平成23年5月23日知事会見記録

ID番号 N4898 更新日 平成26年1月16日

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平成23年5月23日 10時30分から10時47分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
本日は知事からの発表事項はございませんので、幹事長さんの進行によりまして、皆様方からの質問にお答えする形で進めさせていただきます。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いします。

幹事社
本日は、記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があれば社名を名乗ってからお願いいたします。

記者
昨日、枝野官房長官が来県されて、知事はほとんど同行されていましたが、最後に県庁知事室で会談があり、要望書の手渡しもありました。主にどういう点について知事から申し入れをされて、長官の反応はどうだったかについて教えてください。

知事
時間がほとんどありませんでしたので、17の項目、そして約300の具体的な要望項目があるというその全体像の確認と、あとは(行程の)途中、現地で市町村長さん方からいろいろな要望があったことを補足的に説明しました。養殖漁業関係では、1次補正で個人の養殖施設だけが対象となる制度で、岩手の場合は漁協が共同利用施設で行っているところが多く、制度から外れているということを追加説明したり、岩手の広さを実感していただき復興道路の必要性について改めて地図を見て(確認して)いただきながら、三陸を縦に貫く道路と内陸と横に結ぶ道路が重要という説明をしました。

記者
阪神大震災の時は、仮設住宅に移るなど震災からしばらく経ってから高齢者の孤独死や自殺というケースがかなりあり、今回それを懸念する声が関西から支援に来ていただいている方からもよく耳にします。そういう対策が、これから本当に必要になってくると思いますが、どのようにお考えでしょうか。

知事
まず、全体として被災者の皆さんの心と体の健康ということについては、緊張感を持って対応していかなければならないと考えており、それは今避難所での生活もそうですが、仮設住宅に移ってからも引き続きしっかり対応していかなければならないと考えています。仮設住宅については、50戸作るにつき、そこに一つの集会所を設けて、さまざまな福祉的なケアの拠点にもできるようにしていくということで、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえてしっかり対応していきたいと思います。

記者
先ほどの回答の中で1つお聞きします。復興道路についてですが、具体的に知事のお考えでは、どれぐらいの期間、一昨日の構想会議でも資料提出されたと思うのですが、大体何年以内に完成させるというような青写真を描いているのでしょうか。

知事
今提案しているのは、主要部分を3年、全体を5年ということです。

記者
費用面では、例えば国と県の負担率はこれぐらいがというようなものは考えていらっしゃいますか。

知事
基本的に国直轄の事業になりますが、そこで問題になるのが直轄負担金制度です。これは見直すことになっていて、さまざま作業が進んでいるのですが、そういう制度も地方負担が基本的にないような形でやってもらうようにしていかなければならないと思っています。

記者
以前、復興構想会議に県から提案された二重債務対策の件なのですが、その件に関しては、全国の銀行協会とか、いろいろな方面で解消が必要だという認知はされてきていると思いますが、県の言っている要望について、その実現性について、提案からしばらく経ちますが、今どのように現状認識を持っていらっしゃいますか。

知事
まず、おかげさまでいろいろな知恵や力とか強い主張も、全国やいろいろな分野から出てきていて、二重ローン問題が復興の全体の中でも非常に重要な問題であるという認識はかなり共有されてきていると思います。その中で、ファンドを作るということが有効な手段だということについても、いろいろ理解が広がってきていると思っています。一昨日の土曜日の復興構想会議でも、改めて岩手県で考えているファンドの構想、ファンドの案について、私から説明したところであり、復興構想会議のさまざまな具体策の検討の中でもしっかり検討してもらえるのではないかと期待しています。

記者
水産業も、農業もそうなのですが、時間との戦いがあるというところで、国の補正との絡みもあるのですが、早くしてほしいということが非常に産業を復興していく上で聞かれているのですが、迅速性という点での確認をさせてください。

知事
1次補正は仮設住宅の費用であるとか、がれき除去の最初の段階での費用、また自衛隊や消防、警察などの緊急関係の皆さんの人件費とか、本当に今見える、あまり議論の余地がないような、すべての党派が賛成できるような、実際みんなが賛成して決まったわけですが、そういうものだけに絞って早急に決めるという1次補正だったと思いますので、その次を早くやってもらわなければならないと思っています。そのほかについても、岩手のみならず宮城、福島など、さまざまな被災地からも早い段階から既に要望は上がっており、各所を通じて現場の声はかなり伝わっているとは思うので、あとは総合調整的な部分、関係省庁間の調整的な部分を行ってもらえば、かなり迅速にできるし、そうしなければならないのではないかと思っています。

記者
一昨日の復興構想会議で財源確保の具体的な手法について、下部の検討部会で議論してもらうということになったと聞いています。知事は、かねてから復興財源については政府で検討すべきであって、復興構想会議で議論をするというのが適当かどうか疑問であると考えを示されていると思いますが、検討部会で議論をしてもらうことになったということについてはどうお考えですか。

知事
議論したいという人が多く、また復興構想会議を開くたびに誰かが発言しますので、そのたびに私も発言したりして、事実上、議論が復興構想会議で行われているのです。一昨日も私から、アメリカがリーマン・ショック後に国債の中央銀行での引き受けを続けて、ドル安誘導の効果も出て、かなりしたたかなマクロ経済政策運営を行っている、それに日本も倣って株価が上昇し、消費が拡大するようなマクロ経済政策の中で復興を推進していくようにすべきではないかということで、いきなり増税するのではなくて、まずは国債、かつその国債も日銀の引き受けも検討すべきという発言をしたのです。今でもそのようにアメリカのマクロ経済政策の中身について、復興構想会議の中で議論していくという時間の使い方が、復興構想会議として良いのかということには疑問もあるのですが、財源について議論したい人が多く、議論していく以上、国際的なマクロ経済情勢も議論の対象になっていくわけで、私としてもそういう発言をしているところです。

記者
そうすると、知事がいらっしゃる会の手を離れてその検討部会で議論が始まる、行われると思うのですが、そこではどういう議論になることを期待していますか。

知事
実は、私は終始受け身であり、ほかの誰かが発言しない限り、議論がその方向だけで走ったらまずいなと思う時にそれを修正するような発言をしており、どういう話が出てくるかによるのです。要は株価が上昇し、消費が拡大するような日本経済を強くする流れの中で、復興を推進していくというような感じで作業が進むのであれば、私は何も言うことはないと思っています。

記者
確認ですが、税ということでいうと名目はともかくとして、復興財源に充てるための増税ということには知事は反対の考えを示していらっしゃいますが、それは今でも変わらないということですね。

知事
株価が上昇するというのは、企業の活動が活発化してうまくいき、消費が拡大というのは、消費者の家計の経済がうまくいくということを確保しながら復興を進めていくということであれば、私は財源は何であっても構わないと思っており、裏を返すと私として責任をもってこの財源でいけば良いということを主張できるほど日本の財政に関する情報、例えばここにはこういう埋蔵金があるとか、特別会計の中が今どういう状況になっているかということについて、十分な情報は持っていません。また今のタイミングで、日銀が国債引き受けした時に、どのくらい為替、ドルや円の関係、ユーロとの関係、そしてそれに中国がどう出るかとか、そういう十分な情報も持ち合わせていないので、財源はこれが良いというような意見は出せないと思っています。ただ、そういう生半可な財政、金融、国際経済に関する知識の中でも少しこの議論は偏っている、全体として偏った議論になっていると判断した時には、それを修正する発言をしているというスタンスです。

記者
今、2次補正の話は、民主党と自民党、公明党の話は出ているのですが、今国会を延期して進めるべきだという人と、今国会を延期しないで次に回すべきだという人がいるのですが、知事はどのようなお考えを持っているでしょうか。

知事
今日にも提案してほしいというくらいの気持ちです。

広聴広報課
これをもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は5月30日(月曜日)の予定です。

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