平成25年3月26日知事会見記録

ID番号 N4760 更新日 平成26年1月31日

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平成25年3月26日10時30分から11時08分

広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事お願いします。

知事
発表項目の第1は、知事を団長とするミッション団による台湾トップセールスについてです。来る4月22日から4月24日の日程で台湾を訪問します。台湾は、本県を訪れる外国人観光客のほぼ半数を占める大切なお客様である一方、東日本大震災津波では、多くのご支援をいただいており、本県にとって大切な絆で結ばれた地域です。昨年5月にも私が台湾を訪問し、いわて花巻空港へのチャーター便の運航をお願いし、震災で中断していた秋のプログラムチャーター便を復活していただき、この春のプログラムチャーター便の便数を倍増していただくなど、震災前の水準まで戻りつつあります。
今回の訪問では、チャーター便のさらなる運航拡大をお願いします。そして、昨年度11月、日台間のオープンスカイ協定が締結され、台湾から地方空港への定期便の新規就航が増加していますので、いわて花巻空港もこれまでのチャーター便の実績を踏まえながら、国際定期便の就航についても提案をしてきます。また、台湾政府関係者へ表敬訪問するとともに、台湾の大手旅行会社等を招待し、沿岸地域を含む本県の風光明媚な観光モデルコースを紹介する観光レセプションを開催します。
今回のミッション団は、私が団長となり、岩手県議会議長をはじめ県内関係市町村長、県内商工団体関係者及び観光関係者など、総勢二十数名で構成しています。同行いただくミッション団の皆様と一緒に、現地でのセールス活動を通じて、台湾の皆様に、より多く岩手に来ていただくことが復興を加速させることにつながっていくというふうに考えています。
発表事項の2番目、「岩手県保健医療計画」の策定についてです。この計画については、「岩手県医療審議会」等における専門的な審議や、パブリックコメント、市町村、関係団体の意見を踏まえて、きょう決定する運びとなっております。この計画は、平成25年度から平成29年度までの5カ年計画であります。いわていきいきプランや、このあと発表する第2次岩手県がん対策推進計画をはじめとする関連施策に関する計画と調和を保ちながら、医療提供体制の整備を図ります。
また、保健、医療、介護、福祉との連携を一層深め、疾病予防や急性期医療から在宅に至るまで切れ目のないサービスを提供する体制を構築していくための総合的な計画となっており、県民の皆さん、医療機関、関係団体、行政等にとって非常に重要な計画であります。
この計画の策定に当たっては、医療法に基づく都道府県医療計画でありますので、国の「医療提供体制の確保に関する基本方針」を踏まえるとともに、本県独自に「医療連携体制構築のための県民の参画」、それから「東日本大震災津波からの復興に向けた取組」という章立てをして盛り込んであります。
具体的には、人口の急速な高齢化や社会構造の多様化、複雑化が進む中で疾病の構造が変化し、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病等の生活習慣病や精神疾患が増加している中、「精神疾患」、「認知症」、「在宅医療」の体制などを追加し、医療提供体制の構築に向けた施策の方向性や主な取組を取りまとめてあります。
それから、県民だれもが地域社会の中で安心して保健、医療、介護・福祉のサービスが受けられるように、これらの総合的な取組として「地域包括ケア」のまちづくりを推進していくこと、「医療連携体制構築のための県民の参画」として、自らの健康は自分で守るという意識や病状や医療機関の役割分担に応じた受診行動を喚起していくことなど、保健医療・産業・学校関係団体及び行政等の機関が一体となりながら、引き続き県民一人ひとりが地域の医療を支える「県民総参加型」の地域医療体制づくりを推進していくことなどを計画に盛り込んでいます。
そして、東日本大震災津波を踏まえて、「災害時における医療体制」には、病院施設の耐震化、通信機器の整備の促進等、災害拠点病院の機能強化、DMATの派遣、活動が効果的に行われるよう、その調整機能の強化、DMATに続く長期的な医療提供体制を維持、保健活動を展開するための、災害医療コーディネーターの配備などの取組を盛り込んでいます。
そして、「東日本大震災津波からの復興に向けた取組」として、被災県立病院を含めた被災地の医療提供体制の再建、医療情報化、被災地における地域包括ケアの取組支援や心のケアの推進などの取組を盛り込み、岩手県東日本大震災津波復興計画と連動して被災地の復興に向けた取組を推進します。
また、保健医療を担う人材を育成、確保するために、引き続き「医師確保対策アクションプラン」や、「いわて看護職員確保定着アクションプラン」に基づいて、中高校生や医学生を対象としたセミナーの開催をはじめ、臨床研修医の受入体制の整備など、医師のライフステージに応じた取組や看護職員として働きがいを感じながら県内に定着できるような勤務体制の整備や教育体制づくりの支援などを行うこと、そして今後配置が本格化する奨学金養成医師について、地域偏在解消のための適正配置に向けた仕組みづくりを進めるというふうにしています。
県では、来年度から保健福祉部内に医療政策室を設置します。医療局との緊密な連携のもとに本計画の着実な実施、医師確保対策など、県の医療に関する重要施策に戦略的に取り組むこととし、また地域医療再生等臨時特例基金などによって復興に向けた事業を迅速に進めていきます。
本県では、依然として医師不足をはじめとする厳しい医療環境におかれていますが、県民の皆さんにも積極的な参画をいただきながら、医療の現場、そして行政が一緒になってこの計画による取組を進め、本県における医療提供体制を確保してまいります。
発表事項の3番目は、「第2次岩手県がん対策推進計画」の策定についてです。がん対策基本法に基づく都道府県計画であります。「県民ががんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会」の実現を目指します。「岩手県がん対策推進協議会」等における専門的審議やパブリックコメント、関係団体の意見を踏まえて今般決定をしました。平成25年度から平成29年度までの5カ年計画、国の「がん対策推進基本計画」の見直し内容に基づいて、課題の設定、今後の取組の基本方針、分野別施策や施策目標などを取りまとめています。
前計画に引き続いて、「がんの予防・早期発見」や「がん医療の均てん化」を主要な課題として掲げています。そして、その施策として、「がん予防や早期発見」、「がん医療」の充実に向けた取組、そして新たに「家族会活動の充実」、「小児がん」、「がん教育」、「患者の就労対策」などの取組を進めていくこととしています。
これもやはり県民の皆さんが、がん対策の中心であるという認識のもと、県民の視点に立って医療機関、検診機関、がん患者家族会、企業・事業者、行政などの関係者が一体となって幅広い主体の参画と協働のもとで、がん対策を進めていきます。
以上です。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
それでは、ただいまの発表事項について各社から質問があればお願いします。

記者
台湾のトップセールスについてなのですけれども、昨年に引き続きの訪問ということになるのですが、今回の訪問で特に知事が期待される部分はどちらになるのか、抱負を改めてお聞かせいただきたいのですが。

知事
去年行ったときには、やはりまだ大震災の余韻さめやらぬ中で、実際、岩手県の人間が行って災害後の現地の様子を説明し、応急復旧から復興へとだんだん移ってきていますと、そして2012年にはデスティネーションキャンペーンもやるし、東北六魂祭もあるし、東北観光博も開かれて、まず国内的にはどんどん岩手を含む東北のほうに人が来るような流れがあるということを説明し、そういう中でチャーター便の増便を決めてもらったところがありますので、やはり2012年のそういう成果をもとにしながら、六魂祭ではかなりの観光客の皆さんが全国から来てくれましたし、もう全然心配することはないので、むしろどんどん観光で来てくれることが復興の力にもなるということを、さらに台湾の皆さんに伝えて、台湾から岩手への観光というのを、さらに大きな流れにしていきたいと思います。

幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればよろしくお願いします。

記者
TPPのことで改めてお伺いします。今月15日に総理が正式に交渉参加を表明しましたが、改めてそれの受け止めと、そして今後具体的にどういった対応をとっていくのか、例えば知事会との連携とか、そういったことをお聞かせください。

知事
今後の対応については、具体的にはこれからです。県議会でも答弁していたように、何のためにやるのか、また何を求めてやるのか、そういうことをはっきりさせながら、国民的な議論をした上でないと交渉参加はすべきではないと思っておりますので、そういう議論がないまま交渉参加が表明された格好になっているのは遺憾であります。
特に復興ということとの関係で、やはり守るべきは地域に根差した人々の活動であり、またなりわいであり、日本全体としてもそれぞれの地域資源を生かした、まず農林水産業というものがあって、それを6次産業化していくような中で地域振興を図る取組があって、そしてものづくり産業、製造業というものも期待されているわけですけれども、観光をはじめとするサービス業にも期待はかかっているわけであって、そういう各産業の日本ならではのバランスというのを取りながら、それぞれの地域で生きがいを持って働いて生活していく、そういう日本のあり方というのを改めてしっかり目標に据えていくべきなのだと思います。
そういうあり方というのは、アメリカにとっても、またそのほかの太平洋を取り巻く国々にとっても悪い話ではないというか、いいあり方なのではないかと思うのです。グローバル化の中でどの国でも格差社会化の問題というのは言われていて、低賃金の不本意な労働を強いられる、あるいはふるさとで働くことができない、そういう悩みは諸国共通の悩みであって、むしろそういうのを解決していくような共存共栄の仕方というのを話し合って決めていくようなことが望ましいのだと思います。
それはTPPという形ではないほうがいいかもしれないし、あとはリーマンショックで市場原理に任せっ放しでは大アメリカですらひっくり返り、世界中がとんでもないことになるという経験をしているわけなので、あれはそういうマネーの動きのことだけではなくて、およそ生産活動とか消費とか、交易、通商ということについても市場原理に任せっ放しでいいのかということが、やはり今それぞれの国の政府には問われているので、そういうところをうまく調和させながら、それぞれの国の人間本位の経済のあり方というのを日本政府含め各国政府には進めていってほしいと思います。
そういう中で具体的にああしたほうがいい、こうしたほうがいいというのは復興の現場の中で見えてきているので、そういう意味では復興に関する要望、提案という活動は、ある意味日本のあるべき姿というのを地域から発信していくことでもあると思っているので、まずそれをしっかりやっていくことが大事だなというふうに思っています。

記者
今後の対応については、具体的なことが決まっていないということですが、何か視野に入れていることとか、こういった選択肢があると、対応としてこういったものを考えているとか、そういったものがあればというのと、あと今具体的な復興で見えているというのは、復興の現場から被災地から発信していくということでしょうけれども、例えばどういったことが見えてきているのでしょうか。

知事
例えばカキ小屋とかいう取組が一つ復興のシンボルとして立ち上がっているわけですよね。ああいう地産地消というのは、とにかく世界中のどこからでも一番安いものを買ってきて消費するという、そういう自由貿易の発想とは正反対のことだと思うのですけれども、でも人間としてどういう生き方がいいのかという場合に、やはり地産地消的なものというのが人間の本性に基づいた、またいろんな安全面とか、いざというときの危機管理とかいう点からしても、そういう地産地消的なものはいいはずなので、それはカキ小屋にとどまらず、復興という作業のかなりの部分はそういう地産地消的なものを振興していくことにありますので、そういったところを機会あるごとに、きちっと訴えていきたいと思います。

記者
視野に入れていることとかあればお願いします。

知事
オバマ大統領に会えれば、被災地、この岩手に来て、今我々がやっていることを見てくれと言いたいですよね。でも、今大事なのは、やはりオバマ大統領の考え方を変えることというところもありますよね。
あとは、オバマ大統領は、自動車産業について、アメリカの自動車産業を振興するためにTPPをやるのだということで、かなり日本の自動車産業に不利なことをアメリカ政府が求めてくるような流れになっているので、そこもちょっと自動車産業集積振興を図る岩手県としては、そういうアプローチは困りますよということを、やはりオバマ大統領に言いたいですよね。

記者
県のほうでは、再生可能エネルギーの普及に努める方向で県の施策をつくっていますけれども、安倍政権は原発再開の方向で、この間福島を視察した後も安全性を確認した上で判断したいといって、再開に向けたとも取れる発言をされていますけれども、知事、その辺について今後のエネルギーのあり方について、どのようにお考えか、ちょっと改めて教えていただければと思います。

知事
去年の夏ごろに、かなり国民的な議論が進んでいたはずですので、その続きをちゃんとやらなければならないのだと思います。何か去年12月の解散総選挙のあたりで、それまでのそういう国民的な議論の蓄積というのが雲散霧消したような感じになっているのですけれども、政権は交代しているのですが、去年、時の政府としてかなり国民の意見を聴取するとか、議論してもらうとか、そういうことを進めていたわけだから、もう一回そこを今の政府のもとで整理し直す必要があるのだと思います。

記者
再生エネルギーの活用については、県の施策はこれまでどおり推進していくという考え方でよろしいのでしょうか。

知事
これも復興の観点からでも、やはり沿岸における再生可能エネルギー振興というのは復興の大きな柱の一つでもありますし、また沿岸とつながっている北上山地とか、あと岩手全体としても再生可能エネルギー振興ということが復興の大きな柱なので、その復興という観点からもそこは力を緩めずにやっていかなければならないと思っています。

記者
先日復興局のほうから復興実施計画の本年度までの進捗状況ということで発表がありまして、遅れや未実施という事業が33.3%、約3分の1あるというふうに発表にありましたけれども、知事のまず所感としてはどういうふうに捉えていますでしょうか。

知事
いろいろあるのですけれども、やはり大きい要素として用地をめぐる問題ですよね。これが期待していたほどスムーズには進んでいないと、いろんな困難に直面しているという実態があるのだと思います。年度が明けたら、私もこのモデルケースになっている鵜住居のところの防潮堤の事業の現場を見に行きたいと思っているのですけれども、県民的に、そしてオールジャパン、国民的に、もう少し何が起きているのかというのをみんなで知る必要があると思っています。
何しろ複数の人がある一つの狭い土地を所有している格好になった場合に、日本全体はおろか、外国にまで行ってその人と交渉して土地の取引をしなければならないというような事態に直面しているし、そもそも誰に相談すればいいかも確定しない。亡くなった人の所有になっていて、相続可能性のある人たち全員シラミ潰しに会って歩かなければならないとか、ですから実はある意味見えにくいことではあるのだけれども、復興全体、県の計画で言うと8年計画ですけれども、そういう8年の復興の中でも一番大事なここが勝負というようなことが今そういうふうに見えない形で進んでいるわけで、これをもう少しそういう状況をみんなで共有して、その中でやはりさすがに普段ならやらなければならないそういう手続を今は省略していいのではないかということを、法律事項なので、国にそこは、政府、さらに国会にもそこは納得をしてもらわないと変えられないわけですけれども、そういうことを今しなければならないのだと思っています。

記者
その中で、来年度以降事業をスピード化させるために、国への要望等具体的にはどういうふうに力を入れていきたいというふうに考えていますでしょうか。

知事
財源を使い勝手よくするということと、マンパワー不足の人的支援ということと、そして用地の手続の簡素化という3本柱があるわけで、これを強く要望していくわけですけれども、やはり用地の問題というのがどこに問題があるのか、どういう問題があるのかということが国民的に共有されていないところがあって、それで対応が遅れているということがあると思うので、そこはどんどん岩手から発信していかなければならないと思っています。
予算の問題とか、マンパワーの問題については、かなり問題の深刻さが全国的にも共有されていて、いろいろああしなきゃこうしなきゃという案が国のほうからも出てきてはいるのですけれども、用地の手続についてはまだモデルケースを見ながらみたいな感じなのですが、これは早く思い切った手を打つ、これが早ければ早いほど何年単位で復興を加速することができるわけなので、そこは急がなければと思っています。

記者
用地取得手続に関してなのですけれども、そういった土地収用法の手続の問題とか、その運用の改善のところについては、大分国と県、あと市町村の協議の中でも課題の整理等もできてきていると思いますけれども、それでもやはり復興を加速させるためには、最善の方法としては立法措置が必要という、そのようなお考えでいらっしゃいますでしょうか。

知事
やはり特例法のようなものが必要だと思います。それはもう国民主権ですので、国民の意思としてそういうことをしてもらわなければならないので、政府の中にもそうしたほうがいいのだろうな、そうしなければ大変なのだろうなという感覚は広まっていると思うのですが、ただ自分が外国に住んでいて、知らない間に自分の権利のある土地が何か防潮堤の拡張(で防潮堤敷地)になってしまったとか、あるいは高台移転の移転場所にされてしまったという、そういう国民から後で異議申し立てというか、そもそもそういう国民の権利を勝手にいじるのはあってはならないのではないかという、少なくとも今の法体系はそういう国民の意思を前提にしているので、国民的に、いや、そうではない、ここはやはり被災者の皆さんの権利を、ああいう仮設住宅に何年も住むという、そういう非人道的なことを日本という国は認めてはならないのだというような意識を国民として共有しないと、やはり政府が主導して変えるのが難しい、少なくとも今やっている感じでは縦割りの中での役所から出てくるような感じではないというところなので、そういう国民的に今何が起きているのかをしっかりわかってもらうことがすごく大事だと思っています。

記者
そういったところの原因は、例えば復興庁のほうでは大分そういった問題の所在を把握していると思うのですけれども、法務省との調整とか、そういった縦割り行政というところが原因なのか、それともまだまだ用地取得のそういった手続とか、復興の遅れの問題についての国民的な議論といいますか、認識が足りないのか、どういうところに問題の所在があるというふうにお考えでしょうか。

知事
究極的には、国民が今享受している私有財産の保護という国民の権利を、その例外を認めるという話なので、やはり国民の側から変えましょうというふうな流れになるのが望ましいのだと思います。そういう民意の形成ができていないというところが課題だと思うので、そういう材料をやはり岩手県としても国民の皆さんに提供していかなければならないと思います。

記者
実感レベルで、例えばそういった特例法がつくられた場合、今の面的整備とか、どれぐらいのスピードでもっと加速できるというふうにお感じでしょうか。

知事
かなり年単位で早まるのではないかというふうに思います。

記者
今の国民の意識という点にもつながろうかと思うのですけれども、先週宮城県で3月11日を鎮魂の日(「みやぎ鎮魂の日」)とする条例が県議会で可決されたわけですけれども、そういう意識を持ってもらうという面でも、例えば岩手県でもこういった同じようなこと、あるいは国に対して国民のそういう日にするとか、そういう何かを、今のところ知事のお考えはいかがでしょうか。

知事
今、県の中でもさまざま議論していますし、いろんな関係者の意見を聞くというようなことをしています。私個人としては、余りに大きな日なので、いろんな考え方が私のところにも入ってきていて、まず防災の日とすべきだ、あるいは鎮魂の日とすべきだ、ある言葉で何々の日と決めたときに、それ以外の要素が切り捨てられてしまうのはまずいなと思っていまして、非常に特別な日であり、あの日も3月11日、3.11みたいなことで今我々は言っていて、それをもう一つ別の言葉で一言で言い表わすというのは、まだ何か県民みんなで合意できるような言葉というのは見えてきていないので、ただ実態として県としての追悼式典を市町村と合同でやったりとか、また特別な訓練も県も関係者と一緒にやったりしていますし、そういう追悼のメッセージ、防災の呼びかけということを県からしたりもしていますし、中身としてはその日にやるべきことは去年、今年とやってきているとは思うのですが、その日をどう呼ぶか、また条例ということになると、趣旨とかその日の意義づけというものを言葉で決めることになると思うのですが、その言葉の面というのはこの今の瞬間ではまだ決まっていないなという感じがします。

記者
まだ2年ですので、時期としても早いのかなという気も僕もするのですが、5年、10年たったときにという捉え方というか、知事の今の感じでは。

知事
まず、県民の心が大事だと思うので、ご遺族の皆さん、被災者の皆さんの気持ち、そして直接被害は受けなかったけれども、あの日のことを重く受けとめている県民全体という中で、どう気持ちが一つになっていくかということで、それを無理に一つにするような作為的というか、それを無理に一つに絞っていくというようなことをここ2年間の間はやったほうがいいとは判断しないで2年目を迎えたというところです。

記者
いわて国体の夏冬の完全大会の実施の件について、きょうは県議会のほうでも意見が上がるようですけれども、知事の考えを改めて教えてください。

知事
夏冬の完全国体というのは、昭和45年、1970年の岩手国体ではできなかった物すごいことでありますので、それはやれれば物すごいことだと思います。復興の象徴になるような国体という、そういう趣旨にもかなうと思います。
一方で、夏の部分もそうですが、冬の国体の部分も競技団体や、また開催市町村の負担というものが非常に大きくなるし、競技団体には競技団体としての全国的ないろんな競技開催の事情があり、また開催市町村というのはそういった負担を、それに耐える覚悟や準備が必要だと思いますので、そこはそういったところの検討や議論がしっかり進む中で、全体として決定するというふうな段取りが必要ですので、まずそこは市全体にその段取りが踏まれていくようにしていかなければならないと思います。

広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。
次の定例記者会見は4月1日(月曜日)の予定です。

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