平成23年8月8日知事会見記録

ID番号 N4878 更新日 平成26年1月16日

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平成23年8月8日 10時30分から10時48分

広聴広報課
ただ今から記者会見を行います。
最初に知事から発表があります。
それでは、知事、お願いします。

知事
今日の発表事項は、東日本大震災津波関連補正予算についてです。
国の二次補正予算を含めた被災地の復旧・復興に取り組むための追加的な事業や東京電力の原子力発電所から拡散した放射線対策関係事業を盛り込んだ平成23年度一般会計補正予算(第5号)を、8月9日招集する岩手県議会臨時会に提案します。
補正予算の規模は約305億円。内容ですが、まず「暮らし」の再建に関し、被災者のニーズ等を踏まえ、応急仮設住宅の環境の改善を図るほか、民間賃貸住宅の借り上げ戸数を更に拡大します。また、被災地における心のケア活動などの充実を図るとともに、被災した社会福祉関係施設の復旧費用への助成を行います。教育面では、各界の皆様の善意として寄せられた寄附金により設置した「いわての学び希望基金」を原資として、東日本大震災津波により保護者が亡くなられた児童・生徒・学生を対象とする給付型の奨学金制度を創設します。
次に、「なりわい」の再生、産業の復旧・復興関係ですが、産地魚市場や水産加工処理施設の復旧に向けた助成や、被災地の中小企業等が一体となって行う施設・設備の復旧に対する助成を拡大し、産業の復旧・復興の加速化を図っていきます。
これらに加え、東京電力の原子力発電所から拡散した放射線への対策として、放射線の影響を受けやすいとされる子どもの健康を守るため、学校・幼稚園・保育所等における放射線量の調査やこの結果に基づく土壌の除染を進めます。また、安全安心な県産牛肉の検査体制を構築するとともに、出荷制限や風評等の被害を受けた農家経営への支援を行っていきます。
今後も適時適切に補正予算を編成し、被災地の方々が希望を持って生活や「なりわい」の再建に歩み出せるよう支援していくとともに、県民の安全の確保、安心の確保を図るよう全力で取り組んでいきます。

広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
それでは、幹事社さんの進行によりまして、皆様方からのご質問にお答えする形で進めさせていただきます。
幹事社さん、進行をお願いします。

幹事社
ただ今の発表事項について、各社から質問があれば社名を名乗ってからお願いします。
質問がないようであれば、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があれば社名を名乗ってからお願いします。

記者
先ほどの補正予算に少し関係した質問として、今回の補正予算は二次補正への対応というところも大きいと思うのですが、国では総理の退陣時期とかを含め、なかなか本格的な復興予算と言われる三次補正の提出すらまだめどが立ってないところもあり、それに絡んで新年度予算の編成作業も遅れ気味だと聞いています。そこで、この前、三次補正と新年度予算に関して、国に対して知事も要望されたと思いますが、被災地では復興スピードがかなり遅いのではないかという声もあります。それについて、国や総理に対して訴えたいことがあればお聞かせください。

知事
先週、政府与党に要望・提案をして歩いた際には、この復興基本計画案に伴う復興実施計画案を紹介してきて、既に事業の行程表という形になっているもの、これを各省庁では大いに参考にして進めたいというような感じであり、そういう意味で答えは現場にある、被災地から発信をして国を動かしていくという形は土台の部分ではできていると思います。
また、総理大臣が交代し新体制で三次補正ということについては、基本的には真っ当な考えだと思いますので、一日も早く、何度も言っているのですが、やはり去年の参院選の結果を受けたねじれ国会を克服できる衆参の多数に支えられるような体制を早く作ってもらって力強い形で進めてほしいと思います。ある意味、岩手の民主党は、いち早くそういう新体制への移行を訴えてきたわけであり、そういう関係で今の菅体制で党の処分を受けているような方もいるわけですが、そういう皆さんが支援する候補が知事選で勝利をすれば、それは国に対して岩手から新しい体制を作れという民意を被災地から国に突き付けることができると思います。

記者
補正にも放射線対策が入っていますが、特に最近は、肉牛の汚染が問題になっています。その中で農林水産物の風評被害が、課題認識としてあると思うのですが、先週、東海テレビで不適切なものがありました。それから、高田松原の松を使った札が、京都市で市民の心配で使えなくなったとか、風評被害が事実とはまた違うところでもう起きているという現状について、補正とも絡むと思うのですが、どう考えて、どのような風評被害対策を講じていきたいと考えていますか。

知事
牛肉に関しては、国の出荷制限の下で出荷(検査)計画を作り、国の認可を得て、どんどん検査をして出荷していくことを進めることが大事なので、今週中にもこの出荷計画を申請するように関係団体等と調整をしているところです。やはり安全の確保をきちんと制度化できれば、それが安心、風評被害の克服につながっていくと思います。
東海テレビの件は、人の心の闇の奥深さを見せつけられた感じがしています。大災害が発生した時、あるいは非常事態において、とんでもないデマがはやる。関東大震災の時にも非人道的なデマが流布されて、深刻なことを引き起こしたりしていたわけですが、人の心の闇というのは、そういう非常事態の時に表に出てきてしまう傾向があるので、マスメディアは厳にそういうことがないように、むしろそういう人の心の闇を沈静化し、デマの流布を防ぐ使命があるはずですので、そこは当事者に猛省を促したいと思っています。
人の心の闇を刺激し、さまざまな風評被害も生まれるわけですが、きちんとした事実を伝え、また行政側も科学的、技術的な根拠に基づいた安全確保策をきちんととっていくことが重要だと思います。

記者
今の質問に関連して、今週中にも出荷計画を申請されるというお話しでしたが、検査体制についてもある程度めどが立ちつつあるのかというような印象だったのですが、そのあたりのめどについて進展状況があればお伺いします。

知事
7月中に、既に岩手としての全頭検査の仕組みを立ち上げていたところであり、基本的にそれをベースにした体制ということで調整中です。

記者
復興基本計画のことでお尋ねします。先ほどの復興本部員会議で復興基本計画の成案、最終案をまとめられて、明日の臨時会に提案されるということになりました。当初、この復興計画は9月の定例会で承認を得て決定という予定だったと思いますが、そこを大幅にスピードアップして今日、成案をまとめたということになったと思います。大幅なスピードアップで明日の臨時会提案の前にまとめられたということをまずどう思われますか。

知事
被災地、そして被災者に寄り添いながら被災者支援、復旧・復興を進めていく中で、やはり、より早くさまざまな事業を軌道に乗せてほしいという強い希望、願い、要望を感じましたので、それに行政がしっかり応える。また、県のそれぞれの担当だけではなくて、市町村や国、さまざまな分野の団体との連携もかなり加速された結果が、この復興基本計画策定の前倒しになっていますので、ぜひこのペースで被災地、被災者の期待に応えていきたいと思います。

記者
昨日、民主党の時局講演会の中で国体の話が出ました。国体についての現状と、知事の開催の是非についての考えを改めてお聞かせください。

知事
昨日、盛岡での講演会で民主党のスポーツ振興議員連盟会長である谷亮子参議院議員から、6月に成立したスポーツ基本法の説明があり、その中に国体等の円滑な開催に向けて国は開催地を支援するという内容の条項もあることが紹介され、谷さんから岩手における5年後の予定通りの国体開催を応援したいという発言がありました。これは新しい展開だと思っており、私としても、ぜひ谷さんはじめ民主党と相談をさせてほしいと思っています。

記者
それは開催に向けて、実現に向けてという方向でよろしいですか。

知事
具体的にどういう支援があり得るのか、その中で県、国がどういう役割分担になっていくのか、まず民主党側の意見、考え方を聞かなければならないと思っています。

記者
関連してですが、民主党の意見を聞きたいということなのですが、知事ご自身としては震災前から、計画されていた2016年いわて国体を通常通り開催するに当たっては、人・金の部分でどの程度の支援が国からあれば実現可能と考えていますか。

知事
そこは、県内のさまざまな関係者の意見との兼ね合いもあり、県の体育協会の会議では、例えば盛岡の体協の代表の方から、もう貧乏国体でいいんだと、もう最低限の縮小開催でやるべきであり、そのための国の支援を求めるべきという趣旨の発言があったと記憶していますが、そういう県内の関係者の考え方と国や民主党の考え方の兼ね合いというようなところで決まってくるのかとも思います。そういう意味でもまず、今、県内的にはそういう縮小開催のあり方について、県の担当とさまざまな団体との間で意見交換しているところであり、それと並行しながら民主党との相談も進めていくということになると思います。そういう段取りについては、昨日の谷さんの発言の内容とともに、今朝の庁議で県の幹部にも紹介していますので、県として組織的に対応していけると思っています。

記者
私は昨日、知事の様子を見ることができなかったのですが、ピースサインをされたということで、それは何か意味はあったのですか。

知事
与党民主党のスポーツ振興議員連盟の会長さんから、そういう非常に力強い発言を頂いたということは、これは岩手県知事としては大変ありがたいことですので、そのお礼、歓迎を態度で示したということです。

広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は8月22日(月曜日)の予定です。

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