平成23年4月25日知事会見記録

ID番号 N4906 更新日 平成26年1月16日

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平成23年4月25日 10時46分から11時26分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
それでは、知事お願いします。

知事
幾つか発表事項があります。まず、東日本大震災津波関連補正予算についてです。来る4月27日開催の岩手県議会臨時会に平成23年度一般会計補正予算を提案します。
お手元の資料を参考にしてください。補正予算の規模は2,255億円余となり、補正予算としては過去最大の規模となります。
主な内容は、応急仮設住宅の整備について7月末までに1万8,000戸の完成を目指し、所要の予算額を計上しています。被災者の方々への生活支援については、避難所の設置運営、食品・飲料水など生活必要物資の供給を引き続き行うほか、被災した地域の高校生が円滑に学校生活に移行できるように、教科書、教材等の必要な物品を無償で貸与します。今般の災害で亡くなられた方々のご遺族に災害弔慰金を早期に支給します。また、避難所で生活される方々や児童・生徒の心身のサポート、高齢者・障がい者の方々へのケア、被災地における医療確保のための取組を推進します。
被災地における雇用対策・産業復旧の関係では、緊急雇用創出臨時特例基金を活用して県・市町村が一体となり、約5,000人の雇用の場を創出します。
産業復旧関係では、被害を受けられた中小企業の事業の復旧等を図るため、金融機関と協調し、必要な資金の貸付を行います。また、早期に事業を再開したいという企業の方々を後押しし、被災地での働く場を回復させるために店舗や工場の修繕、再建に向けた支援も行います。
災害廃棄物処理・施設復旧については、宮古市ほか5市町村からの要請に基づいて、災害廃棄物処理の事務を受託して県が実施します。また、農林水産関係施設、公共土木施設、県立学校等の復旧工事を実施します。
交通確保支援について、県立病院が大きな被害を受けた現地の通院手段の確保、公共交通機関が不通となっている地域の通学手段の確保のために県で無料のバスを手配します。
今回の補正は、被災地の復旧・復興に向けた第一弾の予算であり、今後も逐次、補正予算を編成していくことで、被災地の方々が希望を持って生活の再建に歩み出すことができるよう、関係機関と一体となって支援をしていきます。
発表事項の2番目は、災害対応のための休止事業等の選定についてです。東日本大震災津波に係る災害対応に県の人的資源や財源を振り向けるため、緊急に県の行う事業を再点検し、取りやめとする事業等を選定しました。公共事業については、事業部局において、災害復旧にどの程度のマンパワーを割くか、また受注者側の状況等を含めた現場の実態を踏まえた上で判断する必要がありますので、現在調整中です。公共事業を除いた事業については、今般、選定・調整状況をお知らせします。今回、取りやめ等として選定・調整した事業は、平成23年度当初予算に計上したものに加えて、肉付け予算として要求を検討中であった事業についても、併せて調整作業を行いました。資料1枚目の「2 選定(調整)結果」に記載してあるとおり、取りやめ、縮減等としたものが、222事業、調整額約52億円。執行保留、再調整としたものが、71事業、約62億円。合わせて293事業、約114億円となったところです。
2枚目に取りやめ等の主な事業を掲載していますが、今回の検証は、当初予算編成等、震災前に企画していた事業をそのまま行うべきか、取りやめが適当かどうかに基づいて判断したものであり、今後、復旧・復興に向けて新たに拡充や新規事業化が必要な事業を今後追加、検討していくものです。
次に、発表事項の3番目は、津波震災孤児等の支援のための基金設置についてです。今回の震災津波によって、本県では両親を失った子どもが現在判明しているだけで44名います。こうした子どもたちが自らの希望に沿った学校を卒業し、社会人として独り立ちするまで息の長い支援を行っていかなければなりません。これまで、国内外を問わず、企業や個人などさまざまな方々から温かいご支援をいただいており、「津波震災孤児のためにふるさと納税をしたい」という申し出も多数いただいています。このため、県では特別の基金を設置して、こうした全国の皆様の善意の寄付を広く募り、震災・津波孤児等の支援を行いたいと考えています。6月定例県議会に関係条例を提案して基金を設置する予定です。その際には、現在総務大臣に許可申請を行っている「震災復興宝くじ」等の収益金を活用して、県からも1億円の拠出をしたいと考えていますが、支援の内容等の詳細な検討は今後行っていきます。
被災した地域の将来を担う子どもたちは、被災地はもちろん、岩手、さらに東北、そして日本全体にとっての希望です。こうした子どもたちが、郷土において安心して育つことができるように、「くらし」と「まなび」を支えていくことは、岩手の将来にとって不可欠と考えています。国内外問わず、さまざまな方々からのご支援を是非ともよろしくお願いします。
発表事項の4番目は、岩手県におけるコミュニティや生活支援に配慮した応急仮設住宅の整備についてです。岩手県においては、厚生労働省の指針に基づいて、50戸以上の応急仮設住宅団地において、原則として集会所を設置していきます。集会所の標準図はお配りしてあるとおりですが、集会所には集会室のほかに、浴室、多機能トイレ、事務スペース、台所スペースを設けることとしており、入り口にはスロープを設けるなど、ユニバーサルデザインとしています。この集会所が団地における住民の交流の場となるように、各市町村と集会所の運営等について協議をしていきます。
また、高齢者福祉施設の設置等については、応急仮設住宅地域における高齢者の相談対応や介護等を円滑に行っていくためのサポート拠点施設やグループホーム型仮設住宅等の設置について、市町村と協議を進め、積極的に取り組んでいきます。なお、一般の応急仮設住宅についても、高齢者等の入居に配慮して、さまざまユニバーサルデザイン的にすることとしています。また、応急仮設住宅の入居決定については、高齢者等を優先するという必要性もありますが、地域による互助ができるように、団地内に高齢者等が集中し過ぎないよう配慮する必要があります。また、コミュニティの維持に配慮して、地区単位で入居者の募集を行うことも適切な方法です。入居者の募集を各市町村で行っており、大船渡市等では地区ごとの入居希望の調査が行われています。今後、入居が本格化していきますので、コミュニティに配慮した入居決定が行われるよう、市町村と十分協議をしていきます。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からの質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、進行をお願いします。

幹事社
ただ今の発表事項について、各社から質問があれば社名を名乗ってからお願いします。

記者
予算関係について伺います。当初予算の予備費は3億円だったと思うのですが、今回の補正予算で20億円と、当初に比べて大きな額になった配慮はどういう点にあったのか教えてください。
それから、いわゆる事業仕分け、休止事業ですが、公共事業の判断はこれからということですが、公共事業関係の整理はいつごろをめどに考えていますか。公共事業以外で今回調整したもので関係機関との協議調整が必要なものがあるという話でしたが、その辺のところをいつまでにと考えているのですか。それから北東北インターハイがありますが、この辺も含まれると思うので、県の対応の仕方について知事の考え方をお伺いします。

知事
予備費についてですが、これは全体のバランスの中できちんと費目確定できる部分は確定させていくほうがいいわけですが、その中で予備費として使える部分を今回は20億円くらい確保したということです。
公共事業について今回の整理に当たっては、さまざまな現場の状況とか、いろいろな事情もあり、今後、走りながら整理していくという形になると思います。一定の段階まで調整や計算をしていて着工しないというわけにもいかないところもあり、やれるところ、あるいはやらなければならないところはもうスタートさせつつ、走りながら調整をしていくということになると思います。
北東北インターハイについては、かなり準備が進んでいるところもあります。一方で、設備が壊れて使えなくなったところもあります。もう準備がかなり進んでいますので、青森県、秋田県の関係者と相談をしながら、やれるところはやるという基本的なスタンスで調整をしていきたいと思います。

記者
県として北東北インターハイに係わる事業費の関係で、金額的に各市町村とか、団体等に拠出する部分があると思うのですが、その辺の対応というのはどのようになるのでしょうか。

知事
基本的に執行するようになっていますので、そこは教育現場でもあり、きめ細かな調整が必要なところではありますが、やれるところはやっていこうという基本姿勢です。

記者
2011年度事業の取りやめ等について、見直しについて伺いたいのですが、国体関係で国体選手の強化費と施設整備費が肉付け部分を含めて6億2,000万円がゼロと、開催経費に関しても執行保留ということですが、非常に思い切った見直しだと思いますが、どのようなお考えで行ったのか教えてください。

知事
国体に関連しては、5年後開催に向けたスケジュールがありましたが、3月11日の災害の発生により、被災地の復興に向けて人的、財政的資源が県として相当程度必要になることを考えると、5年後の開催に向けた準備を予定どおりの形で行っていくことは難しいと考えており、県の教育委員会において整備を予定していた国体選手強化施設や国体関連競技施設の整備費の今年度の予算計上を見送ることとしました。なお、国体に対する今後の対応については、関係機関と協議をしながら調整をしていかなければなりませんので、準備委員会への負担金や開催関係費、また市町村競技施設整備費補助などについては、執行保留という形にしています。

記者
予定どおりの予算計上は難しいということでしたが、国体の開催そのものについて、知事はどのようなご認識をお持ちでしょうか。

知事
国体の開催そのものは、国民体育大会という名前からしても全国の体育組織が行うものであり、県限りでやる、やらないを決めることはできません。県が主催に名乗りを上げ、それを国の組織が認めればそこでやるという意味では、いつ、どこでやるのかは、国の組織が決めるという仕組みになっているところもあります。そういう中で、国の組織と調整を進めていく必要がありますが、ただ災害発災直前において、5年後に開催をするぎりぎりの態勢で進んできている中で、何年か復旧・復興が進んでからでないと、その5年後に開催できる態勢には戻れないという感じはしており、そうした実情を関係者に説明しながら、これは県内の体育関係者に対してもそうですが、県だけで決めることではなく、県の体育協会、そして県の教育委員会の3者で県としては決めていくことでもあり、そうした調整を進めていかなければならないと思っています。

記者
県の方針としては、5年後の開催は難しいという方針ととらえてよろしいのですか。

知事
方針というより、現状分析としてそういう認識を持っています。

記者
6月末までの開催申請があると思うのですが、それについては当面見送るということですか。

知事
そこは県内の関係団体、そして国の団体と調整をしていきたいと思っています。

記者
いつごろまでに調整を終えたいと考えていますか。

知事
それぞれの団体との調整というのは、スケジュール的なことも(含めて)調整して決めていきたいと思います。

記者
さまざまな関係機関と調整が要るということですが、県独自の意向としては困難という現状分析ということで、県の意向としては、辞退を申し入れたいという考えでしょうか。

知事
今決めているのは、まず予定していた予算や人的資源を今年度は、被災者支援や復旧・復興関係の方に振り向けたいという意味で、今回の事業見直しを行ったところです。そうした県の実態を踏まえて、県内の団体、全国の団体と相談をして決めていくということになります。

記者
先週土曜日、国の構想会議で望ましい復興のあり方について提言なさったかと思うのですが、その中で国での復興の財源について、各県の知事で意見が分かれました。改めて、今後、お金と人が必要になりますが、望ましい財源のあり方について知事の考えをお聞かせください。

知事
まず、土曜日に各県知事に与えられた題目は、まず各県の経済や文化も含めての各県の紹介、そして被害の状況や復興に向けてどのような取組を行っているのかという現状報告でしたので、そういう内容を報告したところです。どういう復興が望ましいかは、あそこは国全体としてどういう復興が望ましいかを議論する場なので、理念的なことについては、第1回に続き第2回においても、平泉とかILC(国際リニアコライダー計画)を象徴的な例として紹介しながら、オール日本で日本のふるさとであり、また日本のフロンティアでもある東北復興に国としての主体性を持って取り組んでいくべきということを紹介したところです。
一方、財源論については、そもそも財源論というものについては、今の日本の国家財政の状況がどうなっているのか、埋蔵金というものが本当にあるのかないのか、それぞれの事業がどういう具合に進んでいるのかという情報を踏まえる必要があるのではないかと思います。また、財政出動、その財源をどう調達するのかは、マクロ経済政策、財政金融政策でもあるので、ある特定の財政金融政策を行った場合に、日本経済全体がどれだけ成長するのか、成長が落ち込むのかというような分析も必要になり、そういう作業は復興構想会議ではやらなくていいのではないかということを私は言っています。ただ、議論しようという声も少なくないので、早い段階から賛否の方向性は言っておいた方がいいと思い、被災地はもちろん首都圏や西日本も含め、日本経済が落ち込まないような形で、逆に日本経済が元気、活力を持って被災地を支援することができるような進め方がいいのではないかということで、復興税という内容は人によって中身が違うのですが、いわゆる直ちに被災地も含めた増税を行うということについては反対ということを述べているわけです。
ちなみに、勝海舟の「氷川清話」という本で確認したのですが、勝海舟が明治三陸津波に対する政府の対応を批判しているくだりがあり、江戸時代の方がずっと災害対策が良かったと。備蓄米を用意して、すぐ炊き出しとかも行い、3年とか5年とか租税を免除するようなことも江戸時代にはきちんと実施して、それで被災地の人たちもみんな元気になって、すぐ働くようになったと勝海舟が言っていて、やはり、どちらかというと被災地においては、減税とか免税という政策が基本なのではないかと考えています。

記者
震災・津波孤児等の支援のための基金設置の方針ですが、県で全寮制とか国に学校建設を要望していますが、昨日、里親の会の方々の集会が開かれて、どちらかというと里親の会は親の愛情を考え、全寮制よりも家族に近いような形での育て方が重要というような会合だったのですが、知事自身としては、どのように震災孤児の教育についてお考えでしょうか。

知事
子どもにとって、家庭というものが大事だというのはそのとおりだと思いますし、同様に学校とか、学校を中心とした友達や先生、地域とのつき合いというのも大事だということで、矛盾する話ではないと思っています。里親の元から寄宿制の学校に通わせるということはあり得るというか、そこはいかにして子どもたちに家族的な環境もできるだけ整備しつつ、かつ、ふるさとで学びたい、そしてふるさとの同世代の人たちと一緒に学んで、ふるさとに貢献していけるようになりたいという思いをどう両立させていくかを、関係者みんなで工夫していけばいいと思います。

記者
応急仮設住宅の整備について、コミュニティに配慮した入居が行われるよう市町村に周知するということで、大船渡の例も挙げられましたが、先行している陸前高田市と独自にやっている住田町はスピード、公平性を重視して抽選という形の先行事例があります。もう少し県として、コミュニティに配慮ということを強く訴えたいのではないかと思うのですが、その辺のお考えもう一度お聞かせいただければと思います。

知事
先ほどの子どもの話とも似ているのですが、いかに被災者の皆さんが少しでも衣食住の良い環境の中で、かつコミュニティのきずなの中で生活再建をしていくかという工夫の仕方で、一度に全部が満たされるようなスキームにすぐに移行できれば良いのですが、さまざまな段取りの中で、まず先に衣食住を満たすことや安全・健康の優先があって、後からコミュニティ的な施策を補っていくことというのはできると思いますし、必ずこういうやり方でやれという押し付けはできないものだと思っています。それぞれの地域事情があり、また被災者一人一人の個別事情もありますので、そこに行政がフルセットでどう寄り添っていくかというのがポイントで、うまくやっていければ良いと思っています。

記者
宮城県では、市町村に仮設住宅の建設権限も認めていくような流れもあるようですが、応急仮設住宅は7月をめどにということで、さらに用地確保が困難になってきて、今後の展開で状況が変わってくれば、そのようなことも考えられるのでしょうか。

知事
力を合わせて被災者のためになることをやっていけば良いと思っており、今のところ市町村からそうする方が良いという声があるとは聞いていないのですが、そこは絶対にこういうやり方では駄目というルールを押し付けていくのではなく、被災者の必要性に合わせて市町村、県、国、行政がフルセットで寄り添っていくというように進められれば良いと思います。

記者
昨日、統一地方選の後半戦が行われて、民主党は前半戦と同様、厳しい結果になりました。先ほど出ました財源論の話でも、仙谷官房副長官などは所得税の一時的な増税など、増税論が政府内で結構出ており、一方で高速道路無料化の廃止など、当初の民主党の政策とは違った財源論になっているかと思います。そのような批判も結構今回は反映されたのかという気がしますが、そういった民主党の財源論に対する姿勢と、今回の統一地方選のこういう厳しい結果について、どのように受け止められているのでしょうか。

知事
統一地方選前半戦の時は、全然フォローしていませんでしたのでコメントしないと言ったところです。後半戦も基本的にフォローは全然していないのですが、ただ、今の民主党政権のあり方にいろいろな批判があるというのは、選挙関係報道をフォローしていなくても見えてくる、聞こえてくるという感じでした。選挙から離れても、原発対応を含めた災害対策全般について、これでいいのかという批判が、全国的にさまざまあるということが聞こえてきます。前にも言ったかもしれませんが、体制を強化し、より良くしていくということは歓迎であり、必要な局面なのかという感じもします。歴史をさかのぼると、国難の時であっても、例えば第二次世界大戦が1939年に始まった後、イギリスは40年にチャーチルの連立内閣というものができています。また、勝海舟で思い出せば、黒船来航とか欧米帝国主義勢力が日本に押し寄せてきた時に、日本ではすさまじい内政の大転換をしているわけです。危機に対応するためにこそ、より強い内政の体制を作っていくということは、むしろ歴史の必然というところもあるので、そこはかなり頑張っていかなければならないということで、全国的に国民各層からそういった声が上がっている状況なのではないかと思います。

記者
JRの東北新幹線が29日に全線開通します。観光面も含めて大きなメリットがあると思いますが、その点に関する所感等と、宿泊施設のキャンセルが相次ぐ中で、今後の観光客誘致の手立てについてお願いします。

知事
まず、4月7日に大きな余震があったにもかかわらず、この4月中に全線再開できるというのは本当にすごいことだと思います。4月7日の余震前の段階ですが、地震が発生してしばらくしてJR東日本から、4月中には全線開通させるという話があった時、ちょうど観光関係の人たちと懇談していたのですが、岩手の観光関係の皆さんすら驚くようなスケジュールが4月7日の余震があっても実現できるというのはすごいことです。実は東北新幹線というのは地震に強く、脱線とか、ましてや高架が倒れたりしなかったわけで、あれだけの地震や余震の中で4月中の再開ができるというのは、東北新幹線は地震に強い、ひいてはこの沿線地域、岩手県も含めて地震には強いということで、東北全体が地震に強い、岩手も特に地震に強いということが言えるのだと思います。そういった勢いや地震に強いという背景は、観光にも非常にプラスな効果があると思います。今日、県は災害対策本部に加え復興本部を立ち上げ、復興局体制も今日からスタートですが、被災者支援に加え、復旧・復興を更に進めていくに当たっても、津波被災地の復興はもちろんですが、さまざま経済、社会的にダメージを受けている岩手全体の復興ということも取り組んでいかなければならないと思いますので、その中で観光の復興というのは発災直後から私も強調しているところで、大事な柱なので東北新幹線全線再開を契機に観光の復興についても力強く進めていきたいと思います。

記者
今の観光に関連しますが、来月早々にもイコモスによる勧告があります。知事は復興の理念の一つとして平泉の文化を掲げていますが、改めて平泉の世界遺産に向けての所感をお願いします。

知事
これは、我が県の復興への取組を紹介する中で、国の復興構想会議でも平泉を紹介したわけですが、東北の首都として戦乱で荒廃した東北を復興させる中心地、政治的な中心地だっただけではなく、精神的な中心地でもあって、東北、縄文時代以来の「人と人との共生」、「人と自然との共生」という理念の都でもあった平泉は、この世界遺産登録がなかったとしても、東北全体の復興のシンボルとして、内外にそこは広く理解していただきながら復興を進めていくべきだと思っています。ですから、世界遺産登録ということがなくても、今、東北や被災地に関心があって何かのボランティアで行きたいとか、何かしたいと思っている人たちは、まず平泉に来てくださいという呼びかけをしていいと思っています。これが世界遺産登録になれば、平泉への関心はますます高まり、外国も含めていろいろなことが説明しやすくなり、岩手や東北への復興支援という流れと一緒に平泉にどんどん来てもらい、平泉精神を理解してもらって東北全体への理解と、そして支援をしたいという思いを深め、高めてもらうということができると思っています。

記者
全国知事会長選が一騎打ちの構図となっていますが、知事は現状でどう対応されるご予定でしょうか。

知事
今回は非常に自由な立場で選挙に臨んでおり、何か特定の選対に入るとか、そういうこともしていませんので、最後の最後まで自由な形で投票に臨みます。ただし、当日は、東京事務所長をして代理投票させるような格好になると思っていますが、自由に投票したいと思っています。

記者
民主党の県連代表が辞任する動きがありますが、そうした動きについてはどのようにとらえていますか。

知事
反省すべきところを反省しながら、より強い体制、国家、国民のため、また災害に関する被災者支援、復旧・復興のためにより強力な政治の体制を作っていくためのワンステップとしては意義のあることだと思っています。

記者
この災害対応に当たり、岩手の民主党県連代表の小沢一郎さんに期待する役割についてもお願いします。

知事
既に陰ながら、いろいろやっていただいていますし、今まで教わってきたことをどんどん実地で災害対策の面でも多くの関係者の方々がやっていると思うのですが、原発対策も含めて、更に活躍いただけるとより良いのではないかと思っています。日本全体、政治の体制を強化していく中でご本人が持っている力にふさわしい役が回ってくるような展開になってくればいいと思っています。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は4月28日(木曜日)の予定です。

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