の削減に向けて地方交付税の減額という方針も示されておりますが、そちらについてはどのように受けとめになっていらっしゃいますか。
知事
全国知事会としても反対してきて、国と地方の対話がまだ途中のような段階で、明日閣議決定になりそうな状況というのはよくないと思っております。
記者
全国各地で退職金が減る条例ができて、それで駆け込み的に退職する職員あるいは教職員などが相次いでいるのですけれども、こういった駆け込み退職に対しては、知事はどのようにお考えですか。
知事
そもそも国の法律で退職金を減らすということが決まって、地方自治体もそれに準拠して減らさなければならないということで、それぞれの自治体がいろいろ工夫したり、あれこれ考えながら進めていることだと思いますし、また岩手は岩手で今担当のほうで職員団体とも相談しながら決めていっているところなので、今の段階で他の自治体についてあれこれ言うような格好になるコメントは控えたいと思います。
記者
県でもそういうことを検討されているということだったのですけれども、実際に今後想定されるよその県で起きたことはやっぱり岩手でも想定され得ることだと思うのですけれども、そのことに関して知事はどういうご懸念というか、心配があるとすれば教えてください。
知事
よそはこうだからこうだみたいな物の決め方をするのではなく、やっぱり職員団体ときちっと相談をしながら岩手は岩手としてきちっと決めていくというような発想がいいのかなと思っています。
記者
先週の生活の党の定期大会で岩手選出の小沢一郎衆議院議員が代表に就任されましたけれども、それに対する知事のご所見をお伺いしたいと思います。
知事
今からだと4年前になりますが、政権交代という、そういう日本の政治史上、非常に大きなことがあって、それを成し遂げた民意の流れに東日本大震災とそれに続く原発事故後の国民意識の高まりというのを加えた新しい政治をつくっていこうということをずっと主張し、また先導してきた小沢一郎さんでありますので、そういう存在がきちんと日本の政治の中にあって、この生活の党の代表というのは一つの活躍する基盤になっていくのだと思いますけれども、ぜひぜひ活躍していただきたいと思います。
記者
具体的にどういう活躍というのを望まれますか。
知事
今までどおりやってきて、今までどおりにやっていくことが天下国家のためになるのではないかと思います。
記者
最後に1点、これまでは知事は分党する前の日本未来の党では賛同者ということを名乗られてきたわけですけれども、今回の生活の党と知事のスタンスというのはどういうふうになるのでしょうか。
知事
そうですね、議会で質問されたりしてどう答えるか、何日か考えて、言葉を選んだりしているので、なかなかぱっと今聞かれて瞬間的にぱっと気の利いた言葉は思いつきません。
記者
応援される立場は変わらないということでよろしいのでしょうか。
知事
それは「イエス」と言っていいのだと思います。
記者
先ほど質問に出ました退職手当の削減についてなのですけれども、今職員団体と調整しているということですが、基本的には年度内に、つまり今年度末に退職される方を削減するという原則は、これは外すべきではないというふうにお考えでしょうか。
知事
既にもう法律はできていることですので、あとはこの法律の趣旨に従いながらうまく相談して決めていくということだと思います。
記者
それは、先ほど言ったように今年度末に実施する方向でやっていくという理解でよろしいですか。
知事
いずれ担当のほうには、そこはよく相談しながら決めるようにと指示を出しています。
記者
それに関連して、また同じ質問になってしまいますけれども、岩手の場合は復興がやっぱり重要なキーワードになっていると思うのですけれども、県職員の方はもちろん復興を進めなければいけないですし、教育に携わる方も復興教育という形で強力に進めているとは思うのですけれども、そういった復興がかかっているときに岩手県の中で、退職金が減るからやめるというふうなことが起きるということは、知事としてはあってはならないことだと思っていらっしゃるでしょうか。
知事
職員、これは教職員もですし、警察のほうの職員もそうですけれども、復興ということに関しては、これはとても一生懸命であるというふうに私は理解しています。
記者
その上で、退職が絡んだときの態度に関してはどのようにあるべきだと思っていますか。
知事
それは今私から言わなくてもいいのではないかなと思います。
記者
というのはなぜですか。
知事
非常に信頼関係的なものを職員のほうから感じていますので。
記者
信頼関係があるので、そういうことはまずないだろうというようなお考えですか。
知事
それを言ってしまうと、ある種信頼関係を損なうことになるから、言いません。
記者
今後の制度をつくっていく中で、例えば一旦早期に退職した方を改めてすぐに臨時の職員として雇うとか、そういうようなことも一応検討の中には入っているのでしょうか。
知事
そういうのを検討しろみたいな具体的な指示は、私から担当には出していません。
記者
先ほどの話に少し戻るのですが、生活(の党)の代表になった小沢さんが挨拶の中で、参院選での選挙協力について、進めていく方針を表明していたのですが、その点について知事はどのようにお考えかお聞かせください。
知事
私もその挨拶の概要は読む機会がありましたけれども、要は政権交代を諦めない、政権交代をやり直そうということなので、過半数を取りに行くということなので。過半数を取りに行くときに生活の党だけでの単独過半数をすぐ取りに行くというのではなくて、いろんな党との協力という中で過半数を取りに行くのだというのは合理的な考え方なのだと思います。
記者
その上で、どこと具体的に協力していくのがいいのではないかというような、具体的な考えはありますでしょうか。
知事
これは理屈、話の流れからいって政権交代を本気で真剣に考えているところということですよね。だから、自公政権を前提にして、そこと政党間協議をしたり、是々非々でそういう補完勢力として生き延びればいいみたいな感じではだめだと、そういうところとは協力できないということだと思います。
記者
具体的な党名としてどこか考えはありますか。
知事
そこはやっぱり、「我こそは政権交代を本気で考える政党なり」という感じでそれぞれの政党に名乗りを上げてもらわないとわからないですよね。私からあなた方はそうじゃないだろうというふうには決めつけないようにはしたいと思います。
記者
民主党との協力というのも取り沙汰されているところではあるのですが、それについてはどういうふうに。
知事
そこはまさに名乗りを上げるのを待ちたいと思いますね。
広聴広報課
よろしいでしょうか。それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。
次の定例記者会見は2月4日(月曜日)の予定です。
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